トルコ占領下のアフリーン郡(アレッポ県)では反体制派戦闘員とその家族20万人が入植する一方、住民35万人が家を追われる(2019年6月4日)

北・東シリア自治局を主導するクルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(6月4日付)は、2018年3月18日にトルコが反体制武装集団とともに占領したアレッポ県アフリーン郡に、20万人近い住民が「入植」していると伝えた。

「入植」者の多くは、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ダルアー県、イドリブ県でのシリア政府と反体制派の和解に際して、シリア政府の支配下に復帰した地域に留まることを拒否した戦闘員とその家族。

このうちの約4000人はイドリブ県の元住民で、そのほとんどがシャーム解放機構メンバーの家族だという。

彼らは主に、ジンディールス町、シャッラー村、ブルブル町、シャイフ・ハディード(
シーヤ)町、シーラーワー町といったアフリーン郡の主要都市、そしてこれらの都市の周辺の村々に「入植」しているという。

一方、トルコ軍の占領によって、それまで暮らしていた住民35万人以上が家を追われ、「シャフバー地区」への避難を余儀なくされ、困難な生活を強いられている。

シャフバー地区とは、北・東シリア自治区がシリア政府と共同統治するアレッポ県タッル・リフアト市一帯地域のこと。

AFP, June 4, 2019、ANHA, June 4, 2019、AP, June 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2019、al-Hayat, June 5, 2019、Reuters, June 4, 2019、SANA, June 4, 2019、SOHR, June 4, 2019、UPI, June 4, 2019などをもとに作成。

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