SANA(5月12日付)によると、ロシア仲介によるシリア政府と、ヒムス県北部・ハマー県南部の反体制武装集団の停戦合意(1日)に従い、シリア軍に重火器、中火器の引き渡しを完了した武装集団の戦闘員とその家族が、7、8、11日に引き続き、シリア政府によって準備された大型バス86台に分乗し、ラスタン市近郊のラスタン橋からトルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市方面とシャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県に退去した。
うち53台はアレッポ県に、33台はイドリブ県に向かった。
なお、ドゥラル・シャーミーヤ(5月11日付)によると、イドリブ県への戦闘員と家族の退去は、アレッポ県北部を実質占領するトルコ当局が、バーブ市方面への戦闘員の退去を拒否したのを受けた動きだという。
ドゥラル・シャーミーヤ(5月12日付)によると、トルコ当局は、アレッポ県バーブ市方面に向かったバスの車列に対しても通行を許可した。
シリア人権監視団によると、12日に退去した戦闘員とその家族は約3,500人。
また、これまでに退去した戦闘員とその家族の数は9,000人に達しているという。
AFP, May 12, 2018、ANHA, May 12, 2018、AP, May 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2018、May 12, 2018、al-Hayat, May 13, 2018、Reuters, May 12, 2018、SANA, May 12, 2018、UPI, May 12, 2018などをもとに作成。
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