イスラエル軍の有人戦闘機および無人航空機がベドウィン・部族系武装勢力の攻撃に合わせて、爆撃を実施(2025年7月20日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県中部、ゴラン高原のマンタラ・ダム近くの公園一帯で大規模部隊を展開させた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル空軍の戦闘機が、スワイダー県西部のアリーカ村、ダルアー県北西部のナワー市、クナイトラ県のハーン・アルナバ市の上空に飛来した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の有人戦闘機および無人航空機は、ベドウィン・部族系武装勢力が攻撃を開始したのに合わせて、爆撃は、マズラア町とアリーカ村を結ぶ道路、ダウル村とマズラア町を結ぶ道路、ウンム・ザイトゥーン村一帯、スワイムラ村近くに対して集中して行われた。

また、ダーマー村も無人航空機によるとみられる爆撃を受けた。

一方、イスラエルのヘリコプターがスワイダー県の上空を飛行し、住民に向けて物資を投下したとの情報もある。

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ドゥルーズ派武装勢力の捕虜となったスルターン・スライマーン・シャー師団(シリア国民軍)のメンバーがスワイダー県でのドゥルーズ派虐殺への移行期政権と外国人戦闘員の関与を自白(2025年7月20日)

シリア人権監視団は、アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊(新シリア軍)に合流したシリア国民軍所属のスルターン・スライマーン・シャー師団(通称アムシャート師団、現在はシリア軍第62旅団に再編)のメンバーで、ドゥルーズ派武装勢力に捕虜として捉えられたとする男性の証言ビデオを入手したと発表した。

この男性は、自身が同旅団の兵士であることを認めたうえで、スワイダー県への襲撃に、ウズベク人やトルキスタン人といった外国人戦闘員200人から300人が加わり、その一部は爆発物処理や軍事工学の専門家だったと証言した。

また、スワイダー県での作戦開始に先立って、ハマー県のアシャーリナ村方面から約800台の軍用車輌が集結し、ダルアー県を経由して、スワイダー県のウルガー村を通過、スワイダー市内に進入したという。

この男性はさらに、「捕虜にしたドゥルーズ教徒は全員殺害または斬首せよ」との指示を受けていたと証言、これを「宗派大量虐殺の方針」と評したという。

男性によると、作戦指揮者らは国防省直属部隊であることを意図的に隠し、イスラエルによる爆撃の標的になることを回避しようとした。

また、攻撃には、内務省治安部隊も参加、地元のベドウィン系武装集団が主体をなすような報道内容を否定した。

証言の最後で、男性は自発的に投降し、武器と軍服を差し出したことを明かし、拘束後は良好な扱いを受けており、ビデオ撮影は拘束当日に行われたと付け加えた。

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スワイダー県では、停戦合意成立以降もベドウィンや部族からなる武装勢力による攻撃を受けて、ドゥルーズ派武装勢力との間に戦闘発生(2025年7月20日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、停戦合意が成立したにもかかわらず、19日深夜から20日未明にかけて、シャフバー町とウンム・ザイトゥーン村を結ぶ街道沿線で、散発的な交戦が確認された。

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シリア人権監視団によると、ベドウィンや部族からなる武装勢力がアリーカ村、リーマ村、ハーズィム村、シャフバー町を攻撃、ドゥルーズ派武装勢力との間で戦闘となった。

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シリア人権監視団によると、このうちアリーカ村に進攻した部族系武装勢力に関しては、スワイダー県に至るすべての街道を封鎖しているシャルア移行期政権当局が意図的に進入を許したとの疑問が噴出しているという。

停戦合意の成立を受けて、アフマド・シャルア移行期政権の内務省治安部隊は、緊張緩和のため、スワイダー県に通じる道路に土嚢や盛り土によるバリケードを設置し、これを封鎖し、各地の部族系武装勢力の進入・参戦を阻止、救急車を除く車輌の通行を遮断している。

なお、ドゥルーズ派武装勢力は戦闘の末、アリーカ村、リーマ村、ハーズィム村を制圧した。

一方、捕虜交換が予定されていたウンム・ザイトゥーン村では、ベドウィン・部族系武装勢力が進攻、ドゥルーズ派武装勢力と戦闘となった。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力がウンム・ザイトゥーン村を砲撃、これを受けて捕虜交換の実施は見送られた。

捕虜交換の2段階からなり、第1段階は19日にドゥルーズ派の女性4人とベドウィン側の若者1人がそれぞれ解放されたが、20日に予定されていた第2段階は中止された。

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シリア人権監視団によると、ブスターン村、ダーマー村、ナジュラーン村でベドウィン・部族系武装勢力の大規模集結が確認された。

この動きは、近隣村落への新たな進攻の準備と見られる。

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SANAによると、民間防衛機構(旧民間防衛隊、ホワイト・ヘルメット)は声明を出し、7月16日にスワイダー市内で消息を絶った緊急対応センター責任者であるハムザ・アマーリーン氏の即時釈放を、同市の関係当局に対して改めて強く求めた。

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シリア人権監視団によると、7月13日(日)以降の戦闘や処刑による死者は1,120人に上っている。

内訳は以下の通り:
●スワイダー県民:531人(うち民間人104人、子ども6人、女性16人)
●国防省・内務省総合治安局関係者:373人(うちベドウィン18人、レバノン国籍戦闘員1人含む)
●国防省・内務省職員:15人(イスラエルの爆撃により死亡)
●市民3人(うち女性1人、不明者2人。イスラエルの国防省庁舎への爆撃で死亡)
●報道関係者1人(スワイダー県での戦闘中に死亡)
●国防省・内務省関係者による処刑:194人(うち女性28人、子ども8人、高齢男性1人)
●ドゥルーズ派武装勢力による処刑:3人(ベドウィンの女性1人と子ども1人含む)

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ABC Newsによると、国連国際移住機関(IOM)によれば、今回の戦闘により計128,571人が避難を強いられているという。

このうち、前日(7月19日)に避難したのは43,000人は達するという。

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ハサカ県でアサーイシュの隊員5人が麻薬密売犯との撃ち合いで死傷(2025年7月19日)

ハサカ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)がカーミシュリー市南のタルタブ村で、麻薬密売人の自宅に対する強制捜査を実施したが、その打ち合いとなり、隊員1人が死亡、4人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアブー・ハシャブ村近くの分岐点付近で、銃で殺害された男性が遺体で発見された。

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ハマー県、ダマスカス郊外県でアラウィー派が相次いで殺害される(2025年7月19日)

ハマー県で、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市近郊のザグリーン村で、武装グループがアラウィー派の住民2人を銃で撃ち殺害した。

シリア人権監視団によると、ハマー市でもアラウィー派の男性が正体不明の武装グループに銃撃され、死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ディーマース町で、オートバイに乗った正体不明の武装グループがアラウィー派の若い男女の2人を至近距離から銃撃し、死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合所属と見られる無人航空機がブーカマール市近郊のスィヤール村を爆撃し、1人が重傷を負った。

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SANAによると、国防省第70旅団のパトロール部隊が、国境付近でヨルダンに密輸されようとしていたと見られる大麻樹脂28キロを押収した。

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スワイダー県各所でベドウィン系武装勢力とドゥルーズ派武装勢力の戦闘が続くなか、ドゥルーズ派武装力はスワイダー市からベドウィン系武装勢力を排除、シャルア移行期政権側は無人航空機で攻撃(2025年7月19日)

SANAによると、スワイダー市内では、ベドウィン系武装勢力とドゥルーズ派武装勢力の衝突が続いた。

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イナブ・バラディーは、ダルアー県に避難したベドウィン系住民らの話として、ドゥルーズ派武装勢力が、スワイダー県内のモスクにベドウィン系住民を集めて、人間の盾としていると伝えた。

シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装勢力に加勢するために各地から参集した部族系武装勢力の参戦を受けて、サファー丘陵地帯などで新たに戦闘が発生した。

