西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)のスィーバーン・ハンムー総司令官は『シャルク・アウサト』(12月15日付)のインタビューに応じ、トルコが準備しているシリア北東部ユーフラテス川以東地域への侵攻作戦に関して、「ロシア、トルコ、シリア、イランの4カ国の政府は、ユーフラテス川以東をめぐって、米国を不快にさせることで実質合意している」との見解を示した。
ハンムー総司令官は「今年初めに(アレッポ県)アフリーン(郡)に対する(トルコの)攻撃が認められた際に、我々がロシア政府を失望させたのを機に、(ロシアとの)直接連絡は停止された…。我々の事務所を経由した間接的な連絡は行われている…。明らかなのは、米国を不快にさせられて、ロシアが喜んでいるということだ。トルコは(我々を)脅迫し、部隊を動員している…。(そのことを)彼らは喜んでいるようだし、当事者どうしで実質合意がなされているようだ」と述べた。
ハンムー総司令官はまた、シリア政府の姿勢に関して「政府高官と連絡はとり合ってきた…。アフリーン市では、彼らは我々に、トルコの攻撃に先立って同市を明けわたすよう要求してきたが、我々はこれを拒否した。今回、彼らは傍観している。ロシアからもダマスカスからも何のイニシアチブも行われていない」と述べた。
さらに米国については、「米国は、トルコの脅迫がユーフラテス川以東でのダーイシュ(イスラーム国)に対する作戦を打ち砕こうとしていると述べた…。我々はトルコと米国がNATOの同盟国であることを忘れるべきでない」と述べた。
AFP, December 15, 2018、ANHA, December 15, 2018、AP, December 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 15, 2018、al-Hayat, December 16, 2018、Reuters, December 15, 2018、SANA, December 15, 2018、al-Sharq al-Awsat, December 15, 2018、UPI, December 15, 2018などをもとに作成。
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