タウヒード旅団はファトフ軍に統合されたヌールッディーン・ザンキー運動に、ムラービトゥーン連合はファトフ軍を主導するアル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線にそれぞれ合流すると発表(2016年10月15日)

タウヒード旅団はビデオ声明を出し、ヌールッディーン・ザンキー運動の要請を受けるかたちで、同運動に統合されたと発表した。

ヌールッディーン・ザンキー運動は米国の支援を受ける「穏健な反体制派」で、最近になってアル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線が主導するファトフ軍に完全統合されていた。

Youtube, October 15, 2016
Youtube, October 15, 2016

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ムラービトゥーン連合は声明を出し、アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線に忠誠(バイア)を表明、同組織に完全統合されたと発表した。

Kull-na Shuraka', October 16, 2016
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AFP, October 16, 2016、AP, October 16, 2016、ARA News, October 16, 2016、Champress, October 16, 2016、al-Hayat, October 17, 2016、Iraqi News, October 16, 2016、Kull-na Shuraka’, October 16, 2016、al-Mada Press, October 16, 2016、Naharnet, October 16, 2016、NNA, October 16, 2016、Reuters, October 16, 2016、SANA, October 16, 2016、UPI, October 16, 2016などをもとに作成。

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インドのモディ首相はロシアの対シリア政策への支持を表明(2016年10月15日)

インドのナレンド・モディ首相とロシアのヴラジミール・プーチン大統領はインドのゴアで会談した。

首脳会談ではシリア情勢についても意見が交わされ、会談後に出された共同声明では、「すべてのシリアの当事者を包摂する対話を通じたシリアの紛争の平和的解決」への支持を表明するとともに、「包囲下にある地域への人道支援物資の搬入と停戦強化の必要」を強調した。

また声明では、「インドは交渉を通じて政治的に事態を打開しようとするロシアの取り組みを承認する」として、ロシア政府へのインド政府の支持の姿勢が表明された。

AFP, October 15, 2016、AP, October 15, 2016、ARA News, October 15, 2016、Champress, October 15, 2016、al-Hayat, October 16, 2016、Iraqi News, October 15, 2016、Kull-na Shuraka’, October 15, 2016、al-Mada Press, October 15, 2016、Naharnet, October 15, 2016、NNA, October 15, 2016、Reuters, October 15, 2016、SANA, October 15, 2016、UPI, October 15, 2016などをもとに作成。

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スイスのローザンヌで西欧諸国を除くISSG外相が会談し、シリア情勢への対応を協議:トルコはロシアに同調し、ヌスラ戦線のアレッポ市からの退去を求める(2016年10月15日)

米国のジョン・ケリー国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのローザンヌで会談し、シリア情勢への対応について協議した。

米・ロシアの外相が直接会談し、シリア情勢について意見を交わすのは、シリア国内での停戦合意が破棄されて以降初めて。

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この会談後、国際シリア支援グループ(ISSG)の外相級会合が開かれ、米国、ロシアに加えて、サウジアラビア、トルコ、イラン、イラク、カタール、ヨルダン、エジプトの外務大臣、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がシリア情勢への対応を協議した。

西欧諸国は参加しなかった。

複数の消息筋によると、会合では、デミストゥラ氏の提案に基づき、アレッポ市東部で戦闘を続けるアル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線の戦闘員の退去について協議されたという。

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RT(10月16日付)などによると、会談では9月9日に米国とロシアが交わし9月12日に発効するも、19日に破棄された停戦合意に基づくシリア国内、とりわけアレッポ市での戦闘停止の再開や、政治移行プロセスなどについて議論が集中した。

ロシア側はこのなかで、アル=カーイダ系組織であるシャーム・ファトフ戦線とそれ以外の(穏健な)反体制派を峻別する必要を強調した。

これに対して、米国、サウジアラビアなどは、ロシア・シリア両軍がアレッポ市東部で病院、医療機関、民間人に対して空爆を行っていることを批判した。

ケリー米国務長官は会合後、「掘り下げられるべき多くの良いアイデア」が提示されたと述べ、近日中にその詳細を確定し、停戦をめざす意向を示した。

これに対して、ラブロフ外務大臣は、「今後も引き続き連絡を取り続けねばならないことで合意した」と述べるにとどまった。

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一方、『ハヤート』(10月17日付)によると、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は会談後、「アレッポ市内にいるヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)のメンバーはすぐさま撤退せねばならない」と述べた。