また、ダマスカス郊外県のジャルマーナ市でも断続的な交戦が発生した。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装勢力、国防省・内務省の合同部隊がマジャイミル村を砲撃、ムトゥーナ村、ラーヒサ村を攻撃した。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装勢力、国防省・内務省の合同部隊がカフル・ラフフ村、スワイムリー村を襲撃、ウンム・ザイトゥーン村を砲撃し、住民らが死傷、略奪が行われた。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装勢力、国防省・内務省の合同部隊がウルガー村方面からスワイダー市内に進攻、ドゥルーズ派武装勢力と各所(サウラ地区、住宅地区、西部および北部など)で激しい市街戦を繰り広げた。

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シリア人権監視団によると、スワイダー市でドゥルーズ派武装勢力が大規模な犯行を行い、イムラーン交差点などで激しい戦闘が発生、ベドウィン系武装勢力は19日夜までに市内から撤退した。

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シリア人権監視団によると、アリーカ村にベドウィン系武装勢力と国防省・内務省の合同部隊が進攻し、ドゥルーズ派武装勢力と激しい戦闘になった。

また、戦闘では、シャルア移行期政権所属の無人航空機による村への攻撃が行われた。

一方、シャフバー町で両者が交戦した。

シリア人権監視団によると、7月13日以降、衝突、処刑、イスラエルの爆撃などによる死者は、合計940人に達した。

死者の内訳は以下の通り:
●スワイダー県住民:406人(うち民間人80人、子ども4人、女性4人を含む)
●国防省部隊および内務省総合治安機関:330人(うち部族系ベドウィン出身者18人)
●国防省および内務省の要員:15人(イスラエルの爆撃により死亡)
●国防省庁舎へのイスラエル爆撃による死亡:3人(女性1人、身元不明者2人)
●スワイダー県での戦闘中に死亡した報道関係者:1人
●国防省および内務省の要員による処刑:182人(女性26人、子ども6人、高齢男性1人を含む)
●ドゥルーズ派武装勢力による処刑:3人(ベドウィン、うち女性1人と子ども1人)













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シリア人権監視団:大統領府がダルアー県の有力者の仲介によるドゥルーズ派とベドウィン系武装グループの停戦を「承認すれば敗北を認めたことになる」として拒否(2025年7月18日)

シリア人権監視団は独自筋から得た情報として、大統領府がダルアー県の有力者の主導のもと、スワイダー県の宗教指導者や現地の指導者と、両県にまたがるハウラーン地方のベドウィンとの間で交渉されていた停戦を拒否したと発表した。

停戦は、スワイダー県住民とベドウィンとの間の衝突を終わらせる恒久的な停戦を目的としていた。

この合意は、ダルアー県の有力者たちが主導し、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒクマト・フジュリー師や他の有力勢力と連携して進められていたもので、第1段階として拘束者全員の釈放に応じ、ハウラーン地方の有力者の仲介のもとで恒久的な平和解決を目指すというものだった。

大統領府は、この交渉への対応をスワイダー県のアフマド・ダッラーティー内務治安司令官(准将)に委任し、同司令官はフジュリー師らと協議を経て大統領府に停戦合意への承認の是非を問い合わせたところ、大統領府から拒否するとの回答があったという。

拒否の理由は、合意を承認すれば、敗北を認めることになる、というもの。

大統領府はまた、スワイダー県解放のために部族を動員することには賛同していないとしつつ、「この問題を政府として扱う用意はない。地域の住民が自力で解決すべきだ」と回答したという。

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人民議会議事堂前でダイル・ザウル県出身の若者らが、国内の暴力やシリア人に対する攻撃に抗議するための平和的座り込みデモを行ったが、治安当局はこれを排除(2025年7月18日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、人民議会議事堂前で、ダイル・ザウル県出身の若者らが、国内の暴力やシリア人に対する攻撃に抗議するための平和的座り込みデモを行ったが、治安当局はこれを排除した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で、正体不明の武装グループが住民に対して至近距離から発砲し、その場で殺害した。

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クナイトラ市と県西部を結ぶ幹線道路の通称「国旗の交差点」が、イスラエル軍によってほぼ完全に掘削・撤去される(2025年7月18日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、クナイトラ市と県西部を結ぶ幹線道路の通称「国旗の交差点」が、イスラエル軍によってほぼ完全に掘削・撤去され、狭い通行路のみを残すかたちとなった。

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スワイダー県でドゥルーズ派武装勢力とベドウィン系武装グループの戦闘が激化:ヒムス県、ダイル・ザウル県、イドリブ県の部族武装グループがスワイダー県入り(2025年7月18日)

シリア人権監視団は、スワイダー県での人道状況が悪化し、スワイダー市などの都市機能が完全に麻痺しているなか、住民が水、食料品、医薬品などの基本的な生活必需品を確保するための緊急の人道回廊の開設を求めていると発表した。

また前線に近いマズラア町、カナーキル村、サアラ村などから多くの住民が避難を余儀なくされているという。

シリア人権監視団によると、サフラト・バッラータ村、ルバイン村などから避難民も流出した。

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スワイダー24によると、スワイダー県西部・北部・北東部の3つの戦線で戦闘が続き、県外からの武装グループが参集するなかで人道危機が同県で深刻化し、この数日間でスワイダー市および西・北部の村々から8万世帯以上が、ヨルダン国境地帯に向かって避難した。

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ダルアー県はフェイスブックを通じて、アンワル・ターハー・ザウビー知事の指示のもと緊急委員会が設置、スワイダー県からの避難民のニーズへの支援を行っていると発表した。

発表によると、支援はベドウィン系住民への(ドゥルーズ派の)襲撃で避難を余儀なくされえた1,000世帯以上を対象として行われており、避難民は主にブスラー・シャーム市、マアルバ町、東ガーリヤ村、フラーク市、イズラア市、ブスル・ハリール市などに身を寄せている。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装グループがズカイル村近郊に進攻、別のグループがワルガー村、マズラア村に展開、ドゥルーズ派と断続的に交戦、住民が所有する家屋や商店に放火した。

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シリア人権監視団によると、戦闘はまた、大スーラ村付近でも確認された。

シリア人権監視団によると、18日夕刻には、スワイダー市内の複数の住宅地およびドゥルーズ派武装勢力の拠点に対して、激しい砲撃とロケット弾による攻撃が加えられた。


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シリア人権監視団によると、ヒムス県の部族からなる3つの部隊が数百人規模の戦闘員を率いてスワイダー県に向かった。

また、ダイル・ザウル県からも部族の武装グループが移動を開始した。

シリア人権監視団スワイダー24によると、これら部族の武装グループは、スワイダー県東のバーリク村周辺に集結した。

このほか、イドリブ県からも武装グループがスワイダー県に向かった。

さらにダマスカス県アッバースィーン広場でも、スワイダー県に向かう武装グループが多数確認された。

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民間防衛機構(旧民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット))はテレグラムを通じて、スワイダー市内での避難任務を実施するために現地入りしていた同機構の緊急対応センター責任者であるハムザ・アマーリーン氏との連絡が途絶えたと発表した。

アマーリーン氏は18午後4時半頃に民間防衛機構の車輛でスワイダー市に入り、国連チームからの避難支援要請に対応していた。

アマーリーン氏に保護されて避難していた女性によると、同氏は、スワイダー市内のイムラーン交差点で地元の武装勢力に車を止められ、連行されたという。

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シリア人権監視団によると、7月13日に始まった一連の戦闘、即決処刑、イスラエルによる爆撃による死者数は合計で638人に達した。

内訳は以下の通り:

●スワイダー県の住民:219人、うち73人は民間人(子ども4人、女性4人を含む)
●国防省と内務省治安部隊の要員:285人(このうち18人はベドウィン)
●イスラエルの爆撃で死亡した国防省および内務省の兵士・隊員:15人
●国防省庁舎(ダマスカス県)へのイスラエルの爆撃による死者死亡:3人(女性1人と身元不明2人)
●スワイダーでの戦闘中に死亡したジャーナリスト:1人
●国防省と内務省の合同部隊による処刑の犠牲者:112人(うち女性13人、子ども3人、高齢男性1人)
●ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィンの民間人:3人(女性1人と子ども1人を含む)

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シリア人権ネットワークによると、7月13日から18日までの期間に、スワイダー県で少なくとも321人のシリア人(うち子ども6人、女性9人(そのうち1人は孫の死の報を受けて心臓発作で死亡))が殺害され、さらに436人以上が重軽傷を負ったことを明らかにした。

