対トルコ国境のジャラーブルス市(アレッポ県)でトルコの支援を受けるシャーム自由人イスラーム運動と北部戦線などの武装集団が交戦するなか、同市とイドリブ県アリーハ市で爆発が発生(2018年5月31日)

アレッポ県では、『ハヤート』(6月1日付)やドゥラル・シャーミーヤ(5月31日付)によると、トルコの実質占領下にあるユーフラテス川右岸の国境の町ジャラーブルス市で30日夜、トルコの支援を受ける反体制武装集団どうしが衝突、交戦した。

戦闘は、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動と、北部旅団、東部自由人連合、スルターン・ムラード師団の3組織の間で行われ、トルコ軍が介入を試みたが失敗に終わった。

ドゥラル・シャーミーヤによると、戦闘は、トルコからアレッポ県ジャラーブルス市を経由してマンビジュ市に向かう乗合タクシー(セルヴィス)の処遇に端を発するもので、シャーム自由人イスラーム運動が北部旅団のメンバー4人を拘束したことをきっかけに激化したという。

両者の交戦を受け、東部獅子連合とスルターン・ムラード師団が停戦を試みたが、シャーム自由人イスラーム運動の発砲を受け、北部師団側について戦闘に参加した。

なお戦闘により、住民3人が巻き添えとなり死亡、20人以上が負傷した。

また市内では、戦闘に抗議するゼネストが発生したという。

一方、ANHA(5月31日付)によると、ジャラーブルス市で、爆弾が仕掛けられたバイクが爆発し、住民1人が死亡、多数が負傷した。

ANHA, May 31, 2018

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月31日付)によると、シャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるアリーハー市のマイダーン地区で激しい爆発が発生し、ビル1棟が倒壊、子供3人が死亡、5人が負傷した。

AFP, May 31, 2018、ANHA, May 31, 2018、AP, May 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2018、al-Hayat, June 1, 2018、Reuters, May 31, 2018、SANA, May 31, 2018、UPI, May 31, 2018などをもとに作成。

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