2015年11月1日(日)から10日(火曜)までのシリアをめぐる主な動きは以下の通り。
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1. 米軍による散発的空爆が続くなか、シリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)に対して攻勢、またダイル・ザウル県の「穏健な反体制派」が「新シリア軍」の結成を発表
米軍(主導の有志連合)がハサカ県、アレッポ県北部(「安全地帯」)、ダイル・ザウル県で散発的な空爆を続けるなか、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がハサカ県フール町一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に攻勢を開始、米軍の航空支援もあいまって、同地の複数の村、農村などを制圧した。
米国は、ブレット・マクガーク上級補佐官がイラン・クルディスタン地域で人民防衛隊、民主統一党の代表と会談し、シリア了解での連携強化をめざしたが、現地では、米軍がシリア民主軍拠点を誤爆し、友軍の将兵45人が死亡した。
また、ダイル・ザウル県では5日、所属不明の戦闘機が、ブーカマール市中心街のダーイシュ拠点を空爆、民間人など71人が死亡した。
この空爆に関して、クッルナー・シュラカーは、ロシア軍の空爆によると断じたが、同日には有志連合が同地に異例の大規模空爆を行っている。
一方、2014年7月にダーイシュがダイル・ザウル県で勢力を拡大して以降、県外に逃れていた「自由シリア軍」を名乗るアサーラ・ワ・タンミヤ戦線が宣伝ビデオを出し、「新シリア軍」を名乗る新たな軍事連合組織の結成を発表し、ダーイシュ殲滅への意思を表明した。
ビデオのなかで、「新シリア軍」を直る戦闘員は、「あらゆる近代兵器、特殊兵器の使用について優れた教練」を受けたとして、米軍による支援を示唆したが、司令官のハズアル・スィルハーン氏は「新シリア軍の銃は、すべての誠実なるムジャーヒディーンの銃とともにある」と述べ、ダーイシュ以外のジハード主義武装集団との連携の可能性を示唆した。
(主な関連記事)
■米主導の有志連合はシリア領内で9回の空爆を実施(2015年11月1日)
■米主導の有志連合はシリア領内で7回の空爆を実施(2015年11月2日)
■シリア民主軍がハサカ県でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、複数の村を制圧(2015年11月2日)
■米主導の有志連合はシリア領内で6回の空爆を実施(2015年11月3日)
■オバマ米政権の対ダーイシュ(イスラーム国)戦略担当上級補佐官がイラクでPYD、YPG幹部と会談(2015年11月3日)
■米主導の有志連合はシリア領内で3回の空爆を実施(2015年11月4日)
■米主導の有志連合がYPG主体のシリア民主軍拠点を誤爆し、戦闘員45人が死亡(2015年11月5日)
■米主導の有志連合は、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)などシリア領内各所で9回の空爆を実施(2015年11月5日)
■米国防省:米軍はシリア民主軍の航空支援を17回にわたって実施(2015年11月5日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で20回の空爆を実施(2015年11月6日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で12回の空爆を実施(2015年11月7日)
■ハサカ市南部でのダーイシュ(イスラーム国)とYPGの戦闘激化に呼応するかたちでシリア軍が同地で砲撃を実施(2015年11月7日)
■米空軍中央司令部「空爆回数の減少は天候悪化と地上作戦の停滞が原因で、ロシア軍の空爆が理由ではない」(2015年11月7日)
■5日のアブーカマール市(ダイル・ザウル県)中心街に設置されたダーイシュ本部への所属不明の戦闘機による空爆での死者数は71人に(2015年11月7日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で13回の空爆を実施(2015年11月8日)
■ハサカ市南部でアラブ系部族が「砂漠の鷹旅団」を新たに結成し、シリア民主軍に参加(2015年11月8日)
■カーター米国防長官「ISILと戦う意思、能力、動機があるグループをさらに見出せば、我々はより多くのことをする」(2015年11月8日)
■シリアの外務在外居住者省は米国主導の有志連合がシリア政府の同意を得ずに領内で空爆を行い、インフラを破壊していると非難(2015年11月9日)
■ダイル・ザウル県の「穏健な反体制派」が新たな武装連合組織「新シリア軍」を結成、「誠実なムジャーヒディーン」との共闘を宣言(2015年11月9日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で15回の空爆を実施(2015年11月9日)
■イスラエルのネタニヤフ首相「安全保障のため、対シリア国境でアル=カーイダと特別な関係を築いている」(2015年11月9日)
■フランスのル・ドリアン国防大臣「フランス軍は8日晩、ダイル・ザウル県郊外にあるダーイシュ(イスラーム国)の石油配給地点を空爆した」(2015年11月9日)
■米主導の有志連合はハサカ県などで11回の空爆を実施(2015年11月10日)
2. アル=カーイダのザワーヒリー氏は、イドリブ県に幹部を派遣し、ダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線の統合を模索か?
