2014年1月26日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

イスラーム戦線とムジャーヒディーン軍が共同声明を出し、サウジアラビアの説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏による「ウンマ・イニシアチブ」(23日)を受諾すると発表した。

Kull-na Shuraka', January 27, 2014
Kull-na Shuraka’, January 27, 2014

「ウンマ・イニシアチブ」は1月28日までにイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の武装集団の戦闘を停止するよう呼びかけている。

 

Kull-na Shuraka’, January 27, 2014をもとに作成。

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2014年1月26日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は前日に引き続き、ジュネーブの国連本部でシリア革命反体制勢力国民連立代表団、シリア政府代表団と早朝に個別会合を開き、また午前中に直接会合を開催し、逮捕者釈放、人道支援物資搬入、拉致による失踪者の捜索などが議論された。

直接会談は前日に引き続き、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使がシリア政府代表団を、ハーディー・バフラ氏がシリア革命反体制勢力国民連立代表団を率い、約2時間にわたって行われた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者会見で、ヒムス市での部分停戦と人道支援物資搬入をめぐる協議に関して「シリア政府は女性と子供であれば直ちに退去できる旨伝えてきた…。部分停戦が明日開始され、女性と子供がヒムス市旧市街から退去できる見込みだ」と述べた。

また「明日、人道支援物資を積んだ車輌がヒムスに入ることを希望している…。ヒムス市の武装集団が車輌を攻撃しないと我々や複数の当事者に伝えてきた」と付言した。

そのうえで直接会談に関して「互いを尊重する」姿勢が見受けられたと高く評価した。

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『ハヤート』(1月27日付)などによると、連立代表団は、シリア政府の刑務所に収監されている女性および子供の逮捕者2,300人の名簿をブラーヒーミー共同特別代表に提出、それ以外の逮捕者に先立って「即時釈放」するよう求めた。

これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立のウバイダ・ナッハース氏は、『ハヤート』(1月27日付)に、連立代表団が女性、子供を含む数万人の釈放を要求したことを明らかにしたうえで、「政府がこの問題に「敵意」をもって対処し、「テロとの戦い」に集中しようとしている」と非難、「交渉の会場の外で国際社会が圧力をかけ、シリア政府に人道的な問題に対処するよう」呼びかけた。

また「政府代表団には決定を下す十分な権限がないことを理解している。それゆえ、この要求をダマスカスに持ち帰り、答えを持ってくるよう求めた」ことを明らかにした。

一方、拉致をめぐる問題に関して「政府使節団は、拉致された人々を捜索準備ができており、拉致犯と理解し合う可能性があるなら…可能だと言っている」ことを明らかにした。

さらに、ヒムス市での人道支援配給に関して、「ダマスカスで物資を積んだトラック12輌が待機しているが、ヒムスには今のところ人道支援物資は入っていない…。しかし、ブラーヒーミー共同特別代表は、今日か明日には搬入したいとの希望を伝えてきた」と述べた。

他方、移行期統治機関(移行期政府)に関しては、27日から協議が始まることを明らかにした。

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SANA(1月26日付)によると、これに対して、シリア政府代表団は、人道支援物資搬入をめぐる問題がジュネーブ2会議の議事とは無関係で、国家(シリア政府)と国連との合意に関わる問題だと指摘し、シリア政府が、人道支援に関していかなる差別も行わず、ヒムス市だけでなく、アドラー市ウンマーリーヤ地区(ダマスカス郊外県)、ファウワ村(イドリブ県)、ヌッブル市(アレッポ県)、ザフラー町(アレッポ県)などに対しても支援物資を配給する用意があると伝えたという。

そのうえで、政府代表団が、部分停戦、人道支援をめぐる協議で、連立使節団に、シリア各地を支配しているどの武装集団に対して連立の権威が及んでいるのかを明らかにするよう求めたが、連立代表団は何も示すことができず、「武装集団に対して何らの権威も有さず、連絡経路があるだけだ」と答えたという。

またブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はAFP(1月26日付)に「すべてがその日その日に行われている。日程は存在しない」としたうえで、「問題は先方が昨日(25日)の会合で、些細なことばかりに議論を集中させようとしたことにある。シリア政府には、すべての県でいつでもこのテロでの被災者を救済するための完全な装置がある…。支援物資の搬入は重要だが、このことに終始すると、大会そのものも、そしてその目的の重要性が失われてしまう…。テロ停止、深刻な人道状況への対処、支援搬入、治安状況改善、政治プロセス開始(という順で進められねばならない)」と述べた。

移行期統治機関(移行期政府)については、「この表現だけでなく、シリアが卑劣なテロに苦しんでいる…なかでこの問題が提起されていることに慎重な姿勢を示している…。ジュネーブ合意には、暴力停止について言及されているが、今日行われているのは、暴力ではなくテロです」と述べた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立代表団との交渉に関して「緊張はない…。バッシャール・ジャアファリー駐国連大使が、テロ停止を求める国民の意思に沿うよう建設的な雰囲気作りに尽力している」と述べた。

またウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブで記者団に対して、移行期統治機関(移行期政府)の審議について、「困惑してはいない」としたうえで、すべての問題に「胸襟を開いている」ことを強調しつつ、「人道支援問題はシリア政府の優先事項の一つだが、我々は搬入方法に関して現実的でなければならない…。この問題は治安措置によって可能になる第2の措置だからだ」と強調した。

他方、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は記者会見で、ヒムス市での部分停戦に関して、反体制武装集団が道を開放すれば、女性と子供がヒムス市を去ることを認める、と述べた。

また「過去2年間、私は女性と子供を退去させることに直接関心があった。しかし武装集団が我々を阻止し、いかなる人が退去することも認めてこなかった…。シリア政府は必要なすべての場所に支援物資を届けてきた。しかし、二つの要素に阻まれてきた。第1にテロリスト、第2に人道支援の搬入を許すような雰囲気の欠如…。我々は先月だけで、各地に400万箱の支援を届けた」と述べた。

しかし、ミクダード副大臣は「ジュネーブ2会議で議論しなければならない最初の問題はテロに関する問題であり…、シリア国民がテロの危険に曝されている限り、シリアの現在そして未来に関わる人道的問題の審議は継続できない」と強調した。

SANA(1月26日付)などが伝えた。

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UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)は、予定していたダマスカス県ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)への脱脂粉乳、ポリオワクチンなどの人道支援物資の搬入ができなかったと発表し、シリア政府への「失望」を表明した。

『ハヤート』(1月27日付)などが伝えた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月26日のシリア情勢:レバノンの動き

ジャディード・テレビ(1月26日付)は、ナバティーヤ県ハースバイヤー郡マーリー村の農地でロケット弾の残骸を発見したと報じた。

その後の調べで、残骸の一部は、2013年12月29日にレバノン領内からイスラエルに向けて発射されたロケット弾だということが判明した。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月26日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市カラム・シャーミー地区に反体制武装集団が撃ったと思われる迫撃砲弾2発が着弾する一方、ダール・カビーラ村に対して軍が砲撃を砲撃、またマヒーン町の中学校で手榴弾が爆発し、2人が死亡した。

また、SANA(1月26日付)によると、ザーラ村、サアン村一帯、カフルアブド村、タッルドゥー市、ダール・カビーラ村、ヒムス市クスール地区、クサイル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カッサーア地区に迫撃砲弾1発が着弾する一方、ジャウバル区では軍と反体制武装集団が交戦した。

またカダム区での戦闘でも、軍と反体制武装集団が交戦し、軍がダマスカス・ダルアー街道を一時閉鎖した。

一方、クッルナー・シュラカー(1月26日付)は、ダマスカス大学学生寮(マッザ区)で、「年長の女性シャッビーハ」のマヤーダ・ムハンマド氏(ウンム・アリー)が、構内で女性5人を拉致し、人民保護委員会や国防隊に身柄を引き渡したと報じた。