この数字は、同ネットワークが入手・検証した初期情報に基づいており、今後の情報更新により修正される可能性があるという。

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シリア民主軍所とアサーイシュがラッカ県での治安作戦でダーイシュのメンバーと見られる30人以上を逮捕(2025年7月17日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市で、シリア民主軍所属の特殊部隊と北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が2回の治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと見られる30人以上を逮捕した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍の拘置施設から逃走を試みた青年(アカイダート部族)が、同軍兵士によって射殺された。

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イスラエル軍はベドウィン系武装グループがスワイダー県ワルガー村に進攻したことを受けて、無人航空機で同村近く武装グループ戦闘員の集結地を爆撃(2025年7月17日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がシリア軍第107旅団基地を爆撃し、複数回の爆発が確認された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、複数の車輛からなるイスラエル軍部隊がカトナー市近郊のカルアト・ジャンダル村に侵入した。

カルアト・ジャンダル村はドゥルーズ派が多く暮らしている。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の軍用車輌2台(四輪駆動車)が、ラフィード村一帯に越境侵入した。

また、クナイトラ市のアラム(国旗)交差点付近でも、イスラエル軍の軍用車輌4台が展開している様子が目撃されたほか、ジュバーター・ハシャブ村でもイスラエル軍の動きが確認された。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装グループがワルガー村に進攻したことを受けて、イスラエル軍無人航空機が同村近く武装グループ戦闘員の集結地を狙って爆撃を実施した。

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シャルア移行期政権の演説に沿って内務省治安部隊がスワイダー県から撤退したのを受けて、ドゥルーズ派武装勢力がベドウィン系住民を殺害、住民らが避難を開始(2025年7月17日)

SANAは、シャルア暫定大統領の演説でワイダー県の治安維持を地元武装勢力と宗教指導者に委ねたと発表、これに沿って、内務省がスワイダー県内の治安維持の一部を地元武装勢力とドゥルーズ派の宗教指導者に委ねたことを受けて、違法なグループがマクワス村を襲撃し、民間人に対する虐殺と人権侵害を行った。

このグループは、女性や子どもに対する虐殺行為、ならびに部族や遊牧民に対する処刑や深刻な人権侵害を行い、多数の民間人が死傷したという。

SANAによると、こうした事態を受けて、17日早朝から、県内の遊牧民の間で避難や強制移動の動きが確認されている。

また、シリア人権監視団も、ドゥルーズ派武装勢力がベドウィン系住民3人(子ども1人、女性1人を含む)に対して実行されたとされる即決処刑の様子を捉えた映像と写真を入手したとしたうえで、ドゥルーズ派武装勢力が、マクワス村に居住するベドウィン系住民に対し、本日午後までの退去を通告したと発表した。

これを受けて、マクワス村、サフワト・バッラータ村、ムシャウリブ村、ザイトゥーナ村、ハルービー村、シャクラーウィーヤ村、バルカシャ村、マンスーラ村、ナブア・イラー村、マズラア町などのベドウィン系住民が避難を開始した。

さらに、シリア人権監視団によると、タアーラ村、ダウル村、ドゥワイラ村、ティーラ村にベドウィン系武装グループが再び展開した。

一方、スワイダー24によると、武装グループが大スーラ村に設置されているアフマド・シャルア移行期政権の国防省の検問所を通って、スワイダー県北部および西部方面に進入した。

また、別の武装グループもサアラ村方面から四輪駆動車やオートバイで進入、迫撃砲による砲撃を行った。

これに先立って、シャフバー町のベドウィン系住民の居住区やリーマト・ラフフ村周辺で戦闘が発生し、死傷者が出たほか、一部住民がダルアー県東部に避難した。

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シリア人権監視団スワイダー24は、シャルア移行期政権の国防省と内務省の合同部隊が撤退した後のスワイダー市の映像や画像を掲載(転載)し、家屋、店舗、車などが破壊され、遺体が横たわる街中の様子を紹介した。









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シリア人権監視団によると、カファル村から避難したベドウィン系住民らがドゥルーズ派(バニー・マアルーフ家)の保護を受けた。

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シリア人権監視団によると、13日以降の戦闘やイスラエル軍の爆撃による死者は597人にのぼっている。

内訳は以下の通り。
●スワイダー県出身者:217人(うち民間人71人、子ども4人、女性4人)
●国防省および内務省治安部隊の要員:275人(うちベドウィン系住民18人)
●イスラエル爆撃により死亡した国防省・内務省の要員:15人
●国防省ビルへの爆撃により死亡:3人(女性1人、身元不明2人)
●戦闘で死亡した報道関係者:1人
●国防省と内務省の合同部隊による即決処刑で死亡:83人(女性4人、高齢男性1人を含む)
●ドゥルーズ系武装勢力による即決処刑:3人(ベドウィン系住民の女性1人と子ども1人を含む)

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ダーイシュのスリーパーセルがダイル・ザウル県でアサーイシュの隊員2人が乗った車輛を襲撃(2025年7月16日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ヒサーン村で、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーが北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員2人が乗った車輛を襲撃、負傷させた。

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正体不明の武装グループがヒムス市アダウィー地区で3人の若者に向けて至近距離から発砲し、全員を殺害(2025年7月16日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装グループがヒムス市アダウィー地区で3人の若者に向けて至近距離から発砲し、全員を殺害した。

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スワイダー市などで戦闘続き、シャルア移行期政権の国防省と内務相の合同部隊による即決処刑、略奪が多発(2025年7月16日)

SANAによると、国防省の広報通信局は、スワイダー市の有力者たちとの間で停戦合意が結ばれた後にもかかわらず、法に反する武装グループが再び市内でシリア軍および内務省治安部隊を攻撃したと発表し、これに対する軍の正当な報復権についてはこれまでの通達でも明確にされていたと強調した。

国防省はSANAの取材に対し、「軍部隊は現在もスワイダー市内における発砲源に対して反撃を継続しており、市民の安全と被害回避を最大限に考慮しつつ、避難した市民が安全に帰宅できるよう努めている」と述べた。

これに関して、シリア人権監視団は、スワイダー国立病院が国防省と内務省の合同部隊の包囲を受けており、攻撃・突入の脅威に晒されているとして発表の内容を否定した。

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一方、スワイダー24は速報などで以下の通り伝えた。

23:55 スワイダー市の住宅街や周辺の村々に対して2時間以上にわたって砲撃が続く中、各地で衝突が継続した。

01:32 サアラ村で15日、80歳代のムルヒジュ・シャーヒンさんが、村に進攻してきたシャルア移行期政権の国防省と内務省の合同部隊によって髭を無理やり剃られるなどの嫌がらせを受けたのちに処刑された。

9:36 スワイダー市、サフワト・ブラータ村、ラッサース村が激しい砲撃を受け、死傷者が出たとの情報が伝えられる一方、スワイダー市の病院への道が遮断され、救急搬送に支障が生じている。

10:51 スワイダー市で医師のトルアト・アーミル氏が即決処刑された。

11:36 スワイダー国立病院周辺に砲弾が着弾。

14:02 前政権に対する闘争で知られる医師のフサーム・シューフィー氏の娘ターラーさんが頭部を狙撃されて死亡。

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スワイダー24は、スワイダー市内で掃討作戦を行うアフマド・シャルア移行期政権の国防省と内務省の合同部隊に、ダーイシュ(イスラーム国)が使用していたマークを付けている戦闘員が含まれていると伝えた。

また、シリア人権監視団は、ダーイシュのマークを胸に付けたシリア国防省第82旅団の兵士の映像を公開した。

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16:42 シャルア移行期政権の国防省と内務省の合同部隊による即決処刑が多発していることを受けて、スワイダー県全域で大規模な蜂起が発生、街中では拡声器を通じて、「自らの土地と名誉を守るために立ち上がれ」と、住民に対する呼びかけが行われた

18:37 スワイダー市のカナワート通りのキリスト教会付近、「マサーキン・フドル地区などで、家宅侵入、砲撃、略奪、人道危機が続いた。

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シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の国防省と内務省の合同部隊による住民の財産への略奪が多数確認された。

