北・東シリア自治局支配下での抗議デモで住民1人、アサーイシュ隊員1人死亡、米軍はデモ拡大を阻止するため町を包囲(2020年3月8日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月8日付)やシリア人権監視団によると、米軍部隊が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸のブサイラ市を包囲し、住民の外出を禁止した。

この措置は、ムハイミーダ村での抗議デモの拡大を阻止するためのもの。

ムハイミーダ村ではこの日、住民がシリア民主軍の活動や基本サービスの不足に抗議する抗議デモを行ったが、シリア民主軍はデモ参加者に対して実弾を発砲し、これを強制排除、その際、住民1人が死亡、2人が負傷した。

また、デモを強制排除しようとした内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員一人が、参加者にナイフで刺されて死亡した。

住民に犠牲者が出たことを受けて、サフィーラ村の住民も抗議デモを行い、ダイル・ザウル市とラッカ市を結ぶ街道でタイヤを燃やすなどして封鎖した。

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ハサカ県では、SANA(3月8日付)によると、タッル・タムル町近郊のクーザリーヤ村で、シリア軍部隊と住民が米軍のパトロール部隊の進入を阻止し、これを撃退した。

装甲車7輌からなる米軍のパトロール部隊はクーザリーヤ村に進入しようとしたが、兵士と住民多数が立ちはだかり、部隊は引き返したという。

一方、米軍が違法に基地を設置しているルマイラーン町では、住民が米軍装甲車に投石し、占領反対の意思を示した。

AFP, March 8, 2020、ANHA, March 8, 2020、AP, March 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2020、Reuters, March 8, 2020、SANA, March 8, 2020、SOHR, March 8, 2020、UPI, March 8, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県を砲撃しシリア軍兵士1人負傷、トルコ占領地で爆発相次ぎ住民1人死亡(2020年3月8日)

ラッカ県では、ANHA(3月8日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のカズアリー村、スライブ村、クーバルラク村を砲撃し、シリア軍兵士1人が負傷した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月8日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市中心街で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡、複数が負傷した。

またラーイー村でも同様の爆発が発生し、住民2人が負傷した。

AFP, March 8, 2020、ANHA, March 8, 2020、AP, March 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2020、Reuters, March 8, 2020、SANA, March 8, 2020、SOHR, March 8, 2020、UPI, March 8, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュがラッカ県でシリア軍を要撃し、13人死亡(2020年3月8日)

ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月8日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、ラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍部隊を要撃し、兵士13人が死亡、20人が負傷した。

AFP, March 8, 2020、ANHA, March 8, 2020、AP, March 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2020、Reuters, March 8, 2020、SANA, March 8, 2020、SOHR, March 8, 2020、UPI, March 8, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県では停戦発効から3日目もシリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されず(2020年3月8日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のモスクワでの会談で合意した停戦が発効(5日深夜)してから3日目となる3月8日、シリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されなかったと発表した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(イドリブ県1件、ラタキア県4件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、マアーッラト・ムーハス村、ブライジュ村を砲撃し、シリア軍を撤退させた。

両村にはシリア軍が前日に入っていた。

一方、トルコ軍は、戦車、装甲車など250輌以上がシリア領内に新たに進入させた。

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アレッポ県では、SANA(3月8日付)によると、電力省の技術チームがICARDA発電所とズィルバ発電所の復旧を完了した。

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シア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(イドリブ県1件、ラタキア県4件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, March 8, 2020、ANHA, March 8, 2020、AP, March 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 8, 2020、Reuters, March 8, 2020、SANA, March 8, 2020、SOHR, March 8, 2020、UPI, March 8, 2020などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は声明で停戦を非難しつつも、トルコに謝意(2020年3月7日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は声明を出し、5日のモスクワでの会談でロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が交わした停戦合意に関して、「これまでの合意と同じで何ら新しいものではなく、革命が裏切られるまでそう日はかからないだろう」と批判した。

シャーム解放機構は「犯罪者体制がこの地域を再び占領し、住民を強制排除し、インフラと教育機関を破壊できるようにするために、占領者ロシアが政治的・軍事的努力を行ているのが、その主な理由だ」と付言した。

また「この合意は、曖昧さと浮いた言葉で彩られており、占領者ロシアが再びこれに乗じて攻撃することを許すものだ。またそこには純然と実行できない文言が含まれているだけでなく、殉教者が流した血、10年におよぶ犠牲への侮辱だ」と非難した。

その一方「我々はトルコ政府が「シリア革命」に明確な支持の姿勢を示し、最近の戦闘で民間人の防衛と保護に参加してくれたことに感謝する。しかし、最大の支援と救援は、焦土政策によって強制移住を余儀なくされた民間人を帰還させることだ」と表明した。

そのうえで「アサドの民兵は、死者の墓と同じ場所にいることに満足しないというのに、彼らの支配が復活したとして、どのように生き残った人々の命が保証されるというのか」と主張した。

AFP, March 7, 2020、ANHA, March 7, 2020、AP, March 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2020、Reuters, March 7, 2020、SANA, March 7, 2020、SOHR, March 7, 2020、UPI, March 7, 2020などをもとに作成。

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トルコがリビアに派遣したシリア人戦闘員4,750人のうち117人が死亡、150人が欧州に不法入国(2020年3月7日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加するためにトルコが派遣したシリア人戦闘員(国民軍)の死者数が117人を記録していると発表した。

117人は、国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザ師団、スライマーン・シャー師団のメンバーで、リビアの首都トリポリ市南部のサラーフッディーン地区、トリポリ国際空港近郊のラムラ地区一帯などで、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と交戦中に死亡したと見られる。

