ホワイト・ヘルメットのサーリフ代表「ドゥーマー市での化学兵器攻撃の犠牲者の埋葬場所を調査委員会に伝えた。遺体の身元を明らかにし、死亡を記録する時間的余裕はなかった」(2018年4月18日)

トルコで暮らすホワイト・ヘルメット代表のラーイド・サーリフ氏は、4月7日に発生した塩素ガス使用疑惑事件の被害者を埋葬した場所を含む「すべての情報を調査委員会に開示した」ことを明らかにした旨、ロイター通信(4月18日付)の取材に対して文書で答えた。

サーリフ氏によると、遺体は直ちに埋葬されたが、証拠隠滅を回避するためその場所は伏せられているとしたうえで、犠牲者の身元については「破壊されたドゥーマー市は、爆撃が続くなか攻撃前日から悲劇的な状態にあり、犠牲者の身元を明らかにし、死亡を記録するための時間的余裕などなかった…。犠牲者を早急に瓦礫のなかから救出することを優先していた」と述べた。

事件では、当初1,000人が負傷し、70人以上が死亡したとされていたが、埋葬前の遺体の映像がないなどとの指摘がなされていた。

AFP, April 18, 2018、ANHA, April 18, 2018、AP, April 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2018、al-Hayat, April 19, 2018、Reuters, April 18, 2018、SANA, April 18, 2018、UPI, April 18, 2018などをもとに作成。

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