また、シリア人権監視団によると、スワイダー国立病院一帯で戦闘が続くなか、人道状況が悪化、医療スタッフや支援物資が市外から到達できない状態が続いた。

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ANHAシリア人権監視団などによると、イスラエル軍の首都ダマスカスなどに対する爆撃を受けるかたちで、スワイダー市に進攻していたアフマド・シャルア移行期政権の国防省および内務省の合同部隊が深夜に撤退を開始した。

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シリア人権監視団によると、13日朝から始まった戦闘、即決処刑、さらにイスラエルによる爆撃による全体の死者数は302人に達した。

内訳は以下の通り:

●スワイダー県出身の住民:82人(うち4人は子供、4人は女性)
●国防省および公安部所属の兵士:183人(うち18人は遊牧民部族)
●イスラエルの爆撃によって死亡した国防省・内務省所属の兵士:10人
●国防省および内務省所属の兵士によって即決処刑された市民:27人(うち女性4人、高齢者1人を含む)

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イスラエルは、首都ダマスカスの参謀本部、人民宮殿、スワイダー県、ダルアー県、ダマスカス郊外県各所を爆撃(2025年7月16日)

シリア人権監視団によると、イスラエル軍の戦闘機が、スワイダー県のサアラ村とシャクラウィーヤ村を結ぶ街道沿線、ダルアー県のフラーク市にあるシリア軍第52旅団の基地に対して爆撃を実施した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍はまた、スワイダー市でアフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊に所属する軍用車両を標的にした爆撃を実施した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍はさらに、スワイダー市周辺にある複数地点に対して、2回の爆撃を実施した。

うち1回はシャルア移行期政権の国防省所属の戦車を標的にしたもの。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、このほかにもムジャイミル村を無人航空機で攻撃し、シャルア移行期政権の国防省の幹部3人が死亡した。

シリア人権監視団によると、うち1人は前政権から離反した士官。

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SANAによると、イスラエル軍の戦闘機がダマスカス県の複数ヵ所およびダマスカス郊外県のカトナー市周辺に対して一連の爆撃を行い、ダマスカス県で3人が死亡、34人が負傷し、公的・私的財産にも損害が生じた。



シリア人権監視団によると、イスラエル軍が爆撃したのは、市中心部にあるシリア軍の参謀本部周辺の2ヵ所で、これにより2人が負傷した。

シリア人権監視団によると、爆撃はまた、マーリキー地区にあるビルやティシュリーン宮殿にも及んだ。

イナブ・バラディーによると、イスラエル軍は参謀本部に対して3度の爆撃を行った直後に、人民宮殿近くに対して爆撃を行った。

これに関して、イスラエル軍ラジオ局は、イスラエル空軍が首都ダマスカスの参謀本部を爆撃したと伝えた。

イスラエル軍ラジオ局はまた、爆撃を受けた参謀本部庁舎の様子を撮影した映像・画像を公開した。


イスラエル軍ラジオ局はさらに、イスラエル空軍が首都ダマスカスにある「ジャウラーニー大統領の大統領宮殿」付近に「警告的爆撃」を実施したと伝えた。

なお、この爆撃に先立って、イスラエルのイスラエル・カッツ国防大臣は、Xを通じて以下の通り述べていた。

ダマスカスへの警告は終わった。これからは痛みを伴う打撃が始まる。
イスラエル軍は、スワイダー県でドゥルーズ派を攻撃した勢力を完全に撤退させるまで、強力に作戦を続けていく。
イスラエル国内のドゥルーズ派の皆さん、シリアの兄弟たちを守るためにイスラエル軍が行動していると信じてほしい。ネタニヤフ首相と国防大臣である私は、この約束を引き受けた――そして、必ず果たす。






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SANAによると、イスラエル軍の戦闘機は首都ダマスカスなどへの爆撃と並行して、ダルアー県のダルアー市、ダマスカス・ダルアー高速道路周辺、ガバーギブ町東部に対して複数回の爆撃を実施し、市民らが負傷、物的被害が生じた。

一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の戦闘機がダルアー市、ジャバーブ村近郊のシリア軍第189連隊基地、ダルアー市西のシリア軍第132旅団基地などに対して複数回の爆撃を実施した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍はまた、ダマスカス郊外県のキスワ市一帯、ダルアー県のガバーギブ町、ムーサビーン村を爆撃した。

シリア人権監視団によると、イスラエルの無人航空機がスワイダー県の山岳地帯の街道を移動中の国防省所属の第70師団の軍用車両を攻撃し、これにより兵士5名が死亡した。

スワイダー24によると、この車輛は、スワイダー県郊外の民家で略奪した物資を積載していたという。

シリア人権監視団によると、ダマスカス県のマッザ航空基地内の武器庫、ダマスカス郊外県のムウダミーヤト・シャーム市の旧シリア軍第4師団本部がイスラエル軍の爆撃を受けた。

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アラビーヤ・チャンネルによると、シリア民間航空総局は、イスラエル軍によるシリア領内への爆撃激化を受けて、シリア南部の空域通過ルートを現地時間の18時30分まで一時閉鎖した。

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外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、シリア南部などに対するイスラエル軍の爆撃をもっとも厳しい表現で非難すると発表した。

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SANAによると、ムスアブ・アリー保健大臣が、マルワーン・ハラビー高等教育科学研究大臣、ムハンマド・アブー・ハイル・シュクリー宗教関係大臣とともに、首都ダマスカスに対するイスラエル軍の爆撃による負傷者が搬送されたムジュタヒド病院、ムワーサー病院を慰問した。


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イスラエル軍がスワイダー市に進攻したシャルア移行期政権の国防省・内務省部隊を狙って爆撃を実施:ネタニヤフ首相とカッツ国防大臣はイスラエルへの脅威となる兵力および武器の進入の阻止、ドゥルーズ派の保護を主張(2025年7月15日)

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍は、スワイダー市内に展開していたアフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊(シリア軍)所属の戦車1両を狙って爆撃を実施、これを完全に破壊した。

爆撃は、国防省部隊の大規模な軍用車列が市内に進入し、各地区で広範に展開を始めたことを受けた者。

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍はまた、スワイダー市西部の入り口付近でシリア軍の車列を標的とした2度目の爆撃を実施、これにより兵士1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍はさらに、スワイダー市中心部にある警察本部付近の内務省総合治安局部隊の集結地点を狙って爆撃を実施した。

スワイダー24も16時5分、イスラエル軍が、スワイダー市中心部の警察本部付近に集結していた治安部隊を標的として爆撃を実施した。また、この約2時間前には、刑事治安局近に集結していた別の部隊に対しても爆撃が行われたと報じた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル空軍は、ダルアー県イズラア市のシリア軍第12旅団基地一帯の拠点を狙って2回にわたっての爆撃を実施した。

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イスラエル首相府は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防大臣による共同声明し、スワイダー県を爆撃したと発表した。

声明の内容は以下の通り。

ネタニヤフ首相およびカッツ国防大臣は、シリアのドゥルーズ地域に対するシリア(移行期)政権による攻撃を受け、直ちにイスラエル軍に対し、スワイダー県のドゥルーズ山地域に進入した政権軍および同地域に持ち込まれた兵器に対して攻撃を行うよう指示した。これらは、イスラエルが決定した非武装化政策に反しており、シリア南部におけるイスラエルへの脅威となる兵力および武器の進入を防止する方針に反するものであった。
イスラエルは、イスラエル国内のドゥルーズ派市民との「血の契約」および、シリアのドゥルーズ派との歴史的・血縁的なつながりに基づき、シリアのドゥルーズ派への危害を阻止することを約束する。我々はシリア(暫定)政権がドゥルーズ派に危害を加えることを阻止し、我が国との国境に隣接する地域の非武装化を確保するために行動している。

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サウジアラビア外務省カタール外務省イラク外務省ヨルダン外務省は、イスラエル軍によるスワイダー県への爆撃など度重なる攻撃を非難した。

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シリア人権監視団によると、2025年初め以降、イスラエルはシリア国内に対して67回の攻撃を行っている。

うち57回が爆撃、10回が地上攻撃で、これらの攻撃による被害は以下の通り。
●破壊された標的:約99ヵ所(武器・弾薬庫、軍事施設、司令部、車両など)
●死者:37人
o 軍関係者:10人(負傷者21人)
o 身元不明:3人(うち2人はレバノン国籍)
o 民間人:15人(負傷者3人)
o 武器を携帯していた民間人:9人

