グワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受け、政府支配下のハサカ市治安厳戒地区に避難した住民は3,500世帯、北・東シリア自治局が保護した避難住民は65世帯(2022年1月24日)

ハサカ県では、SANA(1月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受けて、同市南部各所からシリア政府の支配下にあるいわゆる「治安厳戒地区」に避難した住民の数は3,500世帯に達した。

住民は、シリア軍が設置した安全回廊を通って、治安厳戒地区に避難し、仮設避難センターに収容され、社会問題労働局が、シリア赤新月社、NGO、住民ボランティアなどとともに食糧や医薬品を提供、支援を行っている。


北・東シリア自治局の支配下にある刑務所一帯の地区(グワイラーン地区、ズフール地区)では、住民が避難を続け、シリア軍、シリア赤新月社などが支援にあたった。

**

一方、ANHA(1月24日付)によると、北・東シリア自治局の関係機関は、避難してきた住民数十世帯を保護した。

民主統一党(PYD)のハサカ市評議会の共同議長を務めるサーミヤ・アフマド氏によると、保護した住民は65世帯約350人。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍はグワイラーン刑務所制圧の遅れは「カリフ刻の幼獣」を人間の盾にしているためと発表(2022年1月24日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱の収拾が難航していることに関して、ダーイシュが児童戦闘員を人間の盾にしているためだと主張した。

声明の内容は以下の通り。

過去3日にわたるダーイシュによるグワイラーン刑務所/工業高校制圧と収監中のテロリスト脱獄を目的とした組織だった攻撃において、シリア民主軍の進軍を妨げる大きな障害はテロリストが、ダーイシュとつながりのある「カリフ国の幼獣」の子供たち700人を人間の盾として利用していることだ。彼らは、過激思想から更生させるために、拘置所内の特別分離房に収容されていた。

シリア民主軍は、刑務所内のこれらの子供たちに被害を及ぶことの責任のダーイシュのテロリストどもに負わせる。

シリア民主軍は、国連、赤十字国際委員会に、子供たちを無力化し、ダーイシュが軍事作戦で彼らを利用せず、その身柄を治安部隊に引き渡し、身の安全を確保するために介入するよう求める。

ANHA(1月24日付)が伝えた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

グワイラーン刑務所でのダーイシュとシリア民主軍・アサーイシュの戦闘続く:「カリフ国の幼獣」ら数百人が投降・解放(2022年1月24日)

ハサカ県では、ANHA(1月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱は24日も続き、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)がダーイシュのスリーパーセルや脱獄犯と刑務所の外塀付近で激しく交戦する一方、刑務所を包囲し、拡声器を通じて投降を呼び掛けた。

また、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合は23日深夜から24日未明にかけてダーイシュのメンバーや脱獄者が立て籠もっているグワイラーン地区ないの複数カ所を爆撃した。


一方、シリア民主軍は声明を出し、ダーイシュのメンバー約300人が投降したと発表した。

https://www.facebook.com/QSDMEDIA/posts/1816562585203068

シリア人権監視団によると、「カリフ国の幼獣」として知られる子供たちが、大型旅客バス複数台に分乗して刑務所外へと移送された。

移送の理由は不明だが、刑務所に立て籠もるダーイシュの負傷したメンバーの治療を条件に、人質となっている子供が釈放されたと見られる。

子供たちを含めて、シリア民主軍に投降し、刑務所内から移送された収監者らの数は400人に上っているという。

なお、ANHA(1月24日付)によると、グワイラーン刑務所には5,000人のダーイシュ・メンバーが投獄されている。

また、アサーイシュは声明を出し、ダーイシュのスリーパーセルのメンバー3人を拘束、持っていた武器弾薬を押収したと発表した。

北・東シリア自治局の内務委員会による前日の決定に従い、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ市各所では、外出禁止令が発動された。

**

シリア人権監視団によると、1月20日以降の戦闘による死者は154人。

うちダーイシュ・メンバーは102人、シリア民主軍、アサーイシュ、刑務所守衛が45人、住民が7人。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル市スポーツ・サロンとサブハ町で、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月24日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月24日付)によると、1月19日にダイル・ザウル市スポーツ・サロンで開設された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

**

ラッカ県では、SANA(1月24日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2022年1月24日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のサルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バイニーン村、フライフィル村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反3件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143971929178875

