東グータ地方でシリア軍とイスラーム軍、「彼らが不正を働いた」作戦司令室がそれぞれ交戦(2018年3月7日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月7日付)によると、シリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動)、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などからなる「彼らが不正を働いた」作戦司令室が、バイルーニー病院、警察病院などが隣接する病院地区でシリア軍と交戦した。

イスラーム軍も、ドゥーマー市近郊のアッブ農場一帯でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(3月7日付)によると、シリア軍は、バイト・サワー村、ムハンマディーヤ町一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

SANA(3月8日付)によると、シリア軍は「砂漠自由人大隊」を名乗る武装集団が本営として使用していたヨーグルト工場を制圧した。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がミスラーバー市を激しく爆撃・砲撃した。

同監視団によると、シリア軍は、親政権民兵約700人(アフガン人、パレスチナ人、シリア人)を東グータ地方の各前線に新たに派遣したという。

SANAによると、これに対して東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団は、バイルーニー病院、警察病院、ジャルマーナー市、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを砲撃した。

このほか、SANA(3月6日付)は、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を通じた住民の避難が、東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が退去を阻止しているために実現しなかったと伝えた。

他方、ダマスカス県・ダマスカス郊外県革命指導評議会のヤースィル・カーディリー議長はビデオ声明を出し、ロシア・シリア両軍の攻撃から東グータ地方を防衛するため、総動員を発令すると発表した。

al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018

また、イスラーム軍のハムザ・ビールクダール報道官はテレグラムを通じて声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方での停戦をめぐってロシアとの間に交渉を行っているとの情報を否定した。

ビールクダール報道官は「ロシアとの間に交渉もなければ、我々とロシアとの間で合意が成立したとのSNSの情報は正しくない」と述べた。

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ダマスカス県では、SANA(3月7日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がバーブ・トゥーマ地区、アマーラ地区に着弾した。

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アレッポ県では、SANA(3月7日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がアレッポ市ブスターン・カスル地区に着弾し、女性2人が負傷した。

一方、アナトリア通信(3月7日付)によると、シリア政府とムンタスィル・ビッラー軍団が捕虜交換を行い、シリア政府側が戦闘員とその家族10人を、ムンタスィル・ビッラー軍団側がシリア軍兵士9人をそれぞれ解放した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月7日付)によると、ロシア・シリア両軍がジスル・シュグール市、ガッサーニーヤ村などを爆撃し、3人が死亡した。

AFP, March 7, 2018、Anadolu Ajansı, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、March 8, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

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