アブディー司令官:「シリア民主軍とシリア政府は「一つの軍、一つの国旗による統一されたシリア」という原則で一致しているが、憲法上の保障なしでシリア軍に統合されることへの懸念がある」(2025年7月29日)

シリア民主軍のマズルーム・アブディー司令官は、アラビーヤ・チャンネルとハダス・チャンネルのインタビューに応じ、アフマド・シャルア移行期政権との連絡チャンネルは常に開かれているとしたうえで、「シリア民主軍とシリア政府は「一つの軍、一つの国旗による統一されたシリア」という原則で一致している」と述べた。

アブディー総司令官は、シャルア移行期政権との交渉におけるトルコの役割を否定したうえで、「シリアへの制裁解除で大きな役割を果たしたサウジアラビアが仲介者として前向きな役割を果たすことが可能である」との見解を示した。

また、シャルア暫定大統領との会談を「前向き」と評価しつつも、政権側から新たな地位への就任打診はなかったと明言した。

さらに、「国家の一部の主権機関はダマスカスに中央集権的に残されるべきである」と述べるとともに、「軍はあくまで一つであり、軍事的中央集権の枠組みで統一されるべきだ」とも語った。

その一方で、シリア民主軍の処遇については、「憲法上の保障なしでシリア軍に統合されることへの懸念がある」と述べた。

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トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、アブディー総司令官の発言に関して、Xで以下の通り綴った。

あなたのリーダーシップとシリア民主軍の粘り強い努力は、シャルア大統領のもとでシリア政府が示そうとしている包括性への断固たる姿勢とともに、「一つの軍、一つの政府、一つの国家」という安定したシリアの実現にとって極めて重要だ。
我々は統合と統一を進める建設的な対話を高く評価しており、安全な未来のために今後の対話の継続を期待している。

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スワイダー県各所でドゥルーズ派を含む住民らがシャルア移行期政権による封鎖への抗議デモ:3度目となる緊急人道支援の車列がスワイダー県に入る(2025年7月28日)

シリア人権監視団イナブ・バラディーによると、小麦粉約200トン、食料パック1,000個、避難用品2,000個、医療品や各種食料品を積んだ貨物車輛27台からなる緊急人道支援の車列がスワイダー県に向かった。

緊急人道支援の車列がスワイダー県に入るとの今回が3回目。

車列は、国際機関、アフマド・シャルア移行期政権、そして地元市民団体との協力により編成されたもので、ダルアー県ブスラー・シャーム市の検問所を通じてスワイダー県に入った。

車列にはシリア赤新月社および国際赤十字委員会が同行していた。

これに関して、ハムザ・ムスタファー情報大臣は、Xを通じて、緊急人道支援が非合法な集団によって妨害されることがないよう、切実に願っていると綴った。

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SANAが29日に伝えたところによると、アラブ国民戦線とトルコのNGO国境なき慈悲団(MWL)の代表団が、保健省の人道支援局との連携のもと、ダルアー県を訪問し、医療支援を提供するとともに、同県の保健状況の把握を目的とした現地調査を実施した。

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シリア人権監視団によると、マターン村、ジュナイナ村、クライヤー町、シャフバー町、サルハド市、バカー村、カファル村、ウンム・ルンマーン村、サフワト・フドル村、ムナイズィラ村、シャッカー町、ウルマーン村、マラフ町、ラサース村、マシュクーク村、マフアラ村、ドゥーマー村、カナワート市、マジャーディル村、バハム村、サンマー・バルダーン村、ヒブラーン村、イラー村で、ドゥルーズ派を含むさまざまな宗派の住民が、アフマド・シャルア移行期政権による人権侵害と虐殺に抗議するデモを行った。

参加者たちは、人道的回廊の即時開設、スワイダー県に対する包囲の解除、医薬品や食料の搬入のための空輸ルートの確保などを求めた。

















スワイダー24によると、参加者らは、「飢餓政策はテロ政策だ」、「粉ミルクは誰からの施しでもない」、「テロ政府打倒」などと書かれた紙を掲げるなどして抗議の意思を示した。







