シャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室がロシア軍士官との停戦交渉を再開するなか、シャーム解放機構は停戦を「ハラーム中のハラーム」と批判(2018年7月3日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、ロシア側代表団と県南部で活動を続けている反体制武装集団の停戦交渉が再開された。

交渉はロシア側の要請によるものだという。

これに関して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団によって構成される南部中央作戦司令室のイブラーヒーム・ジャバーウィー報道官はロイター通信(7月3日付)に対して、「反体制派の交渉人が今日(3日)、ロシア軍士官とシリア南部の和平合意に向けた協議を再開した」と述べた。

ジャバーウィー報道官によると、反体制派側は、武器引き渡しや戦闘員の処遇に関してロシア側が提示していた要求リストへの回答を交渉の席に持参しているという。

 

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、ナワー最高司法評議会は声明を出し、反体制武装集団に対して、シリア政府との停戦・和解に応じないよう警告、停戦・和解に応じた場合は「前線の法廷で裁判にかける」と脅迫、徹底抗戦を呼びかけた。

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また、シャーム解放機構の幹部の一人で説教師のアブドゥッラッザーク・マフディー氏はテレグラムの自身のアカウントを通じてダルアー県での戦闘にかかるファトワーを出し、そのなかで、ロシアを保障国とするシリア政府との和解を「降伏に他ならず、ハラーム中のハラーム」とする判断を下した。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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