他方、SANA(1月26日付)によると、カダム区に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またバーブ・トゥーマー地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、市民7人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市、ランクース市、サイドナーヤー町、ムライハ市などが軍の砲撃を受ける一方、ハーマ陸橋で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(1月26日付)によると、ハラスター市、ヒジャーリーヤ農場、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダーライヤー市、ランクース市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の外国人戦闘員、首都の盾旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ街道地区を砲撃し、子供1人を含む4人が死亡、また同地区の検問所で若者1人が射殺された。

また軍はアレッポ市カーティルジー地区、サーリヒーン地区を爆撃し、子供6人を含む18人が死亡する一方、旧市街のウマイヤ・モスク周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、マンビジュ市では、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が活動家らの自宅を家宅捜索した。

他方、SANA(1月26日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、フライターン市北部、クワイリス村、アルバイド村、ダイル・ハーフィル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カルム・ジャズマーティー地区、ファルドゥース地区、シャッアール地区、カーディー・アスカル地区、カルム・フーミド地区、マサーキン・ハナーヌー地区、シャバービー地区、サーフール地区、バーブ・ナイラブ地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、SANA(1月26日付)によると、アレッポ市ジャミーリーヤ地区、ファイサル地区で、住民がデモ行進を行い、ジュネーブ2会議のシリア政府代表団支持、軍による「テロとの戦い」支持などを訴えた。

SANA, January 26, 2014
SANA, January 26, 2014

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マーヒディーヤ基地周辺で、軍と反体制勢力が交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市マルアブ地区南部の軍検問所で爆弾を積んだ自動車が爆発し、複数の兵士が死傷した。

また軍は、ハマー市ジャラージマ地区、バーブ・クブリー地区で活動家の摘発活動を行う一方、マジュダル村出身の青年が当局の拷問を受け死亡した。

さらにハラファーヤー陸橋南部のナースィリーヤ検問所周辺で軍と反体制武装集団が交戦、カフルズィーター市周辺が軍の砲撃を受けた。

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ラタキア県では、SANA(1月26日付)によると、ラビーア町一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員19人を殲滅、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月26日付)によると、フラーク市、ダルアー市各所、インヒル市、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア・ニュース(1月26日付)は、ラッカ県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の反体制武装集団の交戦激化と、ラッカ県、ダイル・ザウル県でのダーイシュの優勢を受け、ラッカ市の人口の約30%以上がトルコ方面に避難を余儀なくされていると報じた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、Syria-news.com, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月26日のシリア情勢:シリア政府の動き

ジハード・マクディスィー前外務在外居住者省報道官は、フランスでクウェート紙『ラアユ』(1月26日付)の取材に応じ、2012年11月に報道官職を放棄するに至った経緯に関して、「政権が終わっており、実質的崩壊が時間の問題だが、時間はかかるだろうと考えていた」と振り返った。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、al-Ra’y, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月26日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は声明を出し、アレッポ県カフルハムラ村、フライターン市で外出禁止令を発した。

Kull-na Shuraka', January 26, 2014
Kull-na Shuraka’, January 26, 2014

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シリア革命反体制勢力国民連立のムンズィル・アークビーク氏は、クッルナー・シュラカー(1月26日付)に対し、シリア政府代表団がジュネーブ合意の履行を国際社会から強いられ、ジュネーブ2会議から近く逃げ出すだろうとの見方を示した。

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ヒムス市で活動しているというシリア革命総合委員会のアブー・ラーミー報道官は、ジュネーブ2会議で審議されているヒムス市の部分停戦・人道支援物資搬入に関して、ベイルートのAFP(1月26日付)に「我々には大量の食糧と医療物資が必要で、女性、子供、負傷者を逮捕しないという保障が必要だ」と述べた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月25日のシリア情勢:諸外国の動き

スイスのジュネーブにある国連本部で、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の仲介のもと、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団が1日遅れで直接会談を行った。

会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らシリア政府閣僚、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら幹部は出席せず、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使が、連立代表団ハーディー・バフラ氏らが会談に参加した。

『ハヤート』(1月26日付)などによると、会談はジュネーブの国連ビル第16ホールで行われ、シリア国旗、反体制派の旗のいずれも形容されずに議事が進められたという。

午前と午後に分けた行われた直接会談では、交渉の原則、議事についての確認がなされ、『ハヤート』(1月26日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表がジュネーブ合意を交渉の原則とする旨伝えると、両代表団はこれを了承したという。

議題に関しても、ヒムス市などシリア中部での部分停戦と人道支援物資の搬入を第1の議題とすることが確認され、シリア政府はヒムス市郊外への人道支援物資の搬入を、連立はヒムス市への支援を強く求めたという。

ヒムス県での部分停戦と人道支援物資の搬入に次いで、26日には逮捕者・捕虜の交換が協議されるという。

ブラーヒーミー共同特別代表は会談に関して「交渉に関する自分のイメージについてのみ話した…。詳細の議論にはまだ入っていない。何も合意はなされていないが、それは合意を望んでいないからではなく、対話がまだ始まっていないからだと述べた」。

ジャアファリー国連大使は「感情的に話すためにここに来たのではない…。シリアの至上なる国益に沿って、開放的な知性と積極的な精神をもって、国を現状から脱却させるためにここに来たのだ」と述べた。

一方連立のアナス・アブダ氏は「我々が、ダマスカスの殺人者を代表する代表団と席をともにするのは容易ではない。しかし、シリア国民の国益のためにそうした」と述べた。

またヒムス市などでの部分停戦に関するブラーヒーミー共同特別代表の提案に関して「この枠組みのなかで我々には提案があり、ジュネーブ2会議前から検討してきた…。今日中に結果に達することを希望している。つまり、我々は人道支援チームが入るためのヒムス市旧市街での停戦発表の期限を求めることになろう」と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は『ハヤート』(1月25日付)に、シリアの紛争の政治的解決をめざすための移行期統治機関(移行期政府)樹立を「100%支持する」と述べる一方、ジュネーブ2会議に政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団が一同に介したことを「互いを承認した」と高く評価した。

AFP, January 25, 2014、AP, January 25, 2014、Champress, January 25, 2014、al-Hayat, January 25, 2014, January 26, 2014、Iraqinews.com, January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2014、Naharnet, January 25, 2014、NNA, January 25, 2014、Reuters, January 25, 2014、Rihab News, January 25, 2014、SANA, January 25, 2014、UPI, January 25, 2014などをもとに作成。

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2014年1月25日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(1月25日付)は、合同作戦司令部の情報として、治安部隊がアンバール県ブー・ファラジュ地方でダーイシュの戦闘員20人を殺害したと報じた。

またニナワ県では、イラク軍第二歩兵師団がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員2人を殺害したという。

AFP, January 25, 2014、AP, January 25, 2014、Champress, January 25, 2014、al-Hayat, January 26, 2014、Iraqinews.com, January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2014、Naharnet, January 25, 2014、NNA, January 25, 2014、Reuters, January 25, 2014、Rihab News, January 25, 2014、SANA, January 25, 2014、UPI, January 25, 2014などをもとに作成。

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2014年1月25日のシリア情勢:レバノンの動き

アブー・サイヤーフ・アンサーリーを名乗る人物が音声声明(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=WHg2uEwLPew)を出し「我々はトリポリから、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に参加し、同組織と同盟を結ぶことを誓う…。我々はまたアブー・バクル(・バクダーディー)に属すことを近い、彼らのためにレバノン、そしてエルサレム王国(イスラエル)への扉となる」と発表した。

