マクロン仏大統領「シリア民主軍を支援するため部隊を増派する」(2018年3月29日)

フランス大統領府は声明を出し、エマニュエル・マクロン大統領が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の使節団との会談で、シリア北東部の安定回復とダーイシュ(イスラーム国)の再台頭阻止に向けて支援を行うと明言したことを明らかにした。

マクロン大統領はまた、フランスと国際社会の支援のもとにシリア民主軍とトルコの対話が可能になることを望んでいる旨、伝えたという。

これに関連して、シリア民主軍使節団に参加している人民防衛部隊幹部の一人ハーリド・イーサー氏は、マクロン大統領との会談後、大統領がシリアへの部隊増派、人道支援物資、さらにはシリア国内の紛争解決に向けた圧力を約束したと述べた。

イーサー氏によると、フランス軍部隊の増派は、ダーイシュの攻撃だけでなく、外国、すなわちトルコの攻撃を阻止するためのメッセージだという。

AFP(3月29日付)、ロイター通信(3月29日付)などが伝えた。

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だが、フランス大統領府はその後(30日)、新たな声明を出し、「フランスは、ダーイシュに対する有志連合の枠組から外れて、シリア北部で新たな軍事作戦を行う意思はない」と発表した。

AFP, March 29, 2018、ANHA, March 30, 2018、AP, March 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 30, 2018、al-Hayat, March 31, 2018、Reuters, March 29, 2018、SANA, March 30, 2018、UPI, March 30, 2018などをもとに作成。

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