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ダイル・ザウル県、ラッカ県でダーイシュの残党が住民、アサーイシュを襲撃(2025年7月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハシャブ村で、シリア民主軍と協力関係にあった男性が自宅近くでダーイシュ(イスラーム国)の残党と見られる何者かによって撃で撃たれて死亡、その場にいた妻も負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、マンスーラ村の検問所近くで、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員2人が乗るオートバイに対し、ダーイシュ(イスラーム国)の残党とみられる武装勢力が銃撃を加え、2人は負傷した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部が設置した高等法務委員会は27日の会合で声明を発表、スワイダー県が国際人道法に基づく「被災」となったと正式に宣言(2025年7月27日)

シリア人権監視団によると、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部が設置した高等法務委員会は27日の会合で声明を発表、スワイダー県が国際人道法に基づく「被災」となったと正式に宣言、関係する国際機関に対して即時介入を求めるとともに、違反行為の記録・調査を訴えた。

声明の内容は以下の通り。

2025年7月27日日曜日、スワイダー最高法務委員会の会合が開催され、イフラース・ダルウィーシュ判事およびフザーマ・マスウード判事を除く全委員が出席し、以下の通り決議された。
第1、スワイダー県を国際人道法に基づく被災地と宣言する。これは、1977年のジュネーブ諸条約追加議定書第6章の文民保護規定に基づくもので、国防省と(内務省)総合珍局に属する部隊および外国過激派による野蛮な体系的な攻撃に起因する。これらの勢力は、無抵抗の民間人に対するジェノサイド、強制移住、恐怖の拡散、焼き討ち、殺戮、体系的な砲撃を行っており、これにより、家屋は焼かれ、生活インフラは破壊され、スワイダー県は完全な包囲を受けて締め上げられている。これを受け、我々は、国連およびすべての国際機関に対して、スワイダー県への即時の人道回廊の開設、真相究明のための国際調査団の派遣、そして事実の歪曲やメディアによる偽情報の拡散を防止するための情報の透明性の確保を要請する。
第2、各分科法務委員会に対して、スワイダー県内の各地元委員会と連携して即時業務を遂行することを任じる。
第3、スワイダー県内の赤新月社に対して、各分科法律委員会との連携のもと、すべての任務の遂行に当たることを任じる。
第4、タラール・ナムスィーミ准将に対して、スワイダー県における内務治安部隊の任務を継続し、治安と安定回復に向けて予備部隊と全面的に調整することを任じる。
第5項、各地元評議会に対し、高等法務委員会の監督のもと、分科法務委員会と協力して、すべての任務の遂行を継続することを任じる。

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アフマド北・東シリア地域民主自治局渉外関係委員会共同議長:「シリア民主軍はシリア軍の一部となるべきだが、その具体的な形態は対話によって決められる」(2025年7月27日)

北・東シリア地域民主自治局のイルハーム・アフマド渉外関係委員会共同議長は、ルダウのインタビューに応じ、シリア民主軍がシリア軍の一部となるべきであるとしつつ、その具体的な形態は対話によって決められると述べた。

アフマド共同議長はまた、自治局内の国際空港や国境については、アフマド・シャルア移行期政権の管理下にあるべきだが、公共サービスや内政は分権的に運営されるべきだと主張した。

さらに、自治局の代表団が首都ダマスカスを訪問していないのは、シャルア移行期政権側の準備不足によるものだとした上で、トルコの占領下にあるハサカ県のラアス・アイン市やラッカ県のタッル・アブヤド市はいまだに移行期政権に引き渡されていないことを明らかにした。

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ダイル・ザウル県とラッカ県の部族は、シリア民主軍に武装解除を求め、その期限を定めたと声明について、「捏造されたもので、虚偽の名義使用である」として否定(2025年7月27日)

ルダウによると、ダイル・ザウル県とラッカ県の部族が共同声明を出し、シリア民主軍に武装解除を求め、その期限を定めたとシリア国内の133の部族による声明について、「捏造されたもので、虚偽の名義使用である」として否定した。

共同声明を発表したのは、アファーディラ部族、アカイダート部族、シュアイタート部族、ジャブール部族、バッカーラ部族、ブー・ハーブール部族、ウジャイル部族、ファドゥアーン部族、ハーシム部族、ブー・シャアバーン部族、ブー・ナースィル部族、サルディーヤ部族。