アル=カーイダの最高指導者アイマン・ザワーヒリー氏が音声声明を出し、世界中、なかでもシリアのムジャーヒディーンに対して、内部の戦いを止め、米国、ロシア、イラン、アサド政権、ヒズブッラーとの戦いで共闘するよう呼びかける一方、『クドス・アラビー』紙は、アル=カーイダに近い複数の消息筋の話として、アル=カーイダのエジプト人幹部(シューラー会議メンバー)の一人サイフ・アドル氏が、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線の統合をすべく、イドリブ県に派遣された、と伝えた。
(主な関連記事)
■アル=カーイダのザワーヒリー指導者が米国、ロシア、イラン、シーア派、アラウィー派の攻撃に対抗するよう呼びかける(2015年11月1日)
■アル=カーイダのザワーヒリー氏がダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線の統合に向けて幹部を派遣(2015年11月3日)
3. アル=カーイダ系組織がシリア軍に対して反撃に転じるなか、カイロで新たな軍事連合組織「最高軍事評議会」の設置に向け協議
ロシア軍のシリア空爆開始以降、反転攻勢に転じていたシリア軍に対して、アル=カーイダ系組織を主体とする反体制武装集団がラタキア県、ハマー県北部、アレッポ市南部で反撃に転じた。
ラタキア県ラタキア県ガマーム村一帯、バンジーラ山一帯では、シリア軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が一進一退の攻防を続けるなか、アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構は、ハマー県北部におけるシリア軍の牙城ムーリク市を制圧、またイドリブ県境のアトシャーン村一帯も奪還した。
こうしたなか、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、離反士官がカイロで「最高軍事評議会」設置の協議し、反体制派糾合のイニシアチブを握ろうとした。
一方、シリア軍(そしてロシア軍)は、ダマスカス郊外県東グータ地方(ダーライヤー市、ドゥーマー市)での空爆、攻撃を激化させ、ドゥーマー市では20人以上が死亡、これに対して反体制武装集団はラタキア市を迫撃砲で攻撃し、20人以上が死亡した。
(主な関連記事)
■アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動と「穏健な反体制派」が共同声明でトルコ総選挙でのAKPの勝利に祝意(2015年11月1日)
■ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)へのシリア軍の空爆を避けるため、イスラーム軍は捕捉したシリア軍将兵とその妻を「人間の盾」として利用(2015年11月1日)
■シリア軍がヌスラ戦線などとの戦闘の末にアレッポ市南部の戦略的要衝を制圧(2015年11月1日)
■シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、離反士官がカイロで秘密会合を開き、「最高軍事評議会」設置について協議(2015年11月2日)
■反体制武装集団がラタキア県北部、アレッポ市南部の要衝を奪還(2015年11月2日)
■シリア軍がダーライヤー市一帯を激しく攻撃(2015年11月3日)
■ダマスカス郊外県、アレッポ県でのシリア軍とロシア軍の攻撃で40人以上が死亡:ハマー県では反体制武装集団がシリア軍のMiG21を撃墜か(2015年11月4日)
■アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などがダーイシュ(イスラーム国)との戦闘猶予で合意に向かいつつも、依然として対立(2015年11月5日)
■アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構がハマー県北部のシリア政府の要衝都市ムーリク市を制圧(2015年11月5日)
■ロシア軍の航空支援の甲斐なくシリア軍が再び劣勢か?:シャーム自由人イスラーム運動などがハマー県北部アトシャーン村一帯、ウスマーン丘軍事基地を制圧、ヌスラ戦線などもアレッポ市南部のサービキーヤ村一帯に進軍(2015年11月6日)
■反体制派は10月にシリア軍戦車123輌を破壊、1ヶ月間での戦果としては過去最大(2015年11月7日)
■シリア人権ネットワークはシリア軍の樽爆弾で10月だけで69人が死亡したと発表、一方、5日に有志連合が空爆を実施したブーカマール市での犠牲者は71人(2015年11月8日)
■ロシア軍戦闘機は6~8日までの3日間で137回出撃し、448の標的を破壊する一方、シリア軍戦闘機は98回出撃し、反体制武装集団の司令拠点、車輌などを破壊(2015年11月9日)
■アレッポ市南部、ハマー県北部でシリア軍とアル=カーイダ系組織の攻防続く(2015年11月9日)
■ラタキア市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し22人が死亡、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)ではシリア軍の空爆・砲撃で15人が死亡(2015年11月10日)
4. シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)との戦闘でヒムス県マヒーン町を喪失するも、アレッポ市とサラミーヤ市(ハマー県)を結ぶ唯一の兵站路などを奪還
