北・東クルド自治局の高官は米国がシリアからの部隊撤退を撤回して以降、シリア政府との交渉が暗礁に乗り上げていることを明かし、ロシアを非難(2019年4月12日)

ロイター通信(4月12日付)は、シリア政府との交渉に当たっている北・東クルド自治局の高官が、両者の政治的取引が暗礁に乗り上げていることを明らかにし、仲介をしているロシアを非難している、と伝えた。

暗礁に乗り上げていることを明かしたのは、北・東シリア自治局のジャズィーラ地方顧問を務めるバドラーン・ジヤー・クルド氏。

同氏によると、北・東クルド自治局や、ドナルド・トランプ米大統領がシリアから部隊撤退すると発表(2018年12月)した直後の1月から、シリア政府との交渉を再開、ロシアの仲介でシリア北東部の自治が維持されることを期待していた。

だが、米国が撤退を事実上撤回すると、シリア政府は、北・東クルド自治局に対して、支配に服さない場合は軍事行動も辞さないと脅迫するようになり、ロシアも仲介のイニシアチブを発揮しなくなった、という。

バドラーン・ジヤー・クルド氏は、「ロシアはイニシアチブは有効だと主張しているが、役に立っていない」と批判した。

AFP, April 12, 2019、ANHA, April 12, 2019、AP, April 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2019、al-Hayat, April 13, 2019、Reuters, April 12, 2019、SANA, April 12, 2019、UPI, April 12, 2019などをもとに作成。

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