爆撃の県別内訳は以下の通り。
●アレッポ県:1件(7発)
●ダマスカス県とダマスカス郊外県県:17件
●スワイダー県:8件(うち1件では4発)
●ヒムス県:8件(うち2件はレバノンとの非合法国境地帯)
●クナイトラ県:6件
●ダルアー県:9件
●タルトゥース県:2件
●ラタキア県:4件
●ハマー県:2件

地上攻撃の県別内訳は以下の通り。
●ダルアー県:5件(死者16人)
●ダマスカス郊外県:1件
●クナイトラ県:4件

なお、イスラエル軍は2024年12月8日にアサド政権が崩壊して以降、同年末までに は、約500回の爆撃を実施し、シリア軍の武器庫を事実上壊滅させている。

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シャルア移行期政権は国防省・内務省部隊をスワイダー市に進攻させるも、撤退を宣言(2025年7月15日)

スワイダー県では、ドゥルーズ派の民兵と、アフマド・シャルア移行期政権の国防省および内務省の合同部隊および遊牧民部族の民兵の戦闘が続いた。

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スワイダー24は、速報で以下の通り伝えた。

5:16 カナーキル村周辺で、再び激しい交戦が発生、銃撃音や爆発音が激しく響いている。

 

11:53 国防大臣は、スワイダー市内に展開しているすべての作戦部隊に対して、都市の有力者および名士らとの合意を受け、完全な停戦を実施するよう命じたと発表、また、応戦は発砲元への限定的な対応にとどめるよう要請した。

11:59 スワイダー市では、治安部隊および国防省部隊の進入と市街地への展開を受けて、市民による大規模な避難が発生。

12:30 政府軍の兵士らがスワイダー市中心部の主要商業通りの一つである幹線道路に進入し、商店が略奪・放火される様子を映した映像が公開された。同市に進入した部隊内では大混乱が生じており、一部の兵士らが市民に対する略奪・襲撃を行う一方で、別の部隊が被害を受けた住民に対して「これは個人による行為であり、我々を代表するものではない」と主張し、苦情の提出を呼びかけているという。

13:22 スワイダー市内のラドワーン家の接待所にいた民間人のうち10人以上が負傷、一部が政府軍部隊の即決処刑により死亡したと見られる。

14:54 スワイダー市に進入した政府軍部隊が実行した即決処刑によりラドワーン家の接待所にいた無辜の民間人9人が殺害された。

16:34 スワイダー市の複数の前線で、即決処刑や人権侵害への住民の怒りが高まり、激しい衝突が発生。

14:52 スワイダー市内バーシャー広場付近において朝、軍のバトロール部隊が兄弟3人を母親の目の前で即決処刑した。

16:58 スワイダー国立病院の周辺で銃撃戦が発生。

17:53 スワイダー市中心部の県庁舎および警察本部付近で激しい銃撃戦が発生。

19:27 スワイダー市に軍が突入した今朝、バーシャー交差点近くの自宅を離れ、避難を試みていた家族3人との連絡が途絶えている。

20:13 地元関係者および医療関係者によると、スワイダー市に突入した軍隊による即決処刑の犠牲者数は、20人(うち女性2人)を超えた。うちラドワーン家の接待所での死者は13人、負傷者3人、バーシャー交差点付近での死者は6人。

22:03 大サギーラ村にあるキリスト教会(聖ミカエル教会)が被害を受け、一部が破壊された。村は13日にブラーク村方面から襲撃を受け、現在も政府軍および武装グループが支配している。

20:28 スワイダー市立競技場近くの救援センターで火災が発生、衝突や銃撃の発生が報告された。

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また、シリア人権監視団によると、サアラ村のマズルーマ家の接待所でも、女性1人を含む4人の市民が処刑された。



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SANAによると、ダッラーティー司令官らアフマド・シャルア移行期政権の代表らが、ドゥルーズ派の宗教指導者の1人で、戦闘停止に向けた仲介を主導していたユースフ・ジャルブーウ師らと会談した。

会談のなかで、ジャルブーウ師は、すべての市民をあらゆる侵害や越権行為から守る国家の選択こそが、今日の唯一の望みであると強調し、スワイダー県民はシリア国家と祖国への帰属を堅持しており、いかなる外部勢力への傾倒も断じて容認しないと述べた。

一方、ダッラーティー司令官は、国家はいかなる違反や越権も容認せず、それが生じた場合の責任を国家が負うと表明、スワイダー市の治安は内務治安司令部の部隊が担い、軍は違反行為を防止するために市外へ再配置されたと述べた。

これを受けて、SANAによると、国防省の広報通信局は声明を出し、スワイダー市への進入を開始したと発表、住民に対して可能な限り外出を控え、法に反する武装グループの動きがあれば、速やかに当局へ通報するよう呼びかけた。

ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は午前8時17分、フェイスブックを通じて声明を出し、流血の回避と県内の治安と安定の回復を最優先とみなし、これを達成するには、国家が公的機関、とりわけ治安・軍事機関を通じて県に対する権限を行使することが不可欠であるとしたうえで、以下の通り表明した。

1. 内務省および国防省の部隊が治安・軍事拠点を掌握し、県の治安を確保するために進入することを歓迎する。
2. スワイダー県内のすべての武装勢力に対し、内務省の部隊と協力し、その進入を妨害せず、武装解除のうえ内務省に武器を引き渡すよう呼びかける。
3. 今回の事態の影響に対処し、国家機関を再び機能させるため、県内の人材や専門家と連携したうえで、シリア政府との対話を開始することを求める。

これに関して、内務省は午前8時45分、フェイスブックを通じて、スワイダー県のアフマド・ダッラーティー内務治安司令官(准将)が、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部の声明発表に歓迎の意を示したと発表した。

ダッラーティー司令官はまた、他の宗教指導者や有力者らに対しても、国家の治安維持と統治権確立を支援するため、内務省の措置を支持する統一姿勢をとるよう呼びかけるとともに、法に反する武装グループとその指導者たちに対し、内務省と国防省の部隊の進入を妨げるような行為をやめ、協力体制をとるよう要請した。

しかし、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は午前10時19分、フェイスブックを通じて、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒクマト・ヒジュリー師のビデオ声明を発表した。

フジュリー師は声明のなかで、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部の声明について以下の通り述べ、これを否定、暴力での弾圧を試みるアフマド・シャルア移行期政権を厳しく非難した。

強い圧力と強制の下で発表されたものであり、我々の自由な意思によるものではない。
その内容は我々の信念を代表するものではなく、今後もこのような声明には一切責任を負わない。
スワイダー県が暴力と戦闘の場と化すことは絶対に認められない。
良心も宗教も流血を容認しない。
知恵と尊厳を保ち、暴力による命令や圧力を拒絶するよう呼びかける。
人々の尊厳を守る対話こそが解決策であり、弾圧では何も解決しない。我々は子どもたちを売ることも、自由を取引の材料とすることもない。
山地(スワイダー県)を屈服させられると思っている者は幻想に生きている。

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内務省は、スワイダー市で国防省と内務省の合同部隊、遊牧民部族の武装グループの一部が住民に対して即決処刑を行っているとの情報が確認されたことを受るかたちで、午前11時50分、フェイスブックを通じて、同市に展開している国防省と内務省の合同部隊に対して、任務遂行中に公私の財産に対するいかなる違法行為も、いかなる名目でも容認されないとしたうえで、こうした行為への関与が確認されたあらゆる要員に対して、内務省は一切の容赦なく、厳正な法的措置を講じると発表した。

また、SANAによると、大統領府は、すべての公的・私的機関に対して、一切の越権・違反行為を禁止するよう通達した。

また、すべての監査・執行機関に対し、違反や不正が確認された者に対しては、その地位や階級を問わず、直ちに法的措置を講じるよう命じた。

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国防省は23時25分、フェイスブックを通じて、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣が、スワイダー市内で活動中のすべての部隊に向けて以下の命令を発表した。

市内の有力者および長老たちとの合意に基づき、スワイダー市内における完全な停戦を実施する。これ以降、発砲は禁止とし、応戦は敵からの攻撃に対してのみ行うものとする。すなわち、違法武装集団による攻撃があった場合に限り、その発砲元を特定し、対応すること。