チャヴシュオール外務大臣はまた、「ローザンヌに集まったすべての当事者は、シリア危機を政治的に解決することに合意し、シリア全土での停戦が宣言されることを呼びかける…。シリア危機に関して中断している対話を再開すべきで…、シリア政府と「穏健な反体制派」は解決に向けたイニシアチブを発揮しなければならない」と述べた。

AFP, October 15, 2016、AP, October 15, 2016、ARA News, October 15, 2016、Champress, October 15, 2016、al-Hayat, October 16, 2016、October 17, 2016、Iraqi News, October 15, 2016、Kull-na Shuraka’, October 15, 2016、al-Mada Press, October 15, 2016、Naharnet, October 15, 2016、NNA, October 15, 2016、Reuters, October 15, 2016、RT, October 15, 2016、SANA, October 15, 2016、UPI, October 15, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍地上部隊がロジャヴァの拠点都市アフリーン市北部の国境地帯に侵入し、2カ村を砲撃(2016年10月15日)

アレッポ県では、ARA News(10月15日付)によると、トルコ軍地上部隊が、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市北部の国境地帯をシリア領内に越境し、スールカ村を砲撃、進攻した。

ARA News, October 15, 2016
ARA News, October 15, 2016

また、SANA(10月16日付)によると、トルコ軍はスールカ村に加えて、ダイル・ブラート村に対しても砲撃を加えた。

AFP, October 15, 2016、AP, October 15, 2016、ARA News, October 15, 2016、Champress, October 15, 2016、al-Hayat, October 16, 2016、Iraqi News, October 15, 2016、Kull-na Shuraka’, October 15, 2016、al-Mada Press, October 15, 2016、Naharnet, October 15, 2016、NNA, October 15, 2016、Reuters, October 15, 2016、SANA, October 15, 2016、October 16, 2016、UPI, October 15, 2016などをもとに作成。

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イラクでのモスル奪還作戦開始を前にダーイシュの外国人戦闘員とその家族多数がシリア領内に移動(2016年10月15日)

ハサカ県では、ARA News(10月15日付)によると、イラク軍によるモスル制圧作戦を直前に控え、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが家族をモスル市からマルカダ町に避難させた。

避難したのは、外国人戦闘員の家族25世帯以上だという。

また、ニナワー県東部に展開するダーイシュのメンバー多数もイラク領内からシリア領内(ハサカ県、ダイル・ザウル県)方面に家族とともに移動したという。

ARA News, October 15, 2016
ARA News, October 15, 2016

AFP, October 15, 2016、AP, October 15, 2016、ARA News, October 15, 2016、Champress, October 15, 2016、al-Hayat, October 16, 2016、Iraqi News, October 15, 2016、Kull-na Shuraka’, October 15, 2016、al-Mada Press, October 15, 2016、Naharnet, October 15, 2016、NNA, October 15, 2016、Reuters, October 15, 2016、SANA, October 15, 2016、UPI, October 15, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル市一帯、ヒムス県東部のダーイシュ拠点への爆撃を続ける(2016年10月15日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市工業地区、フワイジャト・サクル、ダイル・ザウル航空基地一帯、ハトラ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

一方、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ウルフィー地区、パノラマ交差点一帯、バルーク丘でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がシャーイル油田、第3石油輸送ステーション(T3)一帯、フワイスィース村、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯などでダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆・攻撃した。

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スワイダー県では、SANA(10月15日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がサアラ村およびサアラ航空基地一帯に侵攻したが、シリア軍がこれを撃退した。

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ダルアー県では、SANA(10月15日付)によると、スワイダー県のサアラ村の後背地の丘陵地帯がダーイシュ(イスラーム国)の砲撃を受けた。

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シリア・ロシア両軍がアレッポ市東部に対する爆撃を継続(2016年10月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市東部のハラク地区を砲撃、また戦闘機(所属明示せず)がサーリヒーン地区、ブスターン・バーシャー地区を空爆した。

