『クドス・アラビー』(7月16日付)は、シリア政府がトルコ領内での破壊工作を行うため、トルコ人のアレヴィ派宗徒400人と10団体の勧誘に成功したと伝えた。
同紙が入手した文書によると、シリア政府は、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)出身のトルコ人を勧誘し、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線を率いるアリー・カヤーリー氏(別名ミフラチュ・ウラル)の指揮下で活動させようとする一方、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長が2018年3月にイタリアを訪問した際には、アレキサンドレッタ地方の処遇について協議したという。
協議の内容は、アレキサンドレッタ地方が分離を要求、同地での民衆抗議デモが高揚したことを受けて、国際社会が同地方に対するトルコの領有権を否定し、シリアの領有権を承認するというもので、トルコのアレヴィ派の勧誘は、この動きのなかでトルコ軍を攻撃するための組織を創出する狙いがあるという。
AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、al-Quds al-‘Arabi, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。
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