国連安保理はイスラエルによるシリアへの一連の爆撃を受けて緊急会合を開催:シリアとイスラエルによる非難の応酬(2025年7月17日)

UNニュースによると、国連安保理は、イスラエルによるシリアへの一連の爆撃を受け、シリアの要請に基づき緊急会合を開催した。

ハーリド・ヒヤーリー事務次長補(中東・アジア・太平洋担当)は、会合で、シリアが平和的政治移行への道のりにおいて、新たな暴力の連鎖に直面しており、その進展が脅かされていると警鐘を鳴らすとともに、イスラエルの爆撃を強く非難した。

また、イスラエルとシリアの双方に対し、1974年の兵力引き離し合意を遵守し、ゴラン高原の安定を損なういかなる行動も控えるよう要請した。

シリアのクサイ・ダッハーク国連常駐代表は、イスラエルの攻撃を国際法と国連憲章への重大な違反であり、国連加盟国の主権に対する侵害だと厳しく非難した。

また、イスラエル当局が示す攻撃の「口実」について、占領政策の一環であり、シリアを不安定にし、内戦状態に引きずり込むことを目的としていると拒否した。

これに対して、イスラエルのブリット・ジョナサン・ミラー国連次席常駐代表は、この会合をイスラエル非難を目的とした政治的動機によるものだと反発、自国民と「同胞」が殺されるのを黙って見ているわけにはいかないとして爆撃を正当化した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はベドウィン系武装グループがスワイダー県ワルガー村に進攻したことを受けて、無人航空機で同村近く武装グループ戦闘員の集結地を爆撃(2025年7月17日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がシリア軍第107旅団基地を爆撃し、複数回の爆発が確認された。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、複数の車輛からなるイスラエル軍部隊がカトナー市近郊のカルアト・ジャンダル村に侵入した。

カルアト・ジャンダル村はドゥルーズ派が多く暮らしている。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の軍用車輌2台(四輪駆動車)が、ラフィード村一帯に越境侵入した。

また、クナイトラ市のアラム(国旗)交差点付近でも、イスラエル軍の軍用車輌4台が展開している様子が目撃されたほか、ジュバーター・ハシャブ村でもイスラエル軍の動きが確認された。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装グループがワルガー村に進攻したことを受けて、イスラエル軍無人航空機が同村近く武装グループ戦闘員の集結地を狙って爆撃を実施した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ブルース米国務省報道官:「シリアの暴力を非難し、関係各国と積極的に協議を行っている」「米国は今回のイスラエルの爆撃を支持していない」(2025年7月17日)

ロイター通信によると、米国務省のタミー・ブルース報道官は、イスラエルによる首都ダマスカスなどへの爆撃について、「シリアの暴力を非難し、関係各国と積極的に協議を行っている」としたうえで「米国は今回のイスラエルの爆撃を支持していない」と明言、イスラエル・シリア両政府と「最高レベルで外交的に関与している」と語った。

また、ホワイトハウスカロライン・レヴィット報道官も、「シリアは軍を衝突地域から撤退させた。現在も状況を注意深く監視している」と発言、マルコ・ルビオ国務長官も、「関係各国との協議の結果、危機を終わらせるための措置が合意された」と述べた。

**

チャイナ・デイリー(中国日報)によると、中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官は定例記者会見で、イスラエルによるシリアへの爆撃について以下の通り述べた。

中東地域で不安定な状況が続く中、いかなる形であれ緊張をさらに高める行為は避けるべきである。
この発言は、中国がシリアにおける主権の尊重と、紛争の激化回避を強く支持している姿勢を改めて示すものである。

**

在シリア日本大使館は、イスラエルによるシリアへの爆撃について、フェイスブックを通じて、以下の通り発表した。

停戦の維持は不可欠であり、民間人の生命保護が最優先されるべきである。
日本は、すべての当事者に対し、シリアの領土保全と国家統一を守り、その独立と主権を尊重するよう呼びかけている。

**

スワイダー県でのドゥルーズ派と遊牧民武装グループの衝突、アフマド・シャルア移行期政権の国防省と内務省の合同部隊の介入について、フランス外務省は、対話を通じた事態の収拾、停戦維持、民間人を標的とする違反行為の即時停止などを呼びかけた。

**

イスラエルによる首都ダマスカスなどへの爆撃について、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表、欧州連合のアヌワル・アヌーニー報道官ハイミッシュ・フォルクナー英中東・北アフリカ担当閣外大臣イスラーム協力機構、トルコの大国民議会国防省レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領イスラーム世界連盟イラク政府(アブドゥッラティーフ・ラシード大統領およびムハンマド・シヤーウ・スダーニー首相)、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相、エジプトのアズハル機構は、主権侵害などと非難、攻撃の停止を求めるとともに、スワイダー県での衝突について事態の悪化を回避するよう呼びかけた。

また、SANAによると、ヨルダン、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア、イラク、オマーン、カタール、クウェート、レバノン、エジプト、トルコの外務大臣は、共同声明を出し、シリアの安全、統一、安定、主権への全面的な支持を表明し、同国の内政へのあらゆる外部干渉を拒否すると明言した。

**

SANAによると、ヨルダンの「山の民」(シャラファート、マサーイード、アザーマート、ズバイドの諸氏族)は声明を出し、スワイダー県におけるベドウィン系住民に対して大量虐殺、誘拐、拷問、強制移住などが行われているとして、これらの犯罪行為を強く非難した。
ハマー県では、SANAによると、アラブ作家連盟がハマー市で、シリアに対するイスラエルの継続的な侵略行為を非難し、首都ダマスカスやその他の地域への攻撃、さらには民間人や軍・治安部隊員への攻撃に対して抗議する集会を実施した。