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スワイダー県の諸組合がアフマド・シャルア移行期政権下で活動する組合本部との断絶を相次いで宣言(2025年7月27日)

イナブ・バラディーによると、スワイダー県の諸組合が、同県で発生した衝突、殺戮、略奪をアフマド・シャルア移行期政権が無視し、市民への侵害を黙認しているとして、26日以降、同政権下で活動する組合本部との断絶を相次いで宣言した。

組合本部との絶縁を宣言したのは、農業技師組合スワイダー支部、技師組合スワイダー支部、スワイダー教員連合、薬剤師組合スワイダー支部、獣医師組合、労働者組合スワイダー支部、弁護士組合スワイダー支部など。




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トルコ軍とその「傭兵」(シリア国民軍)が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるティシュリーン・ダム一帯および同地近郊の人口密集地域などを砲撃(2025年7月27日)

アレッポ県では、ANHAシリア人権監視団によると、トルコ軍とその「傭兵」(シリア国民軍)が県内の拠点から北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるティシュリーン・ダム一帯および同地近郊の人口密集地域などを砲撃し、砲弾5発が着弾した。

人的被害はなかった。

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ダイル・ザウル県でシリア民主軍がダーイシュの幹部を逮捕する一方、ダーイシュはシリア民主軍を襲撃(2025年7月27日)

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、シリア民主軍の作戦司令室師団(TOL)が治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部1名で、作戦の調整や爆発物の準備を担当していたアフマド・ターリブ容疑者を逮捕した。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に所属する武装グループがスワル町とマルカダ町を結ぶ街道で、シリア民主軍の車輌を自動火器で襲撃した。

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ANHAによると、シリア民主軍は、ダーイシュ(イスラーム国)の攻撃などで兵士5人が軍務中に殉職したと発表した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部はスワイダー県の事件に対応するための「高等法務委員会」を設置したと発表(2025年7月26日)

ヒクマト・ヒジュリー師が指導するムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は声明を出し、スワイダー県の事件に対応するための「高等法務委員会」を設置したと発表した。

