シリア人権監視団はシリア軍第25特殊任務師団がロシアでの対外任務に参加していることを示す「極秘文書」を入手したと発表(2023年1月18日)

シリア人権監視団は、シリア軍第25特殊任務師団がロシアでの対外任務に参加していることを示す「極秘文書」を入手したと発表した。

同監視団によると、この文書には、外貨や必要な予算が不足するなか、シリア軍が自らの予算を切り崩して、国外で活動する兵士らに2022年11月と12月分の給与を支払ったことが示されている。

また、この文書によって、ロシア軍とシリア軍の合同作戦司令室が、第25特殊任務師団の司令部に対して司令を出して、軍の予算から経費を拠出していることが立証されたとしている。

文書の内容は以下の通り。

シリア・アラブ共和国
軍武装部隊総司令部
第5軍団
第25特殊任務部隊
第688号
2023年1月3日

第五軍団司令官少将閣下どの

財務局長少将閣下の書簡の写しを貴殿に同送する。同書簡は2022年12 月 15 日付書簡第614号への回答を記したものである。これは、友好国であるロシア連邦での対外任務にあたる第25特殊任務師団の将兵の経費を周知するためのもので、2022年11月と12月の給与を振り込むために必要な予算や外貨が不足しており、2023年予算にこれを繰り越すことを示している。なお、同師団司令部は、(第5)軍団送付の月給リストに基づき、国内のすべての支払い対象者への給与を完了した。本件にかかる月次表を添付する。

閣下におかれましては、対外任務にあたる兵士のための支払い手続きを早急に行われたい。ロシア・シリア合同中央作戦司令室は、第25特殊任務師団司令部に、軍・武装部隊の割り当て分のみからこれらの予算を支払うことを指示している。なお、国外にいる第25特殊任務師団の兵員は火急に本任務への支払いに介入することを要請している。

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シリア人権監視団によると、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアに派遣されたシリア軍将兵は2,000人あまりに達しているという。

AFP, January 18, 2023、ANHA, January 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2023、Reuters, January 18, 2023、SANA, January 18, 2023、SOHR, January 18, 2023などをもとに作成。

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