米軍の爆撃でヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)のエジプト人有力幹部アブー・ファラジュ・ミスリー氏が死亡(2016年10月3日)

ロイター通信(10月3日付)は米国防総省高官の話として、米軍が「シリアのアル=カーイダの有力メンバーを標的とした」と伝えた。

同高官によると、「我々は作戦そのものについて話すことはないし、爆撃が成功したことを確認するまで情報を開示することもない」という。

これに関して、シリア人権監視団は、所属不明の戦闘機1機が、イドリブ県ジスル・シュグール市郊外のダルクーシュ町に近いジュマイリーヤ村を爆撃し、シャーム・ファトフ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)のアラブ国籍の司令官が新だとの情報が入っている、と発表した。

一方、SNN(10月3日付)は、ジスル・シュグール市郊外のダーヤ交差点でアフマド・サラーマ・マブルーク氏が乗った車が無人航空機の爆撃を受け、同氏が死亡したと伝えた。

アフマド・サラーマ・マブルーク氏とは、シャーム・ファトフ戦線の有力幹部のエジプト人で、「アブー・ファラジュ・ミスリー」の名で知られている人物。

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最終的には、シャーム・ファトフ戦線がツイッターを通じて声明を出し、「シューラー評議会メンバーのアブー・ファラジュ・ミスリー氏がイドリブ県西部郊外での有志連合の爆撃で殉教した」と発表した。

Kull-na Shuraka', October 3, 2016
Kull-na Shuraka’, October 3, 2016

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、SNN, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がハマー県北部でジュンド・アクサー機構などからなる反体制武装集団への反転攻勢を開始(2016年10月3日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部でシリア軍、親政権武装部隊が反転攻勢を開始し、シュアサ村とトゥライスィーヤ村を結ぶ回廊地帯でジュンド・アクサー機構などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(10月3日付)によると、シリア軍がラターミナ町、タイバト・イマーム市、マアーン村、アトシャーン村、カッバーリーヤ村、カーヒラ村、スカイク村、カウカブ村、カッラーフ村一帯、ワーディ・フサイン、バッザーム丘一帯で反体制武装集団(ジュンド・アクサー機構)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマシュラファ村を砲撃、タドムル市郊外の放棄された大隊基地、シャーイル油田一帯、ジャズル油田一帯でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(10月3日付)によると、シリア軍がタルビーサ市東部(アブー・アナズ農場)でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)を要撃した。

このほか、シリア・ムスリム同胞団系の武装集団シャーム軍団のヒムス県農村地区部門は声明を出し、北ヒムス郊外作戦司令室に参加すると発表した。

北ヒムス郊外作戦司令室は2015年10月に同地で活動していた反体制武装集団が結成した連合体。

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マスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、タッル・クルディー町回廊地帯で、シリ軍がイスラーム軍と交戦し、イスラーム軍の戦闘員2人が死亡した。

また戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市、シャイフーニーヤ村、ハラスター市郊外農場地帯など東グータ地方一帯を空爆した。

さらに西グータ地方のダイルハビーヤ村一帯では、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなるジハード主義武装集団が、シリア軍、親政権武装部隊と交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、クルド山のカッバーナ町一帯に、シリア軍が「樽爆弾」を投下、また戦闘機(所属明示せず)が、同地の反体制武装集団拠点を爆撃した。

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ダルアー県では、SANA(10月3日付)によると、シリア軍がダルアー市内各所、ガラズ中央刑務所一帯でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)と交戦した。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市東部の水道供給センター一帯にシリア軍が進軍し、ヌスラ戦線と交戦(2016年10月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部のスライマーン・ハラビー地区の水道供給センター一帯に、シリア軍および親政権武装部隊が進軍し、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)と交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

アレッポ市内ではまた、ブスターン・バーシャー地区とスライマーン・ハラビー地区を結ぶ回廊地帯、市南西部の第1070集合住宅地区一帯、市北部のジャンドゥール交差点回廊一帯で戦闘が発生、戦闘機(所属明示せず)がブアイディーン地区などを空爆、女性1人を含む3人が死亡した。

ヒズブッラーの広報部門などによると、アレッポ市北部での戦闘では、シリア軍がジャンドゥール交差点方面に進軍し、同地を射程圏内に納め、同地への砲撃を強化したという。

さらにアレッポ市北部郊外のアルド・マッラーフ地区一帯で、シリア軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団メンバー3人が死亡した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月3日付)によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市サーフール地区の野戦病院(通称「M10病院」)に対してバンカーバスターで空爆を行い、職員7人が死亡した。

同病院が爆撃を受けるのはこれが4度目だという。

他方、ARA News(10月3日付)によると、反体制武装集団がヌッブル市、ザフラー町を砲撃した。

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ファトフ軍のアブー・ヤクザーン・ミスリー司令官は音声声明(https://soundcloud.com/aranews/oofmwaw98phr)を出し、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部に対して総動員令を発し、住民に戦闘への参加を呼びかけた。