アンサーリー氏はまた「ヒズブッラーが認めるレバノンの十字軍の不忠によって、イスラームのウンマの決意が失われ、揺らいだために活動を始めた」と付言し、レバノンのスンナ派に対して「我々はあなた方の兄弟であり、息子であり、奉仕者だ。我々はあなた方とともに不信心者と戦う。よって、備えを忘れるな…。キリスト教徒どもや裏切り者が用いるナイフに成り下がなり、我々を後ろから刺さないよう求める」と呼びかけた。

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NNA(1月25日付)は、ベカーア県ヘルメル郡に東レバノン山脈から何者かがロケット弾を複数発発射したと報じた。

これに関して、シャームの民のヌスラ戦線とマルワーン・ハディード大隊はツイッターを通じて共同声明を出し、ヘルメル郡にロケット弾7発を打ち込んだと発表し、犯行を認めた。

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ナハールネット(1月25日付)などによると、軍治安当局が、18日にベイルート県郊外ダーヒヤでの自爆テロの容疑者ハーリド・サーティム氏を未明に逮捕した。

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ムスタクバル潮流代表のサアド・ハリーリー元首相は声明を出し、「レバノン国民とスンナ派はレバノンが、ヒズブッラーとアル=カーイダによるレバノン国内、ないしは地域での戦争に巻き込まれることを拒否する…。狂った戦争のなかで、レバノンのあらゆる地域で民間人を標的とするとの脅迫も拒否する」と発表し、シャームの民のヌスラ戦線の声明(24日)を非難した。

AFP, January 25, 2014、AP, January 25, 2014、Champress, January 25, 2014、al-Hayat, January 26, 2014、Iraqinews.com, January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2014、Naharnet, January 25, 2014、NNA, January 25, 2014、Reuters, January 25, 2014、Rihab News, January 25, 2014、SANA, January 25, 2014、UPI, January 25, 2014などをもとに作成。

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2014年1月25日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、タルフィーター村郊外、ダーライヤー市に対して軍が「樽爆弾」を投下した。

一方、SANA(1月25日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ザバダーニー市郊外、リーマー農場、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民12人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のハナーヌー地区、カーディー・アスカル地区、サーリヒーン地区、マイサル地区を軍が爆撃した。これに関して、クッルナー・シュラカー(1月25日付)は、「樽爆弾」による爆撃で数十人が死亡したと伝えた。

一方、SANA(1月25日付)によると、ダイル・ハーフィル市、ムスリミーヤ村、ハーン・アサル村、クワイリス村、アルバイド村、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、フライターン市、ハッダーディーン村、ハワービー・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、バーブ・ナイラブ地区、マルジャ地区、シャッアール地区、サーリヒーン地区、サーフール地区、ファルドゥース地区、カーディー・アスカル地区、カルム・マイサル地区、フーミド地区、ジャズマーティー地区、トゥッラーブ地区、ハナーヌー地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、軍がナイラブ航空基地北部のカルム・カスル地区、ミランダー・ビル地区を制圧したという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ニカーブを着用してなかった妻と歩いていた夫を逮捕した。

また、ダーイシュは、ラッカ市内でニカーブを着用していなかった少女2人をむち打ち刑に処したという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(1月25日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またSANA(1月25日付)は、反体制武装集団の攻撃を逃れて避難生活を送っていたバルザ区の住民約100世帯が、自宅に帰ったと報じ、その写真を公開した。

SANA, January 25, 2014
SANA, January 25, 2014

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イドリブ県では、SANA(1月25日付)によると、タフタナーズ市、ナイラブ村、ビンニシュ市、ドゥーサ村、タルナバ村、タッル・サラムー村、ブワイダ村、カフルアジャム村、サルミーン市、アルバイーン山一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月25日付)によると、ヒムスしカラービース地区、バーブ・フード地区、ガースィビーヤト・ナイーム村、ハーリディーヤ村、ラスタン市、サアン村、ヒルバト・バルガラーン村、ヒルバト・スナイド村、ヒルバト・ヒワーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月25日付)によると、タッル・マハッス村西部、ハーッラ丘などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 25, 2014、AP, Janu

2014年1月25日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、ラッカ州(ウィラーヤト・ラッカ)の副ワーリーの名で声明を出し、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線、ラッカ革命家旅団などラッカ県の反体制武装集団に1月29日まで降伏するよう最後通告を出した。

Kull-na Shuraka', January 25, 2014
Kull-na Shuraka’, January 25, 2014

声明には「改悛を望む者に対して、2014年1月29日まで改悛の扉は開かれるが、それ以降はラッカ州のワーリーによって開かれない限り閉ざされることになろう」と表明され、身柄投降、武装解除が求められている。

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ハラブ・ニュース(1月25日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が制圧したアレッポ県バーブ市を「マディーナ・ムナウワラ」(メディナの正式名)に改称したと報じた。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の武装集団の戦闘停止を呼びかけたサウジアラビアの説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏による「ウンマ・イニシアチブ」(23日)に関して、シャームの民のヌスラ戦線指導者のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が声明を出し、歓迎の意を表した。

ジャウラーニー氏は「些細な見解の相違によって対立し合ってきたすべての者たちが戦闘を停止し、偉大なるアッラーの最低に服することに合意し、ヌサイリー体制との戦いに再び努力を集中させるのを目の当たりにしている」と述べ、ムハイスニー氏によるイニシアチブが成果を上げていると主張、これを高く評価した。

ムフスィニー氏は、シャーム全域での即時停戦、すべての当事者の満足するような無所属のカーディーからなるシャリーア法廷の設置をイニシアチブ発表から5日以内に実現するよう呼びかけていた。

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ムスタファー・トゥラース元国防大臣の長男のフィラース・トゥラース氏はフェイスブックで「シリア政府はいずれ、シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)にジュネーブ合意への署名を求める」だろうと述べ、退任を拒否する政権の姿勢を批判した。

 

AFP, January 25, 2014、AP, January 25, 2014、Champress, January 25, 2014、Halabnews.com, January 25, 2014、al-Hayat, January 26, 2014、Iraqinews.com, January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2014、Naharnet, January 25, 2014、NNA, January 25, 2014、Reuters, January 25, 2014、Rihab News, January 25, 2014、SANA, January 25, 2014、UPI, January 25, 2014などをもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月26日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプおよびダルーシャー村一帯で軍と反体制武装集団の戦闘が激化、反体制武装集団が一時ダマスカス県とサフナーヤー市を結ぶ街道を閉鎖、軍がこれに対してヘリコプターで爆撃を行った。

Kull-na Shuraka’, January 24, 2014をもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、ジュネーブ2会議が開催されているスイスのジュネーブで記者会見を開き「一部の勢力が、自分たちが検討中の問題解決策から我々を排除しようとしている。彼らは誰も代表していない。しかし、我々は我々の民主的権利を得るまで闘争を続けるだろう」と述べた。

Kull-na Shuraka', January 25, 2014
Kull-na Shuraka’, January 25, 2014

ムスリム共同党首はまた、シリア革命反体制勢力国民連立に加盟しジュネーブ2会議に参加しているシリア・クルド国民評議会を「マイノリティ」だと非難し、「その努力は破綻するだろう」と断じた。

『シャルク・アウサト』(1月25日付)が伝えた。

 

al-Sharq al-Awsat, January 24, 2014をもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と個別に会談し、24日にジュネーブの国連本部で予定されていた直接会談を25日午前に行うと発表した。

シリア革命反体制勢力国民連立代表団が政府代表団との同席を拒否したのが延期の理由。

ブラーヒーミー特別代表の駐ダマスカス代表を務め、現在ジュネーブに滞在中のムフタール・ラマーニー氏は『ハヤート』(1月25日付)に対して、連立の代表団が同じ部屋で席をともにすることを拒否している旨、シリア政府代表団に伝えたことを明らかにした。