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で44人、北・東シリア自治局支配地域で20人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で6人(2022年1月24日)

保健省は政府支配地域で新たに44人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者295人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月24日現在のシリア国内での感染者数は計51,029人、うち死亡したのは2,971人、回復したのは36,498人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/236160012025316

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに20人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が死亡したと発表した。

これにより、1月24日現在のシリア国内での感染者数は計37,362人、うち死亡したのは1,523人、回復したのは2,522人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性9人、女性11人。

また地域の内訳は、ハサカ県のカーミシュリー市8人、マーリキーヤ(ダイリーク)市12人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1775149849341611

**

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月23日に新たに6人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、102人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡5人、アフリーン郡0人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計93,056人、うち死亡したのは2,359人、回復したのは71,470人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1759961384208745

AFP, January 24, 2022、ACU, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民302人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は744,822人に(2022年1月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月23日に難民302人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民287人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは15人(うち女性5人、子供8人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は744,822人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者347,454人(うち女性104,415人、子ども176,907人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,368人(うち女性119,261人、子ども202,667人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,972人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は974,102人(うち女性292,334人、子供496,496人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,685人(うち女性41,397人、子供34,088人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,281人(うち女性423,956人、子供677,854人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143970829178985

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 24, 2022をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スプートニク・ニュース:反体制派を主導するシリアのアル=カーイダ(シャーム解放機構)が越境(クロスボーダー)人道支援を利用し、不正に得た資金をトルコに投資(2022年1月23日)

スプートニク・ニュース(1月23日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の司令官らがトルコで数億ドルの投資を行い、利益を得ていると伝えた。

イドリブ県の情勢に詳しい複数の消息筋がスプートニク・ニュースに明らかにしたところによると、折からの寒波と大雪によって深刻な生活を強いられている国内避難民(IDPs)キャンプの住民らは、キャンプの住民への国際機関による越境(クロスボーダー)人道支援物資の到着や配給の仕組みの信頼性について疑義を呈している。

国境地帯やキャンプを含むイドリブ県のほぼ全域を掌握し、テロリストに指定されているシャーム解放機構のメンバーが支援事業を統轄しているのが理由。

同消息筋によると、シャーム解放機構の司令官らは、自分たちの資金を、シャンルウルファ、ガジアンテップ、イスタンブールといったトルコの都市の不動産業、自動車業、レストラン業、商業といった事業に投資するようになっているという。

投資額はこの4年だけで2億5000万ドルに達しており、同消息筋は「これらの資金の出所はどこなのか」との疑問を抱いている。

同消息筋はこう述べている。

シャーム解放機構の司令部に所属する治安局がバーブ・ハワー国境通行所を完全に掌握していることを皆が知っている。この通行所は、国連の越境人道機関が回廊として利用し、支援物資を国境地帯のキャンプやイドリブ県各地に運んでいる…。

また、これらの支援のほとんどが盗まれ、シャーム解放機構がトルコ国境に面するサルマダー市、アティマ村、ダルクーシュ町に設置した貯蔵庫に転売されていることも皆が知っている。それは皆が知っているビック・ビジネスのようなもので、商人らは盗まれた人道支援物資を売りさばき、これらの都市の市場では、薬、食糧、医薬品が売られている。仲介業者を通じてトルコの市場に再び密輸されることも多い。

過去数年にわたり、シャーム解放機構は、架空の人道支援受益者のリストを作り上げ、各世帯に割り当てられる支援を減少させた。加えて、要支援者に物資が配給される前に支援物資を横取りし、それらはシャーム解放機構の司令官やトルコの慈善団体関係者に分配されている。

シャーム解放機構の司令官らは、国境地帯の居住ブロックの建設プロジェクトに参入し、事業者と結託し、多額な資金の一部を受給するケースもある。

イドリブ県では、国際機関、支援国も含む皆が、テロ組織に指定されているシャーム解放機構の幹部司令官多数が、こうした行為を1から10まで管理している。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022、Sputnik News, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ニランドUNICEFシリア事務所代表:「グワイラーン刑務所に収容されている子供850人の安全が深刻な危機に晒されている」(2022年1月23日)

UNICEFシリア事務所のヴィクトル・ニランド代表は報道声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱に関して、刑務所内に収容されている子供850人の安全が深刻な危険に晒されていると表明した。