ファトフ軍は、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる連合体で、シャーム自由人イスラーム運動や「穏健な反体制派」からなるアレッポ・ファトフ軍とアレッポ市東部包囲戦で完全共闘している。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で有志連合と思われる戦闘機がユーフラテス川の水門を破壊(2016年10月3日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる戦闘機がアシャーラ市とスワイダーン・ジャズィーラ村の間に位置する水門を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月3日付)によると、シリア軍がサワーナ丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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ハマー市とハサカ市郊外で相次いで自爆テロが発生、ダーイシュが犯行を認める(2016年10月3日)

ハマー県では、SANA(10月3日付)によると、ハマー市内のアースィー広場で男性2人が相次いで自爆し、住民3人が死亡、11人が負傷した。

2人とも自爆ベルトを着用して犯行に及び、最初の爆発は3日正午頃、2度目の爆発はその15分後に発生したという。

SANA, October 3, 2016
SANA, October 3, 2016

この連続自爆テロに関して、ダーイシュ(イスラーム国)のハマー広報局の名で声明が出された。

声明では、3人のメンバーによって攻撃が実行されたとされている。

Kull-na Shuraka', October 3, 2016
Kull-na Shuraka’, October 3, 2016

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ハサカ県では、SANA(10月3日付)によると、サフィーヤ村近郊の宴会施設「サナービル・サロン」で、自爆ベルトを着用した男性が自爆し、30人が死亡、90人が負傷した(シリア人権監視団によると、死者数は34人で、すべて民間人だったという)。

SANA, October 3, 2016
SANA, October 3, 2016

この自爆攻撃に関して、ダーイシュ(イスラーム国)の戦果を喧伝するアアマーク通信は、ダーイシュのインギマースィー(特攻戦闘員)がPKK(クルディスタン労働者党)の武装集団の拠点を攻撃したと報じた。

ARA News, October 3, 2016
ARA News, October 3, 2016

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、October 5, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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ロシアの当事者和解調整センターはシリア政府と和解した市町村の数が702に達したと発表(2016年10月3日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターは、過去24時間にラタキア県、ヒムス県、クライトラ県の8町村がシリア政府との和解に応じ、米・ロシアによる停戦合意が発効した2月末以降にシリア政府と和解した市町村の数が702に達したと発表した。

SANA(10月3日付)が伝えた。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外相はカービー米国務省報道官の声明を受け「事態を正常な状態に戻したい」と述べる(2016年10月3日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、米国務省のジョン・カービー報道官が、シリアでの停戦を維持する目的で設置されたロシアとの二国間チャンネルへの参加を一時中止すると発表したことを受け、シリア情勢の進展に懸念を表明、「事態を正常な状態に戻したい」と述べた。

ラブロフ外務大臣は「我々は合意実現の途上に立ちはだかるすべての障害を克服し、シリアを正常な状態に戻したい」と述べる一方、米国との停戦合意が「中断したまま」であることを認め、その原因がシリアに対する米国の「曖昧」な姿勢にあると非難し、それを「解消したいと考えている」と述べた。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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カービー米国務省報道官は米露両国の当事者和解調整センターの連絡調整を一時中止したと発表(2016年10月3日)

米国務省のジョン・カービー報道官は声明で、シリアでの停戦を維持する目的で設置されたロシアとの二国間チャンネルへの参加を一時中止すると発表した。

カービー報道官によると、「これは軽率に下された決定ではない」という。

これにより、ヨルダンの首都アンマンに設置された米国側の当事者和解調整センターとラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターの連絡調整が中断することになる。

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なお、これに先立ち、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、米国と結んでいた核兵器解体に伴うプルトニウム処理に関する協定の履行を一時停止すると発表していた。

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『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月3日付)によると、米政権は、反体制派に対して、対空兵器システムの提供や、トルコ・サウジアラビアからの武器支援容認といった支援策を検討していると伝えた。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016、The Wall Street Journal, October 3, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は9月30日から10月2日までの3日間でシリア領内で42回の爆撃を実施(2016年10月3日)

米中央軍(CENTCOM)は、9月30日から10月2日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

9月30日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(3回)、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(2回)、ワスフィーヤ村近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

10月1日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(5回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

10月2日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して34回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は20回で、ブーカマール市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(3回)、ラッカ市近郊(5回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

AFP, October 3, 2016、AP, October 3, 2016、ARA News, October 3, 2016、Champress, October 3, 2016、al-Hayat, October 4, 2016、Iraqi News, October 3, 2016、Kull-na Shuraka’, October 3, 2016、al-Mada Press, October 3, 2016、Naharnet, October 3, 2016、NNA, October 3, 2016、Reuters, October 3, 2016、SANA, October 3, 2016、UPI, October 3, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市東部制圧に向けたシリア軍とYPGの共闘を受け、一部反体制派が両者との連携を模索(2016年10月3日)

『ハヤート』(10月3日付)は、シリア軍がアレッポ市東部制圧に向けて攻勢を強めるなか、一部の反体制派が、同地制圧に向けてシリア軍および西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との連携を模索していると報じた。

al-Hayat, October 3, 2016をもとに作成。

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