『エルサレム・ポスト』:イスラエル軍がガザ地区での作戦中にハマースとアサド前政権との「直接的なつながり」を示す文書を発見したと発表(2025年11月21日)

『エルサレム・ポスト』は、イスラエル軍がガザ地区での作戦中に、ハマースとアサド前政権との「直接的なつながり」を示す文書を発見したと発表した。

これらの文書には、ハマースの政治局長を務めていた故ヤフヤー・シンワール氏や故イスマーイール・ハニーヤ氏、ヒズブッラー前指導者の故ハサン・ナスルッラー氏、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団の司令官の1人の個モハンマド・サイード・イーザディー准将らが交わした往復書簡が含まれている。

シンワール氏はある書簡の中で次のように記していたという。

シリアは、我々にとって避難の拠点であり、建設と展開のための不可欠な空間である。シリアの体制が存続することは極めて重要だ。シリアを通じて、我々は「クドス枢軸」(抵抗枢軸)の抵抗計画に参加できる。

発見された文書には、イーザディー准将、ハマースとヒズブッラーの関係者が出席した会合の議事録も含まれており、将来的な協力に対する世論の反発を最小化しながら、これらの組織とアサド政権の関係を再構築する方法が協議されていたことが示されている。

また、アサド前大統領とパレスチナ諸派との会合を設定し、ハマースへの注目を減らすための動きが取られていたことも明らかになった。

こうした動きと並行して、ハニーヤ氏はアサド政権に対して、シリアで拘束されているパレスチナ人の釈放を要請、「関係再構築に対する世論の反発を和らげる助けになる」と主張した。

別の書簡では、ハマース指導部に近い宗教指導者が、ハマースがアサド政権との関係を再構築したことに対するアラブ諸国の批判を非難し、次のように記していたという。

我々は、ハマースに対して、イラクでイランに、シリアでアサド政権に、そして(イエメンで)フーシー派に対抗することを期待している。ハマースはいかなる友好関係や協力関係もこれらの勢力と結んではならない…。そうすることは、戦略的な堕落であり、最終的にはハマース崩壊へとつながるだけだ。

(C)青山弘之 All rights reserved.

前政権とつながりがあり、捕虜交換で主導的な役割を担ってきたヒシャーム・フザーミー氏がアレッポ市で何者かによって銃で撃たれて死亡(2025年10月17日)


アレッポ県では、シリア人権監視団によると、前政権とつながりがあるヒシャーム・フザーミー氏がアレッポ市のフルカーン地区で何者かによって銃で撃たれて死亡した。

イナブ・バラディーによると、フザーミー氏は、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市出身で、前政権やイラン・イスラーム革命防衛隊傘下の民兵の代表兼交渉仲介者として活動し、2016年12月26日に行われたシリア軍のラーミー・ハミードゥーシュ大尉とシャーム自由人イスラーム運動指導者のハサン・スーファーン氏らの捕虜交換などで主要な役割を果たしてきた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権の当局は、前政権崩壊時に拘束し、ヒムス中央刑務所に収監していた軍人ら約50人を釈放(2025年10月14日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の当局はヒムス中央刑務所に収監していた約50人を釈放した。

釈放された者の大半は軍人で、前政権崩壊直後から約10ヵ月間拘束されていた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ラジャート地方のドゥワイラ村出身の若者が羊の放牧中に何者かの発砲を受け、死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、スバイナ町の製粉所内で爆発が発生し、2人が死亡した。

**

アレッポ県では、SANAによると、県の麻薬取締局支部が、麻薬取引に関与していた3人を逮捕、カプタゴン錠剤および大麻樹脂を押収した。

**

イドリブ県では、イナブ・バラディーによると、ハーン・シャイフーン市で、自由アレッポ大学法学部の講師で弁護士のムスリム・ユースフ博士が暗殺未遂に遭った。

**

ロイター通信は、アサド前政権は2019年から2021年にかけて、クタイファ市近郊にあった国内最大規模の集団墓地の一つから、数万体に及ぶ遺体をトラックで運び出し、ダマスカス東方の砂漠地帯にある極秘の再埋葬地に移送する隠密作戦を実施していたことが明らかになったと伝えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権ネットワークは移行期正義国民機構と会合を行ったと発表(2025年9月4日)

