イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月31日付)によると、シャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるイドリブ市、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、サルマダー市、アリーハー市、サラーキブ市、ジャルジャナーズ町、ジスル・シュグール市で、金曜日の集団礼拝後、イドリブ県に対するロシア軍の攻撃に反対するデモが行われた。
同サイトによると、同様のデモは、トルコの実質占領下にあるアレッポ県北部のアナダーン市、アンジャーラ村、アアザーズ市、マーリア市、ジャラーブルス市、ダーラト・イッザ市でも行われた。
デモ参加者は、シリア革命旗(フランス委任統治領シリアの国旗)、国民解放戦線の旗、シャーム解放機構の旗を掲げ、政権打倒、革命継続、逮捕者釈放、占領者(ロシア、イラン)の追放などを訴えるとともに、ロシア軍による攻撃や、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の姿勢を非難した。
国民解放戦線は2018年6月に結成された連合体で、トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダの系譜を汲むシャーム自由人イスラーム運動、シャーム解放機構から離反した「穏健派な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動、シャーム解放機構と共闘関係にあったいわゆる自由シリア軍諸派(自由イドリブ軍、精鋭軍、ナスル軍などからなる。
また、シャーム解放機構はシャームの民のヌスラ戦線の後身組織で、シリアのアル=カーイダと目されている。
抗議デモは、トルコのイスタンブールで活動するシリア・イスラーム評議会、イドリブ県の自治を担っていると主張するシリア救国内閣などが呼びかけていた。
AFP, August 31, 2018、ANHA, August 31, 2018、AP, August 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2018、al-Hayat, September 1, 2018、Reuters, August 31, 2018、SANA, August 31, 2018、UPI, August 31, 2018などをもとに作成。
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