**

ヒムス県では、SANAによると、ヒムス大学の学生たちが、シリアに対するイスラエルの繰り返される攻撃に抗議し、国防省および内務省の合同部隊への支持を表明するための抗議集会を開催した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領はテレビ演説でスワイダー県の治安維持の責任を地元武装勢力と宗教指導者に委ねたと発表(2025年7月17日)

アフマド・シャルア暫定大統領は、スワイダー県でのドゥルーズ派と遊牧民武装グループの衝突、国防省と内務省の合同部隊の介入、そしてイスラエルの首都ダマスカスなどへの爆撃を受けて、国民に向けたテレビ演説を行った。

SANAによると、演説の内容は以下の通り。

愛する祖国が混乱に見舞われる中、困難を乗り越え、一日たりとも自らの確固たる原則から後退しなかった国民に対して、心からのメッセージを届けるのが愛国的義務だと考えている。シリアが自由で誇り高き国であり続けるために、最愛のもの、そして貴重なものも犠牲にし、尊厳と誇りを希求する諸国民の先頭に立つ国民に対してだ。我々国民は、自由を求める革命に立ち上がり、勝利を収め、多大な犠牲を払った。そしてこの国民は今なお、自らの尊厳が脅かされるいかなる脅威に対しても、戦う準備ができている。
誇り高きシリア国民よ、我々は今日、この新たな挑戦に直面する中で、自らの国の統一、国民の尊厳、民族の不屈の精神を守るための闘いのただ中にいる。
旧体制崩壊以来、我々の安定を脅かし、内乱を創り出すことを常套としてきたイスラエル政体は、いま再び、我々の清らかな大地を終わりなき混乱の場へと変えようとしている。我々国民の統合を引き裂き、再建と復興への歩みを妨げ、我々の力を削ごうとしている。
この政体は、係争や紛争の種を撒くためにあらゆる手段を利用し続けている。しかし、それは、シリア人が長い歴史の中で、いかなる分離や分裂も拒んできたという事実を見落としている。巨大な力を持つことが、必ずしも勝利を意味するわけではない。ある戦場で勝利しても、他の場面で成功が約束されるとは限らない。戦争を始めることはできても、その結果を思い通りに操るのは容易ではないのだ。我々こそがこの土地の民であり、イスラエル政体が仕掛ける分断の企てを乗り越える力を備えている。我々の意志は揺るがず、捏造された内乱でくじけることはない。
我々シリアの民は、誰が我々を戦争へと引きずり込もうとしているのか、誰が我々を分断しようとしているのかをよく知っている。だが、彼らに、我々国民を彼らの望む戦争に巻き込む機会など決して与えはしない。その戦争は、我々の祖国を分裂させ、我々の努力を混乱と破壊へと導こうとする以外に目的などない。シリアは、外国の陰謀の実験場ではなく、我々の子どもたちや女性たちの血の犠牲にして他人の野望を実現する場でもない。
シリア国家はすべての人々の国家であり、祖国の尊厳と誇りである。それはまた、祖国が自らを再建する姿を目にしたいと願うすべてのシリア国民の夢でもある。我々は、差別なく団結し、シリアに威厳を取り戻させ、平和と安定の中に生きる国々の先頭に立たせるために力を尽くしている。
新たなシリアの建設には、我々すべてが国家のまわりに集い、その原則を順守することが求められる。あらゆる個人の利益や狭量な利害を超えて、祖国の利益を最優先に据える必要がある。今日、我々が必要としているのは、国家建設のすべての段階において互いに協力し合い、直面するあらゆる困難を共に乗り越えることである。統合こそが我々の武器であり、真摯な行動こそが我々の道であり、確固たる意志こそがこの輝かしい未来を築くための土台となる。
また私は、この演説において、この祖国という織物(ナスィージュ)の不可分の一部をなすドゥルーズ派の住民に特に呼びかけたい。シリアは決して、分断や分裂、民の間に内乱の種を蒔くような場所にはならない。諸君らの権利と自由を守ることは、我々の最優先事項であると明言したい。我々は、諸君らを外国の当事者のもとに引き込もうとするいかなる試みにも、また我々の隊列の中に分裂をもたらそうとする動きにも、断固として反対する。我々はすべてがこの土地におけるパートナーであり、シリアとその多様性を表す美しいイメージをいかなる勢力であれ汚すことを許しはしない。
シリア国家はそのすべての機関と指導部を挙げて、強い意志と決意をもって、スワイダー県および周辺地域の武装グループの間での古い対立に起因する内戦を止めるために介入した。しかし、事態を沈静化しようとする国家が支援を受けるのではなく、混乱と無秩序、そして内乱を煽ることに慣れた違法なグループが跋扈した。これらのグループの指導者たちは、数ヵ月にわたって対話を拒否し続け、祖国の利益よりも自らの狭い私利私欲を優先し、この数日間で、民間人に対して数々の犯罪を行った。
にもかかわらず、国防省と内務省は、スワイダー県に広く展開し、同地の治安を回復し、緊張状態を沈静化するための取り組みを進めた。そして、イスラエルの介入がありながらも、安定を回復し、違法なグループを排除することに成功した。ここにおいて、イスラエル政体はこうした努力を挫くために、民間および政府施設への広範な攻撃に踏み切り、事態を大いに複雑化させ、広範に緊張状態を高めていった。
米国、アラブ諸国、トルコの実効的な仲介のための介入がなければ、この地域は行き場のない運命に直面し、我々は二つの選択肢の間に立たされていただろう。すなわち、ドゥルーズ派の住民とその安全を犠牲にしてイスラエル政体と全面戦争に突入し、シリアと地域全体の安定を揺るがすこと、あるいはドゥルーズ派の有力者および宗教指導者に理性を取り戻させ、寛大なるドゥルーズ山の人々の名誉を貶めようとする者に対抗し、国益を優先させる機会を与えるか、である。
我々は、戦争を恐れる者ではない。我々は生涯をかけて、数々の課題に立ち向かい、国民を守ってきた。だが、我々は、混乱と破壊よりもシリア人の利益を優先した。なぜなら、現段階において最も理想的な選択肢は、祖国の統一と民の安全を守るために、至上の国益に基づく適格な決定を下すことだからだ。それゆえに、我々は、スワイダー県における治安維持の責任を、一部の地元武装勢力と宗教指導者に委ねる決定を下した。この決定は、我々が国民統合への危機的状況を深く認識しており、壊滅的な戦争からの回復という大いなる目標からかけ離れた新たな全面戦争に国を陥らせることを避け、旧体制がもたらした政治的・経済的困難を脱却するためのものだ。
我々は、ドゥルーズ派の住民に対して不当な行為を行った者を厳正に処罰することに万全を期している。ドゥルーズ派は国家の保護と責任の下にあり、法と正義はすべての人々の権利を、いかなる例外もなく保障する。我々は、国の統一と安定、住民の安全を守ること、そして自らの子どもたちの未来をいかなる脅威からも遠ざけて保障するための取り組みが、国の解放後に取り組んでいる復興と再生の道を損なわせないためにも重要であると確信する。

