レバノンでのイスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月7日)

NNA(8月7日付)などによると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村周辺で避難生活を送ってきたシリア人約1,700人が、同地での武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)とレバノン軍の戦闘激化を受けて、シリア国内に避難、帰国した。

AFP(8月7日付)によると、シリアに帰国した避難民の多くはダマスカス郊外県カラムーン地方の住民であり、このほかに3,000人がシリアへの帰国を望んでいるという。

なおアルサール村一帯には4万7,000人のシリア人避難民がいるという。

NNAによると、シリア人避難民の帰国は、彼らがレバノンに不法入国していたためで、武装集団とレバノン軍の衝突発生以前から散見されていたという。

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ラムズィー・ジュライジュ情報大臣は、タマーム・サラーム首相が、ジャーン・カフワジー軍総司令官、イブラーヒーム・バスブース内務治安軍総局長、アッバース・イブラーヒーム総合治安局長、ジョルジュ・カルア国家治安総局長、イマード・ウスマーン軍情報局長と会談し、軍、治安機関の志願兵・隊員数を1万2,000人に増員することを決定したと発表した。

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ジャーン・カフワジー軍総司令官は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団の襲撃に伴うレバノン軍と武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘に関して、武装集団がアルサール村からシリア領内に撤退したことを確認したとタマーム・サラーム内閣に報告した。

ナハールネット(8月7日付)が伝えた。

なお『サフィール』(8月7日付)によると、アルサール村には約2,000人の武装集団が侵入し、停戦交渉はアブー・タラールを名乗るイマード・アフマド・ジュムア氏(8月3日に逮捕)の副官が行っていたという。

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ナハールネット(8月7日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村での武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)とレバノン軍の停戦を仲介しているウラマー委員会の使節団は、レバノン軍兵士らを拉致した武装集団との連絡が途絶えたと発表した。

連絡が途絶えたのは、彼らがアルサール村一帯から撤退し、「彼らが携帯電話の電源を切った」ためだという。

その後、シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、アルサール村一帯から撤退したことを明らかにした。

アルサール村での戦闘継続で、ダマスカス郊外県カラムーン地方の戦闘員やシリア人避難民の移動が制限され、そのことが「イスラームの敵」に資することになるというのが撤退の理由。

またヌスラ戦線は、アルサール村で拉致したレバノン軍兵士が「特別な待遇を受けている」と発表し、無事であることを強調した。

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『サフィール』(8月7日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃に関して、治安当局が、武装集団の指導者らと、ルーミヤ刑務所収監者の政治犯、北部県トリポリ市のジハード主義者、アイン・フルワ・パレスチナ難民キャンプ(南部県サイダー市)のジハード主義者の間で先週末に交わされた電話での会話を傍受していた、と報じた。

AFP, August 7, 2014、AP, August 7, 2014、ARA News, August 7, 2014、Champress, August 7, 2014、al-Hayat, August 8, 2014、Kull-na Shuraka’, August 7, 2014、al-Mada Press, August 7, 2014、Naharnet, August 7, 2014、NNA, August 7, 2014、Reuters, August 7, 2014、al-Safir, August 7, 2014、SANA, August 7, 2014、UPI, August 7, 2014などをもとに作成。

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