東グータ地方の人道回廊を通じてパキスタン人夫婦2人が退去、住民は依然として退去せず(2018年3月1日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、パキスタン人2人が、シリア軍によってワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を通じて、シリア政府支配地域に退去し、パキスタン大使館の職員に保護された。

AFP(3月2日付)によると、退去したのはムハンマド・ファドル・アクラムさん(73歳)と妻のサグラーンさんで、1974年からドゥーマー市に居住していた。

シリア赤新月社の匿名消息筋によると、2人は27日に退去したという。

SANA(3月1日付)によると、2月27、28日に引き続き、シリア赤新月社が、反体制武装集団が活動を続ける東グータ地方の住民を搬送するため、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊で待機を続けたが、住民の退去は行われていなかった。

しかし、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、この間も同地一帯への砲撃を続けたという。

これに関して、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センター高官は、武装集団が人道回廊を砲撃したと非難している。

だが、ドゥラル・シャーミーヤ(3月2日付)によると、イスラーム軍、ラフマーン軍団は人道回廊一帯への砲撃を否定している。

なお、『ハヤート』(3月2日付)によると、人道回廊には、ロシア軍士官も待機し、壁には、アサド大統領の写真とともに、ヴラジミール・プーチン大統領の写真も貼られているという。

SANA, March 1, 2018

AFP, March 1, 2018、ANHA, March 1, 2018、AP, March 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2018、al-Hayat, March 2, 2018、Reuters, March 1, 2018、SANA, March 1, 2018、UPI, March 1, 2018などをもとに作成。

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