**

SANAによると、シャルア暫定大統領は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー首長とそれぞれ電話会談を行った。

会談のなかで三ヵ国の首脳は、スワイダー県での衝突に関連して、シャルア移行期政権への全面的な連帯と支持を表明し、とりわけイスラエルの度重なる攻撃に強く反対する姿勢を明確にした。

これに対し、シャルア暫定大統領は、三ヵ国の兄弟的支援と連帯に対して深い謝意を示すとともに、宗教・宗派の違いを問わず、すべての国民の保護に尽力していると強調した。

そのうえで、現在の事態は、国内での武装の拡散と外国勢力の干渉の結果であると指摘し、法を逸脱し、国家権限を認めようとしないすべての者に対し、シリア国家は断固たる姿勢で臨むと表明した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ルビオ米国務長官:「イスラエルによる首都ダマスカスの爆撃は誤解であった可能性が高い」(2025年7月16日)

フォックス・ニュースによると、マルコ・ルビオ米国務長官はホワイト・ハウスでのバーレーンのサルマーン・ビン・ハマド・イーサ・アール・ハリーファ皇太子との会談中、記者から質問に応え、そのなかでイスラエルによる首都ダマスカスの爆撃について「誤解であった可能性が高い」と述べた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

UAEのエミレーツ航空は13年ぶりに定期便を再開し第1便がダマスカス国際空港に到着、ラタキア県北部で発生した森林火災の被災者を支援するためにサウジアラビアの貨物機がアレッポ国際空港に到着(2025年7月16日)

SANAによると、UAEのエミレーツ航空は13年ぶりにドバイ・ダマスカス便を再開し、第1便がダマスカス国際空港に到着した。

**

SANAによると、ラタキア県北部で発生した森林火災の被災者を支援するためにサルマーン国王人道支援活動センターが準備し約10トンの物資を積んだサウジアラビアの貨物機がアレッポ国際空港に到着した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使はスワイダー県での民間人に対する暴力を非難する一方、シリア大統領府の声明を賛美(2025年7月16日)

トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、Xを通じて以下の通り述べた。

我々はスワイダー県での民間人に対する暴力を断固として非難する。すべての関係当事者は一歩引いて、持続的な停戦に向けた意味ある対話に臨むべきである。加害者は責任を追及されなければならない。

バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使はまた、Xを通じて、シリア大統領府声明について以下の通り表明した。

力強い声明だ。暴力を終わらせ、責任を追及し、すべてのシリア人を守るためには、それに続く行動が必要である。

 

**

SANAによると、フランス外務省は、スワイダー県の現在の情勢に強い懸念を示し、すべての関係当事者に対し、民間人の安全を確保し、沈静化と社会の全構成員間の平和促進に向けた努力を求めた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルのネタニヤフ首相は同国のドゥルーズ派に自制を求める(2025年7月16日)

 イナブ・バラディーによると、イスラエルにおけるドゥルーズ派の最高宗教指導者のムワッファク・タリーフ師は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびイスラエル・カッツ国防相に対し、「シリアのドゥルーズ派を保護するという約束を果たす」よう求める声明を発表した。

**

ズマン・イスラエルによると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はビデオ声明を出し、ドゥルーズ派を救うためにイスラエル軍が行動していると述べ、イスラエル国内のドゥルーズ派に対し、シリアとの国境を越えないよう強く呼びかけた。

ネタニヤフ首相の発言は次の通り。

私の兄弟たるイスラエル国民であるドゥルーズ派の皆さん。スワイダー県の状況、そしてシリア南西部の状況は極めて深刻だ。
イスラエル軍は行動している。空軍も、その他の部隊も行動している。我々は、ドゥルーズ派の兄弟たちを救い、政権側の武装集団を排除するために行動している。
皆さんにひとつお願いがある。あなたたちはイスラエルの市民だ。どうか国境を越えないで欲しい。
命の危険がある。殺害される恐れも、誘拐される恐れもある。イスラエル軍の作戦にも悪い影響を与える。どうか家に戻って欲しい。イスラエル軍に任せて欲しい。

**

イスラエル軍ラジオ局のドロン・カドシュ記者(首都ダマスカスへのイスラエル軍の爆撃について伝えていた記者)は、Xを通じて、イスラエル軍がはイスラエル・シリア国境に新たに2個中隊を追加配備したと綴った。