シリア人権ネットワークは、報道声明を出し、3日に首都ダマスカスの事務所で、移行期正義国民機構と会合を行ったと発表した。

移行期正義国民機構からはアブドゥルバースィト・アブドゥッラティーフ委員長ら、シリア人権ネットワークからはファーデル・アブドゥルガニー代表らが出席、移行期正義の課題に焦点に議論が行われ、シリア人権ネットワークは、2011年以降の人権侵害事例などのデータベースを活用する用意があると述べた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ブルハーン・ガルユーン氏はシャルア移行期政権が暴力と挑発によって宗派間対立を煽り、最終的に国家そのものが一つの「部族・暴力集団」と化したと批判(2025年8月11日)

ブルハーン・ガルユーン氏は、アラビー・ジャディードに「現代シリアにおける統治と国家の危機の根源」と題した論説を寄稿した。

論説のなかで、ガルユーン氏は、沿岸部、ダマスカス郊外県アシュラフィーヤト・サフナーヤー市、スワイダー県での大虐殺をアフマド・シャルア移行期政権の「重大な過ち」としたうえで、権力の形態を「集団・部族」の論理に基づくものと、「国家」の論理に基づくものに分類、後者が国家崩壊と法の支配喪失をもたらし、混乱と暴力を助長すると指摘した。

シリア革命は、「集団・部族」の論理に基づいていたバアス党政権の崩壊を実現したものの、移行期政権は暴力と挑発によって宗派間対立を煽り、最終的に国家そのものが一つの「部族・暴力集団」と化したしたうえで、そのなかで連邦制や分権制といった論理が、既得権保護の隠れ蓑となっていると批判、シリアが独立以来続く「部族の論理」と「国家の論理」の混交がもたらす「腐敗」から脱しない限り、国家崩壊と内戦・分裂の連鎖は続くと述べた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ムスリム同胞団は現代的な文民国家をイスラームの基盤のもとに建設する過程を成功させるようシャルア移行期政権を支援することを確認(2025年8月7日)

シリア・ムスリム同胞団は、声明を出し、シューラー評議会第4回定例会議の議決について発表した。

声明は、シリア革命におけるシリア国民とアフマド・シャラア暫定大統領の勝利に祝意を示したうえで、第4回定例会議で以下を議決したと発表した。
結論した。
1. シリアの統一の確認
2. 現代的な文民国家をイスラームの基盤のもとに建設する過程を成功させるよう移行期政権を支援。
3. 移行期の正義の必要性
4. 宗派間の共生の促進
5. 独立した中道イスラーム運動として、シリア国民の尊厳と未来を守るために活動する姿勢の確認
6. イスラエルの侵略非難
7. 難民帰還の呼びかけと制裁解除要求
8. イスラエルや一部諸国が進める分離主義的計画に警告
9. イランの介入警告
10. パレスチナ支援
11. トルコへの謝意
12. カタールへの謝意
13. サウジアラビアへの謝意
14. ヨルダンなどへの謝意

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・イスラーム評議会は設立目的を達成したとして解散を宣言(2025年6月28日)

シリア・イスラーム評議会(2014年設立)はHPで、その設立目的を達成したとして、評議会およびシリア・ファトワー評議会およびシリア朗誦者評議会などすべてのその傘下組織を解散すると宣言した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

旧政権に対する反体制指導者の1人のジョルジュ・サブラー氏が帰国(2025年6月7日)

シリア人権監視団によると、旧政権に対する反体制指導者の1人のジョルジュ・サブラー氏が帰国し、ダマスカス国際空港で支持者らの出迎えを受けた。

サブラー氏は1947年、ヒムス県生まれ。ギリシャ正教徒。

人民民主党(旧シリア共産党政治局派)書記長、シリア国民評議会代表、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)幹部を歴任。



(C)青山弘之 All rights reserved.

