ヒムス県北部とハマー県南部の反体制武装集団がロシア仲介の停戦合意に基づき重火器を引き渡す一方、米国の支援を受けてきた「穏健な反体制派」は合意を拒否(2018年5月3日)

SANA(5月3日付)によると、1日にロシアの仲介で交わされたシリア政府とヒムス県北部・ハマー県南部の反体制武装集団の停戦合意が正式に発効した。

これを受け、武装集団が重火器、中火器の引き渡しを開始するとともに、シリア軍部隊がヒムス市とハマー市を結ぶ国際幹線道路の再開に向けた障害物などの撤去作業を行った。

また、反体制系のドゥラル・シャーミーヤ(5月3日付)は、タウヒード軍、ラスタン作戦司令室がシリア政府側に重火器を引き渡したと伝え、その写真を公開した。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

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バラク・オバマ前政権の支援を受け、アル=カーイダ系のシャーム解放機構と共闘してきた「穏健な反体制派」の一つイッザ軍は声明を出し、1日のロシア仲介によるシリア政府とヒムス県・ハマー県の武装集団による停戦合意を拒否すると発表した。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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