これは、イスラエル国内のドゥルーズ派がシリア側への越境を試みる可能性が高まっていることを受けた措置だという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アクシオス:トランプ大統領はイスラエルに対して、シャルア移行期政権に対する攻撃を停止し、同政権との直接交渉を開始するよう要請(2025年7月16日)

アクシオスは、米高官の話として、ドナルド・トランプ大統領がイスラエルに対して、アフマド・シャルア移行期政権に対する攻撃を停止し、同政権との直接交渉を開始するよう要請したと伝えた。

**

エジプト外務省アラブ議会 UAE外務省アラブ連盟事務局イラク外務省アルジェリア外務省カタール外務省、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、トルコのジュヴデット・イルマズ副大統領アントニオ・コスタ欧州理事会議長クウェート外務省、米下院のジョー・ウィルソン議員(共和党)は、イスラエルによるシリアへの度重なる攻撃を非難した。

**

また、SANAによると、トルコのハカン・フィダン外務大臣とサウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣は電話会談を行い、イスラエルによるシリアへの攻撃が、同国における安定化のための取り組みに悪影響を及ぼすものであると強調した。

SANAによると、フィダン外務大臣はまた、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣とも電話会談を行い、イスラエルによるシリアへの攻撃を速やかに停止する必要があると強調した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルは、首都ダマスカスの参謀本部、人民宮殿、スワイダー県、ダルアー県、ダマスカス郊外県各所を爆撃(2025年7月16日)

シリア人権監視団によると、イスラエル軍の戦闘機が、スワイダー県のサアラ村とシャクラウィーヤ村を結ぶ街道沿線、ダルアー県のフラーク市にあるシリア軍第52旅団の基地に対して爆撃を実施した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍はまた、スワイダー市でアフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊に所属する軍用車両を標的にした爆撃を実施した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍はさらに、スワイダー市周辺にある複数地点に対して、2回の爆撃を実施した。

うち1回はシャルア移行期政権の国防省所属の戦車を標的にしたもの。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、このほかにもムジャイミル村を無人航空機で攻撃し、シャルア移行期政権の国防省の幹部3人が死亡した。

シリア人権監視団によると、うち1人は前政権から離反した士官。

**

SANAによると、イスラエル軍の戦闘機がダマスカス県の複数ヵ所およびダマスカス郊外県のカトナー市周辺に対して一連の爆撃を行い、ダマスカス県で3人が死亡、34人が負傷し、公的・私的財産にも損害が生じた。



シリア人権監視団によると、イスラエル軍が爆撃したのは、市中心部にあるシリア軍の参謀本部周辺の2ヵ所で、これにより2人が負傷した。

シリア人権監視団によると、爆撃はまた、マーリキー地区にあるビルやティシュリーン宮殿にも及んだ。

イナブ・バラディーによると、イスラエル軍は参謀本部に対して3度の爆撃を行った直後に、人民宮殿近くに対して爆撃を行った。

これに関して、イスラエル軍ラジオ局は、イスラエル空軍が首都ダマスカスの参謀本部を爆撃したと伝えた。

イスラエル軍ラジオ局はまた、爆撃を受けた参謀本部庁舎の様子を撮影した映像・画像を公開した。


イスラエル軍ラジオ局はさらに、イスラエル空軍が首都ダマスカスにある「ジャウラーニー大統領の大統領宮殿」付近に「警告的爆撃」を実施したと伝えた。

なお、この爆撃に先立って、イスラエルのイスラエル・カッツ国防大臣は、Xを通じて以下の通り述べていた。

ダマスカスへの警告は終わった。これからは痛みを伴う打撃が始まる。
イスラエル軍は、スワイダー県でドゥルーズ派を攻撃した勢力を完全に撤退させるまで、強力に作戦を続けていく。
イスラエル国内のドゥルーズ派の皆さん、シリアの兄弟たちを守るためにイスラエル軍が行動していると信じてほしい。ネタニヤフ首相と国防大臣である私は、この約束を引き受けた――そして、必ず果たす。






**

SANAによると、イスラエル軍の戦闘機は首都ダマスカスなどへの爆撃と並行して、ダルアー県のダルアー市、ダマスカス・ダルアー高速道路周辺、ガバーギブ町東部に対して複数回の爆撃を実施し、市民らが負傷、物的被害が生じた。

一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の戦闘機がダルアー市、ジャバーブ村近郊のシリア軍第189連隊基地、ダルアー市西のシリア軍第132旅団基地などに対して複数回の爆撃を実施した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍はまた、ダマスカス郊外県のキスワ市一帯、ダルアー県のガバーギブ町、ムーサビーン村を爆撃した。

シリア人権監視団によると、イスラエルの無人航空機がスワイダー県の山岳地帯の街道を移動中の国防省所属の第70師団の軍用車両を攻撃し、これにより兵士5名が死亡した。

スワイダー24によると、この車輛は、スワイダー県郊外の民家で略奪した物資を積載していたという。

シリア人権監視団によると、ダマスカス県のマッザ航空基地内の武器庫、ダマスカス郊外県のムウダミーヤト・シャーム市の旧シリア軍第4師団本部がイスラエル軍の爆撃を受けた。

**

アラビーヤ・チャンネルによると、シリア民間航空総局は、イスラエル軍によるシリア領内への爆撃激化を受けて、シリア南部の空域通過ルートを現地時間の18時30分まで一時閉鎖した。

**

外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、シリア南部などに対するイスラエル軍の爆撃をもっとも厳しい表現で非難すると発表した。

**

SANAによると、ムスアブ・アリー保健大臣が、マルワーン・ハラビー高等教育科学研究大臣、ムハンマド・アブー・ハイル・シュクリー宗教関係大臣とともに、首都ダマスカスに対するイスラエル軍の爆撃による負傷者が搬送されたムジュタヒド病院、ムワーサー病院を慰問した。


