アレッポ県西部でシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線の戦闘続く(2019年1月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線が、ダーラト・イッザ市一帯で交戦を続けた。

シャーム解放機構は1日、国民解放戦線所属のヌールッディーン・ザンキー運動を放逐し、ダーラト・イッザ市を制圧している。

この戦闘で、シャーム解放機構メンバー14人、国民解放戦線メンバー12人が死亡、シャーム解放機構はヌールッディーン・ザンキー運動など国民解放戦線のメンバー10人を捕捉しているという。

また子供2人を含む住民5人が巻き添えとなり死亡している。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月2日付)によると、戦闘はダーラト・イッザ市内のアシュラフィーヤ地区で激しく行われた。

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ヌールッディーン・ザンキー運動とともに国民解放戦線を主導するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動のアリー・ジャービル・バーシャー総司令官はテレグラムのアカウント(https://telegram.me/JaberAliBasha)を通じて声明を出し、ダーラト・イッザ市での戦闘への参加を表明した。

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国民解放戦線も声明を出し、シャーム解放機構との戦闘のため総動員令を発したと発表した。

al-Durar al-Shamiya, January 2, 2019

また別の声明では、シリア軍や親政権民兵の進攻に備えて、各地の拠点の防衛を維持するようメンバーに通達、ダーラト・イッザ市でのシャーム解放機構との戦闘に介入しないよう要請した。

al-Durar al-Shamiya, January 2, 2019

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一方、トルコの支援を受けアレッポ県北部で活動する国民軍のユースフ・ハンムード報道官(少佐)はツイッターのアカウント(https://twitter.com/Yusuf1975hamoud/)を通じて、国民軍が国民解放戦線を支援するために部隊を派遣したとの情報を否定し、アレッポ県西部での混乱に介入せず、同県北部に活動を限定すると発表した。

AFP, January 2, 2019、ANHA, January 2, 2019、AP, January 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2019、al-Hayat, January 3, 2019、Reuters, January 2, 2019、SANA, January 2, 2019、UPI, January 2, 2019などをもとに作成。

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