国防省はまた、23時52分にフェイスブックを通じて別の声明を発表した。

声明の内容は以下の通り。

スワイダー市に駐留するすべての部隊に対し、住民の安全確保、社会的平穏の維持、ならびに公共および私有財産の保護を徹底するよう厳格な指示を出した。悪意ある者による略奪や破壊行為を未然に防ぐためである。
掃討作戦が完了次第、スワイダー市内の各地区は順次、治安維持を担う内部治安(司令部)部隊に引き渡す予定である。これにより混乱の収束、住民の帰還、そして都市の安定回復を図る。
スワイダー市内における軍の行動を監督・是正するため、憲兵隊の展開を開始するよう指示を出した。軍の規律維持と違反行為の取り締まりを徹底する。

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内務省は午後8時40分、フェイスブックを通じて、スワイダー県の現況についての声明を発表した。

声明では、市内の一部地域では依然として衝突が続いているものの、アフマド・シャルア移行期政権はスワイダーの有力者や宗教指導者たちと連携し、全面的な支配の回復と恒久的な治安と安定の確保に向けて集中的な努力を続けていると表明された。

また、内務省の治安部隊は国防省の部隊と連携し、法に背く武装グループをスワイダー市中心部から排除し、民間人を保護し、市内に安定を取り戻すことに成功したと主張している。

さらに、この作戦ののち、ダッラーティー司令官と宗教指導者・地元有力者らとの間で大規模な会合が開催され、市内に治安部隊の拠点を設置し、軍の車両と部隊を撤収させることで合意が成立したことが発表されたが、合意はすぐに破られ、法に背く武装グループが再び治安部隊や警察部隊を狙った奇襲攻撃を仕掛け、地域の安定と合意形成の破壊を図った。

加えて、より深刻な事態として、イスラエル軍がこれらの武装グループを支援して、スワイダー市などを爆撃、内務治安部隊およびシリア軍兵士の殉職者が出たことを明らかにした。

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シリア人権監視団によると、13日に発生したドゥルーズ派民兵と、アフマド・シャルア移行期政権の国防省および内務省の合同部隊、遊牧民部族の武装グループとの戦闘での死者は203人となった。

内訳は以下の通り。

●スワイダー県出身者:71人(うち子ども4人、女性2人)
●国防省・治安機関関係者:111人(うち遊牧民18人)
●即時処刑者:21人(うち女性3人、国防省および内務省の兵士による銃殺)

スワイダー市各所(マスラフ地区、ジャラー地区、クーム街道地区)、ラサース村、カナワート市では、アフマド・シャルア移行期政権の国防省および内務省の合同部隊、遊牧民部族の武装グループが市内の住宅街を迫撃砲弾で砲撃、砲弾が着弾した。

戦闘の影響で、スワイダー市の市場ではほぼ完全な麻痺状態となり、大多数の商店が砲撃や略奪を恐れて営業を控えたほか、マズラア町、カナーキル村、サアラ村などの前線では、多くの家族が戦闘を避けて避難した。

一方、ハマー県やヒムス県から首都ダマスカスへ向かう国防省部隊の車列も確認された。

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トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使はXを通じて以下の通り発表した。

我々は、シリア国内のすべての関係者と積極的に関与し、沈静化と建設的な統合に向けた議論を前進させる努力を続けている。
最近のスワイダー県での衝突は、すべての側にとって憂慮すべき事態であり、我々はドゥルーズ派、ベドウィン部族、シリア政府、そしてイスラエル軍のそれぞれが受け入れられるような平和的かつ包摂的な解決を模索している。
情報の錯綜や誤導、非効率なコミュニケーションこそが、各当事者の利害を平和的かつ慎重に統合する上で最大の課題である。
我々は、すべての側と直接的かつ建設的な協議を行い、沈静化と統合に向けた道筋をともに探っている。

レバノンの進歩社会主義党の前の党首のワリード・ジュンブラートカタール外務省ヨルダン外務省バーレーン外務省は、アブー・カスラ国防大臣によるスワイダー市での停戦発表に歓迎の意を示した。

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ANHAによると、シリア民主評議会のライラ・カラマーン共同議長は、ラッカ県ラッカ市で開催された同評議会女性局の会議で、スワイダー県での戦闘について言及し、そのなかで同県住民との連帯を表明、アフマド・シャルア移行期政権に対してスワイダー県、ダルアー県、ダマスカス県、そして北・東シリア地域を含むすべての地域・社会成員と対話の扉を開くよう求めた。

また、ANHAによると、シリア民主軍に所属する女性防衛部隊(YPJ)は声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権による攻撃を強く非難するとともに、衝突のきっかけとなった強盗事件の被害者のファドルッラー・ダウワーラ氏の母親ファウズィーヤ・ファフルッディーン・シャッラーニー氏の抵抗を称賛した。

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アレッポ県ダイル・ハーフィル市郊外で、シリア民主軍とシャルア移行期政権の内務省総合治安局が交戦(2025年7月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ハーフィル市郊外で、シリア民主軍とアフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局が交戦した。

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ハマー県マアーン村にある井戸から、2013年の前政権による虐殺で殺害されたと見られる女性1人と子供1人を含む15人の遺骨が発見(2025年7月15日)

ハマー県では、SANAによると、マアーン村にある井戸から、2013年の前政権による虐殺で殺害されたと見られる女性1人と子供1人を含む15人の遺骨が発見された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャルマーナー市外に位置するカッバース橋に設置されている県内務治安司令部の検問所付近で、武装グループと検問所の要員が撃ち合いとなり、タルトゥース県出身の市民1人が流れ弾にあたって死亡した。

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シリア民主軍はイブラーヒーム・ハフル氏が率いる部族軍のメンバーだった5人を拘束:内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所がダーイシュの武装グループに襲撃され、隊員5人が死亡(2025年7月14日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がジャルズィー村とズィーバーン町で家宅捜索などの治安作戦を実施し、アカイダート部族の指導者の1人イブラーヒーム・ハフル氏が率いる部族軍のメンバーだった5人を拘束した。

シリア人権監視団によると、ズィーバーン町では、シリア民主軍のパトロール部隊が燃料を密輸しようとしてた車輛を押収しようとして攻撃、その際に住民1人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダシーシャ村にいたる街道に設置されている北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所が、ダーイシュ(イスラーム国)の武装グループに襲撃され、隊員5人が死亡した。

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ハマー県でムルシド派の宗教行事を武装グループが襲撃し、女性1人を含む4人が負傷(2025年7月14日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原地方のジャイイド村で行われていたムルシド派の宗教行事を武装グループが襲撃し、住民に向けて無差別に発砲、手りゅう弾を投げつけ、女性1人を含む4人を負傷させた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナバク市で内務省の内務治安司令部のパトロール部隊が正体不明の武装グループの襲撃を受け、隊員1名が負傷した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、内務省総合治安局がフライバート村にあるキリスト教会の近くでテロ攻撃を準備していた3人を逮捕、20キロにおよぶ爆発物のほか、マイノリティ宗派を攻撃する内容のビラなどを押収した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市で、内務省総合治安局の隊員が、住民宅に手榴弾2発を投げ込む事件が発生した。

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イスラエル軍はスワイダー県に進行したシャルア移行期政権国防省の部隊を爆撃:ドゥルーズ派の保護を主張(2025年7月14日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が県上空に飛来した。

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SANAによると、イスラエル軍の航空機が、スワイダー県のマズラア町一帯に対して2回、カナーキル村一帯に対して1回の爆撃を実施し、物的被害が発生した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の爆撃は、アフマド・シャルア移行期政権のシリア国防省に所属する部隊の集結地や軍用車輌を狙ったもの。

ANHAによると、この爆撃と前後して、マズラア町、カナーキル村、タッル・ハディード村に展開していたアフマド・シャルア移行期政権傘下の武装グループが撤退した。

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イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、Xを通じて、以下の通り発表した。