(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がスワイダー市に進攻したシャルア移行期政権の国防省・内務省部隊を狙って爆撃を実施:ネタニヤフ首相とカッツ国防大臣はイスラエルへの脅威となる兵力および武器の進入の阻止、ドゥルーズ派の保護を主張(2025年7月15日)

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍は、スワイダー市内に展開していたアフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊(シリア軍)所属の戦車1両を狙って爆撃を実施、これを完全に破壊した。

爆撃は、国防省部隊の大規模な軍用車列が市内に進入し、各地区で広範に展開を始めたことを受けた者。

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍はまた、スワイダー市西部の入り口付近でシリア軍の車列を標的とした2度目の爆撃を実施、これにより兵士1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍はさらに、スワイダー市中心部にある警察本部付近の内務省総合治安局部隊の集結地点を狙って爆撃を実施した。

スワイダー24も16時5分、イスラエル軍が、スワイダー市中心部の警察本部付近に集結していた治安部隊を標的として爆撃を実施した。また、この約2時間前には、刑事治安局近に集結していた別の部隊に対しても爆撃が行われたと報じた。

**

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍は、ダルアー県イズラア市のシリア軍第12旅団基地一帯の拠点を狙って2回にわたっての爆撃を実施した。

**

イスラエル首相府は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防大臣による共同声明し、スワイダー県を爆撃したと発表した。

声明の内容は以下の通り。

ネタニヤフ首相およびカッツ国防大臣は、シリアのドゥルーズ地域に対するシリア(移行期)政権による攻撃を受け、直ちにイスラエル軍に対し、スワイダー県のドゥルーズ山地域に進入した政権軍および同地域に持ち込まれた兵器に対して攻撃を行うよう指示した。これらは、イスラエルが決定した非武装化政策に反しており、シリア南部におけるイスラエルへの脅威となる兵力および武器の進入を防止する方針に反するものであった。
イスラエルは、イスラエル国内のドゥルーズ派市民との「血の契約」および、シリアのドゥルーズ派との歴史的・血縁的なつながりに基づき、シリアのドゥルーズ派への危害を阻止することを約束する。我々はシリア(暫定)政権がドゥルーズ派に危害を加えることを阻止し、我が国との国境に隣接する地域の非武装化を確保するために行動している。

**

サウジアラビア外務省カタール外務省イラク外務省ヨルダン外務省は、イスラエル軍によるスワイダー県への爆撃など度重なる攻撃を非難した。

**

シリア人権監視団によると、2025年初め以降、イスラエルはシリア国内に対して67回の攻撃を行っている。

うち57回が爆撃、10回が地上攻撃で、これらの攻撃による被害は以下の通り。
●破壊された標的:約99ヵ所(武器・弾薬庫、軍事施設、司令部、車両など)
●死者:37人
o 軍関係者:10人(負傷者21人)
o 身元不明:3人(うち2人はレバノン国籍)
o 民間人:15人(負傷者3人)
o 武器を携帯していた民間人:9人

爆撃の県別内訳は以下の通り。
●アレッポ県:1件(7発)
●ダマスカス県とダマスカス郊外県県:17件
●スワイダー県:8件(うち1件では4発)
●ヒムス県:8件(うち2件はレバノンとの非合法国境地帯)
●クナイトラ県:6件
●ダルアー県:9件
●タルトゥース県:2件
●ラタキア県:4件
●ハマー県:2件

地上攻撃の県別内訳は以下の通り。
●ダルアー県:5件(死者16人)
●ダマスカス郊外県:1件
●クナイトラ県:4件

なお、イスラエル軍は2024年12月8日にアサド政権が崩壊して以降、同年末までに は、約500回の爆撃を実施し、シリア軍の武器庫を事実上壊滅させている。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャイバーニー外務在外居住者大臣は、ブリュッセルでオーストリアのマインル=ライジンガー欧州国際問題担当連邦外務大臣、ヨルダンのサファディー外務大臣と会談(2025年7月15日)

SANAによると、地中海連合会合に出席するためにベルギーのブリュッセルを訪問中のアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、オーストリアのベアテ・マインル=ライジンガー欧州国際問題担当連邦外務大臣と会談した。

SANAによると、シャイバーニー外務在外居住者大臣はまた、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣と会談した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍の輸送機1機がハッラーブ・ジール村にある有志連合の基地に軍用物資および兵站物資を輸送(2025年7月14日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の輸送機1機が13日深夜から14日未明にかけて、ハッラーブ・ジール村にある有志連合の基地に軍用物資および兵站物資を輸送した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はスワイダー県に進行したシャルア移行期政権国防省の部隊を爆撃:ドゥルーズ派の保護を主張(2025年7月14日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が県上空に飛来した。

**

SANAによると、イスラエル軍の航空機が、スワイダー県のマズラア町一帯に対して2回、カナーキル村一帯に対して1回の爆撃を実施し、物的被害が発生した。

**

シリア人権監視団によると、イスラエル軍の爆撃は、アフマド・シャルア移行期政権のシリア国防省に所属する部隊の集結地や軍用車輌を狙ったもの。

ANHAによると、この爆撃と前後して、マズラア町、カナーキル村、タッル・ハディード村に展開していたアフマド・シャルア移行期政権傘下の武装グループが撤退した。

**

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、Xを通じて、以下の通り発表した。

速報:イスラエル軍は先ほど、シリア南部スワイダー県のサミーア村一帯で複数の戦車を攻撃した。続報あり。

アドライ報道官はまた、Xを通じて、以下の通り発表した。

速報:本日早く、サジーン村とサミーア村間の地域で複数の戦車が確認され、それらがスワイダー市方面に向けて移動していた。
イスラエル国防軍は、それらの戦車の到達を阻止するため攻撃を実施した。

