アサド大統領は、イランを訪問し、首都テヘランで最高指導者アリー・ハーメネイー師、ハサン・ロウハーニー大統領と会談した。
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ハーメネイー師との会談で、アサド大統領は、同師とイラン国民に向けてイラン・イスラーム革命40周年への祝意を述べ、イスラーム共和国体制を「国民の利益を実現し、外国の介入から国民を守ることができる強力な国家建設のモデル」と称賛した。
また、二国間の友好関係が、シリアとイランの弱体化と不安定化、さらに地域全体への混乱の拡大を画策する諸外国に対する両国の不屈の精神を支える主要な要素であることを強調した。
これに対して、ハーメネイー師は、テロとの戦いにおけるアサド大統領、シリア国民、シリア軍武装部隊の勝利に祝意を示し、この勝利が、中東地域に対する欧米諸国の計略に深刻な打撃を与え、これらの国が今後行おうとしていることが失敗を招くという警告となったと称賛した。
また、完全な復興、テロ根絶が実現するまで、イランが引き続きシリアの側に立つとしたうえで、両国が互いに戦略的に深く結びついていると強調した。
会談では、地域情勢について意見が交わされ、アサド大統領は、域内の諸国民の利益を実現するには、米国を筆頭とする一部西側諸国の意思に屈することを止めるよう域内諸国に求めて、主権の尊重、内政不干渉の原則に基づいたバランスのとれた政策を行う必要があると述べた。
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ハーメネイー師に続いてロウハーニー大統領との会談を行ったアサド大統領は、両国関係がさまざまな面で戦略的に強化されたことを高く評価した。
アサド大統領はまた、シリア危機に際してイランの指導部と国民が行ってきた支援について謝意を示した。
これに対して、ロウハーニー大統領は、「テロとの戦い」を行うことが正当性を支援するとの原則に従って、イラン国民が引き続きシリアの側に立つと強調、「シリアの勝利は、イラン、そしてイスラーム共同体全体の勝利であり、テヘランはシリア国民に対して、テロ根絶と復興開始のために可能なすべてのことをする」と述べた。
会談では、アスタナ会議での取り組みについて意見が交わされ、同会議の枠組みのなかでの領土、独立、そして主権の維持、テロ根絶の方途が検討された。
SANA(2月25日付)が伝えた。
AFP, February 25, 2019、ANHA, February 25, 2019、AP, February 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2019、al-Hayat, February 26, 2019、Reuters, February 25, 2019、SANA, February 25, 2019、UPI, February 25, 2019などをもとに作成。
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