イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月4日)

Contents

シリア国内の動き

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がサラミーヤ市西部のムザイラア地方の民家を襲撃し、一家7人(イスマーイーリー派)を惨殺した。

またサラミーヤ市近郊のアイドゥーン村周辺とサトヒーヤート地方で軍、国防隊がダーイシュと交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が東ジャルズィー村、西ジャルズィー村で部族民兵と交戦し、両村を制圧した。

部族民兵はアブー・ハマーム市方面に撤退した。

またダーイシュが部族民兵との交戦の末に制圧したスワイダーン・ジャズィーラ村では、戦闘が収束、避難していた住民が帰宅した。

この戦闘では、ダーイシュの砲撃などによって、住民と部族民兵13人が死亡した。

一方、マフミーダ村と対イラク国境のブーカマール市では、ダーイシュが指名手配者の捜索活動を行ったという。

このほか、アブー・ハマーム市、キシュキーヤ町、ガラーニージュ市などでダーイシュと部族民兵の戦闘が続いたという。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第93旅団に近いマシャーヒダ村各所を軍が砲撃、また同基地周辺で軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

イラク国内の動き

ニナワ県では、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガ筋によると、3日にダーイシュ(イスラーム国)に制圧されたモスル・ダムおよびダム近郊のワーナ村をペシュメルガ増援部隊が奪還した(ただしダーイシュ側をこれを否定している)。

またペシュメルガはシリア国境(ハサカ県ヤアルビーヤ村)に面するラビーア町を、ダーイシュと戦闘の末に奪還した。

このほか、イラク軍諜報機関によると、モスル市南部のタヤラーン地区に対する軍の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官の一人(パキスタン人)を殺害した。

**

バービル県では、マダー・プレス(8月4日付)によると、ジュルフ・サフル地方をイラク軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員40人を殺害、拠点10カ所を破壊した。

またサンディージュ地方で、イラク軍とダーイシュが交戦し、ダーイシュの狙撃手8人が死亡した。

**

バグダード県では、イラク内務省によると、南部のサイイド・アブドゥッラー地区でイラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュのワーリーを名乗るアブー・ニーシャーン・ジャヒーシー氏と副官8人が死亡した。

一方、北部のマシャーヒダ村での戦闘では、双方に16人の死傷者が出た。

**

キルクーク県では、マダー・プレス(8月4日付)によると、フワイジャ郡をイラク軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員12人が死亡した。

AFP, August 4, 2014、AP, August 4, 2014、ARA News, August 4, 2014、Champress, August 4, 2014、al-Hayat, August 5, 2014、Kull-na Shuraka’, August 4, 2014、al-Mada Press, August 4, 2014、Naharnet, August 4, 2014、NNA, August 4, 2014、Reuters, August 4, 2014、SANA, August 4, 2014、UPI, August 4, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.