●このような兵器がシリア南部に存在することは、イスラエル国家に対する脅威となり得る。
●イスラエル軍は、シリア南部における軍事的脅威の存在を決して許容せず、それに対抗して行動を取る。また、同地域の情勢を今後も注視し続ける。

一方、タイム・オブ・イスラエルによると、イスラエル・カッツ国防大臣は、この爆撃について「シリアの体制へのメッセージであり明確な警告だ、我々はシリアのドゥルーズ派に危害を加えることを許さない」と述べた。

**

ハダス・チャンネル(アラビーヤ・チャンネル)は、イスラエルの治安当局者の話として、同国がダルアー県およびスワイダー県に地上侵攻するつもりはなく、ドゥルーズ派を守るため、ダマスカス(アフマド・シャルア移行期政権)と連携して措置を調整していると伝えた。

**

シリア人権監視団は、イスラエルがアフマド・シャルア移行期政権に対して、国防省の部隊が掌握したシリア南部の地域から、14日12時までに完全に撤退するよう求めたと発表した。

**

シリア人権監視団によると、2025年に入って以降、イスラエル軍はシリア領内を62回にわたって攻撃している。

うち52回が爆撃、10回が地上攻撃で、これにより弾薬庫、司令部、拠点、車輌などおよそ92ヵ所の標的が破壊または損傷を受けた。

また、攻撃による死傷者は以下の通り。
●シリア軍事作戦総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局および国防省所属の兵士:9人死亡、21人負傷
●身元不明者:3人死亡(うち2人はレバノン国籍)
●民間人:15人死亡、3人負傷
●武装した民間人:9人死亡

県別の爆撃の回数と死者は以下の通り:
●アレッポ県:7回
●ダマスカス県およびダマスカス郊外県:17回(民間人2人、身元不明3人(うちレバノン人2人、兵士2人死亡)
●スワイダー県:4回
●ヒムス県:8回(うち2回はシリア・レバノン国境の非公式の通行所)
●クナイトラ県:6回(民間人1人、シリア軍事作戦指令部の兵士2人死亡、1人負傷)
●ダルアー県:8回(民間人4人、シリア軍事作戦指令部の兵士1人死亡、その他負傷者)
●タルトゥース県:2回
●ラタキア県:4回(民間人1人死亡、3人負傷)
●ハマー県:2回(シリア軍事作戦指令部所属4人死亡)

県別の地上攻撃の回数と死傷者は以下の通り:
●ダルアー県:5回(武装した民間人16人死亡、2人負傷)
●ダマスカス郊外県:1回
●クナイトラ県:4回

なお、アサド政権が崩壊した2024年12月8日から同年末までの間に、イスラエル軍はシリア国内の軍事拠点に対して約500回の爆撃を実施しており、旧シリア軍の主力兵器は事実上壊滅した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領はサウジアラビアのアブドッゥラー・ビン・アリー・ドゥバイヒー投資省副大臣と会談(2025年7月14日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は首都ダマスカスの人民宮殿でサウジアラビアのアブドッゥラー・ビン・アリー・ドゥバイヒー投資省副大臣と会談、二国間の投資協力の展望とその拡大に向けた具体的な方策について議論した。

シャイバーニー外務在外居住者大臣はブリュッセルでカッラスEU外務・安全保障政策上級代表と会談
SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、地中海連合会合に出席するためにベルギーのブリュッセルを訪問し、欧州連合(EU)のカヤ・カッラス外務・安全保障政策上級代表と会談、シリアとEUの関係強化のための方策や、共通の関心を有する諸分野における協力の拡大について意見を交わした。

SANAによると、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣はまた、記者団らに対し、地中海連合の会合に参加し、加盟資格を再活性化させることに成功したとしたうえで、EUとの間には、安全保障、投資、復興の分野で戦略的パートナーシップを築くための大きなチャンスがシリアを待っている」と語った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

人民議会選挙高等委員会はトルコ、アラブ諸国の外交団代表と会合を行い、選挙プロセスの各段階について説明(2025年7月14日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、首都ダマスカスにある人民議会議事堂でレバノン、ヨルダン、トルコ、カタール、サウジアラビア、UAE、オマーン、バーレーン、パレスチナなどの外国の外交団代表らと会合を行い、選挙プロセスの各段階について説明した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はヘルモン山一帯旧シリア軍の司令本部の複数ヵ所を特定、軍需物資、3トンを超える兵器を押収(2025年7月13日)

イスラエル軍は、声明出し、第210師団傘下の第810旅団の部隊は、ハル・ドヴ(シャブアー農場・カフルシューバー)での防衛任務に加え、シリア領内でも引き続き作戦を展開、ヘルモン山一帯でアサド政権時代にシリア・レバノン地域を管轄していた司令本部の複数ヵ所を特定、軍需物資、3トンを超える兵器を発見を押収したと発表した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊がアイン・バイダー村の交差点付近まで進入し、検問所を設置して通行人の検査を実施、その後、部隊は現場から撤収した

また、イスラエル軍の別のパトロール部隊がアイン・ザイワーン村に越境侵入、これに続き、アフマル丘から同村に向けて発砲が確認された。

シリア人権監視団によると、軍用車両4台からなるイスラエル軍部隊はさらに、カフターニーヤ町近くのマタラ・ダム周辺に越境侵入した。

また、ブライカ村周辺の農地で、イスラエル軍の発砲によると見られる火災が発生した。

シリア人権監視団によると、このほかにも、軍用車輌4台からなるイスラエル軍部隊は、東サムダーニーヤ村および西サムダーニーヤ村に越境侵入し、複数の住宅を家宅捜索した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

i24ニュース:シャルア暫定大統領はアゼルバイジャンへの公式訪問に際して移行期政権とイスラエル当局者との会合に少なくとも1回は出席(2025年7月13日)

i24ニュースは、シリアのアフマド・シャルア暫定大統領に近いシリア筋の話として、同大統領がアゼルバイジャンへの公式訪問に際して、移行期政権とイスラエル当局者との会合に少なくとも1回は出席したと伝えた。