ハダス・チャンネル(アラビーヤ・チャンネル):「シャルア移行期政権は6月3日のシリア領内からゴラン高原へのロケット弾攻撃に関与していない」(2025年6月5日)

ハダス・チャンネル(アラビーヤ・チャンネル)は、6月3日のシリア領からゴラン高原に対する砲撃に関して、イスラエル治安筋が「アフマド・シャルア移行期政権はこの事件に関与していない」と伝えた。

同筋は、イスラエルへのロケット弾攻撃が「予想されていたことだ」としたうえで、「イラン、ヒズブッラー、アサド前大統領の支持者らが、シリアの安定を妨害しようとしている」と強調した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国防省はムハンマド・ハイル・ハサン・シュアイブ准将を少将に昇進させ、国防副大臣に任命したと発表(2025年6月1日)

国防省は、ムハンマド・ハイル・ハサン・シュアイブ准将を少将に昇進させ、国防副大臣に任命したと発表した。

シュアイブ国防副大臣は、1977年、イドリブ県タフタナーズ市生まれ。

シャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)のアブー・バクル・スィッディーク旅団の司令官を務め、タフタナーズ航空基地解放作戦(2013年)、アブー・ズフール航空基地解放作戦(2015年)、アリースの戦い(2016年)、アレッポ市解囲作戦(2016年)に参加した。

また、2019年から2024年には、中央作戦司令室の指揮官を務め、攻撃抑止作戦を立案した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カバワート社会問題労働大臣:「どこに行っても、「あなた方の大統領はテロリストだ」と言うのを耳にしますが、人々はかつてマンデラ氏をテロリストだと評してきたことを指摘したい」(2025年6月1日)

レヴァント24シリア人権監視団によると、ヒンド・カバワート社会問題労働大臣はAPのインタビューに応じ、そのなかでアフマド・シャルア暫定大統領について次のように述べた。

どこに行っても、「あなた方の大統領はテロリストだ」と言うのを耳にします。
一つだけ指摘しておきたいのは、人々はかつてマンデラ氏をテロリストだと評してきました。
その後、彼は南アフリカを解放した最初指導者になりました。
その後、突如として、彼はテロリストではなくなりました。
彼らは、南アフリカに与えたものと同じ機会を私たちに与えてくれた。


(C)青山弘之 All rights reserved.

インティペンデント・アラビーヤ:トルキスタン・イスラーム党が解体され、シャルア移行期政権の国防省が新設したシリア軍の第84旅団に編入される(2025年6月1日)

インティペンデント・アラビーヤは、トルキスタン・イスラーム党がアフマド・シャルア移行期政権の国防省が新設したシリア軍の第84旅団に編入されたと伝えた。

記事によると、トルキスタン・イスラーム党は、5月17日にムルハフ・アブー・カスラ国防大臣が国防省が創設した新シリア軍に参加していないすべての武装勢力に対し、10日以内に統合するよう通告した3日後の5月20日に解体され、国防省の傘下に入ることを受け入れた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県マサーキン・バルザ地区で、アルコールを販売している商店2件が覆面姿の4人の武装グループの襲撃を受け、商品などを破壊・放火される(2025年6月1日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マサーキン・バルザ地区でアルコールを販売している商店2件が覆面姿の4人の武装グループの襲撃を受け、商品などを破壊され、放火された。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、2日前に内務省総合治安局に逮捕された。

また、カタナー市で3日前にアフマド・シャルア移行期政権の国防省と内務省の予備部隊によって逮捕された若い男性2人が即決処刑され、死亡した。

シリア人権監視団によると、臨床検査室の経営者のラアファト・アリー・イスビル氏が即決処刑され、家族が県内の病院で遺体を発見した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期内閣の国防省と内務省の予備部隊がタッル・アブドゥルアズィーズ村のアラウィー派の住宅を強襲し、1人を即決処刑した。

ムーサー・フーラ村で正体不明の武装グループによって撃たれて重傷を追っていた14歳の青年が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マリク・アーディル街道で正体不明の武装グループがアラウィー派の大学教授を銃で撃ち殺害した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市近郊の砂漠地帯で身元不明の3人が遺体で発見された。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市でアブー・ライルの名で知られている元反体制武装組織(解放の暁旅団)のリーダーのマーヒル・ラッバード氏が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

また、この時に巻き添えとなって若い男性1人と子ども1人、さらに学生1人も撃たれて死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア地域民主自治局の使節団が首都ダマスカスで3月10日のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官とアフマド・シャルア暫定大統領の協定の履行について、シャルア移行期政権側と協議(2025年6月1日)

ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の使節団が首都ダマスカスで、3月10日のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官とアフマド・シャルア暫定大統領の協定の履行について、シャルア移行期政権側と協議を行った。


使節団は、ファウザ・ユースフ民主統一党(PYD)党首委員会メンバー、アブドゥルハーミド・ミフバーシュ・シリア・ムスタクバル党共同党首、アフマド・ユースフ北・東シリア地域民主自治局財務委員会共同委員長、サンハリーブ・バルスーム・スィルヤーニー連合党共同党首、スーズダール・ハーッジーシリア民主軍総司令部メンバー、マリヤム・イブラーヒーム北・東シリア地域民主自治局社会問題勤労者委員会共同議長(報道官)、ヤースィル・スライマーン北・東シリア地域民主自治局民主諸人民議会共同副議長(報道官)からなる。

**

ANHAによると、会合後、北・東シリア地域民主自治局の使節団とシャルア移行期政権の代表は共同声明を出した。


シリア民主軍との合意実施を担当する委員会のメンバーであるズィヤード・アーイシュ准将によると、共同声明の内容は以下の通り。

本日(日曜日)、委員会とシリア民主軍の代表団との正式会合が開催された。
会談は、国家の利益を共有する責任感と真摯な雰囲気の中で行われた。
会談では、2025年3月10日にアフマド・シャルア暫定大統領とマズルーム・アブディー総司令官の間で署名された協定の履行に向けて、専門の小委員会を設置することで合意した。
会談ではまた、試験制度および試験会場に関する懸案の解決策を協議し、学生の権利と教育プロセスの安全を確保する方向で一致した。
さらに、避難民の帰還促進、および障害の除去に向けた方策についても議論がなされた。
加えて、アレッポ市内のアシュラフィーヤ地区およびシャイフ・マクスード地区に関する協定の再活性化と安定維持に向けた取り組みを行うことで合意した。
両者は、シリアの統一と主権を守ること、および治安と安定を実現するという共通の目的に向けた継続的対話と協力に対する決意を再確認、今後の実施状況を検討する次回会合を近く開催することで合意した。






(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領は各省の次官を任命する大統領令を発令(2025年6月1日)

アフマド・シャルア暫定大統領は、イード・アル=アドハー(犠牲祭)を祝して、国家公務員を対象に一度限りの特別給付金の支給(現役公務員50万SP、退職者30万SP)を定めた2025年政令第68号を施行した。

**

大統領府はすべての官公庁に対し、6月6日から9日までの間をイード・アル=アドハー(犠牲祭)休暇とする旨を通達した。

**

アフマド・シャルア暫定大統領は、国家行政学院(INA)卒業生の配属・割り当てを行うための恒久委員会の設置を定める大統領令第46号を発令した。

**

アフマド・シャルア暫定大統領は、モハンマド・ハイール・ハサン・シュアイブ少将を国防副大臣に任命する大統領令第47号を発令した。

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第51、52、53号を発令し、以下の地方行政環境省次官3人を任命した。
2025年大統領令第51号:ムハンマド・ヤースィル・ガザール技術担当次官
2025年大統領令第52号:ザーフィル・ムハンマド・ウマル行政担当次官
2025年大統領令第53号:ユースフ・ハッサーン・シャラフ環境担当次官補

**

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第48、49、50号を発布し、以下の宗教関係省次官3人を任命した。
2025年大統領令第48号:アナス・ムーサー宗教教育担当次官
2025年大統領令第49号:サーミル・バイラクダール宗教財産担当次官
2025年大統領令第50号:ディヤーッディーン・バルシャ宗教業務担当次官

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第55号を発布し、ルナー・アフマド・ルアイ・ラジャブ氏を文化省の遺産考古担当次官に任命した。

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第56号を発布し、フサーム・アフマド・ハッラーク氏を緊急事態災害大臣の計画制度効率担当次官に任命した。

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第60号を発布し、アブドゥー・ムハンマド・バシール・マハッリー氏を保健省薬事担当次官に任命した。

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第64号を発布し、ムスタファー・ムハンマド・カースィム氏を司法省の司法担当次官に任命した。

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第65号を発布し、ハッサーン・ユースフ・トゥルバ氏を検事総長に任命した。

