アル=カーイダのザワーヒリー指導者はシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)が忠誠(バイア)を解消したことを初めて批判、忠誠義務を守るよう呼びかける(2017年11月28日)

アル=カーイダ(総司令部)のアイマン・ザワーヒリー指導者は音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=tNv2e-WM0ws)を出し、アル=カーイダとの関係を解消したシャーム解放機構を初めて批判した。

al-Durar al-Shamiya, November 28, 2017

シャーム解放機構は、2017年1月、シャーム・ファトフ戦線が、米国の支援を受けていたヌールッディーン・ザンキー軍などとともに結成した組織。

このシャーム・ファトフ戦線は、2016年7月、シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線が、アル=カーイダの許可のもと、アル=カーイダとの関係を解消するとして結成(改称)した組織。

サハーブ機構を通じて発表された「堅固な建造物をなして彼らと戦おう」と題された音声声明のなかで、ザワーヒリー氏は以下の通り述べた。

「我々は、ヌスラ戦線であれ、それ以外であれ、彼らからの忠誠(バイア)を解消はしないし、ヌスラ戦線からの密かなバイアも受け入れない…。我々はこうしたこと(ヌスラ戦線によるアル=カーイダとの関係解消)を決定的な過ちとみなしており、我々に忠誠を誓うすべての者たちと我々の関係は、違反が禁じられた遵守されるべき契約である」。

「ヌスラ戦線(シャーム解放機構)は、アル=カーイダとの結びつきを表明するすべての者に戦いを挑み、彼らの女性を捕らえ、子どもたちを尋問した…。シャーム解放機構に対して、1年以上も改善の猶予を与えてきたが、彼らは要請を無視してきた」。

このように述べたうえで、ザワーヒリー氏は、「シャームの聖戦アル=カーイダにおいて忠誠を誓った者たち」に対して、自らの忠誠と誓約を遵守するよう呼びかけた。

AFP, November 28, 2017、ANHA, November 28, 2017、AP, November 28, 2017、ARA News, November 28, 2017、Champress, November 28, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2017、al-Hayat, November 28, 2017、al-Mada Press, November 28, 2017、Naharnet, November 28, 2017、NNA, November 28, 2017、Reuters, November 28, 2017、SANA, November 28, 2017、UPI, November 28, 2017などをもとに作成。

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