北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ県のダルバースィーヤ市でパン工場経営者が住民へのパンの配給を開始(2020年3月29日)

北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ県のダルバースィーヤ市一帯で、新型コロナウイルス感染防止対策として外出や移動が制限されているなかで、同地でジハード・パン製造工場を経営するジュワーン・ジャマール氏が地元住民にパン800袋を配給するサービスを始めた。

ANHA(3月29日付)によると、外出禁止令が発動された3月23日以降、住民が主体となって、生活必需品の無料配送やマスクの提供などが行われているという。

ダルバースィーヤ市は北・東シリア自治局が自治を担う一方、国境地帯にはシリア軍が展開し、防衛任務についている。

北・東シリア自治局は3月23日から4月6日までの15日間、支配地域で住民の外出を禁止している。

シリア政府も3月25日から、追って通知があるまでの期間、外出を禁止している。

AFP, March 29, 2020、ANHA, March 29, 2020、AP, March 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2020、Reuters, March 29, 2020、SANA, March 29, 2020、SOHR, March 29, 2020、UPI, March 29, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は新型コロナウイルス感染防止対策の一環として日雇い労働者の世帯に食糧品を配給することを決定(2020年3月29日)

北・東シリア自治局の執行評議会は決定第30号を発令し、新型コロナウイルス感染防止対策として外出や移動が制限されているなか、日雇い労働者の世帯に食糧品を配給することを決定した。

執行評議会はまた第31号を発令、支配地域外で死亡し、域内に搬送される遺体に関して、新型コロナウイルス感染を防止するために、(国境)通行所近くに建設される墓地に埋葬することを決定した。

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北・東シリア自治局のジュワーン・ムスタファー保健委員会(保健省に相当)共同議長は、新型コロナウイルス感染防止対策として、自治局支配地域内に9つの隔離センターを設置したと発表した。

AFP, March 29, 2020、ANHA, March 29, 2020、AP, March 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2020、Reuters, March 29, 2020、SANA, March 29, 2020、SOHR, March 29, 2020、UPI, March 29, 2020などをもとに作成。

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ハサカ市内の刑務所に収監されているダーイシュ・メンバーが脱走を企てて暴動(2020年3月29日)

ハサカ県では、ANHA(3月29日付)やシリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市内の北・東シリア自治局支配地域の一つグワイラーン地区にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)に拘置されているダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが脱走を企てて暴動を起こした。

これに対して、ハサカ市の内務治安部隊(アサーイシュ)が市内に展開し厳戒態勢を敷く一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のテロ撲滅部隊が刑務所を包囲し、暴動の鎮圧にあたった。

また、ハサカ市上空では米国が主導する有志連合のヘリコプターが旋回し、警戒活動にあたった。

シリア人権監視団によると、スィナーア刑務所には、ダーイシュのシリア人および外国人メンバー5,000人以上が収監されている。

AFP, March 29, 2020、ANHA, March 29, 2020、AP, March 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2020、Reuters, March 29, 2020、SANA, March 29, 2020、SOHR, March 29, 2020、UPI, March 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM4高速道路を修繕するため工事車輌をイドリブ県に派遣(2020年3月29日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから24日目となる3月29日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍が工事車輌15輌からなる部隊をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

部隊は、M4高速道路の修繕を任務としているという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村とジッリーン村を結ぶ街道で、政治治安部の隊員1人が何者かによって撃たれて死亡した。

AFP, March 29, 2020、ANHA, March 29, 2020、AP, March 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 29, 2020、Reuters, March 29, 2020、SANA, March 29, 2020、SOHR, March 29, 2020、UPI, March 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部で国民軍に所属する東部自由人連合と「自由警察」が交戦(2020年3月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市であるバーブ市で、国民軍に所属する東部自由人連合とトルコの支援を受ける警察(内務治安部隊、いわゆる「自由警察」)が交戦し、東部自由人連合の戦闘員2人が死亡、双方に14人の負傷者が出た。

戦闘は、警察が、新型コロナウイルス感染防止対策として、バーブ市内の市場の商店を閉店させようとして発砲し、東部自由人連合の治安責任者が巻き添えとなって死亡したのを受けたもの。

