ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。
ショイグ国防大臣のシリア訪問に先だって、イランのモハンマド・バーゲリー参謀長(少将)、ウスマーン・ガーニミー参謀長(上級大将)が率いるイラン・イラク軍合同使節団が18日にシリアを訪問、アサド大統領、アリー・アブドゥッラー・アイユービー国防大臣と会談している。
SANA(3月19日付)によると、会談ではシリアにおける「テロとの戦い」の進捗について意見を交わした。
アサド大統領は会談のなかで、シリアとロシアが軍事、政治面をはじめとするすべての分野で高度な共同行動と連携をしたことが、テロに対してシリアが持ちこたえ、ダーイシュ(イスラーム国)やシャーム解放機構などといった組織に対する勝利を実現した決定要因の一つだと述べた。
これに対して、ショイグ国防大臣は、シリア・アラブ軍とともに「テロとの戦い」を続けるとともに、シリア全土の解放、領土統一、主権、そして独立維持のためにシリア国民を全面支援を継続すると応えた。
会談では、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県、米国の支援を受ける北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川以東地域の情勢についても検討、これらの地域において治安と安定を回復するのにふさわしい解決策を策定するため共同行動を継続するとともに、シリア国民に敵対する国家が過去数年にわたる戦争でなし得なかったことを実現しようとする動きを許さないことを確認した。
会談にやアリー・アブドゥッラ・アイユーブ国防大臣、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、セルゲイ・ヴェルシニン外務副大臣、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使も同席した。
AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。
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