負傷した戦闘員は、「マシュタル」、「カッドゥール」、「グート・シャッアール」と名づけられた医療センターで治療を受けているという。

また、リビアに派遣されたシリア人戦闘員のうちの約150人が、欧州に不法入国しているという。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は4,750人に達し、約1,900人が派遣に向けて、トルコ占領下のアレッポ県北部(「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, March 7, 2020、ANHA, March 7, 2020、AP, March 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2020、Reuters, March 7, 2020、SANA, March 7, 2020、SOHR, March 7, 2020、UPI, March 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はラッカ県のシリア軍拠点複数カ所を砲撃(2020年3月7日)

ラッカ県では、ANHA(3月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線に設置されているシリア軍拠点複数カ所を砲撃した。

砲撃は、アイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ、ハーリディーヤ村、フーシャーン村にもおよび、ハーリディーヤ村では住民1人が負傷した。

AFP, March 7, 2020、ANHA, March 7, 2020、AP, March 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2020、Reuters, March 7, 2020、SANA, March 7, 2020、SOHR, March 7, 2020、UPI, March 7, 2020などをもとに作成。

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停戦2日目、シリア軍はイドリブ県の2カ村を無血制圧、アル=カーイダ系の「信者を煽れ」作戦司令室と交戦(2020年3月7日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のモスクワでの会談で合意した停戦が発効(5日深夜)してから2日目となる3月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されなかったと発表したが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反は確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルナブル市近郊のマアーッラト・ムーハス村、ブライジュ村に進軍した。

同地には、シリア軍も「決戦」作戦司令室も展開しなおらず、戦闘も発生しなかった。

シリア軍はまた、カフル・ウワイド村、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。

一方、SANA(3月7日付)によると、トルコ軍の支援を受ける「決戦」作戦司令室が、5日深夜に発効した停戦に違反するかたちで、ハザーリーン村、ダール・カビーラ村を砲撃した。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコ軍の戦車、装甲車、ミサイル発射台や大砲を積んだトレーラーなど100輌以上からなる車列が、カフル・ルースィーン村に違法に設置された国境通行所からシリア領内に新たに進入した。

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ハマー県では、「信者を煽れ」作戦司令室が声明を出し、ガーブ平原の反体制派支配地域に潜入しようとしたシリア軍部隊と交戦し、兵士多数を殺傷したと発表した。

「信者を煽れ」作戦司令室は、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる武装連合体。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を19件(イドリブ県3件、ラタキア県7件、アレッポ県9件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 7, 2020、ANHA, March 7, 2020、AP, March 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 7, 2020、Reuters, March 7, 2020、SANA, March 7, 2020、SOHR, March 7, 2020、UPI, March 7, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構支配下のイドリブ県各所でロシア・トルコの停戦合意を拒否するデモ(2020年3月6日)

イドリブ県では、シリア人権監視団やドゥラル・シャーミーヤ(3月6日付)によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市、カフルタハーリーム町、ダルクーシュ町、ハーリム市、カッリー町などで金曜日の集団礼拝の後に抗議デモが行われ、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領による停戦合意拒否、シリア・ロシア軍の侵攻反対、国内避難民(IDPs)の発生非難、体制打倒、反体制武装集団支持、「シリア革命」実現が訴えられた。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158667137143115

AFP, March 6, 2020、ANHA, March 6, 2020、AP, March 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 6, 2020、Reuters, March 6, 2020、SANA, March 6, 2020、SOHR, March 6, 2020、UPI, March 6, 2020などをもとに作成。

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ラッカ県のトルコ占領地で爆弾が仕掛けられていた車が爆発し、トルコ軍兵士3人死亡(2020年3月6日)

ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月6日付)が国民軍の司令官の情報として伝えたところによると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市近郊のダーミシーヤ村の検問所で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、トルコ軍兵士3人が死亡した。

トルコ占領地(「平和の泉」地域)でトルコ軍兵士が爆殺されるのはこれが初めて。

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ハサカ県では、ANHA(3月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル市近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(3月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のイルシャーディーヤ村、タート・マーラーシュ村、カフル・アントゥーン村を砲撃した。

AFP, March 6, 2020、ANHA, March 6, 2020、AP, March 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 6, 2020、Reuters, March 6, 2020、SANA, March 6, 2020、SOHR, March 6, 2020、UPI, March 6, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリアのクルド民族主義組織31団体が「一部クルド人グループが米国の権威のもとにある」とするアサド大統領の発言を非難(2020年3月6日)

北・東シリア自治局は声明を出し、5日のロシア24でのアサド大統領のインタビューに、トルコの政策と調和しており、その論理はクルド問題解決に資さないと批判した。

北・東シリア自治局は声明で、シリアのクルド問題についての「アサド大統領の発言はシリアの主権を侵害したトルコの政策と調和している」としたうえで、「政権の論理は過去数年にわたり何らの解決策ももたらさなかった。こうした対応に固執することは、問題解決の機会を与えることには資さない。テロ組織やトルコ国家が居座っている占領地で起きていることへの完全なる無知だ」と批判した。

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シリアのクルド民族主義組織31団体は共同声明を出し、アサド大統領のインタビューに異議を唱えた。

31団体は声明で「9年にわたる殺戮、強制移住、破壊を経ても、バッシャール・アサド大統領はシリア国民を大惨事へと陥れたのと同じ考え方と言葉で話している」と批判したうえで、「シリア北・東部のシリア国民は、アラブ人であれ、クルド人であれ、シリア正教であれ、そのすべてがもともとこの地で暮らしており、現在のシリアという国家の国境が画定される前から共生してきた」と主張した。

