シリアのアル=カーイダにイドリブ県の自治を委託されているシリア救国内閣首班はトルコ軍の駐留に疑念を呈する(2019年5月28日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構にイドリブ県を中心とする支配地域の自治を委託されているシリア救国内閣のファウワーズ・ヒラール首班は、シリア・ロシア軍の激しい攻撃に関して、シリア政府との境界地帯に設置されているトルコ軍監視所の役割に疑念を呈した。

ヒラール首班は「今回の攻撃は厳しいものだ…。政権がハマー県北部郊外とイドリブ県南部郊外にある我々の防衛線を破壊したら、(トルコとの)国境地帯まで攻撃がとどまることはない」としたうえで、「国民が保護されるという希望のもとにトルコの監視所が設置されたが、これらの拠点は現在、自分たちすら守ることができないでいるというのが実情だ」と述べた。

そのうえで「我々がトルコが十分な責任を果たし、まずは自分たちが設置した拠点を、そして続いて自分たちが進駐している地域を防衛し、ロシア軍とシリア軍の戦闘機の旋回と爆撃を阻止することを望んでいる…。監視所、そしてその周辺地域が砲撃されることで、多くのトルコ軍兵士が負傷している。こうした事態のなか、多くの疑問符が浮かぶ。我々はトルコの同胞が自分たちの役割を説明する必要があると考えている。彼らは監視所を設置して何をしたいのか」と批判した。

ロイター通信(5月28日付)が伝えた。

AFP, May 28, 2019、ANHA, May 28, 2019、AP, May 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2019、al-Hayat, May 29, 2019、Reuters, May 28, 2019、SANA, May 28, 2019、SOHR, May 28, 2019、UPI, May 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.