またラマーニー氏によると、連立の代表団は「和平締結」を望んでいないとしたうえで、「彼らはジュネーブ合意にまったく合致しない前提条件を示しており、それはシリア国民の意思、さらにはブラーヒーミー氏のプロジェクトにも反している」と批判した。

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『ハヤート』(1月26日付)は、複数のアラブ筋の話として、22日のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の演説において、ジュネーブ合意を軽視したことに対して、ロシアが介入し、態度を軟化させることを求めたと報じた。

これを受け、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が「ジュネーブ合意をパッケージで交渉する」と述べる一方、ウムラーン・ズウビー情報大臣も「胸襟を開いて、建設的に議論するためにジュネーブに来た」と述べたのだという。

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『ハヤート』(1月25日付)は、22日から25日の予定でスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のいわゆる「IGWEL 」(Informal Gathering of World Economic Leaders (World Economic Forum)などでシリア情勢への対応が審議されたと報じた。

同報道によると、会合にはコフィ・アナン前国連事務総長主催のもと、イラン、エジプト、ヨルダン、トルコ、EUの外相が参加、複数の消息筋によると、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が、ジュネーブ合意へのイランの姿勢の転換に関して、シリアにおいて「敗者も勝者もないことが決定的になる」ことが姿勢転換の起点になると述べたという。

またザリーフ外務大臣は、ヒズブッラーに関して「自分自身、そしてシリアのシーア派巡礼地を自衛するために自ら戦闘に参加すると決定した」と擁護しつつも、「非シリア人の戦闘員はシリアを去るべきだ」とも述べたという。

一方、ジョン・ケリー米国務長官はダボス会議で、「国民に対して罪を犯したアサドは正統性を回復できないし、シリアの未来を担うこともできない」と述べる一方、「反体制勢力はアサドが権力にとどまる限り、戦闘を止めないだろう…。アサドの残留にコンセンサスが得られることは決してないだろう…。ジュネーブ合意は、反体制勢力がアサドの残留を認めることを意味しない」と述べた。

また「アサドは世界のテロを引きつける材台の要因」と批判した。

他方、サウジアラビアの前総合情報庁長官のトゥルキー・ファイサル王子は、シリアにおけるレバノンのイラクのシーア派民兵の撤退を求める決議を国連が採択しようとしないと非難した。

このほか、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は「モントルーの会議は、シリアのための政治プロセスを国際的に承認するものだ」と述べた。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:レバノンの動き

シャームの民のヌスラ戦線はインターネットを通じて声明を出し「我々、レバノンのヌスラ戦線は、イランの党(ヒズブッラー)とその基地…拠点が、どこにあろうと我々の合法的な標的であると宣言する」と発表した。

Naharnet, January 24, 2014
Naharnet, January 24, 2014

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スイスから帰国したアドナーン・マンスール暫定外務大臣はベイルート国際空港で、ジュネーブ2会議でのシリア革命反体制勢力国民連立の姿勢に関して「当事者の一部が…障害となるような前提条件を示しているなかでは、大会が解決策の導出に資さないと思った…。2012年6月のジュネーブ合意には、シリアの移行期を想定しているだけで、アサド大統領が退任するかどうかは明言していない」と述べた。

また「一部の国がジュネーブ2会議でヒズブッラーをテロ組織だと述べたが、これは決して受け入れられない。なぜなら、国と国民を守り、イスラエルという敵に立ち向かい、国土を防衛してきたレジスタンスはこうしたレッテル付けをなされ得ないからだ」と述べた。

ナハールネット(1月24日付)が伝えた。

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NNA(1月24日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡の山間部にロケット弾3発が着弾した。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、Syria-news.com, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:国内の暴力

ラッカ県では、シリア・ニュース(1月24日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がラッカ市内で、市民2人を預言者を侮辱した罪で公開処刑(斬首)した。

Kull-na Shuraka', January 24, 2014
Kull-na Shuraka’, January 24, 2014

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アレッポ県では、リハーブ・ニュース(1月24日付)によると、アレッポ市各所を軍が「樽爆弾」で爆撃し、17人が死亡したという。

一方、SANA(1月24日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、フライターン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、サーリヒーン地区、カルム・フーミド地区、スッカリー地区、ファルドゥース地区、シャッアール地区、サーフール地区、カルム・マイサル地区、カッラーサ地区、ダウワール・ハーウーズ南部、バーブ・ナイラブ東部、シャイフ・サイード地区、サイイド・アリー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、タウヒード旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ロイター通信(1月24日付)によると、サウジアラビア人アブドゥッラー・スライマーン・サーリフ・ダッバーフ氏(アブー・アリー・カースィミー)が、バーブ市に対するシリア軍の爆撃で死亡した。

バーブ市はイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって占拠されている。

ダッバーフ氏は、パキスタン、アフガニスタンでの戦闘経験があり、サウジアラビア当局は2011年に46人の容疑者とともにダッバーフ氏を指名手配していた。

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ハマー県では、リハーブ・ニュース(1月24日付)によると、ハマー市郊外の複数の村を軍が砲撃し、少なくとも3人が死亡したという。

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ダルアー県では、リハーブ・ニュース(1月24日付)によると、シャイフ・マスキーン市を軍が爆撃して、数十人が負傷したという。

一方、SANA(1月24日付)によると、ダルアー市各所、アトマーン村郊外、インヒル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月24日付)によると、ヤブルード市郊外、ナースィリーヤ村、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ハラスター市、マアルーラー市、ワーディー・バスィーマで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(1月24日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月24日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区、ガースィビーヤト・ナイーム村、キースィーン村、サアン村、ラスタン市、ザーラ村、ヒワーラ村、ワーディー・ザリール村、タッルドゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領内からクサイル市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブ2会議出席のため滞在中のスイスのジュネーブで記者団に対し「シリア政府代表団は、政治的意思、愛国的意思、そしてアサド大統領からの明確の指示のもと、政治的トラックの成功に真摯に取り組む」と述べるとともに、「胸襟を開き、自由で愛国的な意思のもと…国益とシリア国民を守るべくジュネーブに来たのであり…、義務を果たすまでとどまり、動揺に屈することも、撤退、譲歩することもない」と強調した。

また「大統領退任を条件とすること、そして移行期統治機関について話すことは幻想だ。外務在外居住者省はすでに、ブラーヒーミー氏と潘国連事務総長に、こうしたことに関するジュネーブ合意の文言に態度を保留すると通達済みだ…。ジュネーブに招待された段階で回答済みだ」としたうえで、「再立候補を許すシリアの憲法に従い、任期を全うするだろう」と述べた。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は「問題を複雑にすべきではない。我々は反体制勢力が信頼の持てる代表であって欲しい。つまり国内のすべての反体制勢力の当事者を代表して欲しい…。今我々が座ろうとしているのはいったい誰なんだ?」と述べた。

この発言に関して『ハヤート』(1月25日付)は、シリア政府代表団が、連立代表団に自由シリア軍参謀委員会(アフマド・ジャクル氏)、シリア革命家戦線、ムジャーヒディーン軍のメンバーの枠が確保されていることに難色を示していると解説した。

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シリア・アラブ・テレビ(1月24日付)は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に対して、「明日(25日)、真摯なかたちで会合が開かれない場合、先方が真剣さと準備を欠いているとみなし、ジュネーブを去ると通達した」と報じた。

