シャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)のジャウラーニー指導者「アスタナ会議に準じる反体制派との和解に応じる用意がある」(2018年1月16日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者はインターネットを通じて音声声明(https://youtu.be/CSLSIez7uMY)を発した。

「彼らの陰謀はあなた方をけっして害さないだろう」と題された19分弱の音声声明のなかで、ジャウラーニー指導者は、外国の計略やアジェンダを排除し、シャーム(レヴァント)の民の利益に沿ったかたちで、アスタナ会議での緊張緩和地帯設置にかかる合意に従っている反体制派との和解に応じる用意があると表明した。

ジャウラーニー指導者は「シャーム解放機構はシャームの民の革命の一部をなしており、シャームの民の利益を阻害することはない…。みなと和解し、包括的な和解を通じて新たな1ページを開く用意がある。これは停戦にかかる会合と、合意や誓約の実施をもって始められるだろう」と述べた。

また「シャーム解放機構がその言動を通じて拒否したアスタナでのプロセスこそもっとも危険だ…。このプロセスは、ロシアの占領に正統性を与え、占領を政治的解決策の一環と位置づけ、占領を停戦の担保としてしまった…。シャーム解放機構はアスタナで署名された分割合意を拒否し、トルコにその旨伝えた…。アスタナ(会議の合意)によると、政権は砲撃、殺戮といったあらゆる犯罪を行う権限が与えられている」と非難した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)については「政権の代わりに攻撃を行い、これらの地域(ハマー県北東部、イドリブ県南東部)の直接の原因となった」と批判した。

AFP, January 16, 2018、ANHA, January 16, 2018、AP, January 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2018、al-Hayat, January 16, 2018、Reuters, January 16, 2018、SANA, January 16, 2018、UPI, January 16, 2018などをもとに作成。

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