また、ガンドゥーラ町近郊の検問所(タッル・ハワー検問所)では東部自由人連合が警察の隊員複数人を拘束した。

一方、ANHA(3月28日付)によると、トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、イルシャーディーヤ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(3月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村M4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で9度目となる単独パトロールを実施(2020年3月28日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから23日目となる3月28日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で9度目となる単独パトロールを実施した。

一方、シリア軍がナージヤ村を砲撃、ファッティーラ村、カフルナブル市一帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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反体制組織のシリア対応調整者は新型コロナウイルスに対するイドリブ県の医療体制の脆弱さを指摘、国際社会に支援を要請(2020年3月27日)

反体制組織のシリア対応調整者は声明を出し、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の新型コロナウイルス感染に対する医療体制の脆弱さを明らかにし、国際社会、とりわけ世界保健機構(WHO)に支援を要請した。

それによると、イドリブ県内にはベッド1,689床、集中治療用機器243台、人工呼吸器107台、医療用隔離室32室が用意されているという。

同組織によると、イドリブ県の人口は4,017,000人とされ、ベッドは住民2,378人につき1床、集中治療用機器は15,534人につき1台、人工呼吸器は37,549人につき1台、隔離室は125,554人につき1室しか確保されていないことになるという。


AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市で国民軍所属組織どうしが交戦し、1人死亡、4人負傷(2020年3月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団やANHA(3月7日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市で国民軍に所属するシャーム戦線と第51旅団の戦闘員が交戦、第51旅団の戦闘員1人が死亡、双方合わせて4人が負傷した。

衝突の原因は不明だが、当初軽火器を打ち合っていた両者は、迫撃砲などを使用し激しく交戦したという。

また、アフリーン市近郊のシャッラー村でも、国民軍の戦闘員3人が何者かが投げた手榴弾の爆発に巻き込まれて死亡した。

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ラッカ県では、ANHA(3月7日付)によると、トルコ占領下のタッル・アブヤド市で国民軍戦闘員が、別の部隊との交代や2ヶ月以上延滞されている給与の支払いを求めて座り込みデモを行った。

これに対して、国民軍憲兵隊が参加した戦闘員50人以上を逮捕した。

一方、トルコ軍と国民軍は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村を砲撃した。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路で単独パトロールを行う一方、民間人がロシア・トルコ軍合同パトロールに反対するために派遣される(2020年3月27日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから22日目となる3月27日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で8度目となる単独パトロールを実施した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など60輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、民間人の一団が、ロシア・トルコ軍のM4高速道路での合同パトロールを拒否するためのデモを行うため、アリーハー市近郊の沿線に派遣された。

このほか、シリア軍がバーラ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村を砲撃、対する「決戦」作戦司令室もカフルバッティーフ村のシリア軍拠点を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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反体制派系サイトはイドリブ県に展開するシリア軍兵士の新型コロナウイルスの感染が確認されたと伝える(2020年3月26日)

反体制派系サイトのサウト・アースィマ(3月26日付)は、某消息筋の話として、イドリブ県ザーウィヤ山一帯に展開するシリア軍兵士が新型コロナウイルスに感染したと伝えた。

感染が確認されたのは、ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市出身の兵士1人で、名前はムウタッズ・トゥウマ。

トゥウマ氏は「イランの民兵」の一つでアフガン人から構成されるファーティミーユーン旅団と共に行動していたが、体調を崩し、休暇をとってドゥーマー市の自宅に帰宅していた。

帰宅に先立って、ヒムス県の病院で新型コロナウイルスの感染を確認するためのPCR検査を受けていたが、23日に陽性と診断され、ダマスカス郊外県の第601軍事病院に搬送、隔離されたという。

AFP, March 26, 2020、ANHA, March 26, 2020、AP, March 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 26, 2020、Reuters, March 26, 2020、SANA, March 26, 2020、SOHR, March 26, 2020、Sawt al-‘Asima, March 26, 2020、UPI, March 26, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のラッカ県北部で武装集団どうしが交戦(2020年3月26日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある県北部の「平和の泉」地域にあるハマーム・トゥルクマーン村で、トルコの支援を受ける武装集団どうしが衝突、交戦した。