スワイダー・メディアによると、声明の内容は以下の通り。

慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において。
我らが尊き殉教者たちにアッラーの慈悲がありますよう。負傷者には速やかな癒しを、遺族および家族には忍耐と慰めを乞う。痛みが重くのしかかり、互助と連帯の必要性がかつてなく高まるこの日々にあって、心になお希望が残り、意志は痛みよりも強くあり続けている。
スワイダー県は今日、人々と土地に及んだ破壊を経て、極めて重大かつ転換点となる局面に直面している。傷の深さにもかかわらず、我らが民の生きる意志は決して屈することなく、崩れたものを修復し、現在を救い、未来を守るものを建設するべく、再び毅然さと尊厳をもって我々を立ち上がらせている。
責任感を起点として、支援を真に必要とする人々へ確実に届け、明確かつ透明な原則に則って被害の再建に貢献すべく、我々は、我らが民の支援を含むこの重要な人道的問題を継続的に追い続け、市民社会諸組織を支援し、いかなる政治的思惑や縁故主義からも切り離された、公正かつ公平な分配を保障するもための専門的な諸法務委員会の設置を宣言する。
以上の趣旨に基づき、我々は、経験と専門性を備えた我らが同胞に対して、現在進行中の事態を正当な法的手続に則って記録・追跡するよう指示がなされた。これは、みなの権利を保障し、いかなる無秩序によっても我らが民の権利が失われたり、本取り組みの崇高な目的が歪められたりすることを防ぐためである。
ドゥルーズ・ムワッヒディーン派の精神指導者、ヒクマト・スルマーン・ヒジュリー師の指導のもと、地元諸委員会を監督する法務委員会が設置された。本委員会はスワイダー県の以下の判事、弁護士から構成される。
高等法務委員会
1. ムハンナド・ブーファアウール顧問判事 電話番号 0933713482
2. アイマン・ハルフーシュ顧問判事 電話番号 0934279019
3. ムフィード・アンマーシャ顧問判事 電話番号 0944713664
4. イサーム・アッラーウィー顧問判事 電話番号 0955243548
5. イフラース・ダルウィーシュ顧問判事 電話番号 0966857786
6. フザーマ・マスウード顧問判事 電話番号 0988511612
7. シャーディー・ムルシド判事 電話番号 0997080979
8. ムウタッズ・サーイグ判事 電話番号 0947232768
9. アナス・ハートゥーム弁護士 電話番号 0937041020
10. キヤーン・サッバーグ弁護士(女性) 電話番号 0944588475
11. ムウタッズ・ラドワーン弁護士 電話番号 0991747962
各地元委員会を監督する分科委員会:
第1、事実調査・人権侵害・被害評価委員会
1. ジャードゥッラー・ハラビー弁護士 電話番号 0999347491
2. ウサーマ・ザインッディーン弁護士 電話番号 0962746477
3. ニザーム・アブー・アッサーフ弁護士 電話番号 0968510843
4. マーヒル・アブー・ファドル弁護士 電話番号 0942335035
5. ウサーマ・ハルフーシュ弁護士 電話番号 0988133508
第2、侵害訴訟委員会
1. ガーダ・アブドゥッラー弁護士(女性) 電話番号 0932664883
2. イスマーイール・ジャッブール弁護士 電話番号 0992143304
3. ジャマール・アーミル弁護士 電話番号 0933692116
4. マナール・ムウニス弁護士(女性) 電話番号 0933064696
5. シュザー・サフナーウィー弁護士(女性) 電話番号 0966814568
第3、救援物資配布委員会
1. サファー・ジューディーヤ弁護士(女性) 電話番号 0994541029
2. ムウタスィム・ガルズッディーン弁護士 電話番号 0938262707
3. ファーディー・シャアラーニー弁護士 電話番号 0944920826
4. アーヤ・シューフィー弁護士(女性) 電話番号 0935116062
5. マムドゥーフ・サブア弁護士 電話番号 0933715476
6. ワラー・アブー・シャクル弁護士(女性) 電話番号 0999036164
7. ハムサ・ナーディル弁護士(女性) 電話番号 0985254563
第4、財政支援配布委員会
1. アリー・アブー・アスリー弁護士 電話番号 0993758733
2. ウサーマ・ジャバーイー弁護士 電話番号 0932397579
3. ラナー・アブー・アンマール弁護士(女性) 電話番号 0934845624
4. カフターン・ウライジュ弁護士 電話番号 0959185790
5. マジド・サラーム弁護士 電話番号 0954463445
第5、医療・法医学・行方不明者委員会
1. ハマド・ヒンナウィー弁護士 電話番号 0933521576
2. マルワーン・タウィール弁護士 電話番号 0988030953
3. シャーミル・ライシャーニー弁護士 電話番号 0933192736
4. ジャラール・フライハーン弁護士 電話番号 0933370927
第6、行政サービス(電気・水道等)委員会
1. サーミル・ダルウィーシュ弁護士 電話番号 0947215835
2. タウフィーク・アブー・ザイダーン弁護士 電話番号 0988448972
3. ファーリス・アズィーズ弁護士 電話番号 0992355078
4. サーミル・カイワーン弁護士 電話番号 0935299824
5. ジャルナール・ナークーラー弁護士(女性) 電話番号 0938493136
6. ディヤーナ・ムクルド弁護士(女性) 電話番号 0944462852

 

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ダイル・ザウル県でダーイシュがシリア民主軍、アサーイシュを襲撃(2025年7月26日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルが、ズィーバーン町にあるシリア民主軍の軍事拠点を自動小銃で攻撃した。

また、シュハイル村とブサイラ市の間に設置されている北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所がダーイシュのスリーパーセルの襲撃を受けた。

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シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会のガザール議長:「シャルア移行期政権によるドゥルーズ派への対応はアラウィー派に対する過去の虐殺の再現だ」(2025年7月25日)

シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会はフェイスブックを通じて、ガザール・ガザール議長のビデオ声明を発表した。

声明のなかで、ガザール議長は、3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会からからの最終報告書について、結果の正当性を否定し、アフマド・シャルア移行期政権に圧力をかけるよう国際社会に呼びかけた。

