トルコ軍の支援を受ける二大武装集団のスルターン・ムラード師団とシャーム戦線が国境通行所の管理などをめぐり一触即発(2017年10月14日)

クッルナー・シュラカー(10月14日付)は、複数の消息筋の話として、トルコ軍の支援を受けるユーフラテスの盾作戦司令室(「家の者たち」作戦司令室、ハワール・キリス作戦司令室)所属の「自由シリア軍」内でアレッポ県北部の支配をめぐり対立が激化していると伝えた。

対立を激化させているのは、スルターン・ムラード師団を中心とする諸派とシャーム戦線を中心とする諸派。

両派は、アアザーズ市北部のバーブ・サラーマ国境通行所の管理、国民軍としての統合をめぐって対立を深めており、両派とも同国境通行所やハミーラーン国境通行所(ジャラーブルス市郊外のガンドゥーラ町近郊)に至る街道、アアザーズ市とジャラーブルス市を結ぶ街道一帯に検問所や拠点を設置するなどしているという。

なお、シャーム戦線側は、バーブ・サラーマ国境通行所を、シリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣に引き渡すことを支持しているが、スルターン・ムラード師団はこれに異議を唱えている。

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トルコ軍の支援を受ける反体制派支配地域でデモが発生、トルコ軍の進駐を歓迎、アサド政権打倒、ロシア・イランの占領に反対を表明(2017年10月14日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(10月14日付)によると、シャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるダーラト・イッザ市の住民が、金曜日の集団礼拝後に街頭デモを行い、イドリブ県およびアレッポ県に侵攻・進駐したトルコ軍部隊に歓迎の意を示した。

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クッルナー・シュラカーによると、このほかにも、反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県のイドリブ市や国境沿いの避難民キャンプ、アレッポ県のアターリブ市、アンジャーラ村、カフルハムラ村、アフタリーン市、アアザーズ市、ジャラーブルス市、バザーア村、ウンム・カラーミール村、タッル・ダマーン村、ヒムス県のラスタン市、ダマスカス郊外県東グータ地方のほぼすべての町村で「シリア怒りの日」と銘打った同様のデモが行われ、合計で数千人が参加、トルコ軍侵攻に歓迎の意思を示す一方、アサド政権打倒、逮捕者釈放、イラン・ロシアの占領反対が訴えられた。

ダマスカス郊外県でのデモでは、ホワイト・ヘルメットがデモを主導したという。

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ロシア軍はトルコ軍の支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の拠点を爆撃し、メンバー11人を殺害(2017年10月14日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(10月14日付)、イナブ・バラディー(10月14日付)によると、ロシア軍がマアッラト・ヌウマーン市近郊の森林地帯(カフルルーマ森林)にあるシャーム軍団(シリア・ムスリム同胞団系)の拠点複数カ所を空爆し、メンバー11人が死亡した。

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シリア軍はユーフラテス河畔におけるダーイシュの最大拠点マヤーディーン市をダーイシュから解放(2017年10月14日)

ダイル・ザウル県では、SANA(10月14日付)によると、ダイル・ザウル市南東部のユーフラテス川右岸(西岸)でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続するシリア軍は、予備部隊、同盟部隊とともにダーイシュ(イスラーム国)の最大拠点マヤーディーン市内を、ダーイシュとの戦闘の末に制圧した。

一方、ダイル・ザウル市東部のユーフラテス川左岸(東岸)では、シリア軍がフサイニーヤ村方面で進軍を続けた。

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ダルアー市へのシリア軍の砲撃に対し、アル=カーイダ系のシャーム解放機構が主導する武装集団が報復の意思を表明(2017年10月14日)

ダマスカス県では、SANA(10月14日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発がアッバースィーイーン地区に着弾し、4人が負傷した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(10月14日付)によると、シリア軍が、シャーム解放機構が主導する「堅固な建造物(ブンヤーン・マルスース)」作戦司令室の支配下にあるダルアー市ダルアー・バラド地区を砲撃し、子どもを含む住民多数が負傷した。

これに関して、「堅固な建造物」作戦司令室は声明を出し、シリア軍の停戦違反が続いた場合、報復を行うと警告した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(10月14日付)によると、北ヒムス郊外作戦司令室所属組織が、ジャッブーリーン村のシリア軍検問所を襲撃し、兵士11人を殺傷した。

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ハマー県では、『ハヤート』(10月15日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市各所を砲撃した。

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シリア外務省はトルコ軍によるイドリブ県・アレッポ県への侵入を「シリアの領土主権と安全を脅かす敵対行為」と批判(2017年10月14日)

シリアの外務在外居住者省公式筋は、トルコ軍部隊が、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構などの援護を受けて、イドリブ県アティマ国境通行所およびバーブ・ハワー国境通行所を通じてイドリブ県に侵入し、アレッポ県北西部にある西クルディスタン移行期民政局の拠点都市の一つアフリーン市一帯に展開したことに関して、「シリアの領土主権と安全を脅かす敵対行為」と批判した。

同公式筋は「シリア・アラブ共和国はもっとも厳しい表現でトルコ軍部隊のイドリブ県への侵入を非難し、これをシリアの領土主権と安全を脅かす敵対行為で、国際法に明らかに違反するものとみなす…。このトルコによる敵対行為は、アスタナ・プロセスの保証国による相互理解に何ら関係なく、これらの相互理解に違反、逸脱している。トルコ政府はアスタナでの合意を遵守せねばならない…。テロ組織ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)が随行したトルコのイドリブ県への侵入は、トルコ政府とテロ組織の有機的関係を余すところなく暴露するもので、国際社会はエルドアン体制のテロ支援を停止させるための真剣な姿勢をとることが求められている…。シリア・アラブ共和国はトルコ軍にシリア領からの即時且つ無条件の撤退を求める。このあからさま侵略は、トルコ政府がいかなる正当化もできず、テロ支援に手を差し伸べる者はテロとの戦いにおいて信頼を得ることはない」と述べた。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2017年10月14日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(10月14日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(アレッポ県3件、ダルアー県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ハマー県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

シリア政府との停戦に応じた自治体は現在、2,249市町村、武装組織の数は234組織。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 14, 2017をもとに作成。

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ラッカ文民評議会とアラブ人部族長の仲介によりダーイシュ戦闘員を乗せた車列がラッカ市を発つ(2017年10月14日)

米中央軍(CENTCOM)は、ラッカ文民評議会とアラブ人部族長が12日に行った仲介に基づき、ダーイシュ戦闘員をラッカ市から退去させるための車列が同地を出発したと発表した。

有志連合はこの仲介には関与していないという。

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一方、ラッカ県一帯で暮らすブライイジュ部族の長アミール・ハーブール氏は、ANHA(10月14日付)に対し、西クルディスタン移行期民政局の傘下で発足した自治組織であるラッカ文民評議会に参加する意向を表明した。

また、ラッカ県の部族長や名士らが共同声明を出し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して、ラッカ市からのダーイシュ(イスラーム国)の「傭兵」の掃討を改めて求めた。

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