アフマド・シャルア暫定大統領は、大統領令第61号を発布し、ユースフ・サットゥーフ・アナーン氏を教育養育省教育業務担当次官に任命した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領および随行団がミシュアル・アフマド・ジャービル・サバーハ首長の招待を受けクウェートを訪問(2025年6月1日)

アフマド・シャルア暫定大統領および随行団が、クウェートのミシュアル・アフマド・ジャービル・サバーハ首長の招待を受け、クウェートを訪問した。


クウェートに到着したシャルア暫定大統領はクウェート市内のバヤーン宮殿でミシュアル首長と会談した。


アフマド・シャルア大統領はまた、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣と、クウェートのファフド・ユースフ・サウード・サバーハ副首相兼内務大臣、アブドゥッラー・アリー・ヤフヤー外務大臣とバヤーン宮殿で会談を行い、両国の協力・調整強化の方策を協議した。

シャルア暫定大統領とシャイバーニ外務在外居住者大臣は、さらにクウェート在住のシリア人実業家たちと面会し、シリア国内の開発プロジェクトおよび投資機会について意見交換を行った。

また、クウェート在住のシリア人コミュニティ代表らとも面会した。


訪問終了後、シャルア暫定大統領は、ミシュアル首長に感謝のメッセージを送付した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領のインタビュー記事が『ジューイッシュ・ジャーナル』に掲載:「シリアとイスラエルには共通の敵がいる」(2025年5月31日)

『ジューイッシュ・ジャーナル』は、アフマド・シャルア暫定大統領へのインタビューを行ったジョナサン・バース氏の記事を掲載した。

記事中のシャルア暫定大統領の発言は以下の通り。

我々はゼロから始めているのではない。深淵から始めているのだ。
我々が受け継いだのは瓦礫だけではない。心の傷、不信、疲弊もだ。だが同時に希望も残されていた。脆いが、確かに存在する希望だ。
まっさらな状態だと語るのは不誠実だ。過去は、すべての人の目の中に、すべての通りに、すべての家族に、今もなお存在している。だが私たちの責任は、その過去を繰り返さないことだ。たとえより穏やかなかたちであっても。それではいけない。まったく新しいものを創り出さなければならないのだ。
もし私ひとりしか話していないのなら、それはシリアが何も学んでいないということだ。我々はあらゆる声をテーブルに招いている。世俗派も、宗教者も、部族も、学者も、農村も都市も。国家は、これからは命令するのではなく聞かなければならないのだ。
私は信頼を求めているのではない。私は忍耐と監視を求めている。私を、そしてこのプロセスを“問い続けてほしい”。そこから信頼は生まれる。
働くことで得られる尊厳、そして目的をもった平和(が求められているの)だ。
これ(緊急経済プログラム)はもはやイデオロギーではない。人々にここにとどまる理由、生きる理由、信じる理由を与えることだ。
安定したシリアは、演説やスローガンでは築けない。市場で、教室で、農場で、工房での行動によって築かれるのだ。我々はサプライチェーンを再構築する。シリアは再び交易と商業の拠点となるだろう。
職がある若者が1人いれば、それだけで過激化のリスクは1人減る。学校に通う子どもは、それ自体が未来への一票だ。
はっきりさせておきたい。報復の連鎖は終わらせるべきだ。空が恐怖に満ちていては、どの国も繁栄しない。現実には、我々には共通の敵がいる。地域の安全保障において、両国は主導的な役割を果たし得る。
シリアのドゥルーズ派は駒ではない。彼らは市民であり、歴史的に忠誠を誓ってきた。そして法の下であらゆる保護を受けるべきだ。その安全は交渉の対象にならない。
平和は恐怖によってではなく、相互の尊重によって築かれなければならない。誠実さと共存への明確な道筋がある場所でのみ対話に応じる。そうでなければ退く。
メディアがどう描こうと、私は彼(トランプ大統領)を平和の人と見ている。我々は同じ敵に撃たれてきた。トランプ大統領はレバレッジと力、そして結果を理解している。シリアには率直な仲介者が必要だ。もし地域の安定や米国およびその同盟国の安全に資する一致点があるなら、私はその対話に臨む覚悟がある。彼こそがこの地域を一つにまとめ、レンガ一つずつで築き直せる唯一の人物だ。
これ(復興)はおとぎ話ではない。回復だ。そして回復は痛みを伴うものだ。
シリアの主権はシリア人の合意から始まる。
我々は駒にも、要塞にもならない。正統性によって統治される国家を目指す。米国とは、統治、汚職撲滅、正直さと誠実さに基づく制度構築で協力していきたい。
私は支配するためにこの地位を求めたのではない。この歴史を他人任せにして破壊されるよりは、自ら書く側になりたかったのだ。我々には成功しか選択肢がない。シリアを再び偉大な国にしなければならない。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムラースィルーン:アブドッラヒーム・アトゥーン師(アブー・アブドゥッラー・シャーミー)が大統領府宗教問題顧問室の室長に任命される(2025年5月31日)