また、シャルア移行期政権によるドゥルーズ派への対応を非難し、アラウィー派に対する過去の虐殺の再現だと述べた。

ガザール議長の発言の主な内容は以下の通り。

シリアは完全なテロリズム体制に支配され、国民を互いに対立させ、存在そのものを奪おうとしている。
歪められた宗教が支配し、流血を神聖化し、真実を捏造し、正義を口実に暴力と略奪を正当化している。
評議会は委員会を設立時から認めていないし、調査結果も受け入れない…。委員会は「国際社会の良心を欺くための情報操作の手段だ。
アラウィー派や他の住民に対する殺害・誘拐・焼き討ち・拘束・略奪・虐殺などの犯罪の責任は現体制にあり…、国家主権を装った無法状態によって正当化されている。
教会や聖地、ドゥルーズ派なども標的となっている。犯人は同一であり、流される血も同じだ。
流血の終結と全国民にとって受容可能な解決策には、根本的な政治的解決が不可欠だ。
数千人にのぼる失踪者・政治犯の釈放と、虐殺と戦争犯罪の責任追及が必要であり…、正義なくして和解も平和もあり得ない。もしこの暴力と混乱が阻止されなければ、それはシリア全土に拡大する。

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ダイル・ザウル県でダーイシュによるシリア民主軍への攻撃が多発(2025年7月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、CONOCOガス田の製油所近くで、重火器を装備し、オートバイに乗ったダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーがシリア民主軍の検問所を襲撃した。

また、ハワーイジュ村でも、オートバイに乗ったダーイシュのスリーパーセルのメンバーが自動小銃でシリア民主軍所属の軍用車両を襲撃した。

さらに、サウア村での検問所でも、ダーイシュのスリーパーセルのメンバーが拳銃でシリア民主軍隊員1人を銃撃、隊員を負傷させた。

シリア人権監視団によると、ブサイラ市で、ダーイシュのスリーパーセルがシリア民主軍部隊を襲撃し、兵1人を殺害、2人を負傷させた。

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シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官はパリでバロ外務大臣とフランスと会談(2025年7月25日)

ANHAによると、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、フランスのジャン・ノエル・バロ外務大臣とフランスの首都パリで会談した。

会談は、フランスおよび米国の共同後援のもと、シリア民主軍とアフマド・シャルア移行期政権との間で予定されている交渉会議に向けた準備の一環。

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シリア民主軍はバッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使に対してスワイダー県での殺戮に介入するよう要請(2025年7月24日)

シリア民主軍の広報責任者ファルハード・シャーミー氏は、アル・ヤウムTVのインタビューに応じ、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使に対してスワイダー県での殺戮に介入するよう要請したことを明らかにした。

シャーミー氏は、スワイダー県での事件について、アフマド・シャルア移行期政権が治安手段と武力に依存し、諸社会集団の権利を無視するという「誤った政策」の延長であり、それが政府と国民との間に亀裂を生んでいる」と非難した。

また、シャルア移行期政権とシリア民主軍の対立について、移行期政権が内政よりも外政を重視し、対外的保証に基づき政策を決定していること、同政権がシリア民主軍との交渉を「単に自身の影響力拡大の手段」としか見なしていないことが核心にあると述べた。

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シャルア移行期政権の高官筋はパリで行われたシリア民主軍との交渉での政権側の姿勢を批判(2025年7月24日)

アフマド・シャルア移行期政権の高官筋は、イフバーリーヤ・チャンネルに対して、フランスのパリで行われたシリア民主軍との交渉での政権側の姿勢について以下の通り述べた。