また「(シリア国民を構成する)諸集団は、政権によってテロの餌食とされた時も、その愛国心とオーセンティシティゆえに自らの存在と尊厳の防衛にあたり、民主的自治を発展させ、民族的・宗派的に多様なモザイクであるシリアの手本となることができた…。我々はシリア政府が言っているような分割に与することはないと明言する」と強調した。

共同声明を発表したのは以下の組織:

シリア・ムスタクバル党
国民調整委員会・民主変革運動
民主統一党(PYD)
スィルヤーニー連合党
クルディスタン民主平和党
クルディスタン・リベラル連合
クルディスタン共産党
シリア・クルディスタン民主パールティー
クルド・シリア民主党
シリア・クルド左派党
シリアクルド民主左派党
クルディスタン愛国連合党
クルディスタン民主変革党
クルディスタン刷新党
クルディスタン労働連合
アラブ国民委員会
シリア近代民主主義党
クルディスタン緑の党
クルド・シリア民主合意党
シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)
シリア改革運動
シリア・クルド民主党(アル・パールティー)
アッシリア民主党
クルディスタン友愛党
シリア・クルド民主ロジャ党
国民自由連合ロジャヴァ
民主連合運動
スィタール会議
民主保守者党
民主闘争党
クルディスタン共和党

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アサド大統領はインタビューのなかで次のように述べていた。

我々はシリア北部のすべてのクルド人政治グループと連絡をとっている。だが、問題なのは、これらのグループの一部が米国の権威のもとに活動していることだ。我々はクルド人とは言わない。なぜなら、クルド人の大部分は愛国的なグループ・部族で、国家とともにあるからだ。だが、これらのグループは声を出せない。この地域を支配しているのは、米国と共に行動する小さなグループに過ぎない。

シリアにはいわゆるクルド問題はない。理由は簡単だ。クルド人は歴史的にシリアのなかに生きづいているからだ。トルコの弾圧を受けて20世紀にやってきた人々…我々は彼らをシリアに迎え入れた。クルド人やアルメニア教徒らがシリアにやって来たが、問題はなかった…。問題は数十年前から分離主義的なアジェンダを提起するグループにある…。だが、トルコの国家がクルド人に対して弾圧、殺戮を行えば、我々は彼らを支持する。

彼らはシリアで国籍を取得した。もともとシリア人ではなかったのだ。クルド人をめぐってはいつも良いことが生じていた。つまり、いわゆるクルド問題というのは不正確な表現なのだ。

AFP, March 6, 2020、ANHA, March 6, 2020、AP, March 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 6, 2020、Reuters, March 6, 2020、SANA, March 6, 2020、SOHR, March 6, 2020、UPI, March 6, 2020などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領の停戦合意を受け、シリア軍、ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施せず(2020年3月6日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のモスクワでの会談で合意された停戦が5日深夜に発効したのを受けて、6日にはシリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されなかったと発表した。

しかし、シリア軍は、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の支配下にあるアレッポ県のタカード村、イドリブ県のファッティーラ村、ハマー県北西部一帯を砲撃した。

また、イドリブ県のザーウィヤ山でシリア軍と中国新疆ウィグル自治区出身者を主体とするトルキスタン・イスラーム党が交戦、シリア軍兵士6人とトルキスタン・イスラーム党メンバー9人が死亡した。

このほか、フライフィル村一帯で、シリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦したが、戦闘は数分で収まったという。

一方、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県フマイミーム航空基地に向かって飛来する無人航空機(ドローン)を防空部隊(所属は明示せず)が撃墜した。

SANA(3月7日付)によると、飛来したドローンは2機。

このほか、トルコ軍は戦車、装甲車など150輌からなる増援部隊を3度にわたってシリア領内に侵入させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県20件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(イドリブ県20件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認した。

AFP, March 6, 2020、ANHA, March 6, 2020、AP, March 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 6, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 6, 2020、Reuters, March 6, 2020、SANA, March 6, 2020、March 7, 2020、SOHR, March 6, 2020、UPI, March 6, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県、アレッポ県を砲撃(2020年3月5日)

ラッカ県では、ANHA(3月5日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村を砲撃した。

一方、シリア民主軍は、アイン・イーサー市とシャルカラーク穀物サイロ間の上空に飛来したトルコ軍の偵察用無人航空機(ドローン)を撃墜した。

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アレッポ県では、ANHA(3月5日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府支配の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

一方、アフリーン解放戦線が声明を出し、ラージュー町近郊とブルブル町近郊で反体制武装集団を攻撃し、戦闘員7人を殺害したと発表した。

AFP, March 5, 2020、ANHA, March 5, 2020、AP, March 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2020、Reuters, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020、SOHR, March 5, 2020、UPI, March 5, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県、アレッポ県で、シリア軍、ロシア軍、トルコ軍、「決戦」作戦司令室の戦闘続く(2020年3月5日)

イドリブ県を中心とする反体制派支配地では、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領による停戦合意発効(5日深夜)に先立って、シリア軍とトルコ軍、そしてその支援を受ける「決戦」作戦司令室(シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体)の戦闘が続き、ロシア・シリア軍、そしてトルコ軍が爆撃を実施した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、サラーキブ市近郊、アリーハー市近郊、マアッラトミスリーン市近郊、ザーウィヤ山一帯を爆撃した。