ムラースィルーン(Syrian Reporters)は、アブドッラヒーム・アトゥーン師(アブー・アブドゥッラー・シャーミー)が大統領府宗教問題顧問室の室長に任命する大統領令が発布されたと伝えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民軍所属の「スンナの鷹」がラッカ県スルーク町の住居複数件を襲撃し、ナイーム部族と交戦(2025年5月31日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア国民軍所属の「スンナの鷹」がスルーク町の住居複数件を襲撃し、ナイーム部族と交戦、4人が負傷した。

襲撃したのはアブー・ムジャーヒド・スクールなる人物が率いる部隊。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県ウルード地区で30歳代のアラウィー派の住民1人が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡(2025年5月31日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ウルード地区で30歳代のアラウィー派の住民1人が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、東カラク村とムサイフラ町間で、占領下ゴラン高原出身の若い男性が何者かによって殺害され、遺体で発見された。

また、ムサイフラ町では、若者グループが住宅1件を襲撃し、住民1人を殺害した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マアルーナ村に至る街道で、イランの支援を受けてタッル市で住民のシーア派への改宗などに従事していた同市在住のパレスチナ人が何ものかによって殺害された。

また、ダマスカス郊外県カタナー市で29日に逮捕された10人のうち1人が、アフマド・シャルア移行期政権の拘留施設で拷問を受け死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市マシャーア・フルースィーヤ地区で正体不明の武装グループが住民1人を銃で撃ち殺害した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アイフィール村で正体不明の武装グループが住宅1件を襲撃、1人を殺害した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハムダーニーヤ地区で正体不明の武装グループが住民1人を銃で撃ち殺害した。

**

SANAによると、ハサカ県では、ヨーロッパ諸国向けに密輸されようとしていた大量の大麻が発見、押収された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアのファイサル外務大臣率いる上級代表団をシリアを訪問し、シャルア暫定大統領、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣と会談、ウマイヤ大モスクを訪問(2025年5月31日)

SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン・ビン・アブドゥッラー・アール・サウード外務大臣率いる上級代表団をダマスカス国際空港で出迎え、その後会談を行った。

ファイサル外務大臣ら一行はまた、アフマド・シャルア暫定大統領とも会談を行った。

会談後の共同記者会見で、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は以下の通り述べた。

経済・エネルギー分野を中心に多数の課題について協議した。シリア解放後の制裁解除を含むサウジアラビアの支援に深く感謝する。
制裁解除は出発点であり、我々は市民サービスの提供に向け、真剣な措置を講じており、2日前には電力供給用ガス確保のため、国際企業との契約を締結した。
シリアにおける我々が選んだのは経済主権であり、サウジアラビアとのパートナーシップの力は共通の利益のなかに秘められている。
シリアの再建は外部から押し付けられるものではなく、シリア国民自身によって進められる。我々はこの分野へのあらゆる貢献を歓迎する。
新しいシリアのアイデンティティとは、兄弟たるアラブ諸国と友人たちの間に自然な立ち位置を取り戻すことである。

これに対して、ファイサル外務大臣は以下の通り述べた。

兄弟国としての協力関係を反映するかたちで、二国間協力の強化の機会を検討した。
制裁解除は経済を後押しし、シリア国民の生活改善に寄与する。
我々の制裁解除への貢献は、兄弟が兄弟の側に立つという姿勢の表れであり、我々はこれを継続してシリアとその国民を支援する。
シリアには多くの可能性があり、国民は創造力と建設力に富み、自国の再建を成し遂げる力を有している。我々はその支援を惜しまない。


