『ハヤート』(3月6日付)、SANA(3月5日付)などによると、シリア赤新月社、赤十字国際委員会、国連の合同支援チームが、反体制武装集団が活動を続ける東グータ地方に2万7,500人分の食糧物資、7万人分の医療物資を搬入した。
物資は貨物トラック46台に積載され、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を通じて反体制派支配下の東グータ地方に入り、グータ市に届けられた。
しかし世界保健機関(WHO)高官がロイター通信(3月5日付)に明らかにしたところによると、シリア政府当局は、支援チームの車列が東グータ地方に向かう直前に、搬送が予定されていた物資のなかから救急バッグ、外科用品、人工透析機器、インスリン注入器を回収した。
その結果、WHOが配給予定だった医療物資の70%が配給されなかった。
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SANA(3月5日付)は、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を通じた住民の避難が、東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が退去を阻止しているために5日も実現しなかったと伝えた。
AFP, March 5, 2018、ANHA, March 5, 2018、AP, March 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2018、al-Hayat, March 6, 2018、Reuters, March 5, 2018、SANA, March 5, 2018、UPI, March 5, 2018などをもとに作成。
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