速報:イスラエル軍は先ほど、シリア南部スワイダー県のサミーア村一帯で複数の戦車を攻撃した。続報あり。

アドライ報道官はまた、Xを通じて、以下の通り発表した。

速報:本日早く、サジーン村とサミーア村間の地域で複数の戦車が確認され、それらがスワイダー市方面に向けて移動していた。
イスラエル国防軍は、それらの戦車の到達を阻止するため攻撃を実施した。

●このような兵器がシリア南部に存在することは、イスラエル国家に対する脅威となり得る。
●イスラエル軍は、シリア南部における軍事的脅威の存在を決して許容せず、それに対抗して行動を取る。また、同地域の情勢を今後も注視し続ける。

一方、タイム・オブ・イスラエルによると、イスラエル・カッツ国防大臣は、この爆撃について「シリアの体制へのメッセージであり明確な警告だ、我々はシリアのドゥルーズ派に危害を加えることを許さない」と述べた。

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ハダス・チャンネル(アラビーヤ・チャンネル)は、イスラエルの治安当局者の話として、同国がダルアー県およびスワイダー県に地上侵攻するつもりはなく、ドゥルーズ派を守るため、ダマスカス(アフマド・シャルア移行期政権)と連携して措置を調整していると伝えた。

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シリア人権監視団は、イスラエルがアフマド・シャルア移行期政権に対して、国防省の部隊が掌握したシリア南部の地域から、14日12時までに完全に撤退するよう求めたと発表した。

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シリア人権監視団によると、2025年に入って以降、イスラエル軍はシリア領内を62回にわたって攻撃している。

うち52回が爆撃、10回が地上攻撃で、これにより弾薬庫、司令部、拠点、車輌などおよそ92ヵ所の標的が破壊または損傷を受けた。

また、攻撃による死傷者は以下の通り。
●シリア軍事作戦総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局および国防省所属の兵士:9人死亡、21人負傷
●身元不明者:3人死亡(うち2人はレバノン国籍)
●民間人:15人死亡、3人負傷
●武装した民間人:9人死亡

県別の爆撃の回数と死者は以下の通り:
●アレッポ県:7回
●ダマスカス県およびダマスカス郊外県:17回(民間人2人、身元不明3人(うちレバノン人2人、兵士2人死亡)
●スワイダー県:4回
●ヒムス県:8回(うち2回はシリア・レバノン国境の非公式の通行所)
●クナイトラ県:6回(民間人1人、シリア軍事作戦指令部の兵士2人死亡、1人負傷)
●ダルアー県:8回(民間人4人、シリア軍事作戦指令部の兵士1人死亡、その他負傷者)
●タルトゥース県:2回
●ラタキア県:4回(民間人1人死亡、3人負傷)
●ハマー県:2回(シリア軍事作戦指令部所属4人死亡)

県別の地上攻撃の回数と死傷者は以下の通り:
●ダルアー県:5回(武装した民間人16人死亡、2人負傷)
●ダマスカス郊外県:1回
●クナイトラ県:4回

なお、アサド政権が崩壊した2024年12月8日から同年末までの間に、イスラエル軍はシリア国内の軍事拠点に対して約500回の爆撃を実施しており、旧シリア軍の主力兵器は事実上壊滅した。

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スワイダー県でのドゥルーズ派と部族の衝突にシャルア移行期政権が介入、ドゥルーズ派側は総動員令を発出:死者は99人に(2025年7月14日)

スワイダー県では、首都ダマスカスとスワイダー市を結ぶ街道で13日に発生した強盗事件に端を発するドゥルーズ派住民とアフマド・シャルア移行期政権に近い部族の衝突は15日も続いた。

シリア人権監視団によると、戦闘は、カナーキル村、サーラ村、マズラア町一帯で激しく行われ、ドゥルーズ派の民兵が、部族および国防省・内務省の混成部隊による攻撃に対して激しく抵抗した。

部族武装グループおよび国防省の部隊が駐留するダルアー県の東ムライハ村からスワイダー市に向けて砲撃が行われた。

14日に始まった一連の戦闘で、死者は、子ども2人と女性2人を含む99人に達した。

内訳は以下の通り:
●住民:60人(子ども2人、女性2人を含む)
●部族:18人
●国防省の兵士:14人
●軍服を着た身元不明者:7人

このほか、200人近い負傷者がスワイダー国立病院に搬送されており、医療物資の深刻な不足のなか、医療スタッフが総力を挙げて対応にあたっている。

SANAによると、事態を受けて、シャルア移行期政権の国防省の部隊および内務省の治安部隊が、衝突の鎮静化と住民の保護を目的として、ダウル村に展開した。

また、SANAによると、県内農村地帯のそれ以外の村々にも、両省の部隊が展開した。

一方、シリア人権監視団によると、国防省の部隊がスワイダー市中心部から3キロの地点に位置するワルガー村に集結、同市への侵攻の構えを見せた。

これに対して、ドゥルーズ派民兵は、「シャーヒーン」の名で知られる無人航空機(偵察機)を撃墜する一方、市内の有力者らや住民は、スワイダー市の開城に断固反対の姿勢を見せた。

また、スワイダー24によると、スルターン・アトラシュの孫のアミール・ハサン・ヤフヤー・アトラシュ氏がイラー村で声明を出し、総動員を呼びかけるなど、抵抗の構えを示している。


なお、イナブ・バラディーによると、国防省部隊はマズラア町、サーラ村、タッル・ハディード村一帯を制圧した。

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ANHAは、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師が暗殺未遂に遭遇したが、一命を取り留めたことが本日明らかとなったと伝えた。

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Suwayda 24によると、マクワス村に拘束されていた誘拐被害者たちが解放され、ドゥルーズ派の宗教指導者の1人であるユースフ・ジャルブーウ師の邸宅に到着した。

 

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外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、深刻な緊張の激化に深い遺憾の意を表明し、すべての地域勢力に対して即時に暴力行為を停止し、違法な武器を引き渡し、内乱をあおる勢力の企図を挫くようを呼びかけた。

また、すべての国や国際機関に対して、シリアの主権を尊重し、いかなる分離主義的勢力に対しても支援も行わないよう改めて要請した。

そのうえで、ドゥルーズ派の権利尊重と保護、治安と安定の回復、国家機関の活性化、すべての国民の保護を、国家主権と法治の枠組みの中で進めていくと改めて強調した。

国防省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、2日間の戦闘で、30人以上が死亡、100人余りが負傷、複数の地区や町に被害が及んでいるとしたうえで、この衝突に伴う制度的空白が無秩序状況を悪化させ、事態の鎮静化や自制の努力を阻害したと現状を評価、国防省と内務省が部隊を展開させ、市民の安全を確保するとともに、迅速かつ断固としたかたちで衝突を終結させるために行動を開始したと発表した。

国防省はまた、フェイスブックなどを通じて、ハサン・アブドゥルガニー報道官(大佐)のビデオ声明を配信した。

声明のなかでアブドゥルガニー報道官は、武力衝突について「過去数ヵ月にわたってスワイダー県で続いてきた制度的・行政的な空白状態がもたらした直接的な結果であり、それが無秩序と治安崩壊への道を開いた」と説明した。

アブドゥルガニー報道官はまた、国防省と内務省が、地元有力者と連絡・調整して、衝突の鎮静化と治安の掌握のための緊急措置を講じ、同県へ軍および治安部隊の増派を行ったことを明らかにするとともに、違法な武装グループの攻撃で兵士18人が死亡、複数人が負傷したことを認めた。

内務省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、内務省と国防省の部隊の展開について、流血を止め、治安を確保し、安定を取り戻すという国家的任務の一環であると説明、その目的が治安の維持と民間人の保護に限定されており、いかなる勢力にも肩入れするものではないと強調した。

SANAによると、内務省のヌールッディーン・バーバー報道官は、武力衝突に遺憾の意を示したうえで、「国家が公式な機関を通じてスワイダー県に介入し、治安を回復することは避けられない決断である」と述べ、内務省と国防省の部隊が14日早朝にスワイダー県に入ったことを明らかにした。

SANAによると、ハムザ・ムスタファー情報大臣は、国防省と内務省部隊の介入について、「無秩序な武器の横行や無法集団の問題に対し、国家が考え得るすべての政治的・柔軟な解決策を試みた末の決断であった」と説明した。

