アラブ人部族は、オジャランPKK指導者の写真掲揚とラッカ市解放戦時の有志連合の誤爆に抗議し、シリア民主軍によるラッカ市解放宣言祝典への出席をボイコット(2017年10月19日)

ジールーン(10月21日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のムハンマド・ハジャーリー氏(ラッカ県評議会議長)の話として、ラッカ市の県立競技場(アスワド競技場)で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が行ったラッカ市解放宣言の祝典に、アラブ人部族長らが参加ボイコットしたと伝えた。

ボイコットは、PKKのアブドゥッラ・オジャラン指導者の写真などクルド民族主義勢力の旗が掲揚される一方、アラブ人部族の組織の旗が掲揚されなかったこと、有志連合の誤爆によって多くのアラブ人部族戦闘員が犠牲になったことなどが理由だという。

AFP, October 21, 2017、ANHA, October 21, 2017、AP, October 21, 2017、ARA News, October 21, 2017、Champress, October 21, 2017、Geroun.net, October 21, 2017、al-Hayat, October 22, 2017、Kull-na Shuraka’, October 21, 2017、al-Mada Press, October 21, 2017、Naharnet, October 21, 2017、NNA, October 21, 2017、Reuters, October 21, 2017、SANA, October 21, 2017、UPI, October 21, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍に続き、ロシア軍もアレッポ県西部のマンナグ航空基地からYPGと革命家軍を撤退させ、同地に進駐(2017年10月20日)

スマート・ニュース(10月20日付)は、ロシア軍がアレッポ県西部のマンナグ航空基地に掲揚していた西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と同部隊とともにシリア民主軍を主導する革命家軍の旗を降ろしたと伝え、その映像(https://youtu.be/VS4yLeAQm8k)を公開した。

マンナグ航空基地は、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市の東約10キロに位置し、2016年2月にシリア民主軍(人民防衛隊、革命家軍)が、トルコの支援を受ける反体制武装集団を放逐して制圧していた。

「自由シリア軍」匿名筋がスマート・ニュースに明らかにしたところによると、ロシア軍のヘリコプター3機はマンナグ航空基地に飛来し、シリア民主軍の迎撃を受けると、同地ではなく西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市北部のタッル・リフアト市に着陸した。

また、ロシア軍の車列がタッル・リフアト市に入り、これを受けるかたちで、シリア民主軍がマンナグ航空基地から撤退、ロシア軍が同地の拠点に掲げられていた人民防衛隊と革命家軍の旗を降ろし、同地に進駐したという。

なお、ロシア軍ヘリコプターの飛来と時をほぼ同じくして、トルコ軍のヘリコプター複数機がアレッポ県東部のバーブ市も飛来しており、ロシア軍の動きはトルコ軍と連携して行われた可能性が高いという。

SMART News, October 20, 2017

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、SMART News, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市解放を正式宣言、「分権連邦制下の民主的シリアのもとで住民がその未来を決するまで」ラッカ市を実効支配すると発表(2017年10月20日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はラッカ市で声明を出し、同市をダーイシュ(イスラーム国)から解放したと正式に発表した。

声明はシリア民主軍報道官のタラール・サッルー准将によってラッカ市中心街の県立競技場(アスワド競技場)で読み上げられ、会場には北シリア民主連邦樹立評議会のマンスール・サッルーム共同議長、ファウザ・ユースフ同執行評議会共同議長、シリア民主評議会イルハーム・アフマド共同議長、ラッカ文民評議会メンバー、マンビジュ市執行評議会メンバーらが同席した。

声明において、サッルー報道官は、ラッカ市解放戦で戦死した「アラブ人、クルド人、トルコマン人、シリア正教徒、トルコ人、米国人、英国人合わせて655人」に哀悼の意を示すとともに、ラッカ市解放を「コバネ(アイン・アラブ)市で我々は開始したシリアでのダーイシュの戦いの…最終章をなす」と位置づけた。

そのうえで「我々シリア民主軍総司令部は、ラッカ市および同市郊外の自治をラッカ文民評議会に、同市の治安任務をラッカ内務治安部隊に移譲するとともに、あらゆる外国の脅威からラッカ県境を防衛することを制約する」と強調、「ラッカ県の未来は、分権連邦制下の民主的シリアの枠組みのなかでその住民が決することを確認する」と表明した。

また、国際社会、国際人道支援機関に対して、ラッカ市復興に参加するよう呼びかけた。

ANHA, October 20, 2017

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シリア民主軍の政治母胎であるシリア民主評議会のイルハーム・アフマド共同議長も、シリア民主軍によるラッカ市解放宣言を受けて演説を行い、ラッカ市解放によってシリア危機解決の時が近づいたと述べた。

