ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、国営のイフバーリーヤ・チャンネルのインタビューに応じ、志願制に基づく専門的な軍を構築し、忠実な兵士を迎え入れるための作業が進行中であると語り、既に130個部隊を再編成し、そのすべてを国防省の管轄下に移したことを明らかにした。
アブー・カスラ国防大臣、軍機構が国家と国民を守る国家軍へと抜本的な転換を遂げているとしたうえで、再編成の段階は最終段階に入り、完全な組織化と専門化に向かっていると述べた。
アブー・カスラ国防大臣は、「我々は(前政権)軍を継承はしない。忠誠心ではなく、国民的規律と能力を基盤に再構築している」と強調、これまで数ヵ月にわたって、国内の軍構成を全面的に見直してきたと付言した。
再編の結果として、軍の作戦遂行能力が向上し、武装混乱や前線の分裂に悩まされていた地域の安全も安定しつつあるという。指示に従わなかった一部の部隊は解散または統合の対象となった。
軍と他の国家機関との関係については、内務省や同総合治安局と連携し、未登録武器の問題や前政権の「残党」の摘発など、主要な治安課題に取り組んでいると説明、「真の安定は、任務を終えて兵舎に戻る、規律ある軍があってこそ可能だ」と述べた。
同時に、改革の第2段階も始動させ、階級制度とID登録制度の整備、軍内部の行政・専門枠組みの強化を通じて、暫定的な革命軍から持続的な国家軍への移行を目指すとしたうえで、「新しい軍は科学的な基盤に立ち、無秩序な構成は排除される。演説ではなく能力に基づいて軍を築く」と語った。
離反士官に関しては、次の二つに分類しているという。
革命期にも軍務を継続していた士官。士官局で面接を受け、約半数がすでに復職済み。残りは翌月中に復帰予定。
過去数年間、私的な理由で軍務に就いていなかった士官。現在その記録を精査中で、必要に応じて復帰させる意向。
さらに、アブー・カスラ国防大臣は、戦争で損傷した軍の教育機関(士官学校や専門学院)を再建中であり、現実と近代的防衛ニーズに即したカリキュラムへと見直していると述べた。
現在、軍教育機関は10校に及び、多様な専門を有する人材を養成しているという。
昇進制度については、軍務に従事してきた革命士官を対象に、軍歴や任務、試験結果に基づいて専門委員会が審査を行うとし、士官学校を卒業した新任指揮官には特別昇進枠が設けられると説明した。
アブー・カスラ国防大臣は、「改革は士官だけでなく、一般兵士や要員も対象である」と明言、専門訓練や能力向上のための研修プログラムも進行中であり、「情熱ではなく、専門性と職業意識で構築される軍を目指す」と強調した。
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