・シリア国家は、国家の統一と主権的機関の原則に反するような、威圧や事前条件の押し付けに基づくいかなる言説も、過去にも将来にも受け入れない。
・真の国民対話は、武力による圧力の下ではなく、いかなる外部勢力にも頼らず、国家の統一とシリア国家の権威への完全なコミットメント、そして正統な機関への忠誠を通じてのみ実現される。
・「武器の放棄拒否」や「軍事ブロックの維持」といった主張は、完全に受け入れがたいものであり、統一国家軍の構築原則や、今年3月にアフマド・シャルア暫定大統領とマズルーム・アブディそうしれ間との間で署名された合意の基本と矛盾している。
・シリア軍機構の外にあるいかなる軍事組織も、国家にとって正当なものとは見なされず、武装の継続や国家機関からの分離を維持しようとするいかなる試みも、緊張と分断を深める道であり、包括的な国家的解決にはつながらない。
・スワイダー県や沿岸地域での出来事を口実に、国家機関への統合拒否やその意図を疑う行為は、断じて非難されるべきであり、世論を扇動し、事実を歪曲しようとする露骨な試みを反映している。
・シリア国家は、あらゆる困難にもかかわらず、スワイダー県での流血や内乱を防ぐために多大な努力を払い、引き続き全県でその国民的役割を果たしており、いかなる構成員の違いによっても区別を行っていない。
・シリア国民のアイデンティティは、特定の地域や軍事組織から形成されるのではなく、一つの憲法と統一された国家機関を有する国家への帰属を通じて築かれるものである。
・「独自のアイデンティティ」への呼びかけは、国民性の原則と矛盾し、いかなる状況下でも容認されない分離主義的な呼びかけである。
・シリア国家は、責任から逃れたことはなく、常に祖国の全人民を差別なく保護する唯一の当事者であり続け、平和と安定の実現に向けて、国民すべてとの対話を継続する。
・シリア政府は、持続的な政治的解決への唯一の道は、国家の庇護下へ戻り、いかなる先入観的条件や武力による脅迫、外部プロジェクトへの依存から離れた形で、国家主権と領土一体性の下で真剣な国民対話を開始することにあると強調した。

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なお、アラビーヤ・チャンネルは23日、速報でシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官がアフマド・シャルア移行期政権の関係者と会談するため、フランスの首都パリに到着したと報じていた。

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シリアの政治活動家、有識者らがシリア救国戦線を結成し、反体制派の統一と民意の回復を主唱(2025年7月24日)

シリア人権監視団ダルアーの囚人などによると、シリアの政治活動家、有識者らが、シリア救国戦線の結成を発表した。

同戦線は、現状をシリア史における「分岐点かつ決定的瞬間」と強調、反体制派の統一と民意の回復を主唱した。

マンスール・アブドゥッラーがXに転載した発足声明では、暫定憲法宣言の修正と3ヵ月以内に新たな国民会議の開催を現下の要求だとしたうえで、アフマド・シャルア移行期政権に対して今後以下の措置を講じるよう求めている。

1. スワイダー県における完全かつ恒久的な停戦の実施、医療・救援物資の迅速な直接搬入(市街地・村落・部族地域含む)、人的・物的損失への具体的な補償措置の即時実施。
2. 民間・人権・アラブ・国際機関の監督のもとで、すべての当事者による攻撃と違反行為の再発防止の保証。
3. あらゆる住民の強制移住の即時停止、シリア国内におけるいかなる人口構成の強制変更の非難、すべてのシリア人が自らの土地と家に戻る権利の承認。武力による事実変更はすべて違法かつ非難されるべきであり、法律によって処罰されるべきである。
4. 国家枠組み外のすべての武器を非合法と見なし、すべての軍事勢力は新たなシリア国家に武器を引き渡す義務を負うことを明確に宣言。この武装解除プロセスは、速やかに開催される全国包括会議のもとで時期と手続きが定められる。
5. 独立・中立的な調査委員会の設立。これは、人権団体およびその独立性と信頼性が認められたシリア市民社会組織からの代表者、人権専門家、監視員で構成される。
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ハサカ県アリーシャ・キャンプに収容されていた国内避難民(IDPs)45世帯231人がダイル・ザウル県に帰村(2025年7月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の管理下にあるアリーシャ・キャンプに収容されていた国内避難民(IDPs)45世帯231人がダイル・ザウル県に帰村した。

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アラビーヤ・チャンネル速報:シリア民主軍のアブディー総司令官がシャルア移行期政権の関係者と会談するためパリに到着(2025年7月23日)

アラビーヤ・チャンネルは、速報でシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官がアフマド・シャルア移行期政権の関係者と会談するため、フランスの首都パリに到着したと報じた。

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アサーイシュがダイル・ザウル県サアワ村の検問所でダーイシュのスリーパーセルの襲撃を受け、隊員1人が負傷(2025年7月23日)

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)がサアワ村の検問所でオートバイに乗った武装グループの襲撃を受け、隊員1人が負傷した。