SANAによると、地中海連合会合に出席するためにベルギーのブリュッセルを訪問中のアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、「我々は、アサド体制から引き継いだ混乱という負の遺産に今なお苦しんでいる」としたうえで、「シリア全土において無秩序な武器を制御し、治安と安定を回復し、すべての国民を保護するための取り組みを続けている」と説明した。

また、「尊敬すべきドゥルーズ派の市民たちは、新政府にとって責任をもって守るべき存在であり、その保護は国家の義務である。いかなる勢力もシリアの内政に干渉すべきではなく、シリアの主権を尊重しなければならない」と強調した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて声明を出し、(内務省)総合治安機関、(シャーム解放)機構の侵攻と攻撃を非難、これらの組織を含むいかなる国内勢力の介入も拒否すると表明、即時かつ迅速な国際的保護を改めて要請した。

ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部はまた、別の声明において、アフマド・シャルア移行期政権に対して即時停戦と尊厳ある解決を呼びかけるとともに、過激派、無秩序な勢力、または法律を逸脱する武装集団を受け入れないと改めて表明した。

一方、スワイダー24によると、尊厳の男たち運動が声明を出し、シャルア移行期政権のがダマスカス・スワイダー街道の治安維持を怠り、マスミヤ町の検問所一帯で繰り返されてきた民間人への犯罪行為を黙認してきたことが、衝突の原因だと非難、自衛を放棄できない原則、合法的かつ正当な権利だとしたうえで、土地と名誉を守るための総動員令を発出し、戦闘員を最前線に配置したと発表、平和的解決の追求は、弱さではなく強さの表れであるとしたうえで、即時戦闘停止を呼びかけた。

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SANAによると、レバノンの進歩社会主義党は、即時の沈静化を呼びかけるとともに、当事者が国際的な保護要請を行うことを拒否、安全と保護の責任は、唯一かつ排他的にシリア国家にあると強調した。

ワリード・ジュンブラート前党首もメディアに対して、政治的解決とシリア政府の主導によって、スワイダー県に再び安全と和解がもたらされることを望むと述べ、国際社会やイスラエルへの介入要請を拒否する姿勢を強調した。

SANAによると、トルコ外務省のオンジュ・クチャル報道官は、「シリアの主権と領土の一体性が優先されるべきである」としたうえで、国際社会の責任ある関係者と連携しつつ、シリアでの安定促進と合意形成に向けた努力を継続していく意向を表明した。

SANAによると、アナ・スノー英シリア担当特使は、Xを通じて事態への懸念を表明した。

SANAによると、イエメン外務省は、シリア政府による治安と安定の確保、武器の国家管理、そして国内各地における社会的平和の保護に向けた努力を全面的に支持すると表明した。

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スワイダー県で前日の強盗事件を契機にドゥルーズ派住民と部族が激しく交戦し、20人以上が死亡(2025年7月13日)

シリア人権監視団スワイダー24によると、前日夜に発生した強盗事件を契機に、ファドルッラー・ダウワーラ氏の親族が報復として8人を拘束したことへの報復として、地元武装グループがマクワス村に臨時検問所を設置し、ドゥルーズ派の住民5人を拘束した。

これに対して、部族側が県スワイダー東部マクワス村に検問所を設置し、ドゥルーズ派住民を拘束して対抗、ダマスカス・スワイダー街道を遮断、軍・治安機関も交通を完全封鎖した。
によると、

スワイダー24によると、治安悪化により、マスミヤ町の検問所などで通行が一時停止された。

事態を受けて、地元の有力者たちによる仲介が行われて、拘束者の相互解放と緊張緩和を目的とした交渉が開始された。

また、スワイダー24によると、ドゥルーズ派の宗教的指導者(シャイフ・アクル)のユースフ・ジャルブーウ師とハンムード・ハンナーウィー師が即時停止を呼びかけた。

しかし、戦闘はマクワス村、サミーア村、マズラア町、ルバイン村およびハッラーン村周辺、大スーラ村などに拡大した。

スワイダー24によると、スワイダー市東部では、爆発とみられる音や銃撃音が確認された。

スワイダー24によると、部族武装集団がスワイダー県警察の検問所を攻撃、戦闘に発生した。

一連の戦闘で、24人(うち子ども2人)が死亡、約50人が負傷した。

死亡した24人のうち、ドゥルーズ派住民は20人(うち2人は子ども)、部族側は4人。

スワイダー24によると、スワイダー市で子ども2人が交戦により死亡した。

戦闘激化を受けて、ティーラ村の住民の大半がマズラア町やスワイダー市へ避難した。

また、ダルアー県ホーラーン地方から部族武装グループが増援としてスワイダー県に向けて進軍していることが確認された。







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SANAによると、教育養育省は、スワイダー県で予定されていた宗教科目の高校卒業試験を延期すると発表した。

新たな試験日は後日決定されるという。

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イスラエル軍はヘルモン山一帯旧シリア軍の司令本部の複数ヵ所を特定、軍需物資、3トンを超える兵器を押収(2025年7月13日)

イスラエル軍は、声明出し、第210師団傘下の第810旅団の部隊は、ハル・ドヴ(シャブアー農場・カフルシューバー)での防衛任務に加え、シリア領内でも引き続き作戦を展開、ヘルモン山一帯でアサド政権時代にシリア・レバノン地域を管轄していた司令本部の複数ヵ所を特定、軍需物資、3トンを超える兵器を発見を押収したと発表した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊がアイン・バイダー村の交差点付近まで進入し、検問所を設置して通行人の検査を実施、その後、部隊は現場から撤収した

また、イスラエル軍の別のパトロール部隊がアイン・ザイワーン村に越境侵入、これに続き、アフマル丘から同村に向けて発砲が確認された。

シリア人権監視団によると、軍用車両4台からなるイスラエル軍部隊はさらに、カフターニーヤ町近くのマタラ・ダム周辺に越境侵入した。

また、ブライカ村周辺の農地で、イスラエル軍の発砲によると見られる火災が発生した。

シリア人権監視団によると、このほかにも、軍用車輌4台からなるイスラエル軍部隊は、東サムダーニーヤ村および西サムダーニーヤ村に越境侵入し、複数の住宅を家宅捜索した。

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港湾投資局がラタキア港に務めていた73人が一斉解雇、うち40人がアラウィー派とムルシディー派(2025年7月13日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、タイバト・イマーム市の市役所前のロータリー付近で、正体不明の武装グループが、旧シリア軍に所属していた男性を公開処刑した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カフルスーサ区の住民らが、法務省前で抗議行動を行い、マッザ区、カフルスーサ区、ダマスカス郊外県ダーライヤー市などの都市再開発計画の法的根拠となっている前政権時代の2012年政令第66号の再適用に反対の意思を表明した。

また、シリア人権監視団によると、ナフル・イーシャ地区にあるマーリク・ブン・アナス・モスク付近で、アラウィー派の60代のタクシー運転手の男性がバイクに乗った武装グループによって集団により銃で撃たれて死亡した。

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マアルバー村近くの街道で、身元不明の若い男性が遺体で発見された。

遺体の年齢は30代から40代と推定されており、銃で撃たれた痕跡があった。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、港湾投資局がラタキア港に務めていた73人が一斉解雇処分を受けた。

うち40人がアラウィー派とムルシディー派だという。

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ダルアー県タスィール町で大規模な抗議デモが行われ、住民たちはダーイシュのメンバーだった地元出身者の退去を要求(2025年7月13日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町で大規模な抗議デモが行われ、住民たちはダーイシュ(イスラーム国)のメンバーだった地元出身者の退去を要求した。

デモでは、「シリアは自由だ、ダーイシュは出て行け!」といったスローガンが叫ばれた。

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トルコ占領下の「平和の泉」地域内のラッカ県タッル・アブヤド市とスルーク町でトルコの占領に抗議する大規模デモ(2025年7月13日)

ラッカ県では、ANHAによると、トルコ占領下の「平和の泉」地域内のタッル・アブヤド市とスルーク町でトルコの占領に抗議する大規模デモが行われ、住民らが参加した。

デモ参加者は、トルコの実効支配に協力する地方評議会を「我々の食糧を盗む者たち」と非難、その追放を要求した。

抗議デモは、小麦がトルコ国内へと横流しされていることに反発するかたちで行われた。

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