これに関して、AFP(1月24日付)は、シリア政府代表団筋の話として「脅迫ではなく、反体制勢力により真剣になるようブラーヒーミー氏に圧力をかけてもらうことを求める呼びかけ」だと報じた。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア人権監視団によると、第4師団ダマスカス護衛隊が声明を出し、ジュネーブ2会議に参加するシリア革命反体制勢力国民連立への支持を表明した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のナズィール・ハキーム氏はAFP(1月24日付)に、「彼ら(シリア政府)がジュネーブ合意の実施についての交渉に同意しなければ、我々は彼らと席をともにしない」と述べた。

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シリア国民評議会の元事務局長で、ジュネーブ2会議におけるシリア革命反体制勢力国民連立の代表団に個人として参加しているブルハーン・ガルユーン氏は、ジュネーブ2会議の交渉が失敗に終われば、連立は国連安保理にジュネーブ合意付託を求めることになろう、と述べた。

リハーブ・ニュース(1月24日付)が伝えた。

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クルド民主政治連合は声明を出し、ハサカ県タッル・ハミース市一帯での民主統一党人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のイスラーム戦線との戦闘で、クルド人側に約150人の犠牲者が出たことに関して、民主統一党がヌスラ戦線に情報を漏洩したことが犠牲をもたらしたと断じ、非難した。

シリア民主政治連合は、シリア・クルド・イェキーティー党、シリア・クルド・アーザーディー党、シリア・クルド民主党アル・パールティなどからなる政治同盟。

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ユーチューブ(http://www.youtube.com/watch?v=NPMfkFJeaKQ&feature=player_embedded)で、4歳の男の子が銃を撃ち、撮影者の質問に対して、自分の名前は「アブー・バクル・バグダーディー(イラク・シャーム・イスラーム国指導者の名前)です」と答える映像がアップされた。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ドゥーマ・シューラー評議会は声明を出し、ダマスカス郊外県ドゥーマー市のイスラーム軍の武器庫が襲撃されたとの情報(22日)に関して(https://syriaarabspring.info/wp/?p=283)、シューラー評議会や救援組織の崩壊を狙った攻撃と厳しく非難した。

Kull-na Shuraka', January 26, 2014
Kull-na Shuraka’, January 26, 2014

Kull-na Shuraka’, January 26, 2014をもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、スイスのジュネーブで、シリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立双方の代表団と個別に会談し、24日に行われる交渉に向けた最終調整を行った。

AFP(1月24日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表は双方に、直接交渉を行うよう説得しした、という。

SANA, January 23, 2014
SANA, January 23, 2014

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国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長はロイター通信(1月23日付)に、アブ樽…ブラーヒーミー共同特別代表が、シリア政府と反体制勢力の双方に人道問題で協力するよう圧力かけるだろうと述べ、部分停戦をめざしていることを明らかにした。

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ジョン・ケリー米国務長官はアラビーヤ(1月23日付)に対して「バッシャール・アサドは戦争犯罪を犯した。彼こそがシリアの和平の前に立ちはだかる障害を代表している」と述べた。

ケリー国務長官はまたシリアの国家崩壊を回避したいとの意思を示しつつ、「アサドだけが守ってくれると思っているアラウィー派に言いたい。それは正しくない。アサドは彼らを危険に曝している。彼はシリアすべてを危険に曝している」と述べた。

また「イランは(ジュネーブ2会議に)現実的、そして誠実に関与しなければならない。イランはジュネーブ合意が、双方の合意のもとに全権を有する移行期政府を設置するよう求めていることを知っているはずだ…。イランが革命防衛隊をシリア国内に派遣し、軍事的活動を行っていることは明らかだ」と批判した。

AFP, January 23, 2014、Alarabia.net, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(1月23日付)は、合同作戦司令部が声明を出し、イラク軍が国境警備隊の協力のもと、対シリア国境のワーディー・ハリーシュ(アンバール県)で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員2人を殺害したと発表した、と報じた。

AFP, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:レバノンの動き

ナハールネット(1月23日付)によると、レバノン軍が、ベカーア県東部のザファリヤー検問所で、逃走中のアブドゥッラー・アッザーム旅団メンバー、イブラーヒーム・アブドゥルムウティー・アブー・ムアイリク氏(パレスチナ人、通称アブー・ジャアファル)を交戦の末に逮捕したと報じた。

アブー・ムアイリク氏はこの戦闘で負傷し、搬送先の病院で死亡し、また戦闘で軍の士官1人が負傷した。

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NNA(1月23日付)によると、ベカーア県バアルベック郡マシャーリーウ・カーア地方で、シリア領から潜入しようとした武装集団と軍が交戦した。

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OTV(1月23日付)によると、レバノン山地県アレイ市郊外のラアス・ジャバルで、進歩社会主義党のサーミー・マッルーシュ前内務局長が遺体で発見された。

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ミシェル・スライマーン大統領は声明を出し、シリアの紛争に関して「いかなる理由であれ、シリア内政へのあらゆる干渉、とりわけ戦闘への参加をやめることで」これまでの非干渉政策を貫く必要があると述べた。

AFP, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(1月23日付)によると、シールービーム修道院を占拠する武装集団を軍が要撃し、戦闘員20人を殺傷、装備を破壊した。

またアドラー市ウンマーリーヤ地区、アルバイン市、アッブ農場、ダーライヤー市、ランクース市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(1月23日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アブー・ルンマーナ地区の日本大使館近く、シュカイブ・アルスラーン通りに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民4人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(1月23日付)によると、マストゥーマ街道、ビンニシュ市、カフルジャーリス市、ダルド・ドゥーサ村、マラティーン村、シュワイハ村、アブー・ズフール航空基地北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月23日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カッラーサ地区、マイサル地区、旧市街、ハナーヌー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、イスラーム戦線の幹部は、ハラブ・ニュース(1月23日付)に出演し、再開が発表されたアレッポ国際空港に関して、いかなる民間機、軍用機も着陸しなかった、と述べた。

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ヒムス県では、SANA(1月23日付)によると、ヒムス市クスール地区、ハマディーヤ地区、タルビーサ市周辺、アスィーラ村、タッルドゥー市、タルール・ハワー村、サアン村、ダール・カビーラ村、キースィーン村、ザーラ村、シューマリーヤ山、ウンム・サフリージュ村、ラッフーム村、クサイル市南部郊外、アブー・アラーヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市インシャーアート地区、カラム・シャーミー地区、ハムラー地区に、反体制武装集団が迫撃砲を撃ち込み、市民4人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月23日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、フサイニーヤ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月23日付)によると、ダルアー市各所、ジャースィム市・アーリヤ村間の街道、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(1月23日付)によると、マーリキーヤ市の市場で、爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発し、市民5人が死亡、10人が負傷した。

またリハーブ・ニュース(1月23日付)によると、ダイリーク市でも爆弾が仕掛けられた車が爆発し、3人が死亡、10人以上が負傷した。

AFP, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、Halabnews.com, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:シリア政府の動き

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はCNN(1月23日付)に、アサド大統領の退任に固執するジョン・ケリー米国務長官について「ケリー氏がアサド大統領に、シリアを救済・保護できないと言う資格があるのですか? 同じことを我々はあなた方の民主的国家に言ってもいのですか…? こうした問題はシリア国民に委ねるべきではないのですか? 私からすると、ケリー氏の態度は植民地主義的です」と批判した。

SANA, January 23, 2014
SANA, January 23, 2014

また英カーター・ラック社が発表したシリア軍による逮捕者15,000人の拷問殺害についての報告書および写真に関して、「大嘘に過ぎないです…。問題なのは、多くの嘘の犠牲者がシリア国民だということです」と反論した。

一方、ジュネーブ2会議に参加したシリア革命反体制勢力国民連立については「シリアも国民も代表しておらず、誘拐犯や犯罪者を代表しているだけです。選挙をすれば、多少は票を得られるでしょうけど」と酷評した。

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ジュネーブ2会議に参加しているシリア政府代表団は、中国の王毅外交部長と前日に引き続き会談し、大会への対応について協議した。