850人のなかには12歳に満たない子供もいるという。

ニランド代表はまた、北・東シリア自治局の管理下にあるハサカ県のフール・キャンプやロジュ・キャンプにも60カ国以上の子供約1万人が収容されており、冬の寒さや支援不足のなかで困難な生活を余儀なくされていると付言した。

クドス・アラビー(1月24日付)が伝えた。

AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、al-Quds al-‘Arabi, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

グワイラーン刑務所の襲撃・脱獄事件での混乱を受けて住民の避難が続き、シリア軍やシリア赤新月社が支援にあたる(2022年1月23日)

ハサカ県では、SANA(1月23日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受けて、北・東シリア自治局の支配下にある刑務所一帯の地区(グワイラーン地区、ズフール地区)では、住民が避難を続け、シリア軍、シリア赤新月社などが支援にあたった。



AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局渉外関係委員会は、ダーイシュによるグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件をめぐってシリア民主軍と米国を非難した前日の外務在外居住者省声明に「滑稽でばかげている」と反論(2022年1月23日)

北・東シリア自治局の渉外関係委員会(外務省に相当)は声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に関して1月22日に外務在外居住者省が出した声明を非難した。

声明の骨子は以下の通り:

10年間にわたるシリアの危機は深刻化し、複雑な様相を呈しており、シリアが苛まれている悲惨な人道、政治、経済状況の最大の責任はシリアの体制にある。

占領国トルコによって破壊とシリア国土の一部の占領が行われているなか、シリアで起きていることに対してより大きな責任を伴う政策が必要だったが、責任を果たそうとする姿勢を欠いていた。

我々は、シリアの体制がショーヴィニズムに満ちた非合理的な言説で、テロと戦うシリア民主軍を攻撃し、ハサカ市のグワイラーン刑務所での事件について、テロリストに対する抵抗を戦争犯罪だと述べている。2015年にテロリスト100人を前に体制とその軍が逃げ出した同じ場所を、その後人民防衛隊(YPG)と女性防衛隊(YPJ)が解放したにもかかわらずだ。

体制の外務省、ファイサル・ミクダードが行うこの手の発言は滑稽でばかげている。体制は今日シリアで何が起きているのか、10年にわたって行われた民間人に対する殺戮と強制移住について自問すべきだ。

ハサカ市はシリアの都市であるにもかかわらず、誰が同市をダーイシュから防衛してきたのかを忘れ、北・東シリア自治局との対話に体制が失敗したことを正当化するための手段としてダーイシュを利用しているようだ。

我々はこうした無責任な声明を非難する。

体制の外務省は、国連安保理、国連の場でトルコの行動、占領、その傭兵どもの行動を抑える責任を果たすべきだ。

我々は、体制が自らの殻から抜け出し、シリアでの出来事やその進展に対する自らの施政について慎重に考える必要があると言いたい。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1774664106056852

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局内務委員会はダーイシュ対策でジャズィーラ地方ハサカ地区全域に1月24日から31日まで外出禁止令を発出すると発表(2022年1月23日)

北・東シリア自治局の内務委員会(内務省に相当)は声明を出し、同自治局ジャズィーラ地方ハサカ地区全域に1月24日から31日まで外出禁止令を発出すると発表した。

ダーイシュによるグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件に伴う混乱を受けた措置。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1774688836054379

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍はダーイシュによるグワイラーン刑務所での襲撃・脱獄事件の詳細を発表:実行犯の一部はトルコ占領地とイラクから参集(2022年1月23日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にあるグワイラーン刑務所(高等学校)での襲撃・脱獄事件の詳細についての声明を発表した。

それによると、刑務所の襲撃に参加したダーイシュの自爆テロリストは200人以上に上り、その一部はトルコの占領下にあるハサカ県のラアス・アイン市一帯地域、ラッカ県のタッル・アブヤド市一帯地域、さらにはイラクからグワイラーン地区に参集していた。

襲撃は6カ月にわたり準備されていた。

彼らは、1月20日午後7時半に爆弾を仕掛けた車を使って刑務所への攻撃を開始、刑務所が外からも攻撃を加えるとともに、収監者らが刑務所内で守衛、医療スタッフ、厨房職員らを襲撃し、脱獄を試みた。