またアレッポ市ブスターン・バーシャー地区、カルム・タッラーブ地区一帯、ナイラブ橋地区では、シリア軍と親政権武装勢力が反体制武装集団(アレッポ・ファトフ作戦司令室)と交戦した。

さらにアレッポ市シャイフ・サイード地区でも、シリア軍、ヌジャバー運動(イラク人)らが反体制武装集団と交戦、さらにアレッポ市南部のハーン・トゥーマーン村でも戦闘が行われたという。

一方、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属する「命じられるまま正しく進め」連合はSNSを通じて、アレッポ市内の将校クラブ一帯を砲撃し、同地で会合を行っていたイラン人士官とヒズブッラー戦闘員の会合を殺害したと発表した。

他方、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がアレッポ市内のアレッポ城一帯で反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアルダス村、イスカンダリーヤ村一帯で反体制武装集団(ファトフ軍)と交戦した。

また戦闘機(所属明示せず)がムーリク市、カフルズィーター市、ラハーヤー村、ラターミナ町を空爆した。

一方、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がマアルダス村、スーラーン市、タイバト・イマーム市、ラターミナ町、マサースィナ村でファトフ軍の拠点を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市北東部、リーハーン農場一帯を空爆した。

また、ARA News(10月15日付)によると、イスラーム軍がシリア軍との戦闘の末、リーハーン農場の2カ所から撤退した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカッバーナ町一帯の山岳地帯を空爆した。

一方、SANA(10月15日付)によると、シリア軍が県北部のカルフース村、第1101地点、第1154地点、ダフラト・ダグリー村、ハーニク村、カフルサンドゥー村、カンズー山で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がマアッラト・ヌウマーン市、ブナイン村、イフスィム町、キンダ村、タルマーニーン村を空爆した。

ARA News(10月15日付)によると、タルマーニーン村に対する空爆では15人以上が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がタマーニア町、ナージヤ村、ハッルーズ村、マアッラト・ヌウマーン市でファトフ軍の拠点を空爆した。

また、クッルナー・シュラカー(10月16日付)によると、ラタキア県北部に展開するシリア軍部隊が、トルコとの国境に近いビダーマー町、ハムブーシーヤ村、サフヤート村、ハルマーシュ村近郊の避難民キャンプを砲撃し、複数人が負傷した。

Kull-na Shuraka', October 15, 2016
Kull-na Shuraka’, October 15, 2016

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ヒムス県では、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がグナイマーン村、ウンム・シャルシューフ村、タルビーサ市でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(10月15日付)によると、シリア軍がダルアー市難民キャンプ地区、アッバースィーヤ地区、ダム街道地区南西部でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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トルコ軍と有志連合の支援を受けた反体制武装集団がダーイシュの拠点ダービク村(アレッポ県)を包囲(2016年10月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍と有志連合の支援を受ける反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)がダーイシュ(イスラーム国)の拠点の一つダービク村を包囲した。

Kull-na Shuraka', October 15, 2016
Kull-na Shuraka’, October 15, 2016



「ユーフラテスの盾」に参加する武装集団とトルコ軍はダービク村近郊の村々を砲撃、タラーリーン村、フール・ナフル村、タッル・イスタブル村に迫撃砲弾が着弾した。

またトルコ軍戦車部隊と航空部隊の援護を受けた反体制武装集団はダービク村制圧に向けて攻勢を強めた。

これにより、反体制武装集団は、ガイトゥーン村、アルシャーフ村、ガイラーニーヤ村からダーイシュを掃討し、スーラーン・アアザーズ町とダービク村を結ぶ街道を寸断、ダービク村を封鎖したという。

また、クッルナー・シュラカー(10月15日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室は、ダーイシュとの戦闘の末、ダービク村近郊のアイトゥーン村、アルシャーフ村、ガイラーニーヤ村を制圧、ダービクに対して三方から攻撃を開始したという。

シリア人権監視団によると、ダーイシュはヒムス県、およびアレッポ県東部などの前線から戦闘員1,200人以上をダービク村一帯に派遣、またダーイシュの中心拠点であるラッカ市では、ダービク村での血戦に向けてダーイシュにバイアを誓うようモスクの説教師らが呼びかけていたという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東カラムーン地方で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団が交戦した。

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