SANA(1月23日付)によると、会談でワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、テロとの戦いを最優先課題とするべきだと改めて強調する一方、シリア革命反体制勢力国民連立がシリアの反体制勢力すらも代表していないと指摘、同連立を支援する国々が内政干渉を停止する必要があるとの見解を示した。

これに対して、王外交部長は、シリア国民に外国が解決策を押しつけることはないと確認する一方、経済協力を継続することを約束した。

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SANA(1月23日付)によると、中工国際行程(China CAMC Engineering)社の使節団がダマスカスを訪問し、ワーイル・ハルキー首相と会談、シリア国内での発電所建設などについて協議した。

AFP, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014、al-Watan (Riyadh), January 23, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、1月3日に激化したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の武装集団との戦闘で、23日までにアレッポ県、ラッカ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ハマー県、ヒムス県で1,395人が死亡したと発表した。

このうち、426人がダーイシュの戦闘員、760人が対抗するサラフィー主義武装集団などの戦闘員、190人が民間人だという。

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アル=カーイダ指導者のアイマン・ザワーヒリー氏が音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=VzApm1PQHxA)を出し、シリアで活動する「ジハードとイスラームの兄弟たちの戦闘停止」を呼びかけた。

ザワーヒリー氏は「すべてのジハード主義集団、シャームにおけるすべての自由人は、アサド体制の打倒をめざしている…。ジハードとイスラームの兄弟たちの戦闘の即時停止をめざすよう呼びかける」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(1月23日付)によると、ラッカ市国境なき記者ネットワークのワルド・フラーティー氏が声明を出し、市内を制圧したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)による嫌がらせを理由に、活動を停止すると発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はジュネーブで記者会見を開き、ジュネーブ2会議初日の会合に関して「世界は疑いの余地なく、アサドが残ってはならず、残らないだろうと確信したと思っている」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は声明を出し、ジュネーブ2会議の議事に関して「明確な行程と期限」を設けることを強く求めていると述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ラマダーン氏はサウジ日刊紙『ワタン』(1月23日付)に、「今日明日というわけではないが」ジュネーブ2会議に出席しているシリア政府代表団の一部が離反する可能性があると主張した。

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国内で活動する複数のイスラーム主義団体が共同声明を出し、条件つきでジュネーブ2会議を支持すると発表した。

共同声明を出したのは、イスラーム・シャーム委員会、イスラーム・シリア会合、アレッポ県シャリーア委員会、シリア・クルド・ウラマー委員会、シャーム説教師連盟。

声明では、体制の完全な打倒、政権幹部の処罰、国家分断と外国の干渉の阻止などが条件として出されている。

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Kull-na Shuraka', January 23, 2013
Kull-na Shuraka’, January 23, 2013

ダーライヤー地元評議会は声明を出し、ジュネーブ2会議に関して、革命の基本原則に違反し、それを無視するような解決策に至らないよう警鐘をならした。

声明では、こうした行為を「政治的自殺」を非難、アサド大統領と政権幹部の退任、全権を有する移行期政府の発足、軍が包囲する地区の包囲解除、すべての逮捕者の釈放、拘留者に対する拷問の真相究明を求めた。

AFP, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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2014年1月22日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

西クルディスタン移行期民政局執行評議会(暫定政府)に参加したクルド民族主義政党4党の代表がイラク・クルディスタン地域のスライマーニーヤ市で記者会見を開いた。

Kull-na Shuraka', 24, 2014
Kull-na Shuraka’, 24, 2014

記者会見を開いたのは、民主統一党在イラク・クルディスタン地域代表のジャアファル・アッカーシュ氏、シリア・クルド民主党(パールティ)幹部のフーシャンク・ダルウィーシュ氏、シリア・クルド左派党中央委員会のファトフッラー・フサイニー氏、シリア・クルド平和民主党のハーニー・シャーキル氏。

会見のなかで、民主的変革国民調整員会の在イラク・クルディスタン地域代表でもあるダルウィーシュ氏は、シリア北東部の政治的真空のもとで暫定自治政府の発足を宣言することが「正しいステップ」だと述べた。

Kull-na Shuraka’, January 24, 2014をもとに作成。

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2014年1月22日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

民主的変革諸勢力国民調整委員会を主導するアラブ社会主義連合民主党内の一部党員が

「暫定指導部」の結成を宣言、ハサン・アブドゥルアズィーム書記長(委員会代表)の執行部から離反した。

暫定指導部は、国民の平和的デモへのアサド政権の弾圧に対して無力で、ジュネーブ2会議に国内の反体制勢力を参加させることに失敗した執行部を批判、党の立て直しを訴えるとともに、紛争の政治的解決に向けて他の反体制組織とともに独自の活動を継続すると表明した。

Kull-na Shuraka’, January 23, 2014をもとに作成。

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2014年1月22日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(1月23日付)によると、同県シャリーア

Kull-na Shuraka', January 23, 2014
Kull-na Shuraka’, January 23, 2014

委員会がマヤーディーン市でフワイディー・ダブア氏(通称ジュージュー)を処刑した。

ダブア氏は、ヒシャーム村の武装集団を率いてCONOCOガス工場のパイプラインを破壊し、ダイル・ザウル市を停電させた容疑で、逮捕されていたという。

Kull-na Shuraka’, January 23, 2014をもとに作成。

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シリア政府、シリア革命反体制勢力国民連立に加え45の国・機関の参加のもとでジュネーブ2会議が開かれる、両者は移行期統治機関への権力移譲をめぐって真っ向から対立(2014年1月22日)

反体制勢力の動き

イスラーム戦線のイスラーム・アッルーシュ大尉は、ダマスカス郊外県ドゥーマー市のイスラーム軍の武器庫が襲撃されたとの情報に関して、クッルナー・シュラカー(1月22日付)に関与を否定した。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議開催に先立って、潘基文国連事務総長、中国の王毅外交部長と会談し、ジュネーブ2会議に関して協議した。

SANA(1月22日付)によると、これらの会談で、ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議が、シリア国内でのテロとの戦いを最優先課題として審議することで、シリア領内でのシリア人どうしの対話開始の第1歩になることを望むと伝えたという。

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法務省は声明を出し、アナトリア通信などが報道・公開したシリア軍による逮捕者15,000人の拷問殺害に関する英カーター・ラック社の報告書および写真に関して、遺体写真の身元が不明で、その多くがテロリスト、外国人、そしてテロ集団に拷問殺害された民間人と軍人であると発表した。

国内の暴力

アレッポ県では、リハーブ・ニュース(1月22日付)によると、軍と反体制武装集団の戦闘激化を受けて約1年にわたり閉鎖されていたアレッポ国際空港が再開された。

一方、SANA(1月22日付)によると、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月22日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、同旧市街、アッブ農場、ハラスター市、ダーライヤー市、マダーヤー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市では、住民数百人が武装テロ集団に反対するデモを行い、宗教関係局を占拠して設置されていたシャリーア委員会本部を破壊、また反体制武装集団が略奪した大量の食糧物資が貯蔵されていた慈善協会やフサイバ・モスク近くの施設を開放、物資を住民に配給したという。

このほか、サイドナーヤー町に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、住居複数棟が被害を受けた。

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ダマスカス県では、SANA(1月22日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月22日付)によると、ガースィビーヤト・ナイーム村、ダール・カビーラ村、アイン・フサイン村、サアン村、ザアフラーナ村・ダイル・フール村間の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月22日付)によると、ブスラー・シャーム市、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーンの鷹大隊司令官ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA, January 22, 2014
SANA, January 22, 2014

