シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、ハマー県北部での対立を解消するための合意を交わす(2019年4月10日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの庇護を受ける国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、ハマー県北部での対立を解消するための合意を交わした。

合意は、①両組織が拘束している捕虜の解放、②両組織の対立の発端をもたらした関係者の法廷での審査、③シリア政府支配地域と反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)の境界に位置するカルアト・マディーク町の通行所に設置されていたシャーム解放機構の通行所を再開する、という3項目からなる。

シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動の対立は、シャーム自由人イスラーム運動が、シャーム解放機構などとともに設置していた中央作戦司令室と連携せずに、ハマー県北部のシリア軍拠点に対して単独で砲撃を行ったことに端を発していた。

シャーム自由人イスラーム運動の独断行動に対して、シャーム解放機構は、砲撃を行っていたシャーム自由人イスラーム運動のメンバー1人を逮捕、迫撃砲を応酬していた。

これに対して、シャーム自由人イスラーム運動は、カルアト・マディーク町通行所のシャーム解放機構の検問所を襲撃し、メンバーを拘束していた。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月10日付)が伝えた。

AFP, April 10, 2019、ANHA, April 10, 2019、AP, April 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 10, 2019、al-Hayat, April 11, 2019、Reuters, April 10, 2019、SANA, April 10, 2019、UPI, April 10, 2019などをもとに作成。

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