首都ダマスカスでのバスケットボール試合でウマル・スーマとアブドゥルバースィト・サールートを罵倒する声が飛び交う

アラビー・ジャディード、ジャズィーラによると、20日夜に首都ダマスカスのファイハー体育館で行われたカラーマ・スポーツ・クラブ(ヒムス県ヒムス市)とワフダ・スポーツ・クラブ(ダマスカス県)のバスケットボールの試合で、両クラブのサポーターが互いに罵倒し合ったことが、SNSなどで大きな論争を巻き起こした。

きっかけは、カラーマ・スポーツ・クラブのサポーターが、前政権時代にシリアのサッカー代表チームのエースとして活躍したウマル・スーマ選手を「シャッビーハ」と呼んで罵倒したことだった。

これに対し、ワフダ・スポーツ・クラブのサポーターが、シリア革命の象徴的人物の1人で「革命の小夜啼鳥」「革命の守護者」などと呼ばれたアブドゥルバースィト・サールート氏(2019年6月に戦闘で死亡)を侮辱して応じた。

**

この騒動を受けて、SNSでは、サールート氏への侮辱を非難する書き込みが相次いだ。

**

また、イフバーリーヤ(X)によると、サールート氏の生地であるヒムス県のヒムス市では、時計塔広場に若者らが集まり、サールート氏への侮辱に抗議し、シリア革命における役割を称賛する一方、当局に調査を行うよう求めた。

シリア人権監視団によると、若者らは「魂と血をもって、あなたにこの身を捧げる、サールートよ」などと唱和した。

**

人民議会の青年スポーツ委員会は20日、フェイスブックを通じて声明を発表し、ワフダ・スポーツ・クラブの一部サポーターがサールート氏を侮辱する野次を飛ばしたことを「深い遺憾と強い非難の念」をもって注視しているとしたうえで、「ダマスカスの住民やワフダの歴史を代表するものではない」と強調し、「新しいシリアのスポーツは、旧体制の残党の居場所にも、シリア人の感情を挑発する場にもならない」と表明した。

また、同委員会は、スポーツ青年省に連絡して事件の即時調査を求め、侮辱的な野次への関与が立証されたすべての者に、抑止力ある処罰を科すよう要請した。

**

これに先立ち、スポーツ青年省はフェイスブックを通じて、シリア・アラブ・バスケットボール連盟と協力して調査委員会を設置し、事件を詳しく調べると発表していた。

**

シリア・アラブ・バスケットボール連盟もフェイスブックを通じて声明を発表し、サールート氏への侮辱を非難し、独立調査委員会を設置して事実関係を調査するとともに、責任者に対して厳正な処分を行い、再発防止に努めると発表した。

**

一方、カラーマ・スポーツ・クラブはフェイスブックを通じて、サールート氏への侮辱・罵倒とする行為を非難し、スポーツ青年省、バスケットボール連盟、関係機関に緊急調査を求めたことを明らかにした。

**

ワフダ・スポーツ・クラブはフェイスブックを通じて、事件について、「サールートよ、アッラーがあなたの魂に慈悲(ヤルハム)がありますように」という掛け声が、「サールートよ、アッラーがあなたの魂を呪い(ヤルアン)ますように」と聞き間違えられたもので、サールート氏への侮辱を意図したものではなかったと弁明し、彼の地位を讃えた。

**

マズハル・ワイス法務大臣はXに以下の通り綴った。

殉教者アブドゥルバースィト・サールートは、永遠に不滅の革命と祖国の象徴であり、その記憶がシリア人の心から消え去ることはない。彼の名を傷つけたり、その象徴性を冒涜したりすることは、単なる法律違反ではない。対立を煽り、我が国民の感情を軽んじることを含むがゆえに、容認できない道徳上の犯罪である。我々の自由の象徴への冒涜は許さない。関与が立証された者は誰であれ、法に基づく責任追及と処罰を免れることはない。

(C)青山弘之 All rights reserved.