ハサカ県では、SANA(1月22日付)によると、ハサカ県各所で、シリア軍による「テロとの戦い」を支持するデモ行進が行われ、住民数百人が参加した。

レバノンの動き

NNA(1月22日付)によると、北部県アッカール郡ダンカ村など対シリア国境の複数の村に、シリア領から発射された迫撃砲弾が着弾し、2人が負傷した。

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ナハールネット(1月22日付)によると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で続く武装集団どうしの戦闘で、レバノン軍兵士1人が死亡、8人が新たに負傷した。

諸外国の動き

スイスのモントルーで、シリアの紛争の解決に向けたジュネーブ2会議が開催され、シリア政府、シリア革命反体制勢力国民連立、45の国や機関が参加した。

大会に参加した45国・機関は、オマーン、バーレーン、イラク、モロッコ、UAE、クウェート、ヨルダン、レバノン、エジプト、カタール、アルジェリア、サウジアラビア、トルコ、米国、英国、スペイン、ヴァチカン、スウェーデン、ベルギー、フランス、スイス、ルクセンブルグ、ドイツ、カナダ、オランダ、イタリア、デンマーク、ロシア、ノルウェー、ギリシャ、日本、中国、インドネシア、ブラジル、韓国、オーストラリア、インド、メキシコ、南アフリカ、国連、アラブ連盟、EU、イスラーム協力機構。

シリア政府側の代表団は以下の通り:

公式代表団:ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ウムラーン・ズウビー情報大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、フサームッディーン・アーラー外務在外居住者次官、バッシャール・ジャアファリー駐国連シリア代表、アフマド・アルヌース外務在外居住者省顧問、ルーナー・シブル大統領府報道局長、ウサーマ・アリー外務在外居住者大臣執務官。

技術代表団:アフマド・クズバリー人民議会議員、ムハンマド・ハイイル・アッカーム・ダマスカス大学教授、ヒシャーム・カーディー外務在外居住者大臣執務官、アブドゥルカリーム・ハウンダ外務在外居住者大臣執務官、アジュマド・イーサー大統領府広報官、タミーム・マダニー駐ジュネーブ国連常駐代表、ムハンマド・ムハンマド駐ジュネーブ国連代理大使。

一方、クッルナー・シュラカー(1月21日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立の公式代表団は以下の通り:

アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー、ハイサム・マーリフ、ナズィール・ハキーム(シリア・ムスリム同胞団)、アブドゥルハミード・ダルウィーシュ、ミシェル・キールー、バドル・ジャームース、アナス・アブダ、スハイル・アタースィー、ムハンマド・フサーム・ハーフィズ、ハーディー・バフラ、ムハンマド・サブラ、リーマー・フライハーン、アフマド・ジャクル、イブラーヒーム・バッルー、ウバイダ・ナッハース、アブドゥルアハド・アスティーフー、ヌール・アミール、アブドゥルハキーム・バッシャール。

『ハヤート』(1月23日付)によると、このうち初日の会合には10人が参加、また上記18人のほか、15人からなる技術代表団メンバーと国内の武装集団代表4人も参加するという。

武装集団代表4人のうち1人はシリア革命家戦線代表、1人がムジャーヒディーン軍代表、残る2人は離反士官になるという。

なお、シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、ジュネーブ2会議への参加を拒否してきたと改めて主張、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団のなかに同胞団には含まれていないことを明らかにした。

**Rihab News, January 22, 2014

Rihab News, January 22, 2014シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長の演説の骨子は以下の通り:

「我々がシリアのテロについて語るとき、シリア人は誰がテロリストなのかをよく知っている。シリア人は1年間にわたってテロリストの餌食となり、自分自身、財産、そして家族を守ることを強いられた…。シリア人は何年間耐えなければならないのか? 数十万、数百万のシリア人が…平和的に…自由を求め、殺人装置の餌食にしなってきたが…世界はそれを傍観しているだけだ」。

「我々は国民と国家を代表するためにシリアの代表団として出席した…。不正と不正者に対する平和的革命を行った国民を代表するために」。

「武器による自衛は我々の選択しではなく、バッシャール・アサド体制がシリア人に押しつけた選択肢だ」。

「シリアは、アサドとその傭兵のテロ行為によって、一部のテロリストの温床となったが、このテロリストはアサドのもう一つの顔であり、地域と世界の平和と安全を脅かしている」。

「我らが自由軍は終始…、ヒズブッラー…イラン・イスラーム革命防衛隊を筆頭とする国際テロ傭兵に勇敢に立ち向かってきた」。

「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に関して言うと…、革命はこの組織との対決において功績をあげている…。しかしアサドの戦闘機は今日も樽爆弾を自由シリア軍に投下し、ダーイシュと戦う同軍の進軍を阻止している。にもかかわらず、自由軍は…サウジアラビアを初めとする友好国の支援のもと、イドリブ、アレッポ郊外、ハマーでダーイシュを浄化した…。革命はアサドと彼がもたらしたテロリストのテロに対抗しているのだ」。

「出席者全員で今、ジュネーブ合意にただちに合意し、行政権、治安、軍、ムハーバラートに関するアサドの権限を完全に移行期統治機関に移譲することを呼びかける…。我々は、ジュネーブ合意、そしてこの大会の唯一の主題である移行期統治機関の設置を…呼びかけた潘基文国連事務総長の呼びかけに全面同意して、ジュネーブ2会議に出席した」。

「我々は、バッシャール・アサドの解任とその裁判を、罪を犯した政権幹部全員とともに行うことが前提になると考えている。アサドがいかなるかたちであれ政権に残留することを話題にすることは、ジュネーブ2会議の逸脱だ」。

なお、国営のシリア・アラブ・テレビは、ジャルバー議長の演説と合わせて、「シリアにおけるテロ犯罪」と題した映像集を放映した。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の会合での演説の骨子は以下の通り:

「私、そしてシリア代表団の肩に、3年にわたる我が国の痛みのすべてがのし掛かっている。殉教者の血のすべて、遺族が流した涙のすべて、拉致され、失踪した人の家族が味わう苦しみのすべて、迫撃砲の攻撃に曝されている子供の叫びのすべてがである…。今日、真実を示す時が来た…。ねつ造…殺戮、そしてテロによって隠されてきた…真実は…ここで我々、すなわちシリア国民、政府、国家、軍、そしてバッシャール・アサド大統領を代表するシリア・アラブ共和国代表団によってのみ明らかにされる」。

「この会場にいる一部の国の代表者たちがシリア人の血でその手を染めたまま、我々と今日、席をともにすることを私は遺憾に感じ、またシリア国民も遺憾に感じている…。彼らはシリアの安定を揺るがし…テロという彼らにとってもっとも重要な産品を輸出し、オイルダラーを駆使して、武器を買い、傭兵を教練し、衛星メディアを嘘で埋め尽くしてきた…。しかしチェチェン、アフガン、サウジアラビア、トルコ、フランス、イギリスのテロリストにシリア国民の意思を実現する権限などあるのか?」。

「いわゆる「偉大なるシリア革命」の名のもと、老人、女性、子供といった民間人を殺し、街で爆破テロを起こしている…。学校で子供たちを殺し、大学で若者たちを殺し、女性は逸脱したワトワーで性的に貶められている」。

「エルドアンの政府は、自国の領土をテロリストの教練、武装の場として提供し、シリア国内にテロを輸出している…。一部の周辺諸国がシリア国内で火を煽り、世界中からテロリストを呼び込んでいる…。しかし、シリアは独立主権国家であり、自国を防衛するために必要なあらゆることを、ふさわしいと方法で行うだろう」。

