ホワイト・ヘルメット幹部はシリア国内の残されたメンバーに「バスに乗って北へ行くしかない」と告げる(2018年7月24日)

AFP(7月24日付)は、西側諸国が22日にイスラエルとヨルダンの協力を得て、ホワイト・ヘルメットのメンバー約400人をクナイトラ県からヨルダンに脱出させた件に関して、クナイトラ県の農村出身で、同地で医療活動にあたっているホワイト・ヘルメットのメンバーのイマードを名乗る20歳の男性の言葉を紹介した。

イマード氏は「彼ら(西側諸国)は(ホワイト・ヘルメットの)他のメンバーを救出した。だが、我々を脱出させないのか?…。我々は包囲されている」と吐露した。

イマード氏によると、23日にヨルダンでホワイト・ヘルメットの幹部が会合を開き、残されたメンバーの処遇について協議、会合の後、シリア国内に留まっているホワイト・ヘルメットのメンバーたちは、「残された唯一の選択肢は(シリア政府によって用意される)バスに乗って、北部の反体制派支配地域に迎うことだ」と告げられたという。

イマード氏は次のように述べ、シリア政府による報復への恐怖を露わにした。

「我々は、シリア軍の手に渡れば、捨てられたカードのようなものだ。慈悲などない。政権に捕らえられた者はみな行方が分からなくなっている。誰もどうなったか知らない」。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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