トルコ軍が反体制武装集団の国民軍とともに開始したシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦は4日目に入り、トルコ軍はラッカ県タッル・アブヤド市および同市一帯、ハサカ県ラアス・アイン市および同市一帯、カーミシュリー市および同市一帯などへの爆撃、砲撃を続け、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。
戦闘はラアス・アイン市内でも行われ、トルコ国防省とシリア国民軍の発表によると、トルコ軍と国民軍は、国境地帯の要衝であるラアス・アイン市、タッル・アブヤド市とスルーク町近郊のナッス・タッル村、ラジャム・ウヌーワ村、ウンム・ジャラン村、サワーウィーン村、ジャームース村、ラズカ村、アリーダ村、フワイラーン村、ワースィタ村、シューカーン村、タルワーズィーヤ村、ザイディー村、ナッバハーン村、ハーリディーヤ村、大フワイラ村、小フワイラ村、フィールー村、ガジール村、ガズィール村、ダブア村、ダーダート村、サルド村、ダブア・サイーダ村、ジャンダーウィー村を制圧した。
これによりトルコ軍と国民軍が制圧した市町村農場は31となった。
国民軍は、タッル・アブヤド市近郊に建設されていたシリア民主軍の地下トンネルの写真を公開した。
シリア人権監視団によると、「平和の泉」作戦が開始されて以降の死者数は、シリア民主軍戦闘員が81人、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員が59人、トルコ軍兵士が8人。
トルコ国防省によると、シリア民主軍の戦闘員459人を無力化した。
また、民間人30人あまりが死亡、10万人が戦闘地域から避難したという。
なお、トルコ軍とともに「平和の泉」作戦に参加している国民軍は、タッル・リフアト市の南を走る高速道路沿いで、民間人6人を機関銃で撃ち、処刑した。
AFP, October 12, 2019、Anadolu Ajansı, October 12, 2019、ANHA, October 12, 2019、AP, October 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 12, 2019、Reuters, October 12, 2019、SANA, October 12, 2019、SOHR, October 12, 2019、UPI, October 12, 2019などをもとに作成。
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