交戦したのは、ダイル・ザウル県出身者を中心に構成され、ダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーも参加している東部自由人連合と、ハマーム・トゥルクマーン村出身のトルコマン系住民によって構成される武装集団。

村の女性が東部自由人連合から再三にわたって嫌がらせを受けてきたことがきっかけで、戦闘により東部自由人連合のメンバー3人が負傷した。

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アレッポ県では、ANHA(3月26日付)によると、トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃し、住民2人が負傷した。

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ハサカ県では、ANHA(3月26日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市西およびアームーダー市一帯の国境地帯で合同パトロールを実施した。

合同パトロールには両国の装甲車輌のほか、ロシア軍ヘリコプター2機も参加した。

AFP, March 26, 2020、ANHA, March 26, 2020、AP, March 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 26, 2020、Reuters, March 26, 2020、SANA, March 26, 2020、SOHR, March 26, 2020、UPI, March 26, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍は前日の橋爆破事件を受けてイドリブ県クファイル村に新たな拠点を設置(2020年3月26日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから21日目となる3月26日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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シリア人権監視団によると、トルコ軍はM4高速道路沿線のジスル・シュグール市の西に位置するクファイル村に新たな拠点を設置した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月26日付)が複数の現地筋の話として伝えたところによると、拠点設置は25日に「正体不明の武装集団」が同村の橋を爆破したことを受けた動き。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は53カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村、ガッサーニーヤ村、クファイル村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など35輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるスフーフン村、カンスフラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村を砲撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍兵士2人がスフナ市近郊でダーイシュ(イスラーム国)残党と思われる武装集団の襲撃を受けて、死亡した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月26日付)によると、バイト・イラ村でシリア政府との和解に応じたシャーム自由人イスラーム運動の元メンバーのサーミル・マサード氏が何者かに撃たれて死亡した。

また、ダルアー市、タファス市でも2人が何者かに撃たれて死亡した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、サルハド市に近郊のアイン村に至る街道で、地元住民(ドゥルーズ派宗徒)からなる反体制武装集団のシャイフ・カラーマ軍団と街道に設置されている検問所に駐留するシリア軍部隊が交戦し、シャイフ・カラーマ軍団のメンバー4人が死亡した。

AFP, March 26, 2020、ANHA, March 26, 2020、AP, March 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 26, 2020、Reuters, March 26, 2020、SANA, March 26, 2020、SOHR, March 26, 2020、UPI, March 26, 2020などをもとに作成。

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M4高速道路沿線のイドリブ県ジスル・シュグール市近郊のクファイル橋が爆破される(2020年3月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「正体不明の武装集団」がM4高速道路沿線のジスル・シュグール市近郊のクファイル村の橋(クファイル橋)を爆破した。

爆弾を仕掛けたのは、ロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する「ジハード主義グループ」だと思われるという。

これに関して、SANA(3月25日付)は、「テロ組織」が、M4高速道路でのロシア・トルコ軍の合同パトロールの通行を阻止するため、M4高速道路沿線のジスル・シュグール市近郊のクファイル村の橋一本を爆破したと伝えた。

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一方、トルコ軍は、M4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で7度目となる単独パトロールを実施した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など25輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, March 25, 2020、ANHA, March 25, 2020、AP, March 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2020、Reuters, March 25, 2020、SANA, March 25, 2020、SOHR, March 25, 2020、UPI, March 25, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2020年3月25日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから20日目となる3月25日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のダイル・サンバル村、バイニーン村を砲撃し、ファッティーラ村、カンスフラ村で砲撃戦となった。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるトゥッファーヒーヤ村を砲撃した。

AFP, March 25, 2020、ANHA, March 25, 2020、AP, March 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 25, 2020、Reuters, March 25, 2020、SANA, March 25, 2020、SOHR, March 25, 2020、UPI, March 25, 2020などをもとに作成。

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WHOはアル=カーイダが軍事・治安権限を握るイドリブ県で新型コロナウイルス感染にかかる検査を開始すると発表(2020年3月24日)

世界保健機関(WHO)のヘディン・ハルドルソン報道官は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の反体制派支配地域で新型コロナウイルス感染を確認するための検査を数日中に開始すると発表した。