同シリア筋によると、会合は2〜3回にわたって行われ、シャルア暫定大統領に加えて、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣、イスラエルとの治安関連の連絡を担当しているアフマド・ダッラーティー氏も同席した。

イスラエル側からは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の特使や治安・軍事関係者を含むハイレベル代表団が出席、会合では以下のような内容が議題として扱われたという。

●イスラエル・シリア間で署名が予定されている安全保障協定
●イランのシリアおよびレバノンにおける脅威
●ヒズブッラーの武装問題
●パレスチナ系民兵の武器保有
●レバノン国内のパレスチナ難民キャンプ
●ガザ地区出身のパレスチナ難民の処遇

これらの議題に加えて、首都ダマスカスに外交的地位を持たないイスラエルの連絡事務所を開設する可能性についても議論された可能性があるという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県カスラク村の基地に米主導の有志連合が物資を搬入(2025年7月13日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合のヘリコプターがジュダイド・バッカーラ村上空に飛来を低空で飛行した。

また、シリア人権監視団によると、シリア民主軍が有志連合の航空支援を受けて、ブーナイタル村で空挺作戦を実施、ダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーを再逮捕した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の輸送機がカスラク村の基地に軍需物資とロジスティック資材を搬入した。

またイラク・クルディスタン地域からワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を通じて、燃料タンク車、密閉型コンテナ、軍用車両、支援物資などを含む36台から有志連合の車列も基地に入った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

陸路海路出入国管理総局はドバイ・ポーツ・ワールド(DP World)はタルトゥース港の運営、拡張、管理、ロジスティクス基盤の国際基準に則った開発にかかる戦略協定に調印(2025年7月13日)

SANAによると、陸路海路出入国管理総局は、ドバイ・ポーツ・ワールド(DP World)は、タルトゥース県タルトゥース港の運営、拡張、管理、ロジスティクス基盤の国際基準に則った開発にかかる戦略協定に調印した。

調印式は首都ダマスカスの人民宮殿で行われ、アフマド・シャルア暫定大統領が立ち会った。

契約期間は30年で、投資額は8億ドル(第1フェーズ2億ドル、第2フェーズ2億ドル、第3フェーズ4億ドル)に上り、タルトゥース港の基盤整備、インフラ、ロジスティクスの強化に充てられる。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍が兵力引き離し地域(AOS)とシリア政府の実効支配地を隔てるラインA付近(クナイトラ県)への発砲が原因で、ブライカ村とビイル・アジャム村の西側にある農地一帯で大規模な火災が発生(2025年7月12日)

クナイトラ県で、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が兵力引き離し地域(AOS)とシリア政府の実効支配地を隔てるラインA付近への発砲が原因で、ブライカ村とビイル・アジャム村の西側にある農地一帯で大規模な火災が発生した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使:「シリア民主軍の分離独立国家樹立を支持していない」(2025年7月12日)

トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、サウジアラビア系英字メディアのアラブ・ニュースのインタビューに応じて、アメリカによる対シリア制裁の解除が「戦略的な新たな始まり」であると述べ、シリアの分裂や連邦化といったいかなる形態にも反対する米国の立場を改めて表明した。

バラク大使は、「ドナルド・トランプ大統領の政権が5月13日に制裁を解除したのは、10年以上にわたる戦争の末に、シリア国民に新たな希望を提供することが目的だった」と語った。

また中東地域について、「驚くべき歴史的な時代における、複雑な課題」であると表現した。

バラク大使はさらに、「トランプ大統領のメッセージは平和と繁栄だ」と述べ、今回の政策転換は新たなシリア政府に国家再建の機会を与えることを意図していると説明した。そのうえで、アメリカのシリア介入の本来の目的は、イスラム国(ダーイシュ)との戦いであったと付け加えた。

バラク大使は、「米国はシリアでの連邦制モデルの導入に反対しており、国には一つの軍隊と一つの政府が必要だ」と強調し、「シリアは一つの国家であり続ける」と述べた。さらに、「自治権を持つ分離地域」の設置の可能性を否定し、「米国は条件を押し付けることはないが、“分離的な結果”を支持することはない」と明言した。

**

米国務省によると、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は7月11日夜(シリア時間7月12日)の夜、ニューヨークで一部記者団らに対して、シリア民主軍の分離独立国家樹立を支持していないと明言した。

バッラク大使は以下の通り述べた。

米国がシリア民主軍を支援していることは、シリアに自由クルディスタンやシリア民主軍の国家、あるいはアラウィー派の国家やドゥルーズ派の国家の建設を意味するものではない。
すべてはシリアという一つの国家の枠内にあり、シリアには独自の憲法と議会が設けられることになる。
我々は彼ら(シリア民主軍)に恩義があるが、その恩義が独立した自治体制の承認という意味であってはならない。
対シリア制裁の解除は、戦争に引き裂かれたこの国にとって戦略的な新たな出発点であり、米国は地域に国家や連邦制を構築することを目的としていない。
(制裁解除)は10年以上続いた内戦の後に、シリア国民に新たな希望を与えるためであった。
シリアはひとつの軍、一つの政府を有する統一国家であるべきだ。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県北部で続く森林火災の影響により、トルコがカサブ国境通行所を一時的に閉鎖:カタールが現地チームや支援物資を積んだ航空機3機を派遣(2025年7月12日)