その後、ファイサル外務大臣は、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣とともに、首都ダマスカス旧市街のウマイヤド大モスクを訪問した。

**

シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのクリスティン・ベイカーリー中東・北アフリカ地域副代表率いる代表団と会談し、共通の課題について協議した。

**

シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は、国連開発計画(UNDP)スディビト・ムカルジー常駐代表と会談し、シリアとの開発・人道支援分野での協力強化、復興支援に向けた国連との連携拡大について協議した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロイター通信:ロシアはアサド政権崩壊後もシリアへの石油・天然ガスの供給を継続、その量は石油が約2600万バレル、天然ガスが35万メトリック・トンに(2025年5月30日)

ロイター通信は、ロシアがアサド政権崩壊後もシリアへの石油・天然ガスの供給を続けており、その量は石油が約2600万バレル、天然ガスが35万メトリック・トンに達していると伝えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー市、ラアス・アイン市で欧州連合(EU)がムハンマド・フサイン・ジャースィム、サイフ・ブーラード・アブー・バクルを新たに制裁対象に追加したことに抗議するデモ(2025年5月30日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアースィー広場で、欧州連合(EU)がムハンマド・フサイン・ジャースィム(スルタン・スライマーン・シャー旅団司令官)、サイフ・ブーラード・アブー・バクル(ハムザ師団司令官)を新たに制裁対象に追加したことに抗議するデモが行われた。

**

また、トルコ占領下の「平和の泉」地域の拠点都市の一つハサカ県ラアス・アイン市でも同様の抗議デモが行われた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国防省と内務省の予備部隊がダマスカス郊外県カトナー市でドゥルーズ派の住民6人を逮捕(2025年5月30日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアルバイーン地区とバルナーウィー地区で若い男性2人が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

また、マアッル・シュフール村に至る街道で若い男性1人の遺体が発見された。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、国防省と内務省の予備部隊がカトナー市でドゥルーズ派の住民6人を逮捕した。

6人のうち4人は18歳未満の少女。

**

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、内務治安部隊がバールマーヤー村で住宅複数件を強襲し、住民2人を逮捕した。

内務治安部隊はまた、ハッラーブ村を強襲し、バアス党の班指導部の書記長ら5人を逮捕した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カーズィミーヤ村で正体不明の武装グループがシーア派住民1人を誘拐、その後殺害した。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー県との県境から何ものかがスワイダー市に向かって砲撃を行い、複数回の爆発が確認された。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市で、武装し軍服を来た男性がアラウィー派の若い男性2人を銃で撃ち殺害した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領は定例閣議を開催(2025年5月30日)

SANAによると、共和国大統領府は、アフマド・シャルア暫定大統領が定例閣議を開催したと発表した。

閣議会議では、各大臣がこれまでの業務遂行に関する最新の進展および課題を報告し、国民の利益を実現し、国家の復興と発展の歩みを加速させるため、大統領とともに各省庁間の協力強化の方策について協議を行った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

日本の外務省は工業銀行など4行への制裁解除を決定したと発表(2025年5月30日)

日本の林芳正官房長官は記者会見で、定例閣議において、岩屋毅外務大臣より「シリアのアル・アサド大統領及びその関係者等に対する資産凍結等の措置」の一部解除について発言があり、これを了解したと発表した。

これに関して、外務省はHPで、「シリアのアル・アサド大統領及びその関係者等に対する資産凍結等の措置」の一部解除について以下の通り発表した。

我が国は、これまで、国際平和のための国際的な努力に寄与するため、「シリアのアル・アサド大統領及びその関係者等に対する資産凍結等の措置」を講じてきました。
今般、シリアをめぐる現下の情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、閣議了解「『シリアのアル・アサド大統領及びその関係者等に対する資産凍結等の措置』の一部解除について」(令和7年5月30日付)を行い、これに基づき、次の措置を実施することとしました。

措置の内容
外務省告示(5月30日公布)により、下記2の団体に対する資産凍結等の措置を解除する。
資産凍結等の措置を解除する団体
インダストリアル・バンク(工業銀行、Industrial Bank)
ポピュラー・クレジット・バンク(国民信託銀行、Popular Credit Bank)
貯蓄銀行(Saving Bank)
農業協同組合銀行(Agricultural Cooperative Bank)
(注)今回の措置により、「シリアのアル・アサド大統領及びその関係者等に対する資産凍結等の措置」の対象は合計59個人・31団体となる。
(外務・財務・経済産業省)