ハルドルソン報道官は「イドリブ県で2日間で300件の臨床検査を行い、これをもとに、近く対応を開始する」としたうえで「臨床検査は水曜日にイドリブ市で行われ、特別に準備されたラボで分析が行われる」ことを明らかにした。

ハルドルソン報道官はまた「追加で2,000件の臨床検査を行えるよう活動している。また、今週中に医療用手袋1万双、医療用マスク1万個を含む必要な備品を送るつもりだ」と付言した。

そのうえで「国内避難民(IDPs)は呼吸器系の感染症にかかりやすい状況下で生活している」と指摘し、新型コロナウイルス感染拡大に警鐘をならした。

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一方、アナトリア通信(3月25日付)によると、貨物車輌106輌からなる国連の人道支援チームがバーブ・ハワー国境通行所からシリア領内に入った。

AFP, March 24, 2020、Anadolu Ajansı, March 24, 2020、ANHA, March 24, 2020、AP, March 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2020、Reuters, March 24, 2020、SANA, March 24, 2020、SOHR, March 24, 2020、UPI, March 24, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でトルコ軍が再び襲撃を受け、装甲車2輌に被害、兵士2人負傷(2020年3月24日)

トルコ軍による単独パトロール活動はこれで6回目だという。

しかし、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのオレグ・ジュラフロフ副センター長(少将)は声明を出し、「トルコに従わないテロ組織」がスフーフン村に近い路上に爆弾を仕掛け、トルコ軍パトロール部隊が通過するのに合わせてこれを爆発させたと発表した。

この攻撃で、トルコ軍の装甲車2輌が被害を受け、兵士2人が負傷した。

ジュラフロフ副センター長はまた「テロ組織」は過去24時間でイドリブ県で7回にわたり砲撃を行う一方、シリア軍の停戦違反は確認されなかった」としたうえで、トルコに従わない「テロ組織」が緊張緩和地帯の治安を動揺させる行為を続けていると非難した。

そのうえで当事者和解調整センターは違法な武装集団の司令官に武器による挑発を止め、自らが支配する地域の事態を平和的に収束させるために行動するよう呼びかけた。

しかし、ドゥラル・シャーミーヤ(3月25日付)が、複数の現地情報筋の話として伝えたところによると、車列はハマー県シール・マガール村に設置されている監視所に向かっていたところで爆発に巻き込まれた。

だが、爆発は、ロシア・トルコ首脳会議が停戦に合意した3月5日以前の戦闘で、反体制派が敷設した地雷によるもので、「トルコに従わないテロ組織」の反抗ではないという。

また、ロシアの発表とは異なり、被害を受けたのは1輌だけで、負傷者はなかったという。

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シリア人権監視団によると、トルコ軍はM4高速道路沿線のジスル・シュグール市に近いガッサーニーヤ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は51カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村、ガッサーニーヤ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

AFP, March 24, 2020、ANHA, March 24, 2020、AP, March 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2020、March 25, 2020、Reuters, March 24, 2020、SANA, March 24, 2020、SOHR, March 24, 2020、UPI, March 24, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県で反体制武装集団が略奪目的で村を襲撃、村人に発砲し9人を負傷させる(2020年3月24日)

ラッカ県では、ANHA(3月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のカズアリー村を砲撃した。

一方、タッル・アブヤド市近郊のスッカリー村では、略奪を行おうとして住民の抵抗を受けた国民軍に所属するマジド軍団(ヤースィル・アブドゥッラフマーン少佐が指揮)が発砲、住民9人が負傷した。

AFP, March 24, 2020、ANHA, March 24, 2020、AP, March 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2020、Reuters, March 24, 2020、SANA, March 24, 2020、SOHR, March 24, 2020、UPI, March 24, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で散発的戦闘、「イランの民兵」が拠点を強化(2020年3月24日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから19日目となる3月24日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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しかし、イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるバーラ村、アーフィス村、カフル・ウワイド村を、「決戦」作戦司令室がサラーキブ市、カフルナブル市に展開するシリア軍を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、SANA(3月24日付)によると、「決戦」作戦司令室がダーディーフ村、ハントゥーティーン村、ヒザーリーン村一帯のシリア軍拠点を砲撃、シリア軍がただちに応戦した。
https://www.sana.sy/wp-content/uploads/2020/03/1-395-660×330-2.jpg