マアッラトミスリーン市近郊の爆撃では、国内避難民(IDPs)7人が死亡した。

シリア軍も戦闘機がザーウィヤ山一帯を爆撃するとともに、地上部隊がナイラブ村のトルコ軍拠点を砲撃し、トルコ軍兵士2人が死亡した。

ナイラブ村への砲撃は、首脳会談直後に行われたが、停戦は発効していなかった。

これに関して、トルコ国防省は声明を出し、イドリブ県に対するシリア軍の砲撃で新たにトルコ軍兵士2人が死亡、3人が負傷した。

トルコ軍部隊は直ちに抱腹としてシリア軍に対して砲撃を行ったという。

また、トルコ軍は、砲兵部隊がタルナバ村、サラーキブ市を砲撃し、無人航空機(ドローン)が県南部一帯を爆撃した。

さらに、シリア軍と「決戦」作戦司令室がサラーキブ市一帯、ザーウィヤ山一帯で交戦した。

一方、SANA(3月5日付)によると、シリア軍はカンスフラ村、カフル・ウワイド村でトルコ軍の支援を受けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対して集中攻撃を加えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がガーブ平原一帯を爆撃した。

また、シリア軍地上部隊がズィヤーラ町、カストゥーン村、サルマーニーヤ村、タッル・ワースィト村、アンカーウィー村、ダクマーク村、マシーク村を砲撃、「決戦」作戦司令室と交戦した。

これに対して、トルコ軍がドゥワイル村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、また、シリア軍と「決戦」作戦司令室がハッダーダ村一帯で交戦した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月5日付)によると、「決戦」作戦司令室がダーラト・イッザ市上空でロシア軍の無人航空機(ドローン)を撃墜した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町近郊の街道で、シリア軍第4師団の兵士が何者かの発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を58件(イドリブ県30件、ラタキア県15件、アレッポ県12件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を39件(イドリブ県29件、ラタキア県0件、アレッポ県10件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 5, 2020、ANHA, March 5, 2020、AP, March 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 5, 2020、Reuters, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020、SOHR, March 5, 2020、UPI, March 5, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はハサカ県北東部のシリア軍拠点を砲撃(2020年3月4日)

ハサカ県では、ANHA(3月4日付)によると、トルコ軍がダルバースィーヤ市の東4キロに位置するハワーシーヤ村に展開するシリア軍の拠点1カ所を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(3月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャイフ・イーサー村、ズィヤーラ村、アキーバ村を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、ターディフ市近郊で親政権民兵とトルコの支援を受ける国民軍が交戦した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、3日にトルコ占領下のマーリア市近郊にある国民軍の拠点を攻撃し、戦闘員4人を殺害、14人を負傷させたと発表した。

AFP, March 4, 2020、ANHA, March 4, 2020、AP, March 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2020、Reuters, March 4, 2020、SANA, March 4, 2020、SOHR, March 4, 2020、UPI, March 4, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県での戦闘でトルコ軍兵士3人、シリア軍兵士35人、反体制派戦闘員32人死亡(2020年3月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍無人航空機(ドローン)がサラーキブ市内のシリア軍と「イランの民兵」の拠点や穀物サイロ、ハーン・スブル村、マアッルディブサ村、タルナバ村、ジャウバース村、カフル・ウワイド村を爆撃した。

トルコ軍のドローンはまた、シャフシャブー山麓のカウカバ村でシリア軍の車列を爆撃した。

サラーキブ市一帯(アーフィス村、タルナバ村など)では、トルコの航空・砲撃支援を受ける「決戦」作戦司令室(シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体)とシリア軍が激しい戦闘を続け、シリア軍側の兵士35人と「決戦」作戦司令室戦闘員32人が死亡した。

死亡したシリア軍側の兵士35人のうち26人がトルコ軍の砲撃によるもので、「イランの民兵」7人も含まれている。

この戦闘で、シリア軍は、ビンニシュ市、サルミーン市、ナイラブ村、クマイナース村、アーフィス村、マストゥーマ村、ジスル・シュグール市、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃するなど攻撃を続け、アーフィス村の大部分を制圧した。

https://youtu.be/gM6IDSg_NW0

一方、ロシア軍戦闘機は、ザーウィヤ山一帯、サラーキブ市一帯、アリーハー市一帯、サルミーン市一帯を爆撃した。

シリア軍戦闘機も同地を爆撃した。

これに対して、トルコ軍は戦車や装甲車など45輌からなる増援部隊を、カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに侵入させた。

なお、トルコ国防省は声明を出し、3日のイドリブ県での戦闘で兵士1人が死亡、9人が負傷したと発表した。

これに対する報復として、トルコ軍はシリア軍兵士299人を無力化、戦車9輌。大砲2門、ミサイル発射台6基、軍用車輌2輌を破壊したという。

トルコ国防省はその後再び声明を出し、トルコ軍兵士2人が死亡、6人が負傷したと発表した。

これに対して、トルコ軍はただちに報復し、シリア軍兵士多数を殺害したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍ドローンがヤーキド・アダス村、シャイフ・アキール山一帯を爆撃した。

また、「決戦」作戦司令室は、トルコ軍の航空・砲撃支援を受け、シャイフ・アキール山、カブターン・ジャバル村などを攻撃、シャイフ・アキール山麓のシャイフ・アキール村を奪還した。

これにより、「決戦」作戦司令室はシャイフ・アキール山にあるトルコ軍監視所を解囲に成功した。


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ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍ドローンがカムハーナ町に展開するスハイル・ハサン准将指揮下のシリア軍第25師団の本部を爆撃した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(3月4日付)などは、トルコ軍無人航空機(ドローン)がカムハーナ町ではなく、サラーキブ市近郊で開かれていたシリア軍第25師団の司令官会合を狙って爆撃を行い、「虎」の相性で知られるスハイル・ハサン准将が負傷したと伝えた。

