ロジャヴァによる強制徴用に対する抗議デモがハサカ市で発生(2018年5月26日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月26日付)、ハーブール(5月26日付)、SANA(5月26日付)などによると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)が分割統治(共同支配)するハサカ県のグワイラーン地区と西ヌシューワ地区で、ロジャヴァの治安部隊であるアサーイシュに対する抗議デモが行われ、住民多数が抗議した。

デモは、アサーイシュが25日深夜、西ヌシューワ地区の住宅街で強制捜査を行い、若者3人を拘束・連行したことを受けて発生、ロジャヴァの支配下にあるヌシューワ地区、グワイラーン地区、タラーイア地区、アズィーズィーヤ地区で住民数百人が抗議行動を行い、ロジャヴァによる強制徴用に反対の意思を表明した。

これを受け、アサーイシュは西ヌシューワ地区などで厳戒態勢を敷き、検問所で、老人3人を含む複数人を逮捕した。

一方、SANAによると、タッル・ブラーク町近郊のスマイハーン村や県内の主要幹線道路の検問所でも、アサーイシュが若者を拘束しているという。

また、反体制系のユーフラテス・ポスト(5月26日付)も、ロジャヴァを主導する民主統一党(PYD)の「民兵」がハサカ県のサッド避難民キャンプで強制捜査を行い、多数を拘束したほか、飲料水などの提供を中止するなどして避難民に制裁を加えたと伝えた。

なお、カーミシュリー市でも、タッル・ハミース市の住民がアサーイシュによる子息16人の逮捕に抗議してデモを行った。

al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、Euphrates Post, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、al-Khabur, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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