このほか、シリア人権監視団によると、シリア人および外国人からなる「イランの民兵」がサラーキブ市、ザーウィヤ山一帯、カフルナブル市一帯などの拠点を強化した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルタアール村、カフル・アンマ村などを砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(イドリブ県7件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県3件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 24, 2020、ANHA, March 24, 2020、AP, March 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 24, 2020、Reuters, March 24, 2020、SANA, March 24, 2020、SOHR, March 24, 2020、UPI, March 24, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は外出禁止令の期間を15日間と定める(2020年3月23日)

北・東シリア自治局は声明を出し、新型コロナウイルス感染防止策として3月23日に発効した外出禁止令の期間を15日に定めるとしつつ、必要に応じて延期する可能性があると発表、支配地の住民に対して、自治局が発表する決定を遵守するよう呼びかけた。

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北・東自治局の内務委員会(内務省に相当)のアリー・ハッジュー共同議長は声明を出し、新型コロナウイルス感染防止策として23日に発効した外出禁止令に関して、実施状況が80%以上に達していると発表した。


AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が散発的に交戦、シリア軍兵士1人死亡(2020年3月23日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから18日目となる3月23日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反は確認されなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室もカフルナブル市一帯に展開するシリア軍に反撃し、兵士1人が死亡した。

一方、トルコ軍は戦車、装甲車など45輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、ジスル・シュグール市西のM4高速道路沿線のビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は49カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所
イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点
イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザイズーン村、サルマーニーヤ村、ズィヤーラ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

一方、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に向かって飛来した無人航空機(ドローン)が防空部隊によって撃墜された。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ブライカ村でヒズブッラーの退去を求める落書きが壁に書かれているのが発見された。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ホワイト・ヘルメットは新型コロナウイルス感染拡大防止を口実としたシリア政府の制裁解除要求に応じないよう呼びかける(2020年3月22日)

ホワイト・ヘルメットは「市民の尊厳ためのシリア協会」と共同声明を出し、新型コロナウイルス感染拡大防止を口実としてシリア政府が国際社会に求めている制裁解除に応じないよう呼びかけた。

シリアの外務在外居住者省の公式筋は19日、声明で、近隣諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、国際社会に対して、シリアに対する欧米諸国の違法な強制措置を解除するために行動するよう呼びかけていた。

声明は「医療部門はシリア政府に対する制裁からそもそも除外されている」、「シリア政府は支配地域での感染者の存在を否定している」、「感染拡大に向けた実効的な措置を講じていない」などといった理由をあげて、シリア政府による制裁解除要求に「仰天」しているとしたうえで、「これまでの経験から、シリア政府への経済支援は、体制そのものとその汚職のネットワークを支えるために利用される。医療支援が人々に直接行われなければ、必要としている人のもとにそれが届くことはない」と主張した。

また「体制はこれまで、シリア人の健康に絶大な関心を払ってきた病院を破壊し、医療スタッフを殺害してきた」と非難、「体制にいかなる支援を行っても…、さらなる殺戮、抑圧に向けられ、尊厳や健康な生活といった基本要素をシリア人から奪うことに繋がる」と断じた。

そして、世界保健機構(WHO)に対して、感染拡大を阻止するために必要な措置を講じさせるようシリア政府に圧力をかけることを求めるとともに、国連や国際機関に対して、体制が管理する刑務所に立ち入り、受刑者の感染状況を調査、必要な治療を施すよう呼びかけた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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イドリブ保健局はイドリブ県で新型コロナウイルスの感染が疑われる4人の検査を行っていると発表(2020年3月22日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の反体制派支配地(いわゆる「解放区」)で保健衛生活動を行っているイドリブ保健局のムンズィル・ハリール局長はフェイスブックのアカウントを通じてビデオ声明を出し、トルコ国境に面するアティマ村の病院で新型コロナウイルス感染の疑いのある4人を隔離し、検査を行ったことを明らかにした。