襲撃された職員の安保は今も不明だという。

脱獄の試みのほとんどは失敗したものの、一部がグワイラーン地区に隣接するユーフラテス大学経済学部の施設に逃げ込んだ。

シリア民主軍は刑務所周辺を完全に制圧し、東グワイラーン地区、ズフール地区、パノラマ交差点でダーイシュ・メンバーと激しく交戦し、そのほとんどを殲滅するとともに、武器・弾薬を持ち込むために建設していた地下トンネルを制圧した。

シリア民主軍は刑務所内も制圧したが、グワイラーン地区には依然として2、ないしは3つのスリーパーセルが抵抗を続けているという。

また、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)約1万人が大規模な掃討作戦を続けているという。

1月20日以降の戦闘でシリア民主軍が殺害したダーイシュ・メンバーは175人以上、うち160人強が襲撃犯、15人が脱獄を試みた収監者。

一方、戦闘では、シリア民主軍の戦闘員27人が犠牲となった。

ANHA(1月23日付)が伝えた。

**

シリア人権監視団によると、グワイラーン刑務所一帯では、米主導の有志連合の航空機が上空を旋回するなか、シリア民主軍、アサーイシュとダーイシュ・メンバーの戦闘が続いた。

シリア民主軍の広報センターは声明を出し、ハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にあるグワイラーン刑務所(高等学校)での襲撃・脱獄事件の実行犯ら13人を新たに殺害、2人を拘束したと発表した。

また、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は、グワイラーン地区内で潜伏・立て籠もりを続けているダーイシュ・メンバーらに対して武器を棄てて投降するよう呼びかけた。

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県アイン・イーサー市西のウライマート村を砲撃し、子供2人負傷(2022年1月23日)

ラッカ県では、ANHA(1月23日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市西のウライマート村を砲撃し、子供2人が負傷した。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の殉教者遺族機構は、スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しを求めて続けていた座り込みデモの終了を宣言(2021年1月23日)

ハサカ県では、ANHA(1月23日付)によると、イラク・クルディスタン民主党の部隊によって殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー5人の遺体引き渡しを求めて、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の殉教者遺族機構が、スィーマルカー国境通行所前の広場にテントを設置して続けてきた座り込みデモを終了し、今後は別の場所で遺体引き渡しを求める運動を続けると発表した。

座り込みデモは、2021年10月5日に開始され、111日にわたって続けられていた。

**

アル・モニター(1月20日付)は、イラク・クルディスタン民主党が米国の説得に応じて、12月15日閉鎖していたフィーシュ・ハーブール国境通行所(シリア側はスィーマルカー国境通行所)を再開することに同意したと伝えていた。

シリア人権監視団によると、イラク・クルディスタン地域政府は1月24日に通行所を再開する見込みだという。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、al-Monitor, January 20, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル市とサフバ町で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月23日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月23日付)によると、1月19日にダイル・ザウル市スポーツ・サロンで開設された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

**

ラッカ県では、SANA(1月23日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がラッカ県とヒムス県の砂漠地帯でダーイシュに対して20回の爆撃を実施(2022年1月23日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がラッカ県ラサーファ砂漠とヒムス県のスフナ市一帯の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して20回の爆撃を実施した。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合の貨物車輌、冷凍トレーラー、戦車を載せた大型トレーラーなど66輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2022年1月23日)

ハサカ県では、SANA(1月23日付)によると、米主導の有志連合の貨物車輌、冷凍トレーラー、戦車を載せた大型トレーラーなど66輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入した。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省は過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反が3件発生したと発表、トルコ側が発表した停戦違反件数は7件(2022年1月23日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反3件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143241002585301

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で42人、北・東シリア自治局支配地域で17人(2022年1月23日)

保健省は政府支配地域で新たに42人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者255人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月23日現在のシリア国内での感染者数は計50,985人、うち死亡したのは2,968人、回復したのは36,203人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/235558622085455

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに17人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が死亡したと発表した。

これにより、1月23日現在のシリア国内での感染者数は計37,342人、うち死亡したのは1,522人、回復したのは2,522人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性12人、女性5人。

また地域の内訳は、ハサカ県のカーミシュリー市11人、マーリキーヤ(ダイリーク)市4人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市2人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1774470122742917