だが、ロシアのANNAニュースはツイッターのアカウント(https://twitter.com/annanews_info)を通じてはこれを否定した。

https://twitter.com/annanews_info/status/1235230914147422209

一方、ロシア軍戦闘機がガーブ平原を爆撃した。

シリア軍戦闘機も同地を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ハッダーダ村一帯でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦し、シリア軍兵士7人、「決戦」作戦司令室戦闘員4人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を45件(イドリブ県15件、ラタキア県18件、アレッポ県11件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を44件(イドリブ県41件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 4, 2020、ANHA, March 4, 2020、AP, March 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 4, 2020、Reuters, March 4, 2020、SANA, March 4, 2020、SOHR, March 4, 2020、UPI, March 4, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍はトルコの侵攻を許したシリア政府を批判する一方、侵攻に対抗するために参戦する意思を示す(2020年3月3日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、トルコによる4度目のシリアへの侵攻作戦である「春の盾」作戦をめぐって、シリア政府を批判する一方、侵攻に対抗するために参戦する意思を示した。

声明のなかで、シリア民主軍は「トルコは緊張緩和地帯にかかる合意に乗じるとともに、アダナ合意を拡大解釈し、シリア北部を制圧し、避難してきた戦闘員を自分たちの兵士を自分たちのアジェンダのために奉仕させている」と非難、「シリアの国家建設と復興のため、バランスのとれた事態収拾に参加する意思がある」と表明した。

一方、民間人を巻き込んだかたちで行われているシリア軍の攻撃についても「シリア国民の悲劇は政権が体系的に行使した暴力という言葉から始まった」としたうえで、「イドリブ県は激戦に直面しており、シリア国民の苦しみが増し、避難の波が拡がっている。シリアを分割しようと地域諸国や諸外国が介入したためだ…。アサド政権は地域や世界の諸勢力のシリア政策に依存しており、主権という概念は、シリア国民や国家を犠牲にして描かれる(諸外国)のアジェンダにシリア人による決定権が従属することで、その価値を失った」と非難した。


AFP, March 3, 2020、ANHA, March 3, 2020、AP, March 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2020、Reuters, March 3, 2020、SANA, March 3, 2020、SOHR, March 3, 2020、UPI, March 3, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はアレッポ県マンビジュ市近郊のシリア軍拠点を砲撃(2020年3月3日)

アレッポ県では、ANHA(3月3日付)によると、トルコ軍の支援を受ける国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市北西のウンム・ジャッルード村にある国境通行所を砲撃した。

またトルコ軍が、マンビジュ市西のアラブ・ハサン村一帯に設置されているシリア軍拠点を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア政府との再和解を拒否していたダルアー県サナマイン市の元反体制武装集団メンバー21人が、シリア政府が用意した大型バスに乗って、トルコ占領下のバーブ市に至る通行所に到着した。

サナマイン市では1日、シリア軍が、戦車などからなる部隊を治安維持のために進駐させようとしたが、地元の武装集団が抵抗し交戦となり、2日に元反体制武装集団メンバーがロシアの仲介でイドリブ県に退去することを政府側と合意していた。

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ハサカ県では、ANHA(3月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊を砲撃した。

シリア人権監視団によると、国民軍はまた、ラアス・アイン市近郊のタッル・ムハンマド村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(3月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のカズアリー村、シュルバーニースク村、スライブ村、ハッラーブ・サールーンジュ村を砲撃した。

AFP, March 3, 2020、ANHA, March 3, 2020、AP, March 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2020、Reuters, March 3, 2020、SANA, March 3, 2020、SOHR, March 3, 2020、UPI, March 3, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア軍戦闘機1機を、シリア軍がトルコ軍ドローン2機を撃墜、シリア軍はサラーキブ市近郊の4カ村を奪還(2020年3月3日)

イドリブ県では、SANA(3月3日付)がシリア軍筋の情報として伝えたところによると、県南部で武装テロ集団に対する任務にあたっていたシリア軍戦闘機1機が11時03分にトルコ軍が発射した地対空ミサイルを被弾し、マアッラト・ヌウマーン市北西に墜落した。


ドゥラル・シャーミーヤ(3月3日付)やシリア人権監視団によると、撃墜されたのは旧チェコスロバキア製のL-39軽攻撃機、攻撃を行ったのはトルコ軍のF-16戦闘機。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団が撃墜された戦闘機の乗組員2名の遺体を発見したという。

これを受け、シリア軍は、対抗措置としてトルコ軍のバイラクタルTB2無人航空機(ドローン)2機をサラーキブ市近郊とハーン・スブル村東の上空で撃墜した。

SANAによると、うち1機はサラーキブ市近郊のシリア軍拠点に対して爆撃を加えようとしていたところを撃破したという。

また、シリア軍地上部隊は、ビンニシュ市、サルミーン市、ナイラブ村、ジスル・シュグール市およびその一帯、タルナバ村、マストゥーマ基地を砲撃、タルナバ村とマストゥーマ基地に対する砲撃では、トルコ軍兵士4人が死亡、7人が負傷した。

