シリア人権監視団は、トルコの占領下にあるシリア北部から大麻などの麻薬の種子、カプタゴン、トラマドールなどの薬物が、密売買されている情報を得たと発表した。
トルコの庇護を受けるいわゆるユーフラテスの盾作戦司令室に所属する「傭兵」の支配下にあるアレッポ県北部で活動する医療スタッフによると、密輸にはシリア赤新月社の車輌などが使用されているという。
これらのスタッフによると、約3週間前に、ハマー県カルアト・マディーク町の通行所を通じてシリア政府支配地域から反体制武装集団支配下のイドリブ県に入った救急車輌9台が、トルコの実質占領下にあるアレッポ県のアフリーン郡やアアザース郡に入り、積んでいた医薬品を配給したが、2台の車輌には、ラーイー村方面に向かうとして、開封が禁じられた積み荷が積まれていたという。
某医療筋によると、この2台には麻薬が積まれており、その後、ハムザ師団の支配地域を通って、シリア政府支配地域に向かったのだという。
なお、シリア赤新月社は、イドリブ県、アレッポ県北部など反体制武装集団の支配下、そしてトルコの実質占領下にある地域では活動を行っていない。
AFP, November 6, 2018、ANHA, November 6, 2018、AP, November 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 6, 2018、al-Hayat, November 7, 2018、Reuters, November 6, 2018、SANA, November 6, 2018、UPI, November 6, 2018などをもとに作成。
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