シリアの銀行4行に対する制裁を開示することを決定したと発表した。

**

SANAによると、外務在外居住者省は声明を出し、日本政府がシリアの4つの銀行に対する制裁を解除する決定をしたことに歓迎の意を示した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国防省は行動規範軍規則リストを発表(2025年5月30日)

SANAによると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、国防省本部で、軍事大学を統括する指導部の士官らと会談した。

**

SANAによると、国防省は行動規範軍規則リストを発表した。
リストの内容は以下の通り:
軍人の行動規範および軍規則リスト
前文:
軍務は単なる職業ではなく、高潔な使命と重大な国家的責任を伴う名誉である。
新シリア軍の構成員が、シリア・アラブ共和国およびその誇り高き国民の名に恥じぬよう行動することを確保するため、本規範はすべての軍人の行動を倫理的かつ制度的に規律する指針として定めるものであり、戦時・平時を問わず、また任務の内外を問わず、その階級・職責に関係なく適用される。
本規範の目的は、軍紀、法令遵守、権利および自由の尊重を徹底し、専門的かつ国家的責務を果たす軍の構築を図ることにある。軍の第一義的な使命は、国家と国民の保護、国家主権と領土の統一を維持し、あらゆる安全保障上の脅威に対抗することである。

基本的価値観:
シリア社会に根ざした良識ある道徳を世代を超えて堅持すること。
規律と軍の階層構造への敬意が、組織的軍務の基礎であるとの確信。
軍は国家の柱、防衛の要であり、国民の信頼と国家の統一・安全を守る希望の象徴であるとする認識。

軍人の基本的義務:
1. 国家の防衛、主権および領土の統一を擁護すること。
2. 国家および国民の安全のために自己を犠牲にすること。
3. あらゆる状況下において、特に子どもおよび女性を含む民間人を保護すること。
4. 合法な命令を厳格に実行すること。
5. 軍事および民間の効力を有する法令および規則を尊重すること。
6. 公私の財産を保全すること。
7. 国民を宗教、人種、肌の色、所属に基づく差別なく、尊厳と敬意をもって扱うこと。
8. 戦闘、捕虜、負傷者などの敵性要素との接触および任務遂行に際して、人権の基準および軍規を遵守すること。

禁止事項:
1. 合法な軍令への違反または拒否。
2. 民間人に対するいかなる形態の暴行、加害。
3. 公共財または私有財への損害。
4. 市民間におけるあらゆる差別行為。
5. 国家の統一または社会的安寧を脅かすスローガンや言動の発出。
6. 権限を私的利益のために濫用すること。
7. 作戦中における拘束者または被拘禁者の侮辱。拘束者は、関係機関へ尊厳をもって法に従い引き渡されなければならない。
8. 軍事機密または機密性の高い情報の漏洩。
9. 正式な許可なしに軍事施設または作戦の撮影を行うこと。
10. 国防省の許可なくメディアへの発言や情報の公表を行うこと。
11. 武装部隊が活動する社会における公共道徳または社会的慣習への違反。

(C)青山弘之 All rights reserved.

外務在外居住者省はシャイバーニー外務在外居住者大臣の事務室の新たな人事を発表(2025年5月30日)

SANAによると、外務在外居住者省は、以下の通りアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣の事務室の新たな人事を発表した。
ムフスィン・マフバーシュ:大臣事務所長
イブラーヒーム・ムハンマド・カイム:大臣補
ハーディー・スフナイニー:儀典秘書課長
ムハンマド・ヤアクーブ・ウマル氏:執行室長
ウバーダ・ディヤーブ:戦略企画室長
ユースフ・フジュル:外務室長
ラッザーン・サフール:メディア広報顧問
ルバー・ムハイスィン:国際協力顧問
イブラーヒーム・アリー:法務顧問、化学兵器および制裁解除問題担当官
ザフラ・バラーズィー:法務顧問、移行期正義担当官
サーリー・シューバト:国連問題特別担当官

(C)青山弘之 All rights reserved.