ANHA(10月20日付)が伝えた。

ANHA, October 20, 2017

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はラッカ市でのオジャランPKK指導者の写真掲揚を黙認する米国のYPG支援を非難(2017年10月20日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、D8(イスラーム途上国8カ国)首脳会議に出席するために訪問中のイスタンブールで、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるラッカ市解放に関して記者団に対し「ラッカにテロリストの頭目の写真が掲げられた…。米国はこのことをどう釈明するのか?」と非難した。

ラッカ市では、シリア民主軍がPKK(クルディスタン労働者党)の指導者であるアブドゥッラ・オジャラン氏の巨大な写真を掲揚して、ダーイシュへの勝利を鼓舞している。

ビンアリ・ユルドゥルム首相もまた、「テロ組織PKKの頭目の写真が掲げられていることはトルコと米国の同盟関係に大きなダメージを与える…。米国が人民防衛隊と関係を維持することはテロとの協力を意味するだけでなく、トルコとシリアの未来を危険に曝すものだ」と非難した。

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダイル・ザウル軍でダーイシュ掃討戦を続ける(2017年10月20日)

ダイル・ザウル県では、SANA(10月20日付)によると、シリア軍がユーフラテス川左岸(東岸)のフシャーム町に向かって進軍を続け、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

シリア軍はまた、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区(島)でダーイシュと交戦した。

一方、RT(10月20日付)によると、シリア軍はシリア最大の油田地帯であるウマル油田を射程圏内に収めた。

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、RT, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュはヤルダー市(ダマスカス郊外県)の拠点1カ所を制圧(2017年10月20日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(10月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がヤルダー市内の反体制武装集団の拠点を襲撃、これを制圧した。

クッルナー・シュラカー(10月21日付)によると、この戦闘でイスラーム軍ダマスカス南部地区司令官のイサーム・アブー・ファドル氏が死亡した。

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、October 21, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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ダルアー県でイスラーム軍所属の司令官が何者かに撃たれ死亡(2017年10月20日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(10月20日付)によると、イスラーム軍所属のアーイシャ・ウンム・ムウミニーン旅団司令官のマーズィン・ジャウフィー氏が乗った車が、ジーザ町とタイバ町を結ぶ街道で何者かの発砲を受け、ファウフィー氏が撃たれて死亡した。

また、ウンム・マヤーズィン村とダルアー市を結ぶ街道では、爆弾の爆弾により、南部タウヒード旅団の車輌に乗っていた戦闘員2人が死亡した。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、SANA(10月20日付)によると、反体制武装集団がカッサーア地区、タッバーラ地区、ジャルマーナー市を砲撃し女性1人が死亡、子ども1人を含む住民3人が負傷した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月20日付)によると、シリア軍がカフルバトナー町を砲撃し、子ども1人が死亡した。

このほか、スマート・ニュース(10月20日付)によると、シリア軍がアイン・タルマー村に進攻を試み、ラフマーン軍団と交戦、兵士10人が死亡した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(10月20日付)によると、ロシア軍戦闘機がサルミーン市一帯を空爆した。

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、SMART News, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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スワイダー市で共和国護衛隊イサーム・ザフルッディーン少将の葬儀が行われる(2017年10月20日)

スワイダー県では、SANA(10月20日付)によると、スワイダー市の県立競技場で、19日にダイル・ザウル市で戦死した共和国護衛隊のイサーム・ザフルッディーン少将(戦死を受けて准将から昇進)の葬儀が行われ、マンスール・アッザーム大統領府問題担当国務大臣がアサド大統領の代理として参列した。

葬儀にはまた、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティー、ヤースィル・シューフィー・バアス党シリア地域指導部教育前衛局長、リワー・ジャービル・レバノン民主党内務局長、ウィアーム・ワッハーブ・アラブ・タウヒード党(レバノン)党首らも参列した。

クッルナー・シュラカー(10月20日付)によると、葬儀には数千人が参列した。

SANA, October 20, 2017

AFP, October 20, 2017、ANHA, October 20, 2017、AP, October 20, 2017、ARA News, October 20, 2017、Champress, October 20, 2017、al-Hayat, October 21, 2017、Kull-na Shuraka’, October 20, 2017、al-Mada Press, October 20, 2017、Naharnet, October 20, 2017、NNA, October 20, 2017、Reuters, October 20, 2017、SANA, October 20, 2017、UPI, October 20, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2017年10月20日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(10月20日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ヒムス県2件、アレッポ県1件、ダルアー県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも1件(ダルアー県)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

シリア政府との停戦に応じた自治体は現在、2,255市町村、武装組織の数は234組織。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は10月19日、ブーカマール市近郊などに対して2回の爆撃を実施(2017年10月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、10月19日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して8回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は2回で、ブーカマール市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(1回)で実施された。

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米中央軍(CENTCOM)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市をダーイシュ(イスラーム国)から解放したと発表したことに祝意を示すとともに、「ラッカ解放はダーイシュのテロが終わったことを意味しない…イラクとシリアでダーイシュの残党との戦いを継続する」と強調した。

CENTCOM, October 20, 2017をもとに作成。

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