ハリール局長は、「検査はまだ不充分で、結果を確認するには時間を要する」と述べ、この4人の感染を否定した。

また、「解放区」に感染者がいるかもしれないが…、分析結果が届くまで確認することはできない」と付言した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/videos/145204003508059/?__xts__%5B0%5D=68.ARBhgkPjPQy0Yhd-QV8CH2URA_DHjdNQKVA72oifYq6ZH0XFyCFUXZpnKQyMy29suM89ZRynjv5dvpEbh4rtYDoAAN4teOMW4op4xKZgskddtmsg5SpTi0oBJeUDmES2-ocEAuikK5uA-ukBPtLu4w1ElvZJ0NlYI99wch1hfYFJaeyGhsjc9k-I3Dqv2FUnipbCwKB0vG0HuDfKAQnZJ-pNlji8SgPADsBTlW-b7RaKzjPVtKrSqQbDMexKlGMcixBnGIapmdwaymP4idxWjNgl5zvs9_-BS6gsfPiz9WRHfabQTsNFE282vIgbSkuUwUqr5EPjLIthQSW1ycF6IFSxPW9ODfy_iks_jQ&__tn__=-R

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暫定内閣は声明を出し、国際社会がシリア北部で新型コロナウイルス感染防止に務める同内閣の保健省を支援しなければ、「差し迫った災害」が現実のものになると警鐘を鳴らした。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団は政府支配地域で新型コロナウイルス感染者1人が死亡したと主張(2020年3月22日)

シリア人権監視団は、信頼できる複数の医療筋の情報として、ダマスカス県、ヒムス県、ラタキア県、タルトゥース県で新型コロナウイルスの感染を疑われ、隔離されている患者の数が128人に達していると発表した。

このうちの56人は検査の結果が陰性だったために隔離施設を後にしたが、72人は現在も隔離されているという。

また、女性1人が新型コロナウイルスに感染して死亡したが、シリアの治安当局は箝口令を敷き、この事実を公表していないという。

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シリア人権監視団はまた、ダイル・ザウル県のマヤーディーン市でも、新型コロナウイルスに感染している「イランの民兵」が15人に達したと発表した。

内訳は、イラン人11人、イラク人4人。

同市では、イラン人1人が肺炎で死亡している。

新型コロナウイルスに感染していたと思われるが、事実確認はとれないという。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣はパン製造業者に衛生管理の徹底を要請、そのための費用をパン代に上乗せすると発表(2020年3月22日)

イドリブ県の反体制派支配地の軍事・治安権限を握るシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣は、新型コロナウイルス感染防止策として、県内のパン(フブズ)製造業者に対して、施設の殺菌と清掃のための費用として、パン1袋に対して2シリア・ポンドの費用を上乗せすると通達した。

シリア救国内閣はまた、すべてのパン製造業者に対し、施設の衛生管理にかかる指示を遵守し、従業員に周知徹底するよう要請した。

具体的には、手洗いの徹底、施設の塩素消毒、マスクの着用、パンの袋の密閉など。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発(2020年3月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市内のファーラービー病院近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子ども1人を含む2人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍がタッル・アブヤド市西部郊外にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点を砲撃した。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM4高速道路沿線に新たに2カ所の拠点を設置(2020年3月22日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから17日目となる3月22日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハザーリーン村一帯でにある「決戦」作戦司令室の拠点を攻撃を試み、砲撃を行ったが、「決戦」作戦司令室の反撃を受けて、兵士3人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、ファッティーラ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、戦車や装甲車など約60輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させたほか、M4高速道路沿線のジスル・シュグール市近郊のムシャイリファ村とタッル・ハッターブ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は以下46カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県の反体制派支配地域で新型コロナウイルス感染予防策進まず(2020年3月21日)

「イドリブ保健局」(Mudiriya Sihha Idlib、https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/ムンズィル・ハリール局長)は声明を出し、イドリブ県内の「解放区」において新型コロナウイルスの感染者は確認されていないと発表した。


声明は「解放区」内での感染拡大の噂が広まるなかで発表された。

イドリブ保健局はまた「一部病院で予防策が取られているのは当然のことだ。これは感染が疑われる患者と接するにあたって行われている」と付言した。

そのうえで、「我々はすべての関係機関、住民に信用できない筋が発信する情報を拡散しないよう、また噂を鵜呑みにしないよう求める…。イドリブ保健局は感染者が確認された場合、公式に発表する」と強調した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/photos/a.648305141939511/2313156365454372/?type=3&theater%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/90139643_2313156368787705_3047103104068616192_n.jpg?_nc_cat=107&_nc_sid=8024bb&_nc_ohc=GoKaoCLrPrIAX8aH_tW&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=62df0a8fd0d60cf4bfabfb86c144da92&oe=5E9BCAAF