一方、ロシア軍戦闘機は、サルミーン市、ビンニシュ市、アリーハー市一帯、アーフィス村、サラーキブ市西部郊外一帯を爆撃した。

また、イドリブ市で早朝、大きな爆発が発生し、子ども3人を含む7人が死亡、20人が負傷した。

爆発は、ロシア軍の爆撃か弾道ミサイルによるものだという。

SANAによると、一連の戦闘で、シリア軍は、サラーキブ市近郊のジャウバース村、タルナバ村、ダーディーフ村、カフルバッティーフ村からトルコ軍の支援を受ける「決戦」作戦司令室(シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体)を掃討し、同地を再び制圧した。

https://youtu.be/Fi_rbA0JWAs

対するトルコ軍は、砲兵部隊と無人航空機(ドローン)でサラーキブ市一帯、マアッラト・ヌウマーン市近郊、マアッルディブサ村のシリア軍拠点を攻撃した。

また、戦車や装甲車など60輌からなる増援部隊をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がタカード村を爆撃した。

これに対して、トルコ軍は、砲兵部隊とドローンでズィルバ村などを攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍ドローンが、ジューリーン村北のミールザー砦にあるシリア軍拠点を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を50件(イドリブ県9件、ラタキア県21件、アレッポ県20件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を35件(イドリブ県23件、ラタキア県0件、アレッポ県12件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 3, 2020、ANHA, March 3, 2020、AP, March 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 3, 2020、Reuters, March 3, 2020、SANA, March 3, 2020、SOHR, March 3, 2020、UPI, March 3, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県サナマイン市で政府との和解を改めて拒否した武装集団がイドリブ県に退去することで同意(2020年3月2日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市で、シリア政府との和解を改めて拒否する元反体制武装集団のメンバー26人が、ロシアの仲介により、3日早朝にイドリブ県に退去することをシリア政府側と合意した。

サナマイン市では1日、シリア軍が、戦車などからなる部隊を治安維持のために進駐させようとしたが、地元の武装集団が抵抗し交戦となり、元反体制武装集団メンバー3人が死亡していた。

2日にもシリア軍と武装集団の間で激しい戦闘があった。

 

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はラッカ県、ハサカ県を砲撃(2020年3月2日)

ラッカ県では、ANHA(3月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村、アイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ、フーシャーン村、ハーリディーヤ村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(3月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアイン・アラブ(コバネ)市近郊の国境地帯で合同パトロールを実施した。

一方、アフリーン解放戦線は声明を出し、1日にマルアナーズ村でトルコの支援を受ける反体制武装集団を攻撃し、3人を殺害したと発表した。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍ドローンの爆撃にもかかわらず、シリア軍はサラーキブ市を奪還、トルコ軍兵士1人を砲撃で殺害(2020年3月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍無人航空機(ドローン)が、サラーキブ市一帯のシリア軍拠点に対して爆撃を行った。

また、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、サラーキブ市一帯、同市近郊のジャウバース村、タルナバ村一帯でシリア軍への攻撃を続けた。

しかし、シリア軍地上部隊はシリア・ロシア軍の航空支援を受けて反撃し、「決戦」作戦司令室との激しい戦闘の末、サラーキブ市を再び制圧した。

サラーキブ市は2月5日にシリア軍が制圧したが、トルコの支援を受ける「決戦」作戦司令室は26日にこれを奪還したと発表していた。

シリア軍によるサラーキブ市再制圧を受け、ロシア軍はサラーキブ市に憲兵隊を派遣したと発表した。

これに対して、シャーム解放機構は、精鋭のアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊を同地に派遣した。

シリア軍地上部隊はまた、タフタナーズ航空基地に設置されているトルコ軍の拠点を砲撃し、トルコ軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。

シリア軍地上部隊はさらに、シリア・ロシア両軍の航空支援を受けて、県南部で「決戦」作戦司令室に攻勢をかけ、フライフィル村、ダール・カビーラ村、ハザーリーン村を奪還した。

一方、ロシア軍戦闘機は、県南部のほか、フーア市、アドワーン村、サラーキブ市一帯を爆撃し、フーア市で住民2人が死亡、6人が負傷、アドワーン村では国内避難民(IDPs)2人が死亡した。

これに対して、トルコ軍は、カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所から戦車や装甲車などからなる車列をシリア領内に進入させ、イドリブ県との県境に位置するアレッポ県のバータブー村に新たな拠点を設置した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍地上部隊がカブターン・ジャバル村、アンジャーラ村、シャイフ・アキール山、カフル・ハラブ村を砲撃、「決戦」作戦司令室が同地でシリア軍と激しく交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍防空部隊が、シリア駐留ロシア軍司令室が設置されているフマイミーム航空基地に向かって飛来した無人航空機複数機を撃墜した。

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ハマー県では、SANA(3月2日付)によると、トルコ軍の支援を受ける「決戦」作戦司令室がジューリーン村を砲撃し、女性1人と子ども1人が死亡、住民7人が死亡した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士11人と「決戦」作戦司令室戦闘員21人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県4件、ラタキア県18件、アレッポ県8件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県11件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県サナマイン市で治安維持のために駐留しようとしたシリア軍が武器引き渡しを拒否する元反体制武装集団と交戦、武装集団側が3人死亡(2020年3月1日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、戦車などからなる部隊を治安維持のためにサナマイン市に進駐させようとしたが、シリア政府と和解していた地元の元反体制武装集団のメンバーがこれに抵抗し交戦となり、元反体制武装集団メンバー3人が死亡した。

元反体制武装集団は武器引き渡しを拒否していた。

https://www.facebook.com/eldorarlashamy/videos/2794417180625805/?t=0


また、ブスラー・シャーム市、キヒール村、ダルアー市で、サナマイン市からのシリア軍の撤退を求める抗議デモが行われた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャルマーナー市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

AFP, March 1, 2020、ANHA, March 1, 2020、AP, March 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2020、Reuters, March 1, 2020、SANA, March 1, 2020、SOHR, March 1, 2020、UPI, March 1, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団:2020年2月の戦闘での死者は1,771人(2020年3月1日)

