シリア軍はシャーム解放機構、国民解放戦線による和解支持者粛清への対抗措置としてイドリブ県、ハマー県、アレッポ県への攻撃を激化(2018年8月10日)

ドゥラル・シャーミーヤ(8月10日付)によると、シリア軍は、シャーム解放機構、国民解放戦線がイドリブ県、ハマー県、アレッポ県で、シリア政府との和解を支持する住民らの摘発への対抗措置として、三県への攻撃を激化させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ラターミナ町、カフルズィーター市、ハスラーヤー村、ザカート村、ジャナービラ村、マアルカバ村、サイヤード村、ウスマーン丘、ハウワーシュ村を砲撃した。

その数は8日以降で165回以上に及んでいるという。

また、ANHA(8月9日付)によると、砲撃はジューリーン村、カフルヌブーダ町、タッル・サフル村一帯にも及んだ。

一方、SANA(8月10日付)によると、シリア軍がイドリブ県との県境一帯で活動を続けるトルキスタン・イスラーム党の拠点に対して攻撃を行った。

攻撃は、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、ズィヤーラ町に対して集中的に行われた。

ANHA, August 10, 2018

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はタマーニア町、スカイク丘一帯を40回以上にわたり「樽爆弾」などで爆撃、ANHA(8月9日付)によると、タマーニア町などを砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月10日付)によると、爆撃はハーン・シャイフーン市、タッフ村にも行われた。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月10日付)によると、シリア軍の攻撃で、住民少なくとも9人が死亡、数十人が負傷したという。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月10日付)が複数の地元消息筋の話として伝えたところによると、ロシア軍がアウラム・クブラー町に対して爆撃を行い、住民20人が死亡、数十人が負傷した(シリア人権監視団によると、子供3人を含む14人が死亡)。

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シリア人権監視団(8月12日付)によると、10日のシリア軍の攻撃による死者数は、子供25人を含む41人にのぼったという。

AFP, August 10, 2018、ANHA, August 10, 2018、AP, August 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 10, 2018、al-Hayat, August 11, 2018、Reuters, August 10, 2018、SANA, August 10, 2018、UPI, August 10, 2018などをもとに作成。

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