シリア人権監視団によると、襲撃犯はダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバー。

一方、シリア人権監視団によると、ガラーニージュ市で、住民2人がオートバイに乗った2人組の武装グループによって至近距離から銃撃され、死亡した。

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北・東シリア地域民主自治局の環境委員会は、新共同議長候補として2名を選出(2025年7月23日)

ANHAによると、

北・東シリア地域民主自治局の環境委員会(環境省に相当)は、新共同議長候補としてラシャー・アフマド・フドル氏とジュワーン・ムラード氏の2名を選出した。

両名の任命は、民主諸人民議会(議会に相当)の承認を経て、正式決定される予定。

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シリア民主評議会はスワイダー県における危険な治安情勢、武装衝突、民間人に対する暴力の激化を非難(2025年7月22日)

シリア民主評議会は、フェイスブックを通じて声明を出し、スワイダー県における危険な治安情勢、武装衝突、民間人に対する暴力の激化を極めて深い懸念を表明、事態が国をさらなる危機へと導き、宗派間・地域間の内部崩壊を予兆するものであるとしたうえで、その背景には、政治的行き詰まりと包括的国家の不在があると非難した。

声明では、すべて敵対行動の即時停止と、透明かつ独立した調査の実施、加害者の無差別かつ公正な責任追及を求めるとともに、すべての民主的・国家的勢力が参加する包括的な国民対話の開始、そして移行期正義に基づく新たな政治的枠組みの策定を目的とした国民会議の開催を緊急に呼びかけ、独裁の終焉、分権的・多元的な民主主義体制を通じた国民全体の実質的な参画の保障を訴えた。

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ハサカ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるカーミシュリー市の国連事務所前で、ジャーナリストおよび活動家ら数十人がスワイダー市での暴力と殺害に抗議し、平和を訴える連帯デモを実施した。

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ベドウィン・部族系武装勢力が停戦違反を繰り返す:「部族軍」を名乗る武装勢力がシャフバー町、ウンム・ザイトゥーン村などを無人航空機で攻撃(2025年7月21日)

シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力による停戦違反が各所で確認され、ウンム・ザイトゥーン村・スワイムラ村間、シャフバー町近郊のシーハーン丘およびドゥルーズ派の聖地であるシーハーン霊廟、アリーカ村に対して迫撃砲や無人航空機による攻撃が行われた。

スワイダー24によると、無人航空機による攻撃が、停戦合意を破った武装集団によってシャフバー町の防衛線に対して行われた。

スワイダー24によると、ウンム・ザイトゥーン村で交戦が確認された。

スワイダー24によると、アリーカ村に迫撃砲弾が着弾した。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力はシャフバー町を、赤外線カメラを搭載した無人航空機で複数機で攻撃し、住民9人が負傷した。

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シリア人権監視団によると、ウンム・ザイトゥーン村でも、ドゥルーズ派武装勢力とベドウィン・部族系武装勢力が一進一退の戦闘を繰り広げた。

スワイダー24によると、「部族軍」を称する武装勢力がウンム=ザイトゥーン村近郊の穀物サイロを攻撃した。

また、シャフバー町を無人航空機で攻撃したのもこの武装勢力だという。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力は、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師の出身地であるカナワート市に向かって進攻を開始し、ドゥルーズ派武装勢力側との戦闘で4人が死亡した。

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スワイダー24は、スワイダー市での国防省・内務省の合同部隊(の制服を着た要員)によるドゥルーズ派に対する虐殺の映像を公開した。

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シリア人権監視団によると、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃などでの死者は1,265人となった。

内訳は以下の通り:
●スワイダー県の住民:609人(民間人104人を含む。うち子ども6人、女性16人)
●国防省および内務省治安部隊の要員:440人(うちベドウィン部族出身者32人、レバノン国籍の武装要員1人を含む)
●イスラエルの爆撃によって死亡した国防省・内務省の要員:15人
●国防省の庁舎へのイスラエル爆撃で死亡:3人(女性1人、不明身元2人)
●交戦中に死亡した報道関係者:1人
●国防省・内務省の要員による処刑で死亡:194人(女性28人、子ども8人、高齢男性1人を含む)
●ドゥルーズ派武装勢力による処刑で死亡したベドウィン・部族の住民:3人(女性1人、子ども1人を含む)