ヒムス県マヒーン町では、シリア政府と「国民和解」(停戦)していた地元の武装集団の裏切りにより、ダーイシュ(イスラーム軍)が同町のシリア軍を撤退に追い込み、同町一帯を制圧した。
しかし、シリア軍は、アレッポ市とサラミーヤ市(ハマー県)を結ぶ街道(ハナースィル市・イスリヤー村街道)を奪還し、アレッポ市に至る唯一の兵站路を確保、またアレッポ市東部では、シャイフ・アフマド村を制圧し、クワイリス航空基地に対するダーイシュの包囲解除に成功した。
一方、アレッポ県におけるダーイシュの拠点都市の一つバーブ市では、所属不明の戦闘機の空爆により、10人以上が犠牲となった。
(主な関連記事)
■ダーイシュ(イスラーム国)は、シリア政府と和解していた地元の武装組織と連携してヒムス市のマヒーン町を制圧(2015年11月1日)
■ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線がアレッポ市郊外工業団地地区のシリア軍拠点を奇襲する一方、ラッカ市のダーイシュ拠点・検問所が激しい空爆を受ける(2015年11月3日)
■シリア軍がダーイシュとの戦闘の末、アレッポ市にいたる唯一の兵站路を奪還:ヒムス県ではロシア軍と思われる戦闘機の空爆で住民23人とダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が死亡(2015年11月4日)
■ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市が所属不明の戦闘機の空爆を受け、10人が死亡(2015年11月8日)
■シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末シャイフ・アフマド村一帯(アレッポ市)を完全制圧、ダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地に迫る(2015年11月9日)
■アサド大統領はクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲解除を受け、包囲解除作戦を指揮する「虎」ことスハイル・ハサン大佐らに電話で祝意を伝える(2015年11月10日)
■シリア軍がアレッポ市東部のクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲解除に成功(2015年11月10日)
5. ウィーン3会議に向け、各国の動きが活発化
ロシアは、13日にオーストリアの首都ウィーンで予定されているシリア紛争関係当事国による外相会議(ウィーン3会議)に向け、シリアの反体制派を「テロ組織」と「合法的な反体制派」に峻別する動きを活発化させる一方、英仏は、シリア革命反体制勢力国民連立(通称シリア国民連合)のハーリド・ハウジャ代表と会談し、同組織を軸とした反体制派の糾合を試みた。
一方、シリア政府(ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣)は、ウィーン声明において示された移行期構想を否定、イランもアサド大統領の進退に諸外国が干渉することに異議を唱えた。
(主な関連記事)
■デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がシリアでムアッリム外務在外居住者大臣と会談し、ウィーンでの外相会合について報告(2015年11月1日)
■イランの最高指導者ハーメネイー師「アサド大統領の進退に関して諸外国が干渉することは受け入れられない」(2015年11月1日)
■民主的変革国民調整委員会はウィーンでの外相会合の成果に支持を表明(2015年11月2日)
■ミクダード外務在外居住者副大臣はウィーン声明が求める移行期を拒否(2015年11月3日)
■ロシアのボグダノフ外務副大臣、「モスクワ3」を来週開催すると発表(2015年11月3日)
■イランのヴェラーヤティー最高指導者国際問題担当上級顧問「シリア情勢をめぐって米国とは協力しない」(2015年11月4日)
■ロシアのラブロフ外務大臣「シリアをめぐる会合が開催される前に我々は誰が「穏健な反体制派」で誰がテロリストなのかを明確にしなければならない」(2015年11月4日)
■シリア国民連合は英外相と会談し「シリアの未来においてアサドの居場所はない」ことを確認(2015年11月5日)
■イスラーム過激化を主体とする「自由シリア軍」49組織は、「自由シリア軍」29組織がロシアとの会談に同意したとの報道を否定(2015年11月6日)
■イランのラリージャーニー国会議長「シリアとイエメンにおける危機の同時解決に向けた政治改革は諸外国の会議ではなく、国民の意見に沿って行われるべき」(2015年11月7日)
■シリア国民連合のハウジャ代表はフランスのファビウス外相、デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表と相次いで会談し「反体制派統合における基本的役割を担う」ことを強調(2015年11月7日)
■「ウィーン3会議」に向け、ロシアがシリアの反体制派を「テロ組織」と「合法的な反体制組織」に峻別(2015年11月7日)
■ロイター通信:ロシアは18ヶ月に期間を限定した「立憲改革プロセス」(移行プロセス)をシリア政府に提案か?(2015年11月10日)
6. ロシア軍による空爆続くなか、米・ロシア両軍がシリア領空で初の合同訓練を実施