シリア人権監視団は、2020年2月の戦闘での死者が1,771人を記録したと発表した。

内訳は、民間人275人(うち女性43人、子ども57人)、武装諸派255人、シリア民主軍21人、トルコ軍63人、親政府民兵231人、シリア軍422人、レバノンのヒズブッラー民兵14人、親政府外国人民兵38人、ジハード主義者455人、身元不明3人。

AFP, March 1, 2020、ANHA, March 1, 2020、AP, March 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2020、Reuters, March 1, 2020、SANA, March 1, 2020、SOHR, March 1, 2020、UPI, March 1, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍無人航空機と砲兵部隊がイドリブ県、アレッポ県、ハマー県への攻撃を続けるなか、「決戦」作戦司令室は13カ村を奪還(2020年3月1日)

シリア人権監視団はトルコ軍のバイラクタルTB2無人航空機(ドローン)と砲兵部隊が「ヒステリックな攻撃」を加えていると発表した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍ドローンがザーウィヤ山一帯に配置されているシリア軍拠点やハーミディーヤ航空基地を爆撃し、兵士少なくとも19人が死亡した。

また、トルコ軍ドローンの航空支援を受ける「決戦」作戦司令室が、シリア軍と交戦、県南部のダール・カビーラ村、フライフィル村、カウカバ村、タウィーラ村、カフルムース村、ファッティーラ村、スフーフン村、ハザーリーン村で同地を奪還した。

「決戦」作戦司令室はまた、カフルナブル市一帯、サラーキブ市一帯でシリア軍と交戦を続けた。

これに対して、シリア軍はサラーキブ市への突入に向けて増援部隊を派遣した。

トルコ軍も、カフルルースィーン村に違法に設置された国境通行所から戦車、装甲車など55輌からなる増援部隊をシリア領内に進入させた。

https://stepagency-sy.net/nfiles/2020/03/map-2048×1175.jpg

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月1日付)によると、「決戦」作戦司令室がシリア軍との戦闘の末、カーヒラ村、クライディーン村、アンカーウィー村、ダクマーク村、ザクーム村を奪還した。

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アレッポ県では、アナトリア通信(3月1日付)によると、トルコ軍ドローンがナイラブ航空基地を爆撃し、基地を利用不能にした。

また、シリア人権監視団によると、トルコ軍ドローンはアレッポ市西のザフラー協会地区一帯を爆撃、地上部隊も同地を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を25件(イドリブ県2件、ラタキア県15件、アレッポ県8件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(イドリブ県14件、ラタキア県0件、アレッポ県8件、ハマー県1件)確認した。

AFP, March 1, 2020、Anadolu Ajansı, March 1, 2020、ANHA, March 1, 2020、AP, March 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2020、Reuters, March 1, 2020、SANA, March 1, 2020、SOHR, March 1, 2020、UPI, March 1, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はロシア軍基地があるアレッポ県東部のアリーマ町を砲撃(2020年3月1日)

アレッポ県では、ANHA(3月1日付)、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府の支配下にあるマンビジュ市西のアリーマ町を砲撃した。

同地には、シリア軍、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のバーブ軍事評議会が展開するほか、ロシア軍の基地があり、砲撃は基地一帯にも及んだ。

トルコ軍と国民軍はまた、北・東シリア自治局の支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村を砲撃した。

AFP, March 1, 2020、ANHA, March 1, 2020、AP, March 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2020、Reuters, March 1, 2020、SANA, March 1, 2020、SOHR, March 1, 2020、UPI, March 1, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊(アレッポ県)を砲撃(2020年2月29日)

アレッポ県では、ANHA(2月29日付)によると、トルコ軍のその支援を受ける国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャイフ・ヒラール村、ダイル・ジュマイイル村、カフル・ナーヤー村、イルシャーディーヤ村、タート・マラーシュ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

AFP, February 29, 2020、ANHA, February 29, 2020、AP, February 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 29, 2020、Reuters, February 29, 2020、SANA, February 29, 2020、SOHR, February 29, 2020、UPI, February 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県内のシリア軍拠点への爆撃を続け、兵士26人とヒズブッラー民兵10人が新たに死亡(2020年2月29日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ政府が最近の戦闘での制圧地からのシリア軍の撤退期限としていた2月29日、トルコ軍無人航空機(ドローン)が、M5高速道路沿線のマアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市、マアッルシューリーン村、ハーッス村、タッル・マルディーフ村一帯のシリア軍拠点、ナイラブ航空基地を爆撃した。

この爆撃で、シリア軍兵士26人と、レバノンのヒズブッラーの民兵10人が新たに死亡したという。

トルコ日刊紙『ミッリイェト』(2月29日付)は、トルコ軍が無人航空機を投入し、イドリブ県の領空封鎖を試みていると伝えた。

また、アラビー21(2月29日付)は、トルコ軍がドローン数十機からなる編隊をイドリブ県に進入させ、シリア軍の拠点を爆撃することで進軍を止め、反転攻勢に出ていると伝えた。

トルコ軍はまた、地上部隊がサラーキブ市近郊、ザーウィヤ山にあるシリア軍の拠点を砲撃するとともに、ヒルバト・ジャウズ村に違法に設置されている国境通行所から戦車や装甲車など約120輌をシリア領内に進入させた。

これに対して、ロシア軍戦闘機は、サルミーン市、サラーキブ市、アーフィス村などを爆撃、シリア軍戦闘機もサラーキブ市およびその一帯を爆撃した。

シリア軍はまた、地上部隊がサラーキブ市、サルミーン市、ビンニシュ市、マストゥーマ村、クマイナース村、ダーディーフ村、ザカール村、マアーッラト・ウルヤー村、カフルバッティーフ村、マアーッラト・ナアサーン村、ジャーヌーディーヤ町などを砲撃し、ビンニシュ市では子ども1人が死亡した。