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シリア人権ネットワークによると、7月13日以降、少なくとも558人が死亡、783人以上が負傷した。

死者のうち、女性17人、子ども11人、医療関係者6人(うち女性3人)、報道関係者2人。

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ドゥルーズ派武装勢力側は、善意の証として拘束していたベドウィン・部族系武装勢力の捕虜約1300人を釈放(2025年7月21日)

シリア人権監視団によると、ドゥルーズ派武装勢力側は、善意の証として、拘束していたベドウィン・部族系武装勢力の捕虜約1300人を釈放した。

今後48時間以内に、それ以外のベドウィン・部族系武装勢力、国防省・内務省の要員も釈放される見込みで、これに対して、ベドウィン・部族系武装勢力側もドゥルーズ派の捕虜110人を解放すると見られる。

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尊厳のシャイフ軍団の指導者であるライス・バルウース氏がビデオ声明でヒジュリー師を非難:尊厳の男たち運動は声明でこれを否定(2025年7月21日)

尊厳の男たち運動の創設者であるワヒード・バルウース師(2025年9月に戦死)の息子で、尊厳のシャイフ軍団の指導者であるライス・バルウース氏は、イフバーリーヤ・チャンネルを通じてビデオ声明を出し、スワイダー県で続く衝突や人道危機に関して、「もう一方の当事者」に責任があると述べ、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師を暗に非難した。

ライス氏は、アフマド・シャルア移行期政権と地元指導者たちとの間で調整役を務めてきたが、ヒジュリー師に忠誠を誓う諸派の反発に直面していた。

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尊厳の男たち運動はフェイスブックを通じて声明を出し、この発言について、イフバーリーヤ・チャンネルなどの公式メディアを通じて流布された内容を否定するとしたうえで、これらメディアを、組織的な情報操作を通じて無辜の血を流す共犯者であると見なすと表明した。

また、公式フェイスブック・アカウント以外から発出されたあらゆる声明やコメントは、尊厳の男たち運動の立場を一切代表するものではないと強調した。

声明では、ライス・バルウース氏のインタビューについて、同氏が尊厳の男たち運動の一員でも幹部でもないと強調した。

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さらに、別の声明では、戦闘で殉教した46人の指導者・戦闘員の氏名を公表した。

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ダイル・ザウル県バーグーズ村で、ユーフラテス川を渡ってオートバイを運搬しようとしていた密輸業者の男性がシリア民主軍に銃撃され死亡(2025年7月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、バーグーズ村で、ユーフラテス川を渡ってオートバイを運搬しようとしていた密輸業者の男性が、シリア民主軍に銃撃され死亡した。

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スワイダー軍事評議会:スワイダー県での人道的侵害と蹂躙を「ダーイシュとヌスラ戦線による過去の攻撃の延長線上にある」と非難、徹底抗戦を改めて表明(2025年7月20日)

ANHAによると、スワイダー軍事評議会は国際世論に向けて声明を出し、スワイダー県で無辜の民間人に対する忌まわしい人道的侵害と蹂躙が繰り返されているとしたうえで、これを「ダーイシュ(イスラーム国)およびヌスラ戦線(現アフマド・シャルア移行期政権)による過去の攻撃の延長線上にある」と非難した。

また、停戦合意が成立したとの一連の発表にもかかわらず、「現場では何の効果も見られず、同胞の血が抑止されることなく流されている」と指摘、アフマド・シャルア移行期政権の対応について、「これまでに誠意ある応答や具体的な対応は何ひとつ得られていない」と失望を露わにした。

そのうえで、スワイダー軍事評議会は、独立した報道機関および国際的な専門委員会に対して、ドゥルーズ派住民に対する集団虐殺の犯罪を緊急に記録・調査するよう強く求めたるとともに、引き続き抵抗を続けスワイダー県を防衛すると表明した。

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北・東シリア地域民主自治局はスワイダー県の住民に向けた緊急人道支援車輌隊の準備を完了(2025年7月20日)

ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局は、スワイダー県の住民に向けた緊急人道支援車輌隊の準備を完了した。

車輌隊は現在、支援物資を届けるための安全な通行回廊の確保を待っている状況にあるという。

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