制憲委員会(憲法委員会)の小委員会が、ジュネーブの国連本部で4日目の会合を開いた。
SANA(11月7日付)によると、会合では、「テロとの戦い」にかかる「非公式」(non paper)資料を提案したが、反体制派代表はこれを拒否した。
「非公式」資料は、シリア国内でのあらゆるテロ組織、とりわけダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線(シャーム解放機構)によるすべてのテロ活動の非難、国土全域の国家による支配の回復、国土全域における国家機関の復活、ダーイシュ、ヌスラ戦線などのテロ組織に対する戦いを貫徹するための行動に向けてすべてのシリア国民が取り組むこと、憲法改革案・改正条項案において過激主義拒否と「テロとの戦い」の必要性を明記すること、「テロとの戦い」をシリア人にとってのもっとも重要な権利として明示すること、諸外国に対して、国連安保理諸決議に基づいてテロ支援を行わないことを制憲委員会のメンバーが要請すること、を骨子とする。
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一方、ザマーン・ワスル(11月7日付)によると、シリア交渉委員会(最高交渉委員会)は、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表に対して、ジュネーブ会議(2012年)で設置合意され、国連安保理決議第2254号でその履行が確認されている移行期統治機関の設置、選挙実施、テロ・治安対策といった問題を、憲法委員会での審議と合わせて協議することを求める覚書を提出した。
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また、市民社会代表は、イドリブ県でのシリア・ロシア軍の攻撃激化について、ペデルセン氏と意見を交わした。
AFP, November 7, 2019、ANHA, November 7, 2019、AP, November 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 7, 2019、Reuters, November 7, 2019、SANA, November 7, 2019、SOHR, November 7, 2019、UPI, November 7, 2019などをもとに作成。
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