「国民が殺戮に曝されているなか、彼ら(反体制勢力)は五つ星で暮らし…、外国で抗い、外国で会合を開き、外国でシリアを裏切り、自分たちを外国に売り渡し、シリア国民の名で話している。シリア国民の名で話したいという者が、国民を裏切ったり、国民の敵の手先であったりしてはならない…。キリスト教が攻撃されれば、シリア人すべてがキリスト教徒となり、モスクが標的となれば、すべてのシリア人はムスリムとなる…。宗教的、宗派主義的内乱をもたらそうとする彼らの試みは、シリア人の知性においてもっとも卑劣なのだ」。

「西側諸国はテロとの戦いを公言しているにもかかわらず、秘密裏にテロを支援している。この真実に目を向けない者は無知蒙昧か、あるいは自分がしていることをやり遂げるまで見たいことにしか目を向けない者だ」。

「我々はテロの攻撃に曝されてきた家々に、子供や母親を帰すためにここに来た。市民権を守るためにここに来た。地域へのタタール人やモンゴル人の襲来を止めるために出席しているのだ」。

「シリア自身以外に、シリアの大統領、政府、憲法、法律などの正統性を否定したり、解任したり、与えたりする権利を持つ者は世界にはいない…。我々はジュネーブ2会議がシリア国内でのシリア人どうしの対話開始の道筋を開き、我々が一方の手でテロに打撃を与えつつ、もう一方で復興に携わり続けるための第1歩となることを期待している」。

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潘基文事務総長は10分の持ち時間を大幅に延長して演説を続けるムアッリム外務在外居住者大臣を制止しようとしたが、同外相は「私はシリア人を代表している」と述べ押し返した。

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ジョン・ケリー米国務長官は演説で「我々はここで現実に対処しなければならない。移行期政府に関して我々みなが互いに至った総意とは、両当事者のいずれかが反対する個人が政府を発足できないということだ」と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は演説で「我々がもし尊敬と協力の念に基づいて進めば、今日の会合は和平に向けた真のチャンスとなるだろう。そしてそれは、シリア国民、地域、そして世界に善をもたらすだろう…。ロシアはシリアで紛争が始まった当初から、力によって解決策を押しつけず、シリアの当事者間の総意を通じて解決にいたることを支持する姿勢をとり、それがジュネーブ合意の基礎となった…。我々はシリアを主権国家として維持すること、その領土の平和を維持すること、世俗国家であることを望んでいる。そしてこうして基礎のもとに、今日、シリアの当事者間の対話が始まる…。すべての外国の当事者は、シリア人が合意に至ることを励ます必要がある」と述べた。

またイランについては「ジュネーブ合意を一当事者だけのために解釈しようとすることなく、シリアの和平と安全を実現するための努力に参加すべきだ」と述べた。

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レバノンのアドナーン・マンスール暫定外務大臣は演説で「シリアで起きていることがヒズブッラーの関与によるものだと主張している者は、この地域に外国人テロ集団がいるという事実から注意を反らしたいと考えている…。この地域はテロリストがいることで戦場と化し、レバノンもこれから免れることはできない…。この地域にかつては存在しなかったタクフィール主義テロ・イデオロギーが蔓延していることは明らかだ。レバノンはこうした破壊的イデオロギー、組織、そして一連の爆破テロを生かしておくことはない」と述べた。

また「レバノンは数十万という避難民の流入に苦しんでいる…。レバノンはこうした重荷を担うにはあまりに小さな国である…我々はジュネーブ2会議がシリアのさまざまな集団の国民和解と対話に向けた道を切り開くことを求めている。シリア陣の英知と建設的対話に期待している」と強調した。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は演説で「我々はこの大会の行方を変え、政権のイメージを改善し、テロとの戦いを訴えようとするあらゆる試みに…我々は警鐘を鳴らす必要がある…。バッシャール・アサド、あるいはシリア人の血で手を染めた者が(ジュネーブ合意実施を)調整する役割を担わないのは当然だ」と述べた。

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岸田文雄外務大臣は演説で「暴力の即時停止」を求め、「今後の国造りに向けて対話を促進すること」が重要だと述べた。

また化学兵器廃棄で「最大限協力する」と強調、そのための財政支援として1,800万ドルを拠出すると表明した。

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会合後の記者会意見で、潘事務総長は、ジュネーブ合意と移行期統治機関を主要議題とすることを認めないとのシリア政府の姿勢に「失望感」を伝えたことを明らかにした。

また「双方(シリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立の代表団)が金曜日(24日)午後に同じ会場で席に着くことを望んでいる…。事態が容易に進むとの幻想を抱いてはいない…。しかし真剣に取り組む」と述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会合後「今日、我々は困難な段階にいる…。我々は即座に成果が出るとは期待していない。しかし、両当事者がそれぞれの考えを説明することを期待している」と述べた。

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バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、会合後記者団に対して「シリア国民こそが、自らの未来を決定する。これは議論の余地がなく、明白なことだ…。ジュネーブ合意を選択的に実施することなどあってはならない。完全なかたちで実施されねばならない。シリアは、テロと暴力を皆が終わらせるようにするため、ジュネーブ合意を誠実に実施することを必要としている。なぜなら政治的関係正常化は、テロと両立し得ないからだ」と述べた。

また潘事務総長が「失望感」を伝えたことに関して、「彼は、参加国にシリア政府に反対の姿勢をとらせようとしているかのようだ」と批判した。

ウムラーン・ズウビー情報大臣は記者団に対して「シリアに関しての言説が不正確で、現実、そして現場と異なったかたちで錯綜していることを世界は理解しなければならない」としたうえで、「シリア領内には、世界各地からやってきたテロ集団が教会、モスクを破壊し、女性、子供を殺戮している…。テロとの戦いはシリア政府だけでなく、世界のすべての政府の義務だ」と述べた。

一方、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はマヤーディーン・チャンネル(1月22日付)に、ジュネーブ2会議における優先議題に関して、すべての当事者による暴力停止と、武装集団の武装解除などが依然として重要だとしつつ、最優先議題を「治安回復とテロ集団の武力行使停止」を変更する必要があると述べた。

SANA(1月22日付)などが伝えた。

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Champress, January 22, 2014
Champress, January 22, 2014

ジョン・ケリー米国務長官は初日会合後の記者会見で「バッシャール・アサド以上にテロを引きつけることを行った者はいない…。アサドはシリアの国益ではなく私利を求めている…。自国民の殺戮を許した者に、シリアでの居場所などあり得ない…。アサドが権力の座にとどまれば、シリアでの和平実現はあり得ない」と述べた。

またイランに関して「イランはシリア危機の解決…のために協力しないと決定した…。しかしイランが役立つ存在となり、シリア危機の解決に実質的に寄与することは依然として可能だ…。建設的な役割を担うことを希望している」と述べた。

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SANA(1月22日付)などによると、ジュネーブ2会議の会場となるスイスのモントルーに設置された国連の広報事務所本部前で、在留シリア人ら数百人がデモを行い、欧米諸国によるシリア内政干渉拒否を訴えた。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は、アナトリア通信などが報道・公開したシリア軍による逮捕者15,000人の拷問殺害に関する英カーター・ラック社の報告書および写真に関してCNN(1月22日付)に「確実に犯罪だ」としつつ「だれが関与したのかが明確ではなく、誰が犯人かを司法の場で特定すべきである」と述べた。

AFP, January 22, 2014、AP, January 22, 2014、Champress, January 22, 2014、CNN, January 22, 2014、al-Hayat, January 23, 2014、Iraqinews.com, January 22, 2014、Kull-na Shuraka’, January 14, 2014、January 21, 2014、January 22, 2014、Naharnet, January 22, 2014、NNA, January 22, 2014、Qanat al-Mayadin, January 22, 2014、Reuters, January 22, 2014、Rihab News, January 22, 2014、SANA, January 22, 2014、UPI, January 22, 2014などをもとに作成。

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