ロシア軍によるシリア領内での空爆が出撃回数1,600回を越える一方、ダマスカス郊外県(ドゥーマー市)、アレッポ県(アレッポ市南部)、ヒムス県(タドムル市一帯)、ラッカ県(ラッカ市)、イドリブ県(マアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市)などで、ロシア軍の空爆で民間人らが犠牲になったとの報道が相次いだ。
その一方、ロシア軍はシリア領内での作戦で米軍と偶発的な衝突を回避するため、米軍と初の合同訓練を行った。
(主な関連記事)
■ロシア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市(ヒムス県)を13回にわたり空爆(2015年11月2日)
■ロシア軍の出撃回数が1,600回を越える(2015年11月3日)
■ロシア空軍はシリア領空で初の合同訓練を実施する一方、反体制派の情報をもとにテロリストを空爆(2015年11月3日)
■ダマスカス郊外県、アレッポ県でのシリア軍とロシア軍の攻撃で40人以上が死亡:ハマー県では反体制武装集団がシリア軍のMiG21を撃墜か(2015年11月4日)
■ロシア軍がUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するタドムル市一帯を激しく空爆する一方、ダイル・ザウル県では所属不明の戦闘機の空爆で住民19人が死亡(2015年11月5日)
■ロシア国防省:ロシア軍は過去2日で81回の空爆を実施し、国際テロ組織の施設263カ所を破壊(2015年11月5日)
■クッルナー・シュラカー:シリアの空軍情報部は民間・人道関連施設を軍事施設と偽ってロシア側に伝え空爆させる(2015年11月5日)
■ロシア軍がラッカ市を空爆し、ダーイシュ(戦闘員)15人と民間人27人が死亡(2015年11月6日)
■ロシア軍と思われる戦闘機がイスラーム軍の本拠地ドゥーマー市を空爆し21人が死亡:反体制派が地下トンネルを爆破し、UNESCO世界文化遺産のアレッポ城の一部が破損か?(2015年11月7日)
■イドリブ県各所をロシア軍と思われる戦闘機が空爆し、10人以上が死亡、シリア軍がアレッポ市南部の複数の村を制圧(2015年11月8日)
■ロシア軍戦闘機は6~8日までの3日間で137回出撃し、448の標的を破壊する一方、シリア軍戦闘機は98回出撃し、反体制武装集団の司令拠点、車輌などを破壊(2015年11月9日)
■ロシア軍は過去3日間にシリア領内で137回の空爆を実施(2015年11月9日)
■ロシア軍は過去2日間で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市(アレッポ県)などに対して85回の空爆を実施(2015年11月10日)
7. OPCW がアレッポ県北部、イドリブ県でマスタード・ガス、塩素ガスが兵器として使用されたと断定
化学兵器禁止機関(OPCW)は、2015年8月にアレッポ県北部の「安全地帯」でのダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団との戦闘でマスタード・ガスが使用された事実を確認したと発表する一方、イドリブ県の反体制派支配地域でも2015年3月に、シリア軍とアル=カーイダ系武装集団との戦闘で塩素ガスが使用されたと断定した。
OPCWは、これらの化学兵器が誰によって使用されたかについては明言していない。
(主な関連記事)
■OPCW匿名高官:米軍(有志連合)、「穏健な反体制派」、アル=カーイダ系組織、ダーイシュ(イスラーム国)が混戦するアレッポ県北部地域で8月にマスタード・ガスが使用された事実を確認(2015年11月5日)
■OPCWはアレッポ県北部(8月)とイドリブ県(3月)でマスタード・ガス、塩素ガスが使用されたと断定(2015年11月6日)
■ロシア人現役および退役軍人3人が使用するSNSアカウントがシリア領内で利用(2015年11月8日)
8. トルコ軍がシリア領内のダーイシュ(イスラーム国)に対して異例の空爆を行う一方、YPG拠点への攻撃を続ける
トルコ軍は、アレッポ県北部の「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を実施し、同地で地上作戦を行うトルクメン人戦闘員を航空支援した。
トルコ軍がシリア領内のダーイシュを攻撃するのは、きわめて異例。
しかし、トルコ軍はその一方で、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に対して
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■トルコ軍がラッカ県タッル・アブヤド市のYPG拠点を攻撃(2015年11月1日)
■トルコ軍がアレッポ県北部の「安全地帯」内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を初めて空爆、地上ではトルクメン人の武装集団がダーイシュと交戦(2015年11月1日)
■トルコ軍はシリア領内のYPG拠点への攻撃を継続(2015年11月3日)
■トルコ軍がタッル・アブヤド市西部郊外の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点を越境攻撃(2015年11月8日)
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