イスラエル日刊紙『ハアレツ』(4月27日付)は、イスラエル司法当局が拘束中のシリア人捕虜2人の釈放を許可したと伝えた。
ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が26日、イスラエル軍兵士ザハリア・バウメル氏の遺体回収(奪還)への見返りとして、シリア人2人の釈放に同意したと発表していた。
バウメル氏は1982年のレバノン侵攻時のシリア軍との間で行われた「スルターン・ヤアクーブの戦い」で行方不明となったイスラエル軍兵士で、イスラエル軍は「ほろ苦い歌」と名づけられた作戦で、ロシアの仲介のもと、シリア国内に埋葬されていたとされる遺体を回収していた。
シリア政府筋も20日、ロイター通信に対して、ロシアの仲介でイスラエルの刑務所からシリア人2人ないしはそれ以上が釈放されるだろうと述べていた。
イスラエル高官は今回の決定が関して、「捕虜交換」ではなく、「善意」を示すためのものと説明、バウメル氏の遺体回収に先立って、2人の釈放が合意されていたことを否定した。
イスラエルが釈放するとされているのは、ザイダーン・タウィール氏とアフマド・ハミース氏。
タウィール氏は1962年、ハーディル村(アレッポ県)生まれ。
2008年7月に麻薬密売容疑で逮捕され、有罪判決を受け、2019年7月に刑期を終える予定だった。
また、ハミース氏は、1984年、ダマスカス県ヤルムーク難民キャンプ生まれ。
イスラエル軍基地に潜入し、兵士に危害を加えようとしていたとして2005年4月に逮捕され、有罪判決を受け、2023年に刑期を終える予定だった。
2人の釈放は、イスラエル政府ではなく、検事総長が決定した。
AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、Haaretz, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。
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