アル=カーイダ系のシャーム解放機構と共闘する「穏健な反体制派」のナスル軍が分裂(2018年2月8日)

ハマー県北東部、イドリブ県南東部でシャーム解放機構と共闘してきた「穏健な反体制派」の一つナスル軍に所属する救済戦線と第111連隊は共同声明を出し、ナスル軍を解体し、所属組織を復活させると発表した。

また、ナスル軍の司令官の一人ムハンマド・マンスール少佐指揮下の武装集団の活動地域をハマー県ガーブ渓谷に限定するとともに、救済戦線と第111連隊は独自に活動すると表明した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月9日付)によると、声明は、マンスール少佐が独断行動を続けてきたことに対処するものだという。

al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018

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救国戦線と第111連隊の共同声明発表を受け、ナスル軍総司令部も声明を出し、両組織は「こうした決定を下す権限を有さない」と批判、組織解体を拒否した。

al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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