ロイター通信(1月9日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方の車輌管理局のシリア軍部隊への包囲を続ける反体制武装集団が、同地一帯の支配を温存するため、ロシアとの協議に入ったと伝えた。
包囲を行う「彼らが不正を働いた」作戦司令室に参加するラフマーン軍団のワーイル・アルワーン報道官は、これに関して「事態を掌握している者との交渉を選ぶ。それはロシアであって、アサド政権ではない…。反体制派はロシアとの会合を余儀なくされている」と述べたという。
また、東グータ地方で活動を続けるイスラーム軍のハムザ・ビークダール報道官は、同地に対する空爆に関して「(ロシアの反応は沈黙、ないしは根拠がないとの言い訳だ…。公式筋は空爆を否定する。だが、我々はこう問いたい。グータ上空の戦闘機はどこに所属しているのか」と批判しつつも、「コミュニケーションはロシアに限定されている。なぜなら、アサドとその政府はロシアの玩具に過ぎないからだ。モスクワの命令がなければ、彼らはなにも決定できない」と述べ、ロシア側との交渉を認めた。
イスラーム軍のヤースィル・ダルワーン政治局長によると、ロシア側との交渉は、電話、あるいはシリア政府支配地域と反体制派支配地域の間に位置する無人化した農場地帯での直接会談を通じて進められているという。
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しかし、ラフマーン軍団のアルワーン報道官はドゥラル・シャーミーヤ(1月9日付)の取材に対して、ロシアと交渉しているとの報道を否定した。
AFP, January 9, 2018、ANHA, January 9, 2018、AP, January 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2018、al-Hayat, January 9, 2018、Reuters, January 9, 2018、SANA, January 9, 2018、UPI, January 9, 2018などをもとに作成。
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