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イドリブ保健局はこれに先だって、新型コロナウイルス感染に備えて、医療体制を強化すると発表、住民に通院・手術のスケジュールの変更を呼びかけるとともに、感染が疑われる場合の通院方法について告知した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/photos/a.655667164536642/2312521512184524/?type=3&theater%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/s960x960/90235706_2312521515517857_8054336824270651392_o.jpg?_nc_cat=100&_nc_sid=110474&_nc_ohc=0k7M03ArHqAAX-64HyF&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&_nc_tp=7&oh=fadba74c0080a828767e51638dee4983&oe=5E9A8624

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シリア人権監視団は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の反体制派支配地では、ほとんどの住民が、新型コロナウイルスの世界的な感染に対して関心を向けないまま生活を続けていると発表した。

「イドリブ県の保健局」(Mudiriya al-Sihha bi-Idlib)によると、感染を予防するためのマスクや医療用手袋はほとんどなく、また値段も高騰しているほか、感染者の隔離や治療が可能な医療施設、病院十分ではない。

また、市場、公園、病院、モスクは、通常通り住民で賑わっており、感染拡大が予想される現状を踏まえていかなる決定も下されていない。

イドリブ大学も授業の中止には踏み切っていない。

なお「イドリブ県の保健局」が上記のイドリブ保健局と同一機関なのかは不明。

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トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣のアブドゥッラフマーン・ムスタファー首班は、住民に必要のない外出を控えて、自宅にとどまるよう呼びかけて、状況次第では外出禁止令を発出すると表明している。

だが、イドリブ県の反体制派支配地は、暫定内閣ではなく、シリア救国内閣や地元の評議会が自治を担っており、暫定内閣の呼びかけにはほとんど効果がない。

暫定内閣はシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)傘下組織で、同内閣の保健省は、「イドリブ保健局」(Mudiriya Sihha Idlib)を所轄している。

この保健局は通称「自由イドリブ保健局」(Mudiriya Sihha Idlib al-Hurra)と呼ばれている。

シリア救国内閣はシャーム解放機構に自治を委託されている組織。

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シリア人権監視団によると、反体制派の支配地には400万人が暮らしており、その半数以上が国内避難民(IDPs)としてキャンプでの生活を余儀なくされているという。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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リビアで死亡したシリア人戦闘員(国民軍)が143人に(2020年3月21日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加するためにトルコが派遣したシリア人戦闘員(国民軍)の死者数が143人を記録していると発表した。

143人は、国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザ師団、スライマーン・シャー師団のメンバーで、リビアの首都トリポリ市南部のサラーフッディーン地区、トリポリ国際空港近郊のラムラ地区一帯、ハドバ開発計画地区、ミスラータ市一帯などで、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と交戦中に死亡したと見られる。

また、トルコは、リビアに派遣した国民軍戦闘員の数が6,000人を超えたことに対処するため、給与削減に踏み切ったという。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は4,750人に達し、約1,900人が派遣に向けて、トルコ占領下のアレッポ県北部(「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM4高速道路で3度目となる単独パトロールを実施(2020年3月21日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから16日目となる3月21日、シリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県0件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路で3度目となる単独パトロールを実施した。

パトロールが実施されたのはタルナバ村からムサイビーン村に至る区間。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など40輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、シリア軍はファッティーラ村、スフーフン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハッダーダ村、フドル丘を砲撃した。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下のアレッポ県、ラッカ県、ハサカ県各所でノウルーズがひっそりと祝われる(2020年3月20日)

ANHA(3月20日付)は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市郊外、タッル・リフアト市、マンビジュ市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、ラッカ県アイン・イーサー市、ハサカ県のハサカ市、タッル・ハミース市でノウルーズがひっそりと祝われたと伝えた。

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一方、アレッポ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市で大きな爆発が発生した。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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