ダマスカス郊外県では、SANA(4月18日付)によると、東カラムーン地方で活動を続けてきた反体制武装集団の一つイスラーム軍の戦闘員約1,500人とその家族約3,500人が、ロシア仲介によるシリア政府との停戦合意に従い、重火器・中火器を放棄し、ドゥマイル市からシリア政府によって準備された大型バスに分乗し、トルコが実質占領するアレッポ県ジャラーブルス市方面に退去した。
**
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(4月18日付)が複数の現地消息筋の話として伝えたところによると、ロシア・シリア両軍の戦闘機が17日晩から18日にかけて、東カラムーン山地やマフサー地区一帯を激しく爆撃した。
これは、停戦受諾を拒否する反体制武装集団(シャーム解放軍、革命特殊任務軍団など)に降伏を迫るため。
また、『ハヤート』(4月19日付)が反体制派に近い複数の消息筋の話として伝えたところによると、ドゥマイル市での停戦に向けた交渉に参加していた反体制派の交渉委員会の代表を務めるシャーヒル・ジュムア氏(アブー・アフマド)が何者かに撃たれて死亡した。
同行していたフサイン・シャアバーン氏も負傷した。
これに関して、イスラーム軍のドゥマイル市広報局長を務めるマルワーン・カーディー氏は政権が送り込んだファフリー・ガドバーンなる人物の犯行だと非難した。
AFP, April 18, 2018、ANHA, April 18, 2018、AP, April 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2018、al-Hayat, April 19, 2018、Reuters, April 18, 2018、SANA, April 18, 2018、UPI, April 18, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.