一方、ザーウィヤ山地方のスフーフン村、カフル・ウワイド村では、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室がシリア軍に対して反転攻勢を加え、両村を制圧した。

これに対して、シリア軍が再び反撃し、スフーフン村を奪還した。

なお、SANA(2月29日付)は、シリア軍がカフル・ウワイド村、サラーキブ市でトルコ軍の砲撃支援を受ける「テロ集団」に対する軍事作戦を継続したと伝えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフル・ヌーラーン村一帯、アターリブ市一帯を爆撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がクライディーン村、ザクーム村でシリア軍に反転攻勢を加えて、両村を制圧した。

これに対して、シリア軍が再び反撃、クライディーン村を奪還した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘で、シリア軍兵士23人、「決戦」作戦司令室戦闘員31人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県8件、ラタキア県12件、アレッポ県18件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を36件(イドリブ県33件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 29, 2020、ANHA, February 29, 2020、AP, February 29, 2020、Arabi 21February 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 29, 2020、Milliyet, February 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 29, 2020、Reuters, February 29, 2020、SANA, February 29, 2020、SOHR, February 29, 2020、UPI, February 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県、アレッポ県に対して報復攻撃を行い、シリア軍兵士45人を殺害(2020年2月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタフタナーズ市およびマアーッラト・ナアサーン村の一帯に設置されているトルコ軍の拠点複数カ所を砲撃、トルコ軍兵士2人が死亡、6人が負傷した。

これに対して、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が、アレッポ県東部のズィルバ村、イドリブ県のサラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市近郊などM5高速道路沿線に展開するシリア軍と「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃し、シリア軍兵士45人とレバノンのヒズブッラーの司令官4人が死亡した。

一方、トルコ国防省は、トルコ軍がシリア軍部隊、戦車、拠点などをピンポイント攻撃した映像を公開した。

映像の日付は27日となっており、攻撃で、シリア軍兵士数十人が死傷、戦車・装甲車多数、パーンツィリS1地対空ミサイル1基を破壊したという。

 

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構と国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコの砲撃支援を受け、アレッポ県との境に位置するトゥライハ村を攻撃、シリア軍と激しく交戦した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(2月28日付)は、「決戦」作戦司令室の軍事筋の話として、トゥライハ村で60人以上、マルディーフ村で45人以上のシリア軍兵士と「イランの民兵」が死亡したと伝えた。

一方、SANA(2月28日付)が軍情報筋の話として伝えたところによると、シリア軍がサラーキブ市一帯で、トルコから直接支援を受ける「武装テロ組織」の攻撃に対して徹底抗戦を続け、「決戦」作戦司令室の拠点を重点的に砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市および同市一帯、タルナバ村、ザーウィヤ山地方のバイルーン村を爆撃し、サラーキブ市で民間人3人、バイルーン村で女性1人と子ども2人を含む4人が死亡した。

サラーキブ市は26日に「決戦」作戦司令室が奪還を発表していた。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、トルコ軍監視所が設置されているイシュタブリク村、サルマーニーヤ村を爆撃、シリア軍戦闘機もサラーキブ市、サルミーン市、アリーハー市を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がアレッポ市東のサフィーラ市近郊にある科学研究センターを地対地ミサイルで攻撃した。

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ハマー県では、SANA(2月28日付)によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室との戦闘の末、イドリブ県との県境に位置するマンスーラ村、ズィヤーラ町、ヒルバト・ナークース村、タッル・ワースィル村、ザイズーン・ジャディーダ村を制圧した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月28日付)によると、「決戦」作戦司令室は27日にシリア軍によって制圧されたクーフキーン村を奪還した。

また、シリア人権監視団によると、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)、中国新疆ウィグル自治区出身者を主体とするトルキスタン・イスラーム党の増援部隊、新興のアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードが、26日にシリア軍によって制圧されたハマー県北西部地域奪還のために合同増援部隊を同地に派遣した。

これを受け、ロシア軍戦闘機はガーブ平原各所を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県13件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を22件(イドリブ県19件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県ザーウィヤ山地方に対するロシア軍(あるいはシリア軍)の爆撃でトルコ軍兵士30人以上が死亡(2020年2月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がザーウィヤ山地方のバーラ村およびバイルーン村一帯に配置されているトルコ軍の拠点を爆撃、トルコ軍兵士少なくとも34人が死亡、多数が負傷した。

シリア軍はまた、これに先立ってバーラ村・カンスフラ村を移動中のトルコ軍の車列を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月27日付)は、爆撃を行ったのがロシア軍の戦闘機だとしたうえで、トルコ軍兵士34人が死亡、数十人が負傷者したと伝えた。

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これに関して、トルコ国防省はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて声明を出し、イドリブ県内に展開するトルコ軍部隊が爆撃を受けて、兵士2人が死亡、2人が負傷したと発表した。

これに対して、トルコ軍はただちに報復を行い、シリア軍兵士114人戦車3輌を無力化したと付言した。

一方、トルコのハタイ県知事は報道向け声明を出し、シリア軍戦闘機の爆撃でトルコ軍兵士9人が死亡したと発表した。

アナトリア通信(2月27日付)が伝えた。

トルコ政府は28日、爆撃での戦死者・戦傷者に33人死亡、32人が負傷したと発表した。

AFP, February 27, 2020、Anadolu Ajansı, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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