ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、近隣諸国に逃れているシリア人難民に対して帰国を呼びかけた。
発言は、ドナルド・トランプ米大統領が、シリア領内ないしは周辺諸国にシリア難民を収容するための「安全保障地帯」を設置するとの意思を表明したことや、米国内への難民受け入れを停止する大統領令に署名したことを意識したもの。
SANA(1月30日付)が伝えたところによると、ムアッリム外務在外居住者大臣は、ダマスカスでのフィリポ・グランディ国連難民高等弁務官との会談で、「シリア政府は、近隣諸国にいるシリア人難民に対して改めて帰国するよう呼びかける…。シリア政府は彼らを受け入れ、生活に必要なものを保障する用意がある」と述べた。
また、「安全保障地帯」に関しては、「シリア政府との調整を欠いたかたちでこうした地域を設置しようとするいかなる試みも安全ではなく、シリアの主権に対する侵害だとの見方で双方(シリア政府と国連難民高等弁務官との会談)は一致した」と述べたという。
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また、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、国連難民高等弁務官事務所と、内務省民生局への技術支援協力に関する合意を締結した。
AFP, January 30, 2017、AP, January 30, 2017、ARA News, January 30, 2017、Champress, January 30, 2017、al-Hayat, January 31, 2017、Iraqi News, January 30, 2017、Kull-na Shuraka’, January 30, 2017、al-Mada Press, January 30, 2017、Naharnet, January 30, 2017、NNA, January 30, 2017、Reuters, January 30, 2017、SANA, January 30, 2017、UPI, January 30, 2017などをもとに作成。
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