SANAによると、ラタキア県北部で続く森林火災の影響により、トルコがカサブ国境通行所を一時的に閉鎖した。

**

SANAによると、カタールは、森林火災への対応支援として、現地チームや支援物資を積んだ航空機3機を派遣、アレッポ国際空港に到着した。

シリア民間航空総局がSANAに対して明らかにしたところによると、今回到着した物資には、カタール国防省航空部隊所属の消火用ヘリコプター2機、消防車、救急車、物流支援機材などが含まれているほか、カタール内務省傘下の民間防衛隊(ルフーヤー)の隊員100人、カタール国際救助チームの一部、そしてカタール航空部隊の空中作戦担当35人からなる専門チーム、加えて医療専門チームが現地入りした。

**

シリア支援基金(AFS)は、声明を出し、シリア北西部ラタキア郊外および国内の他の地域で発生している山火事への緊急対応支援として、50万ドルの緊急資金を拠出した。

**

SANAによると、ラタキア北部で続く大規模な森林山火事に対し、イラク政府も消火活動に参加するための消防隊を派遣した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領と随行団は、アゼルバイジャンを訪問しアリエフ大統領と会談:エネルギー大臣は、エネルギー分野およびトルコを経由したシリアへの天然ガス供給と石油探査における協力・調整にかかる覚書に調印(2025年7月12日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領はアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣ら随行団を伴い、アゼルバイジャンを公式訪問し、首都バクーにあるズグルバ宮殿でイルハム・アリエフ大統領と会談した。

**

SANAによると、シャルア暫定大統領は、アリエフ大統領に対し、温かい歓迎と寛大なもてなし、両国民の間に存在する深い心の絆を反映した誠実な兄弟愛の精神に対して、感謝と敬意を表した。

**

SANAによると、シャルア暫定大統領とともにアゼルバイジャンを訪問したムハンマド・バシール・エネルギー大臣は、エネルギー分野およびトルコを経由したシリアへの天然ガス供給と石油探査における協力・調整にかかる覚書に調印した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県のサイード副知事:「イスラエルの軍事基地建設によって、同県の6,000ヘクタールの農地と牧草地が封鎖され、多くの家畜飼育を生業とする家族が生計を失っている」(2025年7月11日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、占領下ゴラン高原とシリアの実効支配地を隔てるラインAに近いラフィード町西側にある土地で、大規模な火災が発生し、数十ドゥーナムの農地や牧草地が消失した。

住民らは、この火災はイスラエル軍によって引き起こされたものだと非難している。

**

クナイトラ県のムハンマド・サイード副知事は、アナトリア通信のインタビューに応じ、イスラエルの軍事基地建設によって、同県の6,000ヘクタールの農地と牧草地が封鎖され、多くの家畜飼育を生業とする家族が生計を失っていることを明らかにした。

サイード副知事はまた、イスラエル軍が自らの活動を正当化しようと、実体のない口実や言い訳に基づいて行動していると非難し、侵害行為が軍事面に限らず、市民の日常生活にも重大な影響を及ぼしていると強調した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連の制裁監視団の未公開の報告書のなかで、今年に入ってからシャルア移行期政権に加わったイスラーム主義組織とアル=カーイダとの間に「現在進行形のつながり」は見られなかったと指摘(2025年7月11日)

ロイター通信は、国連の制裁監視団の未公開の報告書において、今年に入ってから、アフマド・シャルア移行期政権に加わったイスラーム主義組織とアル=カーイダとの間に「現在進行形のつながり」は見られなかったと指摘がなされたと伝えた。

同報告書は7月中にも公表される見通し。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府の使節団が化学兵器禁止機関(OPCW)の第109回執行理事会に出席(2025年7月11日)

SANAによると、シリア政府の使節団が化学兵器禁止機関(OPCW)の第109回執行理事会に出席し、前政権が残した化学兵器計画の処理に関する現場での作業の進捗状況を報告した。

**

これに関して、外務在外居住者省は12日、フェイスブックなどを通じて、前政権が遺した化学兵器計画の処理とその負の遺産の清算に向けて、シリア主導のもと国際チームを間もなく立ち上げる予定であると発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハワーリー空軍司令官がラタキア県北部で続く森林火災の消火作業に参加しているレバノン軍とヨルダン軍のチームと会談(2025年7月11日)

SANAによると、ラーイド・サーリフ非常事態災害大臣は、ラタキア県北部で続く森林火災への消火活動と並行して、民間防衛機構(旧民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット))と各地の消防隊がハマー県ナブア・タイイブ村近郊で発生した大規模な森林火災2件に対応したと発表した。

SANAによると、サーリフ非常事態災害大臣はまた、ラタキア県北部で続く森林火災について、Xを通じて、危険地域への延焼を阻止されたとしつつ、カサブ町とカスタル・マアーフ町を結ぶ街道について、火災の完全制圧に向けた作業を確保するため、緊急・救急車両を除いて一時的に通行を制限したと発表した。

**

SANAによると、シリア軍のアースィム・ハワーリー空軍司令官(准将)が、ラタキア県北部で続く森林火災の消火作業に参加しているレバノン軍のチームと会談した。

SANAによると、ハワーリー司令官はまた、消火活動に参加しているヨルダン軍のチームとも会談した。

**

SANAによると、民間防衛機構および消防隊は、ブルジュ・ザーヒヤ、ファルナラクの森林地帯、カサブ町近郊のナブア・ムッル村一帯の3ヵ所で消火作業にあたった。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍地上部隊がクナイトラ県の西サムダーニーヤ村と東サムダーニーヤ村の間に越境侵入(2025年7月10日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊が西サムダーニーヤ村と東サムダーニーヤ村の間に越境侵入した。

(C)青山弘之 All rights reserved.