AFP, January 23, 2022、ACU, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民310人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は744,520人に(2022年1月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月22日に難民310人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民299人(うち女性90人、子供152人)、ヨルダンから帰国したのは11人(うち女性3人、子供6人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は744,520人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者347,167人(うち女性104,328人、子ども176,760人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,353人(うち女性119,256人、子ども202,659人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,972人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は973,800人(うち女性292,242人、子供496,341人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,685人(うち女性41,397人、子供34,088人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,281人(うち女性423,956人、子供677,854人)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3143237919252276

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 23, 2022をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務省のプライス報道官はダーイシュによるグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件を非難、シリア民主軍の対応を称賛(2022年1月22日)

米国務省のネッド・プライス報道官はハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にあるグワイラーン刑務所(高等学校)での襲撃・脱獄事件非難する声明を出した。

声明の骨子は以下の通り:

米国は木曜日(10月20日)のダーイシュによるシリア北東部ハサカ県の(北・東シリア自治局)内務治安部隊の拘留センターに対する、ダーイシュ・メンバーを脱獄させようとした攻撃を非難する。

我々はシリア民主軍の迅速な対応と、シリア北東部でのダーイシュとの戦いへの継続的な取り組みを称賛する。我々は、最初の爆破攻撃、そしてその後の戦闘で犠牲となった守衛の家族に心からお悔み申し上げる。

拘留施設への攻撃は、1年以上にわたってダーイシュの最優先事項だった…。今回の攻撃は、ダーイシュ戦闘員の拘留状況を改善、さらには拘留施設の安全対策強化のため、ダーイシュを打ち負かす有志連合のイニシアチブにさらなる資金提供を行う必要を浮き彫りにした。また、戦闘員の出身国が拘留されている自国民を本国に送還し、リハビリ、再統合、起訴することが下級に必要だということを強調するものだ。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局のアサーイシュがアレッポ市シャイフ・マクスード地区への人や車輌の往来を禁止(2022年1月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が、同自治局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区への人や車輌の往来を禁止した。

この措置は、同地区とシリア政府支配地の境界に設置されているシリア軍第4師団の検問所で、シリア政府と北・東シリア自治局との連絡調整担当者が乗った車に対して検問を行おうとしたのを受けたものだという。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュがラッカ県ラサーファ砂漠各所に設置されているシリア軍と国防隊の拠点を襲撃し、12人負傷(2022年1月22日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府の支配下にあるラサーファ砂漠各所に設置されているシリア軍と国防隊の拠点を襲撃し、これにより12人が負傷した。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県アイン・イーサー市一帯でトルコ軍・シリア国民軍とシリア民主軍が激しく交戦、住民を含む7人死亡(2022年1月22日)

ラッカ県では、ANHA(1月22日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のジャフバル村、ムシャイリファ村、マアラク村、ヒーシャ村の給水所と発電所、ファーティサ村、スカイルー村、ナヒール休憩所などM4高速道路沿線、アイン・イーサー国内避難民(IDPs)キャンプを砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がこれに応戦し、激しい戦闘となった。




この戦闘で、ジャフバル村で住民2人が死亡、ムシャイリファ村などで4人が負傷した。

一方、シリア民主軍は、ムシャイリファ村・ジャフバル村間からシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にある地域に潜入を試みたシリア国民軍の戦闘員5人を殺害、うち2人の遺体を捕獲した。

**

トルコ軍とシリア国民軍の攻撃に関して、民主統一党(PYD)の総合評議会は声明を出し、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)とシリア民主軍がハサカ市グワイラーン刑務所での混乱を収拾しようとするのを阻止しようとしていると非難した。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

外務在外居住者省はグワイラーン刑務所の襲撃・脱獄事件をめぐってシリア民主軍と米国を厳しく非難(2022年1月22日)

外務在外居住者省は、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)の襲撃・脱獄事件に関する声明を出し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と米国を厳しく非難した。

声明の骨子は以下の通り:

ダーイシュとシリア民主軍は過去数日にわたって、ハサカ県の民間人虐殺、インフラ破壊という罪を犯した。米占領部隊、とりわけ航空機がこの攻撃に野蛮なかたちで参加し、老人、子供、女性など無実の民間人が犠牲となった。

数千世帯がシリアの国家が掌握している地域内に安全な場所を求めて避難し、米国や西側諸国がシリアに非道徳的な一方的制裁を科しているにもかかわらず、避難場所、薬、飲料水、暖房、支援物資を提供された。

シリア民主軍は、工業高校を含むハサカ県の多くの学校を占拠し、生徒を追放し、刑務所として流用している。また、ハサカ市内の経済、行政関連機関、病院、クリニックなどの医療機関を占拠しているが、米軍戦闘機とシリア民主軍の犯罪者どもはこれらの施設を容赦なく破壊した。

「テロとの戦い」はメディアでのプロパガンダでも、偽りのスタンスでもない。

シリア・アラブ軍とその同盟者たちは、「テロとの戦い」を通じて、シリアの国土の大部分を犯罪から解放し、テロリストと協力しているのが米国とその手先のヌスラ戦線(現在のシャーム解放機構)などのテロ民兵であることを証明した。彼らは、米国やトルコの指示に従って、シリアなどこの地域の国々に治安と安定をもたらそうとしている市民の意思に反した行動をとっている。

シリア・アラブ共和国は、改めて、米軍とトルコ軍の撤退を要求し、米国とシリア民主軍の行為が戦争犯罪、人道に対する犯罪のレベルに達しているとみなす。

国連の人道関連機関、そのほかの人道関連機関に、避難を余儀なくされた住民への緊急支援を求める。

国連安保理に、シリア北東部において無垢の民間人を守り、国際の平和と安全を維持するための責任を果たすよう求める。

SANA(1月22日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3181829055437533

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

グワイラーン刑務所の襲撃・脱獄事件での混乱を受けて住民の避難が続き、政府の認可を受けたNGO組織などが支援にあたる(2022年1月22日)

ハサカ県では、SANA(1月22日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に伴う戦闘と混乱を受けて、北・東シリア自治局の支配下にある刑務所一帯の地区(グワイラーン地区、ズフール地区)では、住民が避難を続け、ハサカ県社会問題労働局によると、シリア政府の認可を受けたNGO組織などが支援にあたった。



AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

グワイラーン刑務所の襲撃・脱獄事件:シリア民主軍とアサーイシュとダーイシュの戦闘続く(2022年1月22日)

北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の総司令部は声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に関して、グワイラーン地区を完全に包囲し、同地区およびその周辺地区で実行犯・脱獄者らを逮捕に向けた掃討作戦を行っていると発表した。

声明によると、20日に発生した事件では、アサーイシュの隊員1人が死亡、7人が負傷したという。

**

ANHA(1月22日付)によると、グワイラーン地区に隣接するズフール地区、グワイラーン刑務所一帯では、アサーイシュが人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支援を受けてダーイシュのメンバーらと交戦を続けた。

また、ハサカ市北西のヒルバト・イリヤース村、トゥワイナ村でダーイシュのスリーパーセルのアジトを急襲し、これを掃討した。



一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車列がシリア民主軍、アサーイシュを支援するためにグワイラーン刑務所に派遣された。

**

ANHAによると、アサーイシュと人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は1月20日以降、グワイラーン刑務所一帯での戦闘や捜索で新たにダーイシュ・メンバー27人を殺害した。

一方、シリア民主軍広報センターによると、シリア民主軍、アサーイシュ側はこれまでに17人が死亡、23人が負傷しているという。

シリア人権監視団によると、死者は102人で、うち61人がダーイシュ、34人がシリア民主軍テロ撲滅部隊(YAT)、アサーイシュ、刑務所の守衛、7人が民間人だという。

**

シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプ(ハサカ県)内にあるダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族を収容するブロック内で、複数の女性がグワイラーン刑務所との連帯を指示するシュプレヒコールを連呼し、襲撃・脱獄に支持を表明した。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しを求める座り込みデモに北・東シリア自治局ジャズィーラ地域教育委員会メンバーが参加(2021年1月22日)

ハサカ県では、ANHA(1月22日付)によると、イラク・クルディスタン民主党の部隊によって殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー2人の遺体引き渡しを求めて、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の殉教者遺族機構がスィーマルカー国境通行所前の広場にテントを設置して続けている座り込みデモに同自治局ジャズィーラ地域教育委員会(教育省に相当)メンバーが参加、テント前で抗議行動を行った。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル市とサフバ町で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月22日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月22日付)によると、1月19日にダイル・ザウル市スポーツ